「あいつが!?」
カイトはアスカから見つけたトレーナーがビブラーバがナックラーだった頃に河に突き落としたトレーナーと教えられ、そのトレーナーを見た。
「っ!」
「止せ」
カイトが勢い良く立ち上がり、アスカをそれを止めた。
「離せ!」
「どうせ、ビブラーバを産まれて直ぐ捨てたことを咎めるつもりだろ?」
「あぁそうだよ!」
「止めといた方が良い」
「何でだよ!」
「どうせ言っても、難癖をつけられた被害者になって終わりだ。カイトが社会的信用を落とすだけだよ」
アスカがカイトを止めていると、件のトレーナーは出ていった。
「あのトレーナーマルキーって言うみたい。この大会にもエントリーしてた」
エリーは件のトレーナーの名前がマルキーであることと、トーナメントへ出場申請していたことを伝えた。
「やっぱり出場者か。って、ここにいる時点で出場するのは決まってるか……」
「あの」
「何んだ?」
「実は、私マルキーのこと聞いたことがあるの。けっこう乱暴な性格で、ポケモンバトルに負けるとその相手に暴力を振るったり、負けたポケモンも見捨てちゃったりしてるって」
「何だよそれ!ますます最悪な奴じゃん!」
「ポケモンも1から育てなくて、強いポケモンだけを欲しがったりしてるみたい」
「ゲームはイージーモードしかやらずに、負けたらコントローラを投げつけるタイプだな」
エリーからマルキーの評判と性格を聞いたカイトは率直な感想を言い、アスカは嫌味ぽく言った。
「で?どうすんだ?」
「どうするって?」
「マルキーだよ!このままやられぱなしで良いのか?」
「……どうもしないよ。行くよビブラーバ」
アスカはカイトの質問に、マルキーとは関わらないことを告げ、ビブラーバを連れて会場から出ていった。
「え?おい!アスカ!……なんだよあいつ!こうなったら、俺があいつにギャフンと言わせてやる!」
カイトはマルキー打倒を意気込んだ。
「ビブ……」
「ビブラーバ、君はどうしたい?」
アスカは会場から出るとビブラーバに質問した。
「このまま、あいつと関わりなく去るのも出来る。君は、産まれたときからかなり強くなってる。それは保証する。どうするか、君が決めて」
「ビブ……ビブ!」
「……やるか?」
「ビブ!」
「そうか……やるか」
「トーナメントのエントリーは間もなく締め切りでーす!出場希望者はお急ぎくださーい!」
会場では受付がエントリーの締め切りを告知していた。
「すみません」
「はい?」
「まだ間に合いますか?」
「はい、間に合いますよ。いやーギリギリのところでしたね。では、このタブレットに氏名と年齢を入力してください」
「はい…………入力しました」
「はい、確認しました。大会は明日の10時からですので、30分前までに受付を終了してください」
「わかりました」
翌朝
トーナメント当日、出場選手達は会場入りし、抽選発表を待っていた。
「うし!絶対あいつをギャフンと言わせてやる」
(まさか、直接関係ない人の怒りを買ってるとは思わないだろうな…)
カイトは打倒マルキーに意気込んでおり、それを隣で見ていたエリーはマルキーに少し同情していた。
『では、これより出場枠を発表します』
アナウンスがされると、オーロラビジョンにトーナメント表と出場選手の24名の顔写真が表示された。
「俺は……D枠か」
「私は、C枠」
「マルキーはA枠か。……あれ?」
「どうしたの?」
「あのB枠のB-4……あれ、アスカ!?」
「え!?」
カイトとエリーが、オーロラビジョンにアスカの顔写真があるのを発見して驚愕した。
「何で?」
「さぁ?」
アスカもトーナメント戦で自分の枠を確認し、マルキーと当たるまでの順を計算した。
「準決勝か」
「アスカ!」
そこにアスカを見つけたカイトとエリーが駆け寄って来た。
「アスカ。出場するの?」
「うん」
「何で?バトルは好きじゃないんじゃ?」
「……鬱憤を晴らし」
「何だそりゃ?」