スズメはアスカが居る階に到着し、アスカを捜索していた。
(何処に居る?透明化しているインテレオンが狙撃した様子は無い。ポリゴンは呼び戻して警備室に潜り込ませるか?……!)
スズメが次の対抗策を考えているとスマートコンタクトにポリゴンからの映像が再度送られて来た。
(回線が復旧した?……あら?)
スマートコンタクトにアスカとカイトが自分の方へ向かっている映像が映し出された。
(向こうから来るのね……では、お出迎えしましょう)
スズメはアスカ達を待ち伏せする事にした。
数分後
(来た)
スズメの前からカイトが歩いて来るのに気付いた。
(男だけ?)
スズメの前から歩いて来たのはカイトだけであり、アスカの姿は無かった。
(逃げた?まぁ良いか。あの男からアスカの行き先を聞き出すとしましょう。相手はただのトレーナー、少し脅せば……?)
スズメはカイトを脅迫してアスカの居所を聞き出そうとしたが、スズメはカイトをよく見ると先程まで着ていなかったベストを着用していた。
(あれは!)
スズメはそのベストを見て驚愕した。カイトが着ているベストは端から見ればただのベストだが、よく見るとベストのポケットにキズぐすり等の薬品が多量に入っており、ポケットから伸びたケーブルと繋がったスマホが着けられていた。スズメはそれを見てベストの正体に勘付いた。
(自爆ベスト!?)
カイトが着用していたベストはスズメには自爆ベストに見えた。
(まさか、アスカがあれを?確かにアスカなら薬品で爆発物を作るのは容易。さっきから商店に入ったのは爆弾の材料を調達する為。それをあのトレーナーに着せて、周りの人間もろとも私を爆殺する気!?逃亡の身とはいえそこまでする!?)
スズメはアスカが製作したと思わしき自爆ベストを見てアスカの意図を読んだが、同時に無差別テロまがいのことをするか疑問を抱いた。
ピロピロピロピロ
「!!」(まずい!)
カイトのベストに着けられたスマホからアラームが鳴り、スズメは自爆装置が起動したと考え、少しでも安全な距離を取ろう、歩いて来た方向へ戻ろうと走った。
「あ!ヤベ、目覚ましかけてたの忘れてた」
カイトはスマホを操作しアラームを解除した。
「え?」
スズメはカイトのベストが自爆ベストではなく、ただのベストだと分かり拍子抜けした。
(しまった!)
「久しぶり」
「!っ!」
スズメはアスカを意図に気付いたが、その直後に直ぐ近くでアスカに声を掛けられ、振り向くとアスカはスズメの顔面を殴った。
スズメは体制を立て直すとインテレオンを呼んだ。
「インテレオン!」
「フライゴン!”すなあらし”!」
スズメはインテレオンに狙撃させようとしたが、アスカはフライゴンに”すなあらし”によるダメージでインテレオンの透明化が解け、壁に張り付いていたインテレオンが姿を現した。
「フラ!」
「インテ!」
フライゴンとインテレオンはそのまま戦闘に突入した。
「こら!!君たち!!こんな所でポケモンバトルをするんじゃない!」
騒ぎを聞きつけた警備員が駆け付けて来た。スズメは無言で近づいて来た警備員に拳銃を向けた。
ダン!!!
「ぐぁぁ!!あぁぁ!!」
スズメは警備員の脚を撃ち、撃たれた警備員は脚から血を流して激痛で叫びながらのたうち回わった。
「銃!?」
「本物!?」
「逃げろ!撃たれるぞ!」
相手が本物の銃を持っていると分かると、周りの人間達は一斉に我先へと逃げ出し、その場にはアスカとスズメだけが残った。
「あの自爆ベストは囮?」
「そう。あなたなら引っかかると思った」
15分前
「これでよし」
アスカは誂えた偽自爆ベストをカイトに着せた。
「何だ?これ」
「自爆ベスト」
「自爆!?」
「に、見せかけたただのベスト」
「なんだ。偽物かよ。で?これでどうするんだ?」
「ワイルドファーレットって知ってる?」
「ワイルドな…
「戦闘機でワザと敵のレーダに見つかり、僚機が敵のミサイル発射台を破壊する戦略。それをこれでやる」
「どういう事だ?」
「カイト、レアコイルを戻して」
「え?良いのか?」
「良い。そうすればフリーWi-Fiが回復して、スズメはまたポリゴンで私達を発見する。そしたらスズメは私達に向かって来る。私とカイトは途中で別れて、私は少し離れた所でスズメを探す」
「見つけられるのか?」
「それで、この偽自爆ベストの出番。端から見ればただのベストに見えるけど、スズメは自爆ベストと誤認するはず。そこでこのスマホを起動させれば自爆装着が作動した勘違いしたスズメは周りの人間と逸脱した行動をする。接敵したら即戦闘に突入するだろうから、カイトはベストを脱ぎ捨てて直ぐに逃げて」
「アスカは?」
「スズメを倒す。じゃあ作戦始めるよ」
アスカはトイレから出ようとした。
「おいアスカ」
「ん?何?質問?」
「絶対無事に帰って来いよ」
「……」
アスカはカイトからの要望に無言ままトイレから出た。
現在
「ワイルドファーレット。満々と騙されたわ」
「あんたには色々とやられたし、それにお気に入りのジャケットに穴開けられたしね。倍返しにしてやるわ」
「返り討ちにしてやるわ。そして、私の役に立ってもらうわよ」