ポケットモンスター Re:Champion Road   作:1.96

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7話 宝探し開始!

 

 

 

「それでは、宝探し開始。いってらっしゃい!」

 

 クラベル校長の一声で、生徒たちが一斉に校舎の外へと駆け出す。今ここに、オレンジアカデミー名物の課外授業『宝探し』が開催された。

 

「凄い盛り上がりだなぁ」

 

 生徒たちの熱狂具合は、ガラルのジムチャレンジにも負けてないかも。

 あっという間に生徒はいなくなり、残ったのは見送りしていた先生だけ。こうなるアカデミーはちょっと新鮮。

 

「この課外授業はアカデミーの名物だからね。もう昨日の授業から、生徒の足が浮きまくり!エンジョイしすぎて、勉強に身が入らない子も出てきたりさ」

「セイジ先生。そうですね、確かに皆心ここにあらずというか」

「しばらくは授業も減るし寂しいね~」

 

 そういえばそうだった。

 課外授業中はそっちに集中させるため、期間内の授業は少なく設定されている。そもそも課外授業始まったばかりの今だと、みんな授業ほったらかしそうだし。クラベル校長の判断は妥当かも。

 

「……保健室は忙しくなるんだろうねぇ」

 

 ミモザ先生から漏れた声は……うん。

 頑張ってください。

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 というわけで、自由時間をもらってボクもテーブルシティを飛び出す。最初のジムに続く西門はメチャクチャ人が多かったので東門から。

 西門より少ないとはいえ、こっちもこっちで多いなあ。生徒同士でバトルしたり、次の町目指してモトトカゲを走らせたり。

 む、こっちにもキャンプはあるのか。カレーを作るわけではないみたいだけど。

 

「あっ、リンドウせんせーい!!」

 

 とりあえず道なりに進んでいると、結晶のあった場所からアオイがひょっこりと顔を出した。

 真っ先にやることがテラレイドバトルとは……。それは個人の自由として、アオイの体には擦り傷掠り傷ができていた。

 

「どうしたの、傷作って」

「えへへー、ちょっと捕まえるのに手こずっちゃって」

「……一人で挑んでないよね?」

「失敬な。私にだって友達くらいいますよ」

 

 アオイはぷんすかと頬を膨らませる。だって、一人でも無茶しそうだもん。

 それはさておき、ミモザ先生の心配の種がこうして目の前に現れるとは。課外授業中は、確実に怪我人は増えるだろう。その全てを防ぐのは無理だし、生徒に対して過保護にしてたら冒険の意味がないんだろうけど……。

 

「とにかく、怪我には気をつけてね。保健室の先生は1人しかいないんだから」

「はぁい」

 

 本当にわかってるのかな。

 

「先生はどうして外に?」

「宝探しがどんなものか見ようかなって。みんな思い思いに行動してるんだねー」

 

 オモダカさんに押しつけ……じゃなくて任された仕事もあるし。あれからしばらく考えたけど、やっぱり何をすればいいのかわからないけどね。

 一時血迷って、学校内で道場開こうとか考えた時は末期だった。違う、そうじゃない。

 

「アオイは、この宝探しで何をしたい?」

「私ですか?うーん、そうだなあ……」

 

 クラベル校長曰く、『宝探し』で探すものは人それぞれだと。その宝は形あるとも限らない。だけど、そこで得た宝は今後のトレーナー人生を支えるものになるとか。

 とはいえ、いきなり外に放り出されても何もわからないよね。アオイは悩み、考える。

 

「とにかく、強くなりたいです。先生、時間ありますか?バトルに付き合ってください」

「そうきたか。いいよ、一対一でやろう」

 

 アオイの返事は実にシンプル。それでいて抽象的。難しい目標だと思う。でもボクとのバトルがそれに役立つなら、ボクは喜んで力を貸そう。

 周りに被害が出ないよう、ボクたちは広い場所で互いに距離をとる。

 

「じゃ、お手柔らかに。おいで、ニャオハ!」

「デビュー戦いくよっ、ヒメグマ!」

 

 元気よく飛び出たニャオハは、今日もやる気いっぱいだ。バトルする、と聞いてボールの中で凄まじくアピールしてたからね。

 対するアオイのポケモンは……ガラルにはいなかった子だ。ノーマルタイプなら相性は五分かな。しかし、もう三匹目の仲間とは恐れ入った。

 

「先手必勝!みだれひっか―――」

ふいうち!!」

 

 ヒメグマが詰めてくるよりもさらに早く、ニャオハは懐に潜り込んで猫パンチ。相手の出鼻を挫く。

 

 一の爪を怯ませて防いでも、すぐに二の爪が来る。それを、ニャオハは退いて空振りさせた。

 この素早さこそがニャオハの武器。相手より先に攻撃を当て、向こうが攻撃する時には引く。ヒット&アウェイが信条のポケモンだ。

 

