ポケットモンスター Re:Champion Road   作:1.96

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22話 はがねタイプは頑固一鉄?

 

 

 

 グラウンドの端にある畑。

 ドサササっと土を下ろして、それを満遍なく鍬で耕していく。畑作業ってのは力仕事だ。

 

「う〜、しんど」

 

 こんなこと生業にしてたら、そりゃヤローさんはムッキムキボディになるわ……ってのは言い過ぎかもしれないけど。

 少なくとも、ボクはそれと対極の人種だ。こんな作業、毎日はとてもやってらんない。すでに腰は痛いし足は棒みたいになっている。

 

「ルボゥ!」

「ありがとう、カルボウ。あっつ〜」

 

 ポケモンの手でも借りなきゃやってらんない。ってなわけで、頭を下げてみんなに鍬を持ってもらってます。カルボウは体格的にキツいから、シャベルにしといた。

 四足のエーフィは参加できないので、ちょっと別件でサポートをしてもらってる。カルボウに借りたタオルを置き、気を取り直して作業再開。

 

「リル!リル!」

「うん、鍬は叩きつけないでね?畑に恨みでもあるの?」

「ラオッス!」

「君はもはや耕す気がないよね?」

 

 トレーニングと勘違いしてそうなのがチラホラ。ウーラオスはともかく、マリルまで脳筋みたいなことしないで。みずタイプ同士、惹かれるものがあるのかなぁ。ほら、ナカヌチャンもしれっと脳筋組に混ざろうとしない。

 ニャローテはそこんとこ真面目にしてくれてるし、カルボウは隅の方でシャベルペチペチしてて可愛いね。

 

「お、なんや。精が出るなぁ」

「チリさん」

 

 そうこうしてポケモン達と畑仕事してると、この泥作業には似つかわしくない麗人。四天王の一角、じめんエキスパートのチリさん。

 そしてもう一人。

 

「こんにちはですの!」

「ポピーさんまで。どうしたんですか、四天王が二人して」

 

 はがね使いのポピー……さん。一応さん付けにさせていただくけど、ボクよりずっと年下だ。でも四天王なんだよねこの子も。

 なんで四天王と知り合いかって?ははは、オモダカさんになんか紹介されたよ。そのうち嫌でも知り合うから、早い方がいいってさ。どういう意図があるのか知りたくもない。

 

「チリちゃん達はトップに用事。自分は何しとるん?先生は畑作業も仕事なんか?」

「半分正解、半分外れです。授業で使うきのみをここで育てようかと」

 

 クラフトの活動は意外と盛況で、授業後もクラフトをしたいという生徒がチラホラいた。キズぐすりはオレンのみがいるわけだけど、店売りしてなければ、ボクもそう在庫があるわけじゃない。それなら栽培してしまおうってことで。

 今度の授業で、実際に生徒に植えてもらう。今日はその準備段階だった。

 

「そらええことやん。土作りにしては、だいぶパワフルな気ぃするけど」

「……まぁ、この辺は後で均します」

 

 マリルとウーラオス、ナカヌチャンに手伝ってもらったところはグッチャグチャだ。

 でも、だいぶ土の粒は細かくなってはきてるかな。耕す意味としては果たせたから十分。あとは、でっこぼこのところをこっちで整えておこう。これなら一人でもできる。

 

「みんな、ありがとー。休憩しよっか」

「あら、もう終わりですの?ポピーのデカヌチャンもお貸ししようと思いましたのに」

「それは残念です。でも、今からは出さないであげてくださいね」

 

 さぁー、下りといで。

 指笛を合図に下り立ったのはガラルの空の王者。光沢のある鋼の肉体に巨大な翼、ボクのかつての手持ちアーマーガアだ。こないだ、ウーラオスに続いてガラルから送ってもらった。

 

 ちなみに、パルデアではデカヌチャンが天敵らしい。あのハンマーの素材にもなってるとか。もうカヌチャン族怖いよ。

 

「おかえり。二匹とも、おつかいありがとうね」

「立派なアーマーガアですの!きちんと育てられてます!」

「はがね使いのポピーさんに褒められるとは、大変恐縮です」

 

