アスカはカイトとエリー共に旅をすることになり、今3人はカフェに居た。
「そう言えば、アスカってどこ出身なんだ?」
「………フェナスシティ」
「フェナスシティ……って何処?」
「オーレ地方」
「オーレ地方って確かイッシュ地方の近くよね?」
「どんな所だよ?」
「何も無いよ。一面荒野でポケモンもあんまり居ない。ガラの悪い連中も多いし」
「ふ~ん。エリーは?」
「え?私は……カロスだよ」
「カロスか…今度そこに行っているか?」
「いや、私は……」
カイトはエリーがカロス出身と聞きカロス行きを提案したが彼女は何処かよそよしかった。
「それより次何処行こうか?」
「いらっしゃいま…せ?」
エリーが話をはぐらかした直後、カフェに大勢の黒服の男女がカフェに来店し、対応しようとした店員はたじろいだ。
「居たぞ」
「え?お客様!?」
黒服達は店員を無視して店内を進み、アスカ達が座っている席の前で止まった。
「な、何だ!お前ら!まさかまた…!」
カイルは黒服がアスカを捕らえに来た連中だと考えたが、アスカがカイトの袖を掴んで止めた。
「いや、奴らじゃない」
「え?じゃあこいつら……」
「探しましたよ、エカテリーナお嬢様」
黒服の1人はエリーを見ながらエカテリーナと呼んだ。
「エカテリーナ?いや、こいつはエリーで」
「申し訳ありませんが、部外者はお引き取り下さい」
「お引き取りいただくのはそっちじゃない?いきなり店に大勢で乗り込んで、注文もしないで」
アスカは黒服達にあえて嫌味な態度を取った。
「……!」
エリーは突然立ち上がると、テーブルを踏み台にしてジャンプした。
「エリー?」
エリーはジャンプし天井の吊り照明に掴まると振子の原理で加速をつけ、2階に飛び移った。
「上だ!追え!」
「エリー!?」
黒服達はエリーを追って2階に登った。
テラス席に出たエリーはタイミングを見計らってテラスから飛び降り、走って来たバスの天井に着地するとそのままバスに乗って行った。
「エリーィィィ!!?」
カイトはエリーの名を叫びながら唖然とした。
「え……今の……え?」
「パルクール、カロス発祥のスポーツ。エリー中々動けるんだ」
アスカはエリーの動きがパルクールだと説明しながら彼女の身体能力に感心を示した。
「いや!そこじゃなくて!エリーの奴、急にどうしたんだ!?」
「とりあえず追うか」
「追うって、何処に行ったか判るのか?」
「さっきエリーにドラメシヤを付けさせた。後、ドラパルトが案内してくれる」
アスカはドラパルトを出しながら説明し、ドラパルトはエリーが行った方向に飛んで行った。
「行くよ」
「おい!」
「お客様!お会計お願いします」
先に出たアスカを追いかけようとしたカイトは店員に止められ、会計を迫られた。
「はい」
「はぁ…はぁ……遂にここまで……」
エリーは人気のない場所で息を整えながら悪態をついた。
「少なくとも、追われる心当たりはあるのね」
エリーは背後から声をかけられ、振り向くとドラパルトを連れたアスカとカイトが居た。
「アスカ、カイト。何でここが?」
エリーが聞くとエリーの影からドラメシヤが出てきて、ドラパルトの頭に戻った。
「あなたにドラメシヤを付けさせたの。そしてドラパルトがあなたとドラメシヤの居る方向を教えてくれたの」
「そんな事出来るだ」
「それより!エリー、さっきの奴らは一体?」
カイトはエリーに先ほどの連中の事を聞いた。
「……シュヴァルツグループって知ってる?」
「ええ。ポケモン関係から教育、製造、エネルギー、色々な分野に影響力を持つ世界的な大財閥」
「彼らは、そこの私設警備部隊よ」
「え?何でそんな奴がエリーを?」
カイトはエリーが世界的財閥の私設部隊に狙われているのか理解出来ずに居た。
「……そう言えば、あいつら、あなたの事をエカテリーナって呼んでたわね……あれ、あなたの本名?」
アスカは私設部隊の1人がエリーの事をエカテリーナと呼んでいたのを思い出し、それがエリーの本名ではないかと推測した。
「……私は……私の名前はエカテリーナ・シュヴァルツ。シュヴァルツグループ会長、グスタフリフ・シュヴァルツの娘よ」