OVER×OVER ~H×H原作の最新DMMO始めました~   作:砂漠谷

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ゲホゲホ言いながら書きました。

計算ミス
5万平方km→50万平方キロメートル。日本の人口密度が340/km²なので、人口密度2000/km²くらい行けるやろ、という計算をしました。
10億人/(2000人/km²)=500000


非仮想世界の侵略征服記
九人九様の救世主


 ユグドラシルのギルドである、アインズ・ウール・ゴウンのメンバーの一部が、最新DMMOのHUNTER×HOPE×HUNTERには集まっていた。

 

 露悪趣味の魔人、ウルベルト・アレイン・オードル。口から右ほおにかけて大きな裂傷が縫われているが、それ以外は容姿端麗の壮年といった印象を与える。

 距離感バグり芸術家肌、るし☆ふぁー(こちらではルシ・ペンタグラム・ファー)。おそらく男アバターだが、紫の瞳孔に白い白粉を塗った肌、そして涙のフェイスペイントをしている。

 ブラック企業に搾取されている、ヘロヘロ。眼の下にくまの目立つ少年のアバター。

 ジャパニーズHENTAI文化を継ぎし者、ペロロンチーノ。鷲の仮面を被り、顔が見えない。

 そして、正義の心を持つリア充、たっち・みー(こちらではジャスト・タッチミー)。端正だがやや輩っぽい顔つきを、心からの笑顔で中和している。長髪で長身。

 これらの五人に加え、モモンガ(こちらではモモンガ=ナザリック)が、メンバーに加わった。

 

「さて、ギルマスがこちらに来てくれたということで、おめでとう会でも開きましょうか」

 たっち・みーはモモンガにそう問いかける。

「ええ、是非!」

「その前に。モモンガさんにナザリック大墳墓の維持を放り投げてしまい、本当に申し訳ありません」

 たっち・みーはモモンガに頭を下げる。

 

 モモンガは、ずっと残っていた胸のしこりが、和らいだような感覚を覚えた。

「私も仕事で……ごめんなさい」

「すまん。詳しくは言えないがリアルが忙しかった」

「エロゲ消化する時間を削ってログインしようとしたんだが、その時間を仕事が奪っていきやがった。時間を作れずすまねぇ」

「いやー、ごめんごめん!まあモモンガっちなら許してくれるでしょという甘えも正直ありました。……マジでゴメン!」

 

 上から、ヘロヘロ、ウルベルト、ペロロンチーノ、るし☆ふぁーである。

 

 ぼろぼろと涙があふれてくる。モモンガのような2mの長身のアバターを、同程度の体格のたっち・みーが抱きしめる。

「ありがとう、ありがとう……俺が好きでやってたんだ、でも報われない気持ちもどこかであって……みんな、ありがとう」

 

 ここに、大団円が完成した。

 

 あとは、後日談である(何も起こらなければ)

 

 リアル時間で1年、DMMOのサービスが()()()()させられるまで。すなわち、ゲーム内時間で12年。

 実ログイン時間は3年ほどだろうか。モモンガたちは、4番サーバーで、多くの冒険をした。

 まず、旅団(ギルド)を作った。名前は、ナインズ・オウン・ゴール。アインズ・ウール・ゴウンの前身だったギルドの名だ。アインズ・ウール・ゴウンは、一応ユグドラシル内でまだ生き続けているので、前身の名を継承した。

 リアル時間で一か月ほど後、タブラ・スマラグディナ、ぶくぶく茶釜(ぶくぶく・ざ・てぃーぱーてぃ)武人武御雷(モノノフ・タケミカズチ)もギルドに加入した。ナインズの名に恥じぬ9人の旅団。彼らは、4番サーバー内で多くの偉業を達成した。

 

 サーバー内にある『厄災』と対になる『希望』。メビウス湖内に持ち込まれたそれは、最終的に57つにまで上ったが、それらのうち12を保有しているのがナインズ・オウン・ゴールである。

 

 暗黒大陸の面積のうち、約17%の踏破をプレイヤーたちは成し遂げたが、1/17はナインズ・オウン・ゴールが踏破、実効支配している。

 

 ナザリック大墳墓の再現。『支配者の祝福』で得た城と城下町を、多数の念能力と複数の『希望』で魔改造し、地形からギミック、所属NPCの殆どを疑似的に再現した。これはモモンガが持ち出したナザリック大墳墓の、数千テラバイトのデータが役に立っている。

 

