ポケットモンスター アスカ   作:AS365

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脱走

とあるビルのヘリポートに炎上するヘリコプターと10代後半の男女が立って居た。

「やっぱり生きてたか」

黒いアーミージャケットの少年はオリーブグリーンのアーミードジャケットの少女を見てそう言った。

「博士は死んだ………もう終わりだ」

少女がそう言うと、男女は拳銃を向け合った。

 

ポケットモンスター、縮めてポケモン。

この星の不思議な不思議な生き物。

その数は100、200、300、その数を知る者は居ない。

ポケモン達は海に、山に、街に、ありとあらゆる所でその姿を見ることが出来る。

ある者は人間と共に暮らし、またある者は自然の中で単独で、中には仲間と群れを作り様々な形で暮らしていた。

そして人間はポケモンをパートナーにし、様々な生活で手助けしながら文明を築いていた。

その中でもポケモン同志を闘わせるポケモンバトルを行う人間をポケモントレーナーと言う。

これはポケモンの世界で、苛酷な運命と戦った少女の物語である。

 

14ヶ月前

とある研究所、その中の監視室で警備員が椅子に座りながら監視カメラの映像を見ていた。

その監視室に1人の10代後半の少女が警備員に気付かれないように入って来て、少女は警備員の背後から音を立てないように近付いた。

「っ!?っ…………」

少女は背後から警備員を裸締めで気絶させると警備員からセキュリティカードを奪った。

 

少女は目的の部屋に到達すると警備員から奪ったセキュリティカードをスキャンして扉を開けた。

少女は部屋の中にあった檻の前に近寄った。その檻にはイーブイが閉じ込められていた。

「出るよ」

少女は、リュックサックから取り出したスマホぐらいの大きさの四角い物を取り出し、壁にくっ付けると部屋を出た。

 

少女は研究所の地下駐車場に出た。

「!?」

しかし、出た所で武装した警備隊が並んで行く手を阻み一斉にアサルトライフルの銃口を向けた。

「そこまでだ、アスカ」

「スパルタン」

警備隊が少女、アスカを包囲すると初老の男性スパルタンが前に出てきた。

「脱走者を募ったのが間違いだったな。彼らが密告してくれたよ、お前が脱走を企てていると」

「…………」

「大人しく投降すれば、お咎めなしで済まそう」

「どうせわたしは失敗作なんだろ?だったら、ここで余生を過ごす必要は無いだろ?」

「だが君は私の研究の被験体だ。つまり、私の研究が認められるまでは君の存在自体が露見する訳にはいかんのだよ」

「あんたの研究なんて永久に認められる訳ないだろ」

「はっ、無能の分際が」

「アスカ」

「………カツジ」

次にアスカと同い歳の少年、カツジが出てきた。

「悪いことは言わない、今すぐ投降しろ」

「さぁ、盗んだポケモンを渡すんだ」

「……………あんたら1人だと思った?……ドラパルト!」

「何!?」

アスカが呼ぶと姿を消していたドラパルトが現れた。

「「「「ぐぁ!」」」」

ドラパルトーは警備隊に向けて"ドラゴンアロー"で攻撃した。

「止まれ!」

警備員の1人が逃走しようとするアスカに気付き銃を向けたが、アスカは警備員のライフルを掴んで小外刈りで地面に倒した。

そして、その警備員から拳銃を奪った。

「アスカ!」

カツジに呼び止められたアスカはカツジに奪った拳銃を向けた。

「………」

「………」

アスカは何も言わずにドラパルトの攻撃で警備隊が混乱している隙に逃走した。

ドラパルトはアスカを逃がすと言う目的を果たすと再び姿を消し、アスカもいつの間にか消えていた。その直後に研究所の彼方此方から爆発が起きた。

「あいつ、武器庫から爆弾を」

「博士、どうします?」

「捜索隊を編成し後を追え、そう遠くには行っていないはずだ。残りの者は消火にあたれ」

「「「「「了解!」」」」」

スパルタン博士は各所に指示し、命じられた警備隊はそれぞれ動き回った。

しかし、彼らは気付いてなかった。

横転したトラックの下に下水道へ続くマンホールがある事に。

 

「はぁ………ご苦労様ドラパルト」

「ドラ!」

その頃アスカとドラパルトは下水道に逃げ込んだアスカはハイパーボールからイーブイを出した。

「イーブイ、ドラパルト、これから先あいつらが追ってくるだろう、君たちは無理に着いてくる必要は無い、ここで自由になるのも有りだ。自分達で決めてくれ」

アスカはイーブイとドラパルトに自由への選択を与えたが2匹の意志は決まっていた。

「良いのか?……………わかった、行こう」

アスカは2匹をハイパーボールに戻すと下水道の入り口へ向かって走り出した。

 

翌朝

スパルタンの研究所には警察が駆けつけ、爆発現場で捜査が行われていた。

「爆発の原因に心当たりは?」

「ありません。少なくともあれ程の爆発を起こす物があったとは思えませんが、まぁ怪我人が居なくて良かったですよ」

連邦警察の刑事であるシュドウ警部はスパルタンに爆発が起きた際の聴き込みを行っていた。

「ここは子供が多いんですね?」

「えぇ、皆親が居ない者や育児放棄された者や犯罪を犯してしまった子達です。私はこの子達を引き取り、時々研究に協力してもらってます」

「研究?」

「トレーナーとポケモンとの関係についてです。共存とも言いますね。ポケモンは野生とトレーナーの下に居るとでは様々な能力に差が出ます。その差が何によって出るのか、そしてそれがどのような役割を持つのか、それを調べて利用できないか研究しています」

「それは……何とも難しいそうな研究ですね」

「確かに、あまり触れられないテーマなのは事実ですね。研究しているのは私のような物好きぐらいですよ」

「スパルタン博士、警備システムの再構築するので確認をお願いできますか?」

「わかった。あぁ、よろしいですかな?」

「えぇ」

スパルタン博士は研究所の警備員に呼ばれ、シュドウは聴き込みを終わらせた。

「シュドウさん局長から連絡です。直ぐに署に戻るようにと」

「あぁ、わかった。ではありがとうございました」

シュドウ警部は部下の女性刑事ユリーに呼ばれてパトカーに乗り込み、連邦警察局に向かった。

「よろしいんですか?警察の方は」

「心配ない、それよりもアスカの行方は?」

「横転したトラックの下に下水道へ続くマンホールがあった為おそらくそこから」

「あいつ、それを狙ってトラックを倒すようにしたんだな。時間稼ぎとして」

「既に追跡用ドローンを放っていますが、何分広く迷路ようになっている為まだ」

「既にこの街を脱出しているかもな」

「まさか、数時間でこの街を出るなんて出来ますか?」

「出来損ないとは言え彼女もカツジと同じだ、それくらい可能だ」

「では捜索の範囲を広げますか?」

「頼む」

「対処は?」

「そうだな、別に生きてようが死んでようが構わん。ようはあいつの身体を抑えられれば良い」

「了解。ではそのように」

スパルタン博士は部下の警備員に指示すると博士の下を離れていった。

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