死神の幻想   作:エヌラス

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最近の作者
・ドゥエロ難しい。あとこれを他の友達に伝える時にどういうアダルト??って聞かれます。お前ら初めてドゥエロ聞いた時の月歌かよって思ってしまった

・天鎖斬月買った、めちゃくちゃ楽しい。虚化も完全虚化も、最後の月牙天衝モードもめっちゃ楽しくて永遠に遊んでる。この話書いてる時も左手には天鎖斬月が握られているとかいないとか……

の2点でございます



96.フェーズ6__それぞれの1歩

 

「…っっ!!」「ッ……!!」

 

右、左、上、下、言葉にするのが難しいものだが、とにかく四方八方からその攻撃はやってくる。黒崎一護は”天鎖斬月”を振るいなんとか躱し攻撃を跳ね返していく。

 

蔵里見もまた、自分の攻撃を打ち返された後にやってくる四方八方からの凄まじい速度の斬撃を躱し、打ち返していた。

 

(コイツ…速ぇ…!!白河にも小笠原にも引けを取らねぇ…ぞ!!)

 

 

(これにも反応出来るのかい…、もう少し攻め方を考えてみるものかねぇ…)

 

 

「…」

 

こんな時間にアリーナの申請が届き、半分呆れていた七海も気が付けばその戦いに気を取られて見入っていた。もちろんデータ収集も怠ってはいなかったが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの中で一番強い金属と金属がぶつかる音が響き、お互いの顔を火花が散らす。そのままギリギリと鍔迫り合いへと持ち込まれていた。

 

「アンタ、このタイプの武器を使う人間と戦ったことがあんのかい…!?」

 

意外__と言わんばかりの表情をする蔵が目の前の一護へと言葉をなげかける。

 

「過去に数回だけだけどなっ…!!」

 

話し終えると同時に拮抗状態から抜け出すべく一護は天鎖斬月を上へと振るう。蔵が持つ鎌形のセラフはその行動に対応出来ず大きく上へと弾き出された。

 

「甘いよっ!___ていやっ!」

 

「あばぁっ…!?」

 

だが鎌が手から離れても、蔵はその場に立つ。そのまま黒崎一護の頭目掛け精一杯の手刀を繰り出した。予想外からの一撃にギャグ漫画なら目玉がかなり飛び出しそうになる顔をしながら地に伏せる一護。

 

「ほいさっと…!」

 

そんな一護を蹴り飛ばし後ろへと距離を取った蔵。

 

風1つ靡かせず着地する蔵に対して一護は情けなく地面へと倒れ込んだ。

 

「いって…わざわざ蹴る必要ねぇだろ…!?」

 

「これも戦略ってやつさ、わかったかい?」

 

「クソッ…言ってろ…!」

 

鎌をクルクルと器用に回しながら笑う蔵、一護も手から落ちた天鎖斬月を拾い上げ再び構え直す。

 

だが蔵は1度電子軍人手帳を一瞥するとセラフを消滅させた。

 

「どうした??」

 

「アンタ、時間見た方がいいよ」

 

突然のことに頭にハテナを浮かべる一護に、蔵が呆れながら指を指す。言われたままに電子軍人手帳をみた一護は…………

 

 

「もう朝じゃねぇか……」

 

 

と呟いたのだった。

 

 

 

___________________

 

 

 

「今からフェーズ6の訓練よ、撤退までの掃討戦だから難易度は低いわ。今まで通りに的確に役目を果たしなさい…落ち着けばあなた達にはこなせるはずよ。」

 

いつも通りに集まり、手塚司令官からの言葉を聞く31Aと一護。

 

「……はぁ」

 

「大丈夫?一護さん」

 

「…ん?、ああ…」

 

だがその中で1人だけ、黒崎一護だけは訓練が始まる前から疲労困憊と言った顔と立ち方をしていた。隣に立っていた朝倉可憐が声を掛けてくる。その返答すら1字1句に”疲れた”という擬音がついていそうな物だった。

 

「貴方に関しては自業自得というヤツね、しっかり訓練には参加してもらうわよ」

 

「まさか夜中まで特訓しとったん言うんか…!?」

 

「何たる努力家…!!」

 

勝手に色々想像されたのか、逢川めぐみや國見タマからとんでもない眼差しを向けられる。

 

(言えねぇ、ただのストレス発散とかいうのに付き合わされたなんて口が裂けても言えねぇよ…!!)

