「っ!」
アスカは声を咬み殺しながら、撃たれた右腕を押さえた。
「アスカ?どうした?」
「こっち!」
アスカは心配して声をかけたカイトを引っ張て物陰に隠れた。
「何だよ…アスカ!血が!」
「大丈夫」
アスカはミリタリージャケットを脱ぎ、シャツの袖を捲ると、腰に着けたメディカルポーチから鎮痛剤と止血剤が入ったペン型注射器を取り出し右腕に打ち込み包帯を巻いた。
(弾は貫通してる。銃槍からおそらく22口径クラスの銃。でも何処から?銃声はしなかった。サプレッサーを装着してる?それでも音は若干はするしそんな物こんな人混みで構えてたら誰か気付くはず。ライフル狙撃か?)
ギュン!
「!」
「何だ!?」
「こっち!」
遮蔽物が銃撃され、アスカはカイトを引っ張って近くのショッピングモールに退避した。
(逃げても無駄ですよ)
スズメもアスカ達が入ったショッピングモールに向かった。
「おいアスカ!今の、まさかあいつが!」
「か、そのお仲間だ」(さっき撃たれた時に狙撃手の姿は無かった。それにこの人の多さなら)
ギュン!
「「!?」」
アスカは狙撃手を撒いたと考えたが、再び近くの壁に着弾した。
(撃って来た!?この人混みの中を!?いやそれよりも何でここに居ることが!?)
アスカは狙撃手が人混みでも躊躇なく狙撃して来た事に驚愕したが、同時に狙撃手が居ない事を確認したはずなのに自分達を捕捉していた事に驚愕していた。
「また!?」
「兎に角逃げるぞ!」
アスカ達が再び走ると、また銃撃され、壁に弾痕が空いた。
(そうそう逃げて逃げて。そして疲れ切ったところを捕まえてあげるから)
スズメは逃げるアスカを視て笑っていた。
アスカ達は別のフロアに移動し息を整えた。
(相手の姿を確認出来れば反撃できるけど、右腕は使えないからベアボウを無理。となると警棒か或いは)
アスカは腰のホルスターに隠し持っている拳銃を触りながら反撃プランを練った。
「アスカ、警察を呼ぼう」
「いや、無理だよ」
カイトはアスカに警察へ通報する事を提案したが、アスカは拒否した。
「何で!」
「子供が警察に銃で撃たれたと言って、目撃したのは私達2人だけ。警察が信じると思う?イタズラと処理されて終わりよ」
「それは……」
カイトはアスカの答えに反論出来なかった。
(そこか)
スズメはアスカを視認すると、拳銃を発砲した。
「!?」
銃弾はアスカの左脚を掠めた。
「逃げるぞ!」
アスカ達は攻撃され再び走り出した。
ギュン!
走り出すと今度は前方の床に着弾し2人は別の方向に走った。
(前!?さっきは後ろからだったはず。まさか2人以上?クソ!相手の風貌だけじゃなくて人数までわからなくなって来た!)
アスカは何時までも相手を見つけられない上に人数まで把握できなくなった事に苛立ちを募らせていった。
アスカは近くの商店に入ると、その後ろからゴルフバッグを持った1人の男が歩いて来た。
「っ!」
「うわ!」
アスカは店から飛び出すと男を地面に組み伏せた。
「お前か!」
「おい!アスカ!」
「カイト!バッグを調べろ!今来た奴で狙撃可能な銃を隠し持てそうなのはこいつだけだ!」
「はぁ!銃!?何言ってんだよ!」
アスカに言われてカイトは男が持っていたゴルフバッグを調べた。
「ただのゴルフ道具だぜ?それもやたら高そうな」
「……」
「それにその人モンスターボールも持ってないし」
「……」
「ハグぁ!!」
「!?」
アスカは無言で男の股間を踏みつけると男は悶絶し、カイトは恐怖の表情を浮かべた。
「行くよ」
「あ…あぁ……すみません。あいつちょっとストーカーに遭っててノイローゼになってるんですよ……本当すみません!」
カイトは男に言い訳と謝罪するとアスカを追って行った。