繋がってしまった世界の整合性は取れるのか   作:干山 静玖

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 ――レセプションパーティーの3日前。

 

 7^3(トゥリニセッテ)の適合者3人が顔を合わせて最終的な打ち合わせを行う場には、それぞれの護衛はテーブルから離れた場所で、口の動きすらも視認できない距離に離しつつも、穏やかに一つの丸テーブルを囲うように、綱吉、白蘭、ユニの3人が向かい合って座っていた。

 

 3人の前には紅茶の入ったティーカップとケーキが載った皿があり、中央にはケーキスタンドまである。ほんの少し格式ばったアフタヌーンティーにしか見えないが、立派な情報交換の場である。

 

 3人の顔色は良いとは言えず、特に最近裏に籠りっぱなしになっていた白蘭は、「ケーキとかパフェとか食べてないとやってらんないよ…」といつものテンションを維持できないほど、疲労と色濃い隈を抱えていた。そのまま最後の打ち合わせまで終えた後、恒例の愚痴タイムになっていたのだが、その愚痴すらも出てこないほど3人は疲弊していた。

 

 重々しくため息をついて、お互いの苦労を労った後、「あーうん、言いたくなかったけど、くっついちゃった後からの説明、詳しく分かっちゃったから言ってもいい?」だなんて、いつもなら言わない『お伺い』を立てた白蘭に、さらに酷くなった頭痛と超直感に綱吉はもはや白目を剥きかけていた。そんな綱吉を見て、「すみません・・・。私からも言っておかないと、今後さらに面倒なことになる未来が見えてまして…」なんてユニにまで言われてしまえば、綱吉には聞くという選択肢しか残らなかった。

 

 綱吉は「もう好きにして…」と呟いて、覚悟を決めて二人の話を聞いた。二人は一度顔を見合わせた後、白蘭から先に口を開いて情報開示を行った。

 

 

 

「あのね、僕らがいた世界には7^3(トゥリニセッテ)っていう世界の基準というか、柱があったでしょ?

 

 くっついちゃった側の世界にも、似たような柱があることがわかったっていうのが、まず序盤の序盤の情報なんだけど、ここまで理解はいい?」

 

「あー…うん、理解した。…そんで嫌な予感は止まないね。コレ。もっとすっごい情報が分かったんだよね?…いっそ一思いに言っちゃって」

 

「ツナヨシクンにはほんとに悪いと思うんだけど、コレが僕とユニちゃんの共通認識なんだ。覚悟してね」

 

 

 

 疲れた笑いを浮かべたまま、白蘭は一つ深呼吸してから再び言葉を口に出す。

 

 

 

「そうだなあ…どうやってマイルドにしようかなぁ…。うーん…、あ!そうだ!例え話なんだけど、ボンゴレリングとマーレリングの能力が合わさったらどうなると思う?」

 

「―――なんて??え?何言ってんの?」

 

「例え話になるけど、ほんとに真剣に考えて!!お願い!!」

 

「ボンゴレリングは縦の時間軸、つまりは世界の歴史を司ってて、マーレリングは可能性のあった歴史を司ってる。両方が合わさってると、そりゃあ…世界が振り回されてもっと混沌になるよね??」

 

「うんそう。んでさ、僕らが察知したっていうくっついちゃった側の世界…長いし面倒だから、探偵多いし探偵世界とでもしておくけど、探偵世界の柱は大きな柱が2本、その内1本は少し小さめな柱が3本、くっつくように寄り添って1つの柱になってるんだ。つまり世界は4本の柱でできてる。

 

 その上で、それぞれの柱の歴史が、それぞれの柱の並行世界的なナニカになって、それらが合わさった上で、綺麗に一つの世界に纏まっちゃってるのが探偵世界なんだ」

 

「へー、ソーナンダァ・・・」

 

 

 

 もうその辺から綱吉は、超直感によって先の展開が読めてきてしまって、絶望の中に閉じ込められたような気がした。

 

 なんだそれ。さっきの例え話もそうだったけど、もしかしてそれって、それぞれの中心になってる4柱…4人の人間がいるということか。4って不吉な数字だなぁ…。それって俺たちの守護者もいない、柱になった人間が4人いて、それぞれ守護者がいない分さらに世界からの圧力が強くて、周りの人間が苦労しているってことか。

 

 そんなことを考えながら、ユニの方をちらりと見やれば、ユニは視線に気が付いて白蘭に「ここからは私が…」と言い出した。それに白蘭も「ウン、よろしく~」だなんて言ってから手元のケーキを無言で食べだす。

 

 

 

「さらにその柱に、面倒なアルコバレーノのような存在が、時折世界線を交えて現れるんです」

 

「‥‥‥なんだって???」

 