 

そう内心思いながら目の前の手塚司令官へと言葉を投げる一護。

 

「まぁ…アンタなら知らねぇ訳ねぇよな」

 

「ええ」

 

「__分かってる、俺は俺のやるべきことをやるだけだ」

 

「…そう、それならいいのだけれど」

 

一護の返答に一瞬だけ手塚司令官の目が見開かれる。それに気づいたのは東城つかさだけだった。

 

 

_____________

 

 

訓練のフィールドが展開された途端、目の前には割と多めのキャンサー達だった。

 

「あークソ!!ラク出来ると思ったのに!!」

 

「月歌さん、叫んだら___」

 

その現場を見た途端月歌が子供のように叫ぶ。その叫びにキャンサーが反応しこちらへと走り寄ってくる。

 

「お前が叫ぶから捕捉されたぞー」

 

「月歌!!自分のせいで一気に来よった…!!」

 

「ぎぃえああああああっ!!!」

 

「そっちの方が都合が良い…!!キリングタイムじゃあああっ!!」

 

 

「おいおい……」

 

様々なキャンサーが襲いかかる中、それぞれが戦闘を始めていく。そんな中一護は目の前の光景に呆気にとられていた。

 

31Aの全員は言ってることはバラバラだが戦闘を始めれば凄まじい連携を見せていたのだ。和泉と月歌の2人もデコボコはしているが戦闘が始まれば揉め合いを忘れたかのように息のあったコンビネーションを見せてくれる

 

その結果、一護は1人で後ろに立ちただ斬月を持っているだけだった。

 

(アイツの言う通りだったな、今までの俺は護る護るつって周りが見えてなかった…31Aは充分つえぇじゃねぇかよ)

 

そんなことを考えながら自然と笑みがこぼれた。何も心配することは無い。

 

 

「っ…!」

 

「國見ッ!」

 

そんな中、キャンサーのデフレクタを割った瞬間、カウンター攻撃を食らった國見が後ろへと仰け反る。後ろから広く見えていた一護がそれに気付き凄まじい速度で國見の前に立った。

 

「一護さん…!」

 

「大丈夫か?」

 

目の前のキャンサーは既にデフレクタが割れており、一護でも簡単に討伐することが出来た。そのまま手を伸ばし尻もちを着いたタマの手を取り立たせる。

 

「ありがとうございます!」

 

「おう」

 

「……一護さん!」

 

「なんだ?」

 

立たせた國見タマがパサパサと軍服を叩きながら一護を呼ぶ。

 

「元気になりましたね!」

 

「……ああ」

 

不意に投げかけられた言葉、一瞬だけ目を見開いた一護だがいつものように返答する。

 

「まだまだ戦えますよ!!不肖國見タマ、参ります!」

 

その返事に笑顔を作ったタマが、意気揚々とそう叫び一護の前へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「タマー!!!」

 

「ぎゃあああああっ!!!めぐみさあああん!!!」

 

 

 

 

その直後、中型キャンサーに追い掛け回されめぐみや月歌が助けに行ったのは別の話____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…疲れたー!」

 

「そろそろ一休みできそうだけれど…」

 

戦いが始まり暫くした時、周りのキャンサーはかなり数を減らし掃討戦も後半へと進んでいた。

 

流石に連戦に次ぐ連戦に消耗していた31A、月歌の言葉を皮切りに東城も言葉を出す。

 

「そうは言いたいがまだ来るぞ…!」

 

「うへー…」

 

「しっかりしろ部隊長…!」

 

和泉が座りこもうとしていた月歌を無理矢理立たせ目の前のキャンサーと戦闘を始める。

 

「今までより手強そうなキャンサーです…!!」

 

目の前にいるのはダイヤモンドアイ一体だったが、今の体力ではかなり苦戦を強いられそうな相手だった。その証拠に月歌達が速攻を仕掛ける前に相手の目の部分から光線が放たれる。

 

「っ…!!」「危ない…!」

 

「おおっ…!!」

 

前線に立っていたカレンと月歌が狙われたが、その光線が2人に届く前に一護が間に割って入った。

 

「今のうちだ…っ!!」

 

斬月を盾のように扱いダイヤモンドアイの攻撃を防ぐ一護。呆気に取られる31Aへと言葉をなげかける。

 

「皆行こうっ!!」

 

最初にハッとなった月歌が言葉を投げると、31Aも無条件にそれについて行く。大した信頼だった。

 

光線を放ち続けるキャンサーの右と左から近接セラフの面々が攻撃を仕掛け、一護の後ろから遠距離セラフの2人が攻撃を仕掛ける。

 

『__!!』

 

四方八方からの攻撃に堪らず、キャンサーは光線を吐くのを止め逃亡を測ろうとする。

 

 

 