「続けてでんこうせっか!」

 

 そうしてまた入る。

 派手さはなくとも堅実に。塵も積もればダストダス―――

 

「グマァ……」

「ニャッ!?」

 

 攻撃がヒットすると思った瞬間、ニャオハの動きがいきなり止まった。

 ヒメグマの目が弱々しく潤んでいる。

 

「ニャオハ、見ちゃダメ!」

「かかったね、メタルクロー!!」

 

 隙だらけのところに、硬質化した爪がニャオハを襲う。

 しかし、うそなきをあんな使い方するとは。攻撃技が主体のヒメグマとは一見相性は良くないけど、技も使いようだ。上手く反撃された。

 

「いやらしいことするね」

「先制技を二つも使う先生には言われたくないですぅ」

 

 可愛い顔して結構言うね。

 

「今度こそこっちから!メタルクローのまま連続引っ掻き!」

 

 可愛い顔してえげつないことするね!?

 

「ニャオハ、喰らわないように引いて!」

 

 幸いにもヒメグマは鈍足だ。ニャオハのスピードなら十分逃げ切れる。

 そう思っていたのも束の間。

 

「そのままあなをほる!」

 

 地上でのスピードでは勝てないと判断すると、アオイはすぐに指示を変えた。

 ヒメグマは物凄い速度で地中に身を隠す。

 

 厄介だね……。

 でも、ボクの指示は変わらない。地中からの攻撃をかわし、その後に反撃するプランで行こう。

 とりあえず、ヒメグマが潜った場所からニャオハを遠ざけなきゃ。潜って間もない今ならまだ距離があるし大丈夫――

 

「出てきて!」

「グマァ!」

 

 ――じゃない!?

 

 まだ離れてると思ったヒメグマが、ニャオハの足元から飛び出てきてその爪を振り抜く。

 ここまで地中での動きが素早いなんて。メタルクローで土を掻いてるからこそのスピードってこと!?

 

 ……いやいや、納得できるかい。ドリュウズじゃないんだから。

 ニャオハはフラつきながらも起き上がる。スピード自慢だけど耐久は難あり。マズいな、次の攻撃はもう耐えられそうにない。

 

「まだやれそう?」

「ニャォ!」

 

 アオイへの認識を改めないといけないみたい。ナメたつもりはなかったけど、彼女が若いのもあって多少甘く見てた。

 この子は強い。ネモを二度も負かすだけのことはある。

 

「攻め込むよ!もう一度あなをほる!今度は回転しながら高速で!」

 

 アオイがヒメグマに求めたのはスピード。回転しながら再び地中に戻ると、ヒメグマが通った後の地面が隆起しだした。

 さっきより早いけど、今度は地上でもあの子の居場所がわかる。高速で弧を描き、ニャオハを囲むように動いていた。

 

「逃がさないつもりだね……。ニャオハ、下を向いて構えて!」

 

 彼女の狙いはわかった。あの進行速度だと、でんこうせっかでも逃れられない。

 だったら、上に逃げるまで!

 

「ニャオハ、テラスタルいくよ!このは!」

「こっちもテラスタル!あなをほる攻撃!」

 

 くさテラスタルで威力の上がったこのはを、地面に撃ちつける。巻き起こった突風は、ニャオハの小さな体を勢いよく宙に浮かした。

 

 それと同時に、地中でテラスタルしたヒメグマが飛び出す。弧を描くように地面を進んだことで、その円内の地面を隆起させ弾き飛ばした。この破壊力、間違いなくじめんテラスタルだ。

 宙に浮いたことでヒメグマの攻撃自体は避けられた。けど、巻き起こった小さな礫がニャオハを突き上げる。今の彼には、それでも手痛いダメージだ……!

 

「効いてる!メタルクロー!!」

「来るよ、準備して!」

 

 もう難しい指示は出せない。耐えなければこのバトルは負け。それだけの話。

 でも、ボクに散々噛み付く負けん気のあるキミなら、これぐらい訳ないよね。

 

 ニャオハはボクの声に反応して、空中で無理やり体勢を立て直した。その瞳はいつもの真っ赤じゃなくて、茂る草木のごとく緑で―――

 

「全て吹き飛ばせ!このは!!」

「ハニャァァァオ!!!」

 

 さっきよりももっと特大の突風が、大量の木の葉を巻き込んでヒメグマを弾き飛ばした。

 効果抜群による二倍ダメージ、タイプ一致のテラスタルで二倍、そしてさらに特性しんりょくで上乗せ。どちらが勝ったかについては……言うまでもない。

 

 




ま た ジ ョ ウ ト か
いや、ヒメグマは外せないんです許して。

バトルですが使う技が4つであることと、SVで覚える技であること以外は割と無法でやらせてもらいます。ので、頻繁に入れ替えるしたまご技も使うしわざマシンも使います。レベル技は多少意識しますが……。
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