ポケットモンスター Re:Champion Road   作:1.96

17 / 37
17話 燃えよ闘志、震わせ魂

 

 

 

 このバトルにおけるニャローテの役割は二つ。

 一匹目のポケモンを倒すこと。そして、ウソッキーにテラスタルを切らせることだ。

 

 テラスタルは一度切ってしまえば最後、バトルが終わるまでは解除できない。

 そう、ウソッキーのいわタイプを消すことが肝だったんだ。

 

「お疲れ様ニャローテ。あとはゆっくり休んで」

「ニャ、ニャフ……」

 

 ウソッキーの攻撃を耐えたニャローテは、見事にとんぼがえりを決めて帰ってきてくれた。自陣間近にいた分、ヘロヘロでもなんとか戻って来れたんだ。彼は自分で開閉スイッチを押して、ボールの中に戻っていく。

 とおせんぼうされていようが、これでポケモン交換ができた。まだ煙幕が晴れないうちに、ボクはすぐに二匹目を繰り出す。

 

「頼んだよカルボウ!クリアスモッグ!」

「ルボゥ!」

「なんだと!?」

 

 ウソッキーに是が非でもテラスタルを切らせたかった理由。それは、この子を有利に戦わせるために他ならない。

 元気よく飛び出したカルボウは、特殊な泥の塊をウソッキーにぶつける。どくタイプの技なので効果は抜群。だけど、この技の真骨頂は他にある。

 

「ウソソっ……!?」

「スピードが落ちた!叩き込むよ、テラスタル!そして、そのままひのこ!」

 

 くさわけで散々スピードを上げたウソッキーの足が、嘘のように止まった。その隙に、カルボウをテラスタル。火力最大のひのこをぶつける。

 クリアスモッグの真の強さはここ。その特殊な泥は、ぶつけた相手の能力を全てリセットする。つまり、今まで上げたウソッキーの素早さは全部意味がなくなった。

 

 ウソッキーがぐんぐん速さを上げたあたりから、このプランは思いついていた。だけど、実現できるとは思ってなくて。これは紛れもなくニャローテの粘りのおかげだ。

 

「……なるほど。タネばくだんによる煙幕は、ウソッキーではなくワタシの目を欺くためだったというわけか」

「ほのおタイプのカルボウを出せば、警戒して引かれるのは目に見えてますからね。クリアスモッグを当てるのはここしかありませんでした。彼が……ニャローテがウソッキーを引きつけたおかげです」

「つくづく、麗しきアヴァンギャルドなニャローテだ……!いいぞ、どんどんインスピレーションが湧いてくる!」

 

 コルサさんは高らかに笑う。まだ勝負を諦めていないということか。

 そうだ、油断するな。テラスタルでくさタイプになったとはいえ、ウソッキーは元いわタイプ。当然いわ技は備えているはず……!

 

「速攻で片付けるぞ。がんせきふうじ!」

「来た……!前に出て接近!」

 

 カルボウの行く手を阻むように、ウソッキーは岩を複数放出。右に左になんとか躱しながら進んでも、すぐに次の岩が襲ってくる。

 カルボウのスピードも決して遅くはないけど、ニャローテほどじゃない。掻い潜るのは無理か……。

 

「次が来る!ひのこで相殺して!」

「ルボ……ボゥッ!?」

 

 カルボウはひのこを連射。だけど岩を粉砕できず、その岩にぶつかる。効果は抜群。あまり食らいたくなかったけど、まだ耐えてるか。

 初撃のひのこで薄々感じてたけど、この子は出力が他のポケモンより少ない。テラスタルしたひのこなら倒せるとすら思ってたのに。

 

「攻めかかれ!続けてがんせきふうじ!」

「くっ……前に出て!」

 

 でも、今はそんなこと気にしてる暇はない。それならそれで、別の勝てる手段を探すんだ。この子の強みは他にあるはず。

 

 がんせきふうじをくぐり抜けながら、カルボウは前へ。素早い動きで懐に潜り込む。

 出力が少ないなら、零距離ならどうだ!

