翌朝
警察が到着する前に逃走したアスカは警察からアツキとサクマが何者かに殺害されたと聞かされたがアスカは怪しまれたりしないような素振りで聞いていた。
アスカもニット帽と銃は処分した上に靴跡も残らないように靴にビニール袋を被せており、証拠が残らないようにしていた為、犯行がバレる事はなかった。
更に殺し屋の男の死体も石を抱かせて河に沈めたので先ず見つかることはない
アスカはジュンサーに見送られ、警察署から出よとしていた。
「お疲れ様でした。貴方はあの小屋に?」
「いえ、出て行きます」
「そう。また旅に?」
「あの」
「「?」」
「アスカさんですね?」
警察署から出ようとした矢先にスーツを着た男がアスカに話し掛けた。
「あなたは?」
「失礼しました。私は弁護士のラコマーと申します」
「弁護士?」
「はい。タゴツさんの遺言書を預かっております」
「え?」
アスカとラコマーは会議室に通され椅子に座った。
「で?何故弁護士が?それに遺言書はもう開示されたはずでは?」
「はい、ご家族宛の遺言書は開示されました。まぁ取り分を多く得ようと遺族同士で揉めていますが」
「タゴツの親族って金にがめつい奴しかいないのか?」
「タゴツさん本人はそうならないよう教育はしていたのですが、お金は人を変えてしまいますゆえ。それで本日アスカさんへお目通した訳ですが、タゴツさんよりアスカさん宛の遺言書を預かって来ました」
「わたし宛の?」
「はい、タゴツさんは生前、ご家族用とアスカさん用の2つを作っていました。おそらく別々にする事で貴女へ危害が加えられるのよ防ぐ為でしょう」
「………」(タゴツ)
「では、早速ですが遺言書を開示いたします」
「はい」
ラコマーは鞄から遺言書を取出し、開示し中身を読み上げ始めた。
「アスカ。これがお前の耳に入っていると言う事は、俺はもうこの世に居ない事になる。今回遺言書を2つに分けた理由は、お前にも遺産を渡したいと思うが、これが家族の耳に入るとお前から遺産を奪おうとするだろう。それを防ぐ為に遺言書は2通に分けた。遺言書の内容だが、アスカ、お前に俺の遺産150万ポケドルを相続させる」
「………は?」
「以上が遺言書の内容です」
「え?ちょっと待って……え?150万?」
「150万です」
アスカはタゴツが相続される遺産が
「え?……でもそんな大金持ち歩けないですし」
「銀行口座はお持ちでは?」
「無いです」
「そうですか」
「………あ、そうだ」
1時間後
「電子マネーとは考えましたね」
アスカはタゴツから相続した150万ポケドルを電子マネーにして、チャージしたICカードを受け取った。
「アスカさんはまた旅に出るとか?」
「はい」
「そうですか。では」
ラコマーはアスカの安否を気遣うと、警察署から出ていった。
「………?」
アスカも警察署から出ようとした矢先に、タゴツの遺留品を片付けている警官が目に入った。
そこにジュンサーが声を掛けた。
「あぁ、アスカさん行くの?」
「はい。あの、あれは?」
「タゴツさんの遺留品よ」
「そうですか………あの、あれは全部処分ですか?」
「そうね」
「………あ」
アスカは保存袋に入れられたミリタリージャケットが目に入った。
「すみません。1つお願いが」
アスカは警察署から出ると、ジュンサーに頼んで譲ってもらったミリタリージャケットを見た。
「………」
アスカはリュックサックを下ろすと、保存袋からジャケットを取出し袖を通し、ミリタリージャケットを着たアスカはリュックサックを背負うと出発した。