「……私は……私の名前はエカテリーナ・シュヴァルツ。シュヴァルツグループ会長、グスタフリフ・シュヴァルツの娘よ」
エリーはアスカとカイトに自分の本名と正体を明かした。
それを聞いたカイトは混乱した。
「え?ちょっと待って!エリーがエカテリーナで、シュヴァルツグループの会長の娘ってことは……つまり」
「つまり、正体を隠していた財閥のお嬢様ってこと」
混乱するカイトに代わってアスカが要約した。
「えぇぇ!?マジ!?エリーがお嬢様!?」
「えぇ」
「でも、何で隠してたんだ?」
「……」
「言いたくないって事ね………で?この状況どうする?」
アスカがそう言った途端、先ほどの黒服達、シュヴァルツグループの私設警備部隊が前後から挟み撃ちにするように現れた。
「お嬢様。今度こそお戻りになっていただきます」
「イヤよ」
「……我々としてもこの様な事はしたくはないのですが……いたしかねます」
そう言うと黒服達はモンスターボールからポケモンを出した。
「会長からは力づくでもお連れしろと命令されております。我々としても実利行使は避けたいです。どうかご理解下さい」
「何だよそれ!自分の子供を力ずくで連れて来いって!そいつどうかしてるぞ!」
カイトは娘であるエリーに強硬手段を命令する父親の考えに激怒した。
「………?」
静観していたアスカは違和感を感じた。
(……耳栓?)
アスカは黒服達が耳栓を着け始めているのに気づいた。
ー♫ー♫
「………!耳を塞……げ……」
ドサッ
「アスカ!?」
アスカは違和感の正体に気付き2人に警告している途中で意識が朦朧とし倒れた。
「アスカ!どうし……た……」
ドサッ
「カイト……」
カイトとエリーも意識を失い倒れた。
「………ぅ……」
アスカは朦朧とする意識の中でコロトックとペラップが居るのを確認した。
「うた……う……」
アスカは原因が相手を眠らせる技”うたう”だと確信した所で眠ってしまった。
「よし、お連れするぞ」
黒服のリーダーは3人が眠ったのを確認すると部下に命じ、部下はエリーを抱き上げ、車に乗せた。
「この2人はどうします?」
「……」
部下はアスカとカイトをどうするかリーダーに質問し、リーダーは考えた。
ピロピロ
「!待て」
リーダーのスマホが鳴りリーダーは電話に出た。
『私だ』
「会長」
スマホの通話相手はエリーの父親グスタリフだった。
『確保したか?』
「はい、エカテリーナ様は確保いたしました。今は眠っておられます」
『では直ぐに連れて帰れ』
「はい」
『パーティーまでには戻って来い』
「はい。ですが会長、少し問題が」
『何だ?』
「実は、エカテリーナ様と一緒に行動していた少年と少女が居まして」
『その2人はどうした?』
「今は2人共眠っています」
『ふむ………その2人は偶然居合わせたのか?』
「いえ、エカテリーナ様とカフェで話をしていいたので、親しい者達かと」
『……その2人も連れて来い』
「宜しいのですか?」
『エカテリーナを従わせるのに使えるかもしれない』
「ですが……」
『私の命令が聞けないのか?』
「いいえ!決してその様な事は!」
『ならば連れて来い』
「は」
グスタリフは通話を切り、リーダーはスマホをしまった。
「宜しいのですか?この2人はシュヴァルツ財団とは無関係。連れて行けば誘拐になりますよ?」
話を聞いていた部下は困惑しながらリーダーに確認した。
「わかっている……だが、会長の命令は絶対だ。いざとなったら私が責任を取る………2人も連れて行くぞ。だが、手荒な事はするな」
「「「「「は!」」」」」
リーダーと彼の部下達はグスタリフの命令に渋々従い、アスカとカイトも車に乗せ、彼らは出発した。
「今回のターゲットはコイツだ」
一方、スパルタンはデスクの前に立つ少女にターゲットの顔写真を見せた。
「ターゲットはグスタリフ・シュヴァルツ。シュヴァルツグループの会長だ」
「この人何したの?」
「財閥の会長となると多方面から恨みを買うのだろう。まぁ君の仕事には直接関係はない」
「方法は?」
「任せる」
「じゃあ、ド派手に行っても?」
「あぁ、我々に繋がる痕跡さえ残さなければ好きにして良いぞ」
「了解」
「では頼むぞ、ステイシー」