 ポピーさんに撫でられても、アーマーガアはツンとしている。相変わらずブスッとしちゃって。

 彼には、エーフィと一緒に全員分のサンドイッチを買いに行ってもらっていた。この子たちは鍬持てないしね。

 エーフィは賢いから簡単なおつかいは朝飯前だし、アーマーガアの力なら人数分のサンドイッチを運ぶくらいわけない。適材適所ってやつだ。

 

「チャヌ!チャヌ!」

「あら、ナカヌチャンどうしましたの?」

 

 また始まったよ。

 鍬を放り捨てたナカヌチャンが、アーマーガアにタックルを仕掛ける。体格差は歴然で、それぐらいじゃあ彼はビクともしない。もういつものことだから気にしてないけど。

 

「どこのナカヌチャンもこうなんですか?」

「いえ……、私のデカヌチャンは襲い掛かったりしませんでしたし。きっと良い遊び相手と思ってますの」

 

 そうは見えないけどなぁ……。

 あの目は、スター団のアジトにカチ込みした時の目だ。あわよくば素材を剥ぎ取ろうとか思ってるんじゃないだろうな。

 

 アーマーガアを連れてきて以降、ナカヌチャンはこんな調子だ。元からやんちゃな子だけど、なぜかアーマーガアを特別視してはアタックしている。

 でも当然ながら力じゃ全然通用しなくて、羽の一振りで蹴散らされるのが常。

 フン、と分かりやすく鼻を鳴らして押しのけるアーマーガア。そうなるとナカヌチャンは子ども扱いされてるのが気に食わないのか、とうとうハンマーを持ち出して。

 

「はいストップね、エーフィ」

「エーフ……」

 

 またか、といった具合で諌めるエーフィ。ハンマーを持とうとするナカヌチャンを、サイコキネシスで引き剥がす。

 君のハンマー、一応ほのおタイプの素材使ってるからね?アーマーガアに効果抜群だからね?まったく、おとなしくサンドイッチ食べてなさい。

 

 マリルとウーラオスはまだやってるし。だからトレーニングじゃないってば、鍬を置きなさい。ニャローテとカルボウは……うん、君たちは素直でいい子だね。

 

 ポケモンも増えて大所帯になった。癖のある子が多いせいか、それを纏めるエーフィの心労も増えた気がする。いや、この子ワガママで気分屋なとこあるけど、根は常識人なんだよ。

 ……今度埋め合わせしてあげよう。

 

「はっはっは、おもろいチームやなぁ。トップが推すのもわかるわ」

「過大評価ですって」

「でも自分、ジムバッジ三つ目やろ?こないだの生配信のバトル見たで。あれなら全部集めるのも時間の問題やん。リーグに来るの楽しみやわ」

「本当ですの?ポピーのポケモン、早く見せたいです」

 

 止めて、プレッシャーかけないで。

 あ、ナンジャモさんは後日正式にバトルしてバッジ取りました。ニャローテが頑張ってくれたね。それはそうと、ふゆうのムウマージにでんきテラスタルするの反則だと思う。

 

「そのナカヌチャンが成長するの、楽しみです!いつか戦える日を、リーグで今か今かとお待ちしておりますので!」

「ま、ポピーのためにも頑張ったってや」

 

 あぁ、ポピーさんの笑顔が眩しい。

 

 この子が四天王と戦う、ねぇ……。自分が話題の中心なのにも気づかず、あっという間にサンドイッチを平らげ、再びアーマーガアにぶつかり稽古を始めるナカヌチャン。そして、いつものように簡単にあしらわれる……と。

 うん、まだまだ先の話になりそうだ。

 

 




箸休め回。そろそろポケモンも増えてきましたね。
今のところはこんな感じです。

エーフィ♀   きまぐれ

◆ガラル組
エースバーン♂ ゆうかん ※1話のみ出てたけど覚えてるかしら
アーマーガア♂ なまいき
ウーラオス♂  いじっぱり
???
???

◆パルデア組
ニャローテ♂  さみしがり
マリル♀    がんばりや
カルボウ♂   のうてんき
ナカヌチャン♀ やんちゃ

キリのいいところで全体の紹介とか出来るといいなーとか考えていたり。一応、そろそろ折り返しに入ろうかってところです。
この投稿をしようとした時にたまたま見たらUA15000でした。ジャストで見れたのが嬉しかったので、そのままお知らせ!お気に入りも右肩上がりで嬉しい限りです。これからもよろしくお願いいたします。
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