異世界の料理本   作:バルバルさん

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女の子へのプレゼントはルビーグラッセ一択!

 ドワーフの娘へのプレゼント?そりゃ、食用宝石一択だな。特に、食用ルビーのルビーグラッセなんてプレゼントすりゃ絶対喜ばれるさ。

 ところで、ここにちょうど食用に錬金したルビーがあるんだが……一粒、金貨一枚でどうだい?

~~錬金術師・クラッペ~~

 

 食用宝石は、かつてはごく限られた岩山でしか採掘できない、ドワーフにとって貴重なご馳走だった。

 

 特に、バナラード地区一帯の岩山でとれる食用宝石は、現在も高い人気を誇り、ドワーフの女子の憧れである。

 

 近年、錬金術の急速な発展により、人間の舌にも合う食用宝石が錬金できるようになったため、普通のドワーフ達も食べられるようになってきた。また、身分の高い人間やエルフも、観賞用ではない、食用の宝石を食す夜会など開くことがあるという。

 

 とはいえ、人間やエルフにとっては、元々宝石を食べる文化はないので、食用宝石を食べる彼らはとても奇妙に映るに違いないだろう。「ドワーフは岩を食べる」という俗説も、この光景から生まれたのかもしれない。

 

 だが、錬金の食用宝石で作ったお菓子は、王宮でも高い人気を誇るお菓子だというのには間違いなく、確かに、見栄えはよく、美味しいのは間違いない。

 

 以下に、ドワーフにとって身近な食用宝石のお菓子、「ルビーグラッセ」の製法を記す。

 作るのにとても時間はかかるし、高価な砂糖を大量に使うが、その分の味は保証する、

 

 

材料

・ドワーフルビー(錬金製)

・砂糖

・ヴァルガミコ酢

・カルコシア触媒

 

料理法

●ドワーフルビーの下ごしらえ

・ドワーフルビーは天然のものは雑分が多いので、人間の味覚には合わない。なので錬金術で作った高純度のものを使う。ただし、通なドワーフは天然物で作ったルビーグラッセを好むことがある。

 

・錬金ドワーフルビーはヴァルガミコ酢で洗って薬剤を落とす。そして大量の水で洗い流す。この時、やすりで表面をすべすべにすると、食べる時に食感が良くなる。

 

・冷えた純水と、カルコシア触媒の9:1混合液に漬け、一週間漬けておく。カルコシア触媒は、錬金用品の専門店で買えるが、正規品を買う事。

 

 ●ルビーグラッセ作り

・混合液からドワーフルビーを取り出す。この時、もろく形が崩れやすくなっているので十分注意する。

・純水に漬け、混合液を落とす。四回ほど水を張り変えるとしっかり落とせる。混合液が残っているとえぐい味が出るので注意

 

・優しく、清潔な薄い布で包む。

 

・包まれたドワーフルビーを鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れて弱火で2時間ほど煮る。二時間後、フォークがすっと突き刺さる固さなら上出来である。

 

・砂糖を投入し、沸騰しない程度に鍋を火にかけ、砂糖を溶かす。

 

・ドワーフルビーを乾燥させないよう、かつ水分を飛ばすように、清潔な布製の落し蓋を敷いて、1日置く。

 

・一日後、さらに50g程度の砂糖を投入し、沸騰しないよう鍋を火にかけ溶かす。これを5日以上繰り返す。

 

 ●仕上げ

・鍋ふちや、布に砂糖の結晶ができたら、仕上げにかかる。

・鍋を加熱後、鍋から布に包まれたルビーを取り出し、一晩程度、乾燥させる。

 

 

以上

 

 

 透き通るような甘味と、すがすがしい後味。見た目はルビーの宝石なのに、とても柔らかく、舌の上でさらりとほぐれる。時間がとてもかかるが、それだけ時間をかける価値はある。

 ドワーフの少女への誕生日プレゼントに喜ばれること間違い無し。また、宝石を好む種族への贈り物に、時間をかけて作ってみては?

 

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