基本は原作に従いつつ、原作に無い部分やあやふやな部分は容赦なく捏造したいと思います。オリ設定、別に私の好きな言葉ではありません。
ポケットモンスターというゲームシリーズに連なる世界に生まれ変わったと知ったのは赤ん坊の頃、ポケットモンスターというゲーム名の元ともなっているモンスターの一種ばけねこポケモンのニャースに顔を覗き込まれた時のことだ。どうやら、私は転生したらしい。
ポケットモンスター…通称ポケモン。そのゲームシリーズについての解説は最早不要だろう。
ポケットモンスター(以下ポケモン)と呼ばれる不思議な生き物の生息する世界を舞台に、、ポケモンを自らのパートナーとし、ポケモン同士のバトルを行う「ポケモントレーナー」たちの冒険を描くロールプレイングゲーム。それがポケモンのゲームの概要である。
長寿の大人気タイトルなので派生作品も数あるが、基本は育成とバトルを繰り返すゲームだ。
そんなゲームシステムを再現したかのように、私が生まれたこの世界でもポケモンバトルは大人気の興行だった。その人気ぶりたるや、この世界に生まれた子どもは誰もが一度はポケモンバトルを志すと言っても過言ではないほどだ。
今世の両親も一度はトレーナーを志したことがあるらしく、家に居たニャースは父の相棒らしい。
そんな世界なのでポケモンに関する資格を取れば需要は山盛り。食いっぱぐれることは先ずない。
俺が幼子の身体で資格の勉強を始めたのは打算100%の不純な動機からだった。
5歳、俺が最年少でポケモンブリーダー初任者研修を取得した翌日のことだった。
幼子の脳は幼いが故に吸収力が尋常ではなく、そこに前世で少なくとも大学までは勉強の経験がある俺が明確な目的意識を以って前世での苦悩を思い出しながら必死に学ぶことで、俺はトレーナーほどでは無いが人気職のブリーダーへの道の第一歩を誰よりも早く歩み出した。
トレーナー?ライバルが多過ぎるし年齢制限がある。簡単なタイプ相性ぐらいは覚え直したが目指す気は毛頭ない。身体は兎も角、中身は野心に心を燃やすほど若くないのだ。
そんな訳で国家ポケモンブリーダー資格取得に向けて第一歩を踏み出した訳だが、実務実習をさせてくれる育て屋やジムはどうするべきかと頭を悩ませていると、母から提案があった。
「お引っ越ししない?向こうなら近所にポケモンジムあるらしいよ?と。」
父も会社から転勤の話が来ていたらしく、それに着いて来て欲しいと言う話らしい。
転生者などという、傍から見れば気味の悪いであろう俺を大切に育ててくれる両親の願いとあらば是非も無しだ。俺は5年の時を過ごしたシオンタウンに別れを告げ、新天地へ旅立つ決意をした。
そういう経緯もあって、やって来たのはガラル地方はラテラルタウン。
日本の関東地方がモチーフであったカントー地方からイギリスがモチーフのガラル地方までやって来たのだから、考えてみればかなりの長距離移動だ。父はどんな理由で転勤になったのだろう?
ラテラルタウンにはポケモンジムがあったが、ジムリーダーは知らない人だった。
一応、バトルの記録を探してみたが俺の知っているラテラルタウンのジムリーダーたちの記録は見つからなかった。だが、原作ジムリーダーの中でも年長組の面々のものが見つかった。
原作開始時点よりも前の時代で、原作の若いジムリーダーはデビュー前らしい。
と思っていたら、今年の新人トレーナーの中に原作キャラの姿を見つけた。
原作で主人公に破れるまで10年連続チャンピオンだったダンテ、その幼馴染で研究者の道に進むソニア、ダンテのライバルでありドラゴン使いのジムリーダーになるキバナ。
3人のチャレンジャー時代の活躍をリアルタイムで追うことが出来るのは転生者の特権だ。
1人のポケモンファンとして純粋に楽しませてもらうことにしよう。
そんなこんなで新人トレーナーたちのジム戦(ガラルではジムチャレンジ)を楽しみながら、現ラテラルタウンジムリーダー“エスパー使いのヤシ”の元でブリーダー修業を積む毎日だ。
ヤシさんは暗く卑屈な男だが、その陰鬱とした雰囲気からは想像もつかないほどに鮮やかで夢と希望に溢れた作品を手掛ける絵本作家でもある。俺も一読者からファンになった。
エスパータイプのポケモンたちは頭の良い子が多く、そのために舐められてしまうことがあったり、ヤシさんやジムトレーナーの皆さんの容赦ない指導を受けたりと実習は苦しいが、ジムリーダーは新人トレーナーを導く仕事であるためか指導が上手い。修行が糧になっている実感がある。
近頃はブリーダーとしての修行を積みつつ、並行してポケモン栄養学の勉強をする毎日だ。
もう少し生活に余裕が出てきたらガラル空手も学ぼうと思っている。ポケモンはモンスターというだけあって力が強いからスキンシップにも丈夫な身体が必要と判断してのことだ。
幾ら、まだ若いといっても油断は禁物だ。夢の幸せ高給取り生活に必要なことはまだまだ多い。
そういえば、最近パラレル団なる悪党が世間を荒らしまわっているらしい。
原作ではガラル地方に悪の組織は無かったはずだが、ここは現実だ。よくよく注意するとしよう。
ある日、ヤシさんにポケモンの捕獲に付き合って貰うことになった。
最初は年齢制限があるのにいいのかと聞いたら、「大人が監督すれば問題ない。今日日、幼児でもポケモンを持っているのからお前も持っていろ。」とのことである。
言われてみれば、原作にも見るからに幼いトレーナーがいた。なら、問題ないか。
と言う訳で、ルミナスメイズの森に入ったはいいが普通に暮らしている彼らに殴りかかるのは気が引ける。いや、バトルしてゲットするのは普通のことなのだが…俺がすっきりしない。
なので先ずは、ネットを通じてポフィンというポケモン用のお菓子を作り、それを手土産に友好的に挨拶して、俺と一緒に来てくれるように時間をかけて説得する平和的方法をとることにした。
その度に付き合うことになるヤシさんには悪いが、そうした方が絆を築けると思ったのだ。
ヤシさんは少々驚いたように目を見開くと、「そうか、お前がそうしたいならそれでいい。確かにその方が平和的だ。」と言って、俺の変則的なゲットを許可してくれた。やったぜ。
そうして毎日ネットのレシピと睨めっこしながらポケモン用のお菓子を作り、ルミナスメイズの森へと持っていく日課が出来たのだが、このルミナスメイズの森通いが切欠で、俺はとある事件に巻き込まれることになったのだった………つづく。
転生特典・・・・・・?前世の記憶があるじゃないですか。