「この探偵世界とは別の、そして私たちのいた世界とも別の世界が、まるでアルコバレーノのように時折世界線を交えてしまっているんです…。だから、元の世界線に戻ったとしても、もしかしたら完全に世界線が戻りきることはなく、時折また世界線が交わってしまう可能性もある、ということが分かりました…!!」

 

 

 

 泣きそうな、というかじわりと眼に涙を浮かべたユニが一息に告げたその言葉に、もはや口から魂が抜けそうな気がしてきた綱吉は、一瞬意識を飛ばしてしまった。不可抗力だったといっても過言ではない。

 

 可愛そうにユニは、「どうしましょう…!」なんて言いながら顔を両手で覆ってさめざめと泣き始めた。

 

 白蘭も「僕もなきたい…」だなんて言って遠くを見ているし、その場はまさに混沌を極めた。

 

 

 さらに二人は意識が戻って来た綱吉に、世界の柱とされる4人の資料を渡した。

 

 4人とも裏とも表とも言い切れない存在だと知って、さらに綱吉は意識を飛ばしそうになったのを死ぬ気で堪えた。

 

 

 

「1人目は、小さめな柱の内で最も太い柱を司ってる、高校生探偵:工藤新一こと、現在キッドキラー:江戸川コナン。居候の小学1年生として幼馴染兼初恋の子の家にいる。

 

 ――主に、盗聴、プライバシーの侵害、道交法違反、薬事法違反(麻酔)、死体損壊扶助、捜査情報漏洩に外患誘致etc…?ナニコレ怖い。え、高校生…いや今は小学生だけど、いやどっちにしてもやっちゃだめでしょ!!しかも探偵だなんて言ってるけど、届け出も出してないなら名乗っちゃ駄目でしょ!?

 

 しかも高校生にもなって、仮にも探偵名乗ってるなら尚更、法律はきちんと勉強しましょう!!!!はい次!!」

 

「2人目は、小さめな柱の中の一つで、犯罪組織元幹部:ライこと、本職FBIの潜入捜査官:赤井秀一。現在は潜伏場所が燃えたため、工藤邸に匿われて生活をしている、東都大学工学部院生:沖矢昴を名乗っています。

 

 FBIなのに日本で捜査をしているだけでなく、日本の公安には一切連絡を入れておらず、その上で日本国民の死体損壊、公文書偽造、不法滞在、銃刀法違反(発砲含む)、現在の住居の隣に住む現在小学1年生になっている女性の盗聴、ストーキング…罪深すぎますよね」

 

「それに対して、3人目はかなり真っ当な方だし、苦労人過ぎると思うよ。ツナヨシクンが同情しそう。

 

 犯罪組織幹部:バーボンこと、アルバイター探偵:安室透こと、本職警察庁警備企画課・通称:公安(ゼロ)所属の潜入捜査官:降谷零。

 

 彼も色々犯罪してるけど、全部上司に報告してるし、彼自身けっこう抱え込みがちで死ぬ気で修羅場を全て乗り越えてるよ。しかも組織潜入中に4人の友人を次々と失くして、現在同期の桜は全て散っちゃった感じ。容姿も日本人離れしてるから、幼少期からいじめられていたみたい。結局努力でなんとか解決してるし、幸薄の極みみたいな感じだけど、やる時はほんとにすっごいやりきっちゃう、別の世界線のツナヨシクンって感じかな」

 

 

 

 ぺらぺらと紙を捲りながら、3人でそれぞれの紙を読み上げ、残った1枚を覗き込むようにする。

 

 

 

「最後の大きな柱は、現在高校生にして、二代目怪盗1412号こと怪盗キッド:黒羽快斗。

 

 ――いや高校生!!!今どきの高校生何してんの!?一人は探偵()で、もう一人は怪盗!?日本大丈夫!!?!」

 

「ここまで混沌としてる世界なんて、僕らの世界とどっちがマシなんだろうね」

 

「まあ、どちらにしても、裏世界に足を踏み入れてなければ、大差ないのではないでしょうか…?」

 

「「‥‥‥たしかに」」

 

 

 

 ――こうして綱吉は、4人の基礎情報を手に入れ、さらに詳しく調べてその4人のそれぞれの現在に、大声で「狂ってる!!世界の柱が狂っちゃってるうううう!!!」と叫んで、執務室内で大暴れしたため、執務室が木っ端みじんになった…。




誤字脱字や、全体の流れを修正する為に、手直し入るかもしれませんが、今のところ修正したら下記に追加していく予定です

以下読まなくてめ良い近況報告です



お久しぶりです、続きました

更新頻度まちまちですみません…!
頻度を上げていきたいと思いなぎらも、なかなか時間が取れない社会人一年目です…
一月2日は更新できるように頑張る所存ですので、暇つぶしに本当にのんびり待って頂けると幸いです…!
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