異世界の料理本   作:バルバルさん

10 / 10
やっぱドラゴンの揚げ物は最高だぜ!

おいおい。レア度の高い肉が欲しけりゃ生肉でも食ってな。ここはドラゴン肉専門店だぜ……冗談だよ。レアなドラゴン肉が入用かい?

~肉屋店主 バルザン~

 

 冒険者たちのパーティで提供されて、間違いなく喜ばれるものはなんだろうか?

という問いに、多くの冒険者たちは「グオンが食べたい」と言うだろう。

 グオンとは、ガーバドネス語で「唐揚げ」の意味。肉を液に漬けて味付けして揚げた食べ物であるが、その中でもドラゴン肉のグオンは特別だ。

 鶏肉も悪くないが、やはり冒険で狩ることのできる最も強力な存在として、「冒険者ハントガイドブック」に記載されているモンスター、ドラゴンの肉で作ったグオンは特別な味だ。

 とはいえ、野性や非食用のドラゴンは固すぎて食べられないが、脂の乗った食用ドラゴン、家畜ドラゴンの肉は独特な歯ごたえと味で、非常に美味しい。

 ドラゴン討伐の打ち上げに、この「グオン」を用意しておけば、パーティの人気者になれること間違いなし……かどうかはともかく、喜ばれる事だろう。

 

材料・食用ドラゴンの手羽先

  ・塩

  ・調理用ワイン

  ・クルオーン

  ・カンキアム・ジュース

  ・食用油

  ・揚げ粉

  ・コルオン(好みで)

  ・リィモ(好みで)

 

ドラゴンの手羽先の下ごしらえ。

・食用ドラゴンなら何でもいいが、皮の処理のしやすさから特に緑皮のジークドラ種の食用ドラゴンを使った方が簡単かつ安価。こだわるなら赤い皮のドラゴン種のほうが処理が難しいが美味しい。

・まず、外皮をはぐのだが。食用とはいえドラゴンの皮。剣すら弾く固さなので、よほどこだわらない限り肉屋で処理してもらった方が楽。

・内皮に、調理用ニードルで細かく穴をあける。力作業になるため、休憩を挟むと良い。

・骨はあったほうが味わい深くなるので、処理しないほうがいい。食べやすさを重視する場合、脱骨済みの物を買う。

・塩、クルオーン(香り高い黒い粒上の香辛料)を砕いた物、カンキアム(胸のスッとする香りが強い根菜)のジュース、そして調理用酒を混ぜた液に漬け、良く揉む。揉めば揉むほどおいしくなるため、手抜きしてはならない。

 

揚げる

・下ごしらえしたドラゴンの手羽先に、揚げ粉をまぶす。薄い方がパリッとして美味しい。

・油を180℃ほどに熱する。ドラゴンの耐火性は外皮に依存しているので、この程度の熱でも美味しく揚げられる。

・衣が焦げないよう気を付けつつ、7~8分ほど揚げる。

 

仕上げ

・皿に置き、コルオン(さっぱりとした味の葉野菜)の千切り、リィモ(ものすごくすっぱい果実)を添えて。

・そのままかぶりつく。リィモはお好みで絞る。

 

以上。

 内皮はねっとりとした触感。意外と肉質は柔らかくあっさりした味わい。鳥を豚の赤身寄りにした感じ。特に骨際の肉はうまいという例にもれず、とても美味しい。

 ただし、そのままでは大きいので飽きてしまう場合もある。そういう場合にリィモを絞ったり、コルオンで口をさっぱりさせるのだ。ただし、最初からリィモを絞ると戦争になるので注意。

 この「グオン」はドラゴン畜産の盛んなガーバドネス国発祥の郷土料理とされている。質のいい食用ドラゴンの羽が手に入ったら試してみてはいかがだろうか。

 

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