4ヶ月前
アスカがカイトと出会う前、スパルタンの研究所から脱走して直ぐの頃の話し。
スマホで電話に夢中の女の後ろにアスカは気付かれないように背後に立ち、バッグにゆっくりと指を差し込もうとした。
ガッ
「!?」
アスカが指をバッグに入れよとした直前で、何者がアスカの腕を掴み、止めた。
アスカが腕が伸びた方向を向くと、初老の男性が腕を掴んで止めていた。
「止めとけ。今なら後戻り出来るぞ?」
男がアスカの犯行を止めるている間に女性は歩いて行った。
アスカと男性は公園のベンチに座り、男性はアスカに話しを聞いた。
「何でスリなんてやろうとした?」
「………」
「言いたくないなら良いよ」
「………」
「お前、旅してるのか?」
「旅と言えば、旅かと」
「ポケモントレーナーか?」
「違います」
「そっか………行く宛はあるのか?」
「無い………特に目的も無いので」
男はこのままアスカを放って置く事も出来たが、このままだとアスカがまた犯行を犯す可能性が高かいこともあったが、彼自身がアスカを放って置く事が出来ず、男はアスカに提案を出した。
「………行く宛が無いなら家に来るか?」
「は?」
「あぁ。おっと自己紹介が遅れたな、俺はタゴツだ。お前は?」
「……アスカ」
アスカは出会った男、タゴツの厚意で彼が住む山小屋に案内された。
「何も無いが休んでくれ。あぁ飯食うか?」
「良いですか?」
「あぁ」
「………特に見返りになる様な物はありませんが?」
「いや、別に良いよ」
「体目当てとか?」
「年頃の女が真顔で言うな。安心しろそんな気もねぇよ」
「はぁ、では何故?」
アスカはタゴツに見返りも求めずに何故助けたのか理由を聞いた。
「理由なんてねぇよ。ただ、困ってる人が助けろって親から教わらなったか?」
「親居ないので」
「……そうか、悪かったな」
「いえお気になさらず………」
タゴツはアスカに料理を振る舞い、二人は食事を摂った。
「……一人なんですか?」
「あぁ、女房には先立たれな。子供達はもう独り立ちしたと言えばしたしな」
「……タゴツって元軍人でしょ?」
「!何でそう思う?」
「歩き方が軍人特有の歩き方だった。」
「なかなか鋭いな。確かに俺は昔軍にいた」
「その後山に?」
「いや、会社を造った。それを息子達に継がせて俺は隠居した」
「そう……一文無しだから」
「え?」
「サイフ、盗ろうとした理由……親無しで、保護者も金銭は支給してくれなかったので」
「成程、お前家出か?」
「………そうですね」
「……お前、帰る宛無しか?」
「無いです」
「………一人くらいなら面倒見れるぞ」
「………え?」