「さて、そろそろ終わりにしましょう」
マークは右手に特殊警棒、左手にスタンロッドを持ちながら、アスカに決着を宣言した。
「……そうね。私もさっさと終わらせて次に行きたいし」
ガン!!
「アバ!」
アスカとマークの間の天井が突然崩れ落ち、上からアバゴーラが降って来た。
「アバゴーラ!?まさか、さっきのプロトーガが!」
「えぇ、進化したのは偶然だったけどね」
「運まで貴女の味方ですか。ですが、それもここまで」
「イーブイ、アバゴーラ。戻って」
「?」
ズゴゴゴ
プロトーガから進化したアバゴーラの参戦にマークはボールを出した途端にアスカはイーブイとアバゴーラを戻した。2匹を回収した直後にビル全体から音がしだした。
「この音は……?」
「ねぇ知ってる?アバゴーラの腕って、タンカーを沈めるくらいの破壊力があるって言われてるの」
「何の話ですか?」
「タンカーが壊れるって事は、ビルなんて簡単に壊れちゃんだろね」
「さっきから何の話を……まさか……」
マークはアスカの話を聞いている内に、今鳴っている音の正体に気付いた。
「早く逃げた方が賢明よ」
アスカはそう言うと全力で走り始めた。
「マズい!ソウブレイズ脱出だ!」
マークはソウブレイズと共にビルから撤退した。
スガーーン!!!
マークが脱出した直後、廃ビルは崩れ落ち全壊した。
「ハァ、ハァ、危なかった」
マークは全壊したビルだった瓦礫の山を見た。
(アバゴーラにビルを支える柱を全て壊させていたのか。……それにしても)「逃げる為にビルを破壊しますか?普通……」
マークはアスカの戦略に呆れ果ててしまった。
「………」(流石に…やり過ぎかな……)
同じくビルから脱出したアスカも瓦礫を見て反省を
(ま、廃ビルだし良いか)
訂正、反省していなかった。
カイトとエリーはポケモンセンターに居た。
「アデクさんに相談して、一先ず私達の目標は決まったわね」
「あぁ、アスカの人生をサッッコウの物にする!これが俺達がやる事だ!」
「そうね……で?肝心のアスカは何処に居るのか分かるの?」
「ワカリマセン……」
『次のニュースです。本日10時30分頃、ホドモエシティにてビルが突如として倒壊しました。倒壊したビルは無人であり、負傷者は居ないもようです。警察は老化による倒壊とみて調査を行うとの事です』
「……これ、まさか」
「アスカが……?」
「「無いか!」」
「アスカがやる事ってせいぜい、弓矢飛ばしたり」
「素手で相手気絶させたり」
「爆弾を投げたり……」
「………やっぱアスカかな?」
「アスカならやるかも……」
「「……行ってみよう」」
5日後
。
(あれから追撃はないな……)
アスカはマークと戦闘をしたビルから6つ程離れた街のポケモンセンターのカフェでイーブイと共に一息ついていた。
「アスカ!」
「!」
アスカは背後から声をかけられ、振り向くとカイトとエリーが居た。
「2人とも……どうしたの?」
「アスカ、俺達と一緒に旅をしないか?」
「は?」
一方、アスカとマークの戦闘があったビルの跡地では警察が現場検証をしていた。
「これ、老朽化したビルが倒壊しただけですよね?シュドウ警部」
現場検証に参加していたユリーはシュドウに声をかけたが、シュドウはしゃがみ込み瓦礫を見ていた。
「どうやらただの倒壊じゃなさそうだ。見てみろ」
ユリーはシュドウの元に行くと、同じく地面の瓦礫を見た。
「それは?」
「銃だ」
シュドウがユリーに見せたのは銃身が斬られた拳銃だった。それはマークとの戦闘で破壊されたアスカの拳銃だった。
「銃?こんな所に?」
「あぁ、切り口も真新しい。壊れた物が放置されてた訳じゃなさそうだ。この倒壊、裏があるぞ」
「成る程ね……」
「どう?」
「私、一人旅の方が合ってるの」
アスカはカイト達の提案を拒否するとその場を去ろうとした。
「イーブイ行くよ」
「ブイ!」
アスカはイーブイを連れて行こうとしたが、イーブイはカイト達の下を離れようとしなかった。
「イーブイ?……まさか……」
アスカはイーブイが動かない理由を悟った。イーブイはカイトとエリーの提案に賛同したのだった。
「イーブイは乗り気だけど、どうする?」
「ブイ?」
「………はぁ……わかったわ」
アスカは折れ、提案に乗った。
「よし!「ただし」?」
「もし、状況的に1人が良いと私が判断した時は、私は離れるわ。それでOK?」
「……わかった」
「それで?どうするの?」
「そうだな……」
翌日
「シュドウ警部!」
廃ビル倒壊現場から戻ったシュドウの下にユリーが走って来た。
「昨日回収された拳銃の事ですが」
「何かわかったか?」
「はい。その前に、4ヶ月前に起きたショッピングモールでの発砲事件はご存知ですか?」
「あぁ、女2人がポケモンと銃で暴れたって奴だろ?」
「その事件で回収された銃弾と今回発見された拳銃のライフルマーク*1が一致しました」
「何?」
「それと、倒壊したビルも柱が何か強い力で壊された形跡がありました」
シュドウはユリーから聞いた情報を下に1つの推測を立てた。
「つまり何か?あの発砲事件と今回ビルをぶっ壊した奴は同一人物って事か?」
「おそらく」
「……ショッピングモールと倒壊現場付近の防犯カメラの映像を片っ端から集めろ」
シュドウとユリーは発砲事件とビル倒壊を同一犯と仮定し捜査を始めた。