「__させねぇよ」

 

 

 

だが後ろを振り返った先には卍解した黒崎一護が立っており敵前逃亡は失敗に終わる。

 

『___!!!』

 

ならばと言わんばかりに再び光線を放つエネルギーをチャージするキャンサー。だが目の前に立つ一護の顔は余裕だった。

 

「遅かったな、その前にアイツらがやるってんだよ」

 

そう言葉を吐いた次の瞬間、キャンサーの背後から31Aの面々が攻撃を仕掛けキャンサーを討伐した。

 

「あとちょいでデフレクタ割れて自分に攻撃任せられたんやけどな、折角の卍解が無駄に終わってもーてすまんな」

 

「なんでそんな哀れみを俺にむけんだよ…!距離感的に足止めするには卍解しねーと追いつけなかっただけだっての…」

 

戦闘が終わるに、1番近くにいた逢川めぐみが謝罪の体勢を取りながら話しかけてくる。

なんか突然向けられた哀れみに反抗しながらも一護の顔は少しばかり穏やかだった。

 

「それに俺の役目はお前らのアシストってやつだよ、俺ばっかがトドメ刺してたらいざって時にヤベーだろ」

 

「散々トドメ刺しといてよく言うな」

 

「やめろ」

 

今まで自分を掘り返されるのはあまり気分がいいものでは無いと思いつつ仲間の方へと振り返る。朝倉も東城もかなり消耗しているようで、肩で息をしていた。

 

「中々ハードだった…」

 

「でもまだポイントまでは距離があるわ…」

 

「あー!もう疲れたー!!」

 

「もうちょいで本番なんだぞ、そんなんで当日どうするんだよ…」

 

「だけどよ、この掃討戦もあのでけぇやつ倒した後にやるんだろ?お前らもかなり消耗してるんじゃねぇのか?」

 

「まぁそうだろうな、そこんとこはフラットハンドをちょいと退けてさっさと掃討戦に入りたいってね___その頃にはきっと…」

 

「どうしたんですか茅森さん?」

 

いつも通りに喋る月歌だったが、途中で言葉が出なくなったのか少しばかり俯いた。タマが心配そうに顔を伺う。

 

「ううん、なんでもない」

 

その言葉の意味を理解するのはこの中では恐らく月歌と一護だけだろう。東城が覚醒すれば話は別になるが…

 

「…?」

 

だがその東城も頭にハテナを浮かべており今は大丈夫だなと安堵する。ここでバラされて31A全員に突如知れ渡ってしまうのは忍びない。

 

(後で、アイツとは話さなきゃなんねぇな)

 

目の前の少女に、そんなことを思う一護だった。

 

 

 

 

 

 

 

____________

 

 

「…悪くないね」

 

一方同時刻、基地の食堂のキッチンの一部を借りていた蔵里見。毎日ここに来ては月城最中に振る舞う新作料理を考えていた。

 

だが今日は何となく、いつものように豪勢に振る舞うのではなく…彼女が一番好きだと言ってくれる塩おむすびを作っていた。

 

(…アイツの武器をうち合ってわかった。なんて真っ直ぐな想いで戦ってるんだいって思っちまったよ)

 

一護の斬魄刀に自らのセラフがぶつかる度に、目の前の真っ直ぐな目をした少年の心が蔵の心の中に流れ込んでくる。

 

少し前に打ち合った時には彼の心には様々な雑念が流れ、見るのも聞くのも耐えなかった。だが昨日打ち合った時には彼の信念___そんなものに触れた気がした。

 

そして触れ合っていく度に、自らが今までしてきた行動がなんて滑稽なのだろうと同時に思い知らされた。

 

全ては月城最中のため、そう言い聞かせて今まで動いていたのに……彼にもそれを伝えたのに。

 

目の前の男、黒崎一護は否定も侮蔑もしなかった。ただ真っ直ぐにこちらを見つめていた。

 

その目とその剣に蔵里見の心は動かされた。彼らならきっと軍の真実を知り、そして全員が生きて帰ってくると。その中にはきっと、無傷で立つ月城最中がいるのだと

 

(無骨で不器用で、あたいの気持ちにも気づいてくれない癖に…)

 

 

 

 

そんな彼女の目をつたう涙に気づく者は、きっと誰もいないだろう

 




気になったことがあるんですよね、お互いセラフの交換ってできるんですかねぇ……

例えばユッキーが至近距離で危ない時に月歌が一刀だけ投げてそれを受け取ったユッキーがその危機を脱する為だけに使う!的な感じで!!

できるならエモくていいなぁって、そう思いません??
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