アスカはとある大都会の街を訪れており、多数の人混みの中を歩いて居た。
「……」(気配なし。この人混みだったら交わすのはそう難しくない)
アスカはスパルタンからの追撃がない事を把握し、緊急時は人混みを利用して離脱する算段を経てた。
(見つけましたよ、アスカ)
アスカを見つけたスズメはアスカの追跡を開始した。
「よお!アスカ!」
「!?」
「え?ぅおあ!?」
アスカは背後から声を掛けられ咄嗟に声を掛けた人物を一本背負いで地面に投げ倒した。
「は?カイト?」
アスカは投げ倒した人物の顔面を踏み付けようとしたところで相手がカイトであると気付いた。
「ぃてて…何するんだよ…」
「咄嗟に……ごめん」
アスカはカイトを立たせると、並んで歩き出した。
「で?」
「え?」
「何て声かけた?用があったんじゃ?」
「用って。見かけたから声かけただけだけど?」
「え?……何それ」
カイトが声をかけた理由を聞いたアスカは意味を理由出来ず疑問の表情を掲げた。
「用もないのに声かけたの?」
「あぁ、だって友達だからな」
「……またそれか。私の近くに居ると危ないから、離れた方が良い」
「大丈夫だって。そん時はまた俺が助けるから」
「何それ」
アスカは若干呆れた反応をしたが、心なしか満更でもない感覚を覚えた。
「それに、新しく捕まえたポケモンも居るしな」
「ポケモン?」
「こいつさ」
カイトはモンスターボールを開くと中からレアコイルが出てきた。
「レアコイルか…」
「あぁ!こいつならでんき技で相手も痺れさせられるぜ」
「絶縁衣を着ていたら効かないかもしれないぞ」
「マジレスするなよ……」
カイトはレアコイルをモンスターボールにしまった。
(友達ね……あの娘……大丈夫かな)
アスカはスパルタンの研究所に居た頃、仲の良かった少女を思い出した。
(居た♪)
スズメは人混みの中でカイトと歩くアスカを捕捉した。
(あらあら?暫く会わない内にボーイフレンドまで作っちゃったんですか?イチャつきやがって。生け捕りが命令ですがその為には抵抗出来ないようにしませんと。取り敢えず、お得意の得物を封じますか)
スズメは右手の袖から小型拳銃を抜き出すと、スライドを引いて薬室に初弾を装填した。
「それに、こんな人混みならばあいつも襲って来ないだろ?」
「多分そう思うけど……」
カイトは人の目のある街中ならばウォンも襲撃して来ないと踏んで居たが、アスカは疑念が祓ていなかった。
「……ロックオン」
スズメは照準をアスカに合わせると、引き金を引いた。
「………っ!?」
スズメが発射した弾丸はアスカの右腕を貫通し、アスカの右腕から血が吹き出した。
「……フフ」
着弾を確認したスズメは不敵な笑みを浮かべた。