 

「カルボウ、ひの―――」

「遅いわ!アームハンマー!」

 

 カルボウが力を溜め込んでいる間に、ウソッキーは腕をハンマーのように振り下ろす。

 ダメか……!やっぱり、接近戦にも対応してくる。対してカルボウは火力を上げようとすると技を撃つ時に力を溜めちゃうから、隙が大きくなる。

 

 遠距離では岩が乱れ飛ぶし、近距離ではアームハンマーの餌食になる。近距離の方がまだ活路はありそうなんだけど……。

 

「カルカルゥ!」

「……カルボウ?バトル中だからちゃんと前を向いて――」

「ルボゥ!!」

「ちょっ、カルボウ!?」

 

 カルボウはボクに何かを叫ぶと、指示も無しに突っ込んでいった。アームハンマーを食らってるのにそんな無謀な。少しは慎重に攻めなきゃいけないってのに。

 

「接近戦が望みなら付き合おう!がんせきふうじ!」

「もう……詰めるしかないか」

 

 下がれば下がるほど逃げ道を防がれちゃう。幸いにも、カルボウの動きは軽快だ。だけど、掻い潜ってからどうするか……!

 

「迎え撃て、アームハンマー!」

「来るよ、避けて!」

 

 カルボウは飛び跳ねてアームハンマーをかわす。ひのこを……いや、ウソッキーの腕はもう一本ある。これだとさっきの二の舞いだ。

 退却を指示しようとすると、カルボウがウソッキーに飛び蹴りを喰らわせる。その後、飛び退いて自ら距離をとった。とんぼがえりみたいだな動きだ。

 

 そして、チラッとこちらを振り返る。さっきから、何かを伝えようとしているみたいだ。

 ……わかったよ。

 

「もっかい詰めるよカルボウ!」

「ボウッ!」

 

 どうやら、彼は接近戦がお好みらしい。あんな軽快な動きを見せられちゃあ、断るわけにはいかないよね。

 快速飛ばしてカルボウは再び前へ。もう岩を躱すタイミングは完璧に掴んでいた。

 

「……この子の適性って」

 

 ひのこ、ほのおのうず、クリアスモッグ。

 使える技がことごとく遠距離だから、この子自身も遠距離で戦うもんだと決めつけていた。だけど、動きを見る限りは違う。もっとアグレッシブにいけるはず。

 

 地面を駆けるカルボウ。足元で、バチバチッと火花が散り始める。

 

「走りながらほのおのうず!」

 

 自らの放ったほのおのうずに突っ込み、カルボウは全身に炎を纏いながら突撃。

 さぁ、見せてくれ!君の可能性を!

 

「バカな、そんな技の使い方が……!?」

「行くよ!ニトロチャージ!」

 

 炎を纏ったその身で、加速をつけながらウソッキーに力いっぱいタックルを喰らわす。

 

「ルボゥゥゥゥゥ!!」

 

 ウソッキーを突き飛ばし、雄叫びをあげるカルボウ。それはまるで勝利を確信したかのようで、小さいながら強く勇ましい叫びだった。

 

「ウ、ソ……」

 

『ウソッキー戦闘不能!カルボウの勝ち!よって勝者、リンドウ選手!』

 

 少し遅れた審判のコールが入る。ウソッキーはそのまま立ち上がることはなかった。

 

 

 

 

 

ニャローテ 二勝

カルボウ  一勝

 

二つ目のジム、ボウルジム攻略!

 

 




コルサさん掘り下げ薄くてごめんなさい。
鬼火でじわじわと行く……も考えたんですけど、接近戦をメインで戦わせる戦法にしました。まだカルボウはバトル描写がほとんどなかったので。

評価&お気に入りありがとうございます。
励みになります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。