 他にも、『闇のソナタ』フルオーケストラ完全鑑賞(一部のギルメンのみ)や、月への到達、多くのコラボクエストで上位入賞などの偉業を達成し、サーバー内旅団ランキングで最後の二か月間はトップに君臨した。

 

 だが。盛者必衰。その栄光は唐突に終わる。

 

 モモンガが、他八人のギルメンと、再現したナザリック大墳墓で談笑している時。

 空間が赤く光り、サイレンが鳴る。

 

「何これ?侵入者用の警報変えたの?雰囲気ぶち壊しじゃん」

 やけに甲高い萌え声が幼女のアバターより発せられる。

「こ、これはコロニー内の最大級警戒警音です!」

 メンバー内で、唯一コロニー内に在住しているたっち・みーはその音を知っている。警察官としての演習の時しか聞いたことは無かったが。

「え、でもなんでそれがゲーム内にも……っ!?」

 

 明転。白い光に空間が包まれる。

 全員があまりの眩さに目を閉じる。耐極光防御アイテムを装備していた者もいたが、それを無効化する。直接リアルの瞳孔に叩き込まれたような光が収まったころには、9人はまったく別の空間にいた。

 

 目の前にいたのは、かつてハンター試験合格時にいたドン・フリークスと、キングゥ・オールグリーンのアバターだった。

 

「し、師匠?いきなりどうしたんですか?」

「落ち着いて聞いて!今からリアル時間で一時間後、()()()()()()()()()()()()()

 

「「「は?」」」

 

 ギルドメンバー全員が、それに困惑する。

 

「そ、それはこのサーバーで、ですか?」

 モモンガの質問に、キングゥは横に首を振る。

 

「リアルで、よ。リアル時間で50分後、つまりゲーム内で10時間後、わが社はサービスを終了して、企業コロニーの防御に全リソースを集中するつもりだわ。でも、持って数十分でしょうね」

 

 たっち・みーは、少しの間うつむき、そして毅然とした顔つきで顔を上げる。

「モモンガさんの師匠さん、ですよね?HOPEFULLY社社員の。それが何故、我々を、我々だけを呼んだのですか?」

 

「ええ、あなたたちには『魔境』と言われる、最も危険な4番サーバーの、最も強い旅団の9人だからよ」

「話が読めませんが……」

「だからこそ、あなたたちには世界を、いや、()()()()()()()()救ってもらう。異世界に全人類を転移・避難させてね」

 

「は……異世界?転移?」

 たっち・みーが困惑する。

「「キター!!!!!!」」

 ペロロンチーノとるし☆ふぁーが歓喜の叫びをあげる。

「ふむ……非常に面白そうだ」

 タブラ・スマラグティナが思索する。

 

 タブラが次いで質問する。

 

「すまないが、具体的に、どのような手順で人類を救おうと思うのかね?」

 

 キングゥとドン・フリークスは大きく頷く。

 

「CEO、お願いします」

「文系の君には難しいだろうからね。私が説明してやろう」

「バカにしてます?」

「いや、専門家が言った方が良いだろう?では、説明しよう。まず、このゲームは、フラクトライト操作という技術を根幹に据えている。フラクトライトとは、脳に瞬く光子、すなわち有意識・無意識を含む全思考を表している。これが脳のニューロンに入ることで、君たちの人格が形作られるわけだ。このゲームでは、NPCにもそれは備わっている」

 

「人が平気で死ぬこのゲームで、NPCに魂を宿らせるっつーのは、よっぽど倫理に反してねぇか?」

 ウルベルトが眉をしかめる。

「君は記者かね?そもそも魂は脳さえあれば動物にも宿る。人間の母親から生まれたものだけが人間だよ。だから我が社は他社の人工子宮技術を妨害して……おっと、話がズレた。ともかく、このフラクトライト操作技術で、このゲームは成り立っている。ここまでは良いかな?」

 

 全員が首を縦に振る。

 

「さて、それで、だが。『質量のあるものは、時空の壁を越えられない』。という相対性理論から導き出され、数年前に実験で実証された法則がある。これは御存知かな?」

 

 ギルメンのうち3人ほどが頷く。

 

「……まあいい。フラクトライトは光子だ。質量はゼロ、つまり、あちら側に肉体を用意してあげれば、異世界転移は簡単に可能、という訳だ。だが、我々にはあちら側にこちらから肉体を用意する技術はない。だから、他社から盗んだ異世界観測・通信技術を使って、そういうことが出来る世界を探した。そして、見つけたのは、かつて有名漫画家が描いたHUNTER×HUNTERの世界に、物理法則から人物までそっくりな世界だった。おそらくかの漫画家は異世界からの毒電波を受信して漫画を描いていたんだろう。次は異世界転移者のメンバーの選定と訓練だ。そのために、我々は異世界を模してこのHUNTER×HOPE×HUNTERを作った」

 

「この最終戦争(ハルマゲドン)を予測していたのか!?」

 ウルベルトは吠える。

 

「だから君は記者かね?いずれ人類が滅ぶことくらい君にもわかっていただろう。我々も今日とは知らなかった。それだけだ。向こう側とここは、今は時系列の関係は不確定だが、一度魂を送り込んでしまえば10万倍ほどになる。一時間を12年に変えることが出来る。おっと、もう11年ほどになったかな。君たちの念能力やスキル、オーラ量はフラクトライトにしみ込んでいるから使えるが、アイテムや土地は持っていけないよ。ああ、モモンガ君の『死後強まる念の指輪』は例外だ。アレはフラクトライトの成れの果てだからね。所属NPCは念貨をモモンガ君の『希望を演ずる宝匣(パンドラズ・アクター)』に一定量入れれば転移させられるようにしておく。こちらのエネルギーが足りないから、最初から転移するのは君たち9人だけだが」

 

「異世界からあなた方に通信は出来る?」

 

 モモンガが頭を捻って出した質問にCEOが答える。

 

「出来ない。時間の流れが変わればね。11年が過ぎれば、そちらの世界における流星街に、DMMO用ヘッドセットを被らせた全人類を順次転移させていく。君たちにやって欲しいのは、領土50万平方キロメートルの、この世界の人類のための国家を作って欲しい。これが一つ。そして、肉体を作るのに必要なオーラ、一人1000∅として、10億人分。つまり一兆∅を集めて流星街に置いて欲しいということ。これが二つ目」

 

「それで本当に全人類が救えるのか?」

 

 たっち・みーが問い詰める。

 

「少なくとも、ナノマシン受容手術と脊髄プラグ手術をしているならね。DMMOにログイン出来て、実際に今日ログインする者なら、すべて救うつもりだ」

 

「……分かった。俺は行く」

 たっちは最初に了承する。

「俺も、異世界のロリに興味あるわ」

「おれもおれもー」

 ペロロンチーノとるし☆ふぁーが気楽に言う。

「私も異世界、非常に興味深いですね」

「はー、弟が行くなら行かなきゃな―、私もなー」

 タブラとぶくぶく茶釜が了承する。

「地獄の労働から逃れられるなら何でも……」

「チワキニクオド、って奴だな」

 へろへろと武人武御雷も首を縦に振る。

「皆さんが行くなら私ももちろん行きますよ!」

 モモンガが遅れて返事をする。

 そして、最後に。

 

「くくく、はははははは!これは傑作だ!DMMOにログイン出来る奴だけを救うって?つまりDMMOを見下してる、ナチュラル派の上流階級の皆さんだけがおっ死ぬ訳だ!当然俺も参加する!楽しいったらありゃしない!」

「そんな言い方は止めろ!」

 

 たっちとウルベルトが激突する。

 

「おっと、ともかく全員一致なんだからさっさと転移して欲しいんだが。喧嘩はやめてくれ。では転移するよ。心の準備は?」

 

「「「ああ/OK/問題ない」」」

 

「では。時空細胞壁掘削、時空細胞膜到着。時空細胞膜貫通注射、発動する。3,2,1。GO!」

 

 9人は、光の渦に包まれた。




モモンガ:モモンガ中将(ワンピース)をミイラにしたような見た目。とあるイベントで容姿が変化した。
ウルベルト・アレイン・オードル:レジャット(ハイパーインフレーション)
るし☆ふぁー:メフィストフェレス(Fate/Grand Order)
ヘロヘロ:初期の乙骨憂太(呪術廻戦)
ペロロンチーノ:仮面の下は未定
たっち・みー:加藤勝(GANTZ)
タブラ・スマラグティナ:生前宿儺の即身仏(呪術廻戦)
ぶくぶく茶釜:合法ロリ。肌の劣化などはすっぴんを凝視すれば分かる程度には成人度を押し出している。具体的にはちゆ12歳。
武人武御雷:未定。次回までには思いつきます。

最終戦争はメガコーポ間のパワーバランスの崩壊から起きました。バランスを崩したのはHOPEFULLY社ですが、流石にこんなことになるとは思ってもみなかった模様。企業がホワイト化してモモンガが有給を取れるようになったのもHOPEFULLY社の影響です。
オバロ世界の人口が10億ちょっとというのは予測です。間違ってたら誰か教えてください。
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