珍ェンソーマン   作:tubuyaki

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珍ェンソーマン

 

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 デンジがスターターを引くと、チェンソーは尻から出た。

 

 正直、デンジは思っていた。

 ポチタの頭って、丸っこくて二つに割れてて、ちょっとケツみてえだなって

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 まあ悪魔だからありえねー形してるよなあと思って、気にも留めてなかった。

 

「(けどよ、人間には二つに割れてる場所なんて一つしかねえじゃん)」

 

 だからデンジは、スターターを引く前にズボンを下ろしておくことも、迫り来るゾンビたちに尻を突き出して待ち構えておくことにもためらいはなかった。むしろ襲い来るゾンビたちの方こそ、無防備なケツを差し出してきたデンジにためらいを覚えたようだった。

 

それが命取り

 

ヴヴヴヴヴン!

 

 からひり出されたチェンソーはゾンビに突き刺さり、血飛沫を撒き散らしながらその体を真っ二つに引き裂いた。デンジが尻を左右に振る度に、ゾンビたちの手足はもげ落ち、ズタズタに引き千切れていく。

 

「なんでケツからチェンソー生えてんの? マジキモっ!」

 ゾンビの悪魔の、心からの言葉だった。

 

「もしかして、さっきの悪魔にケツを乗っ取られたのか!? ケツを乗っ取る悪魔とか、ちょっと嫌なんだけど!」

 

 デンジは悪魔のたわごとなんか気にしない。

 ただただゾンビの悪魔を倒すことだけを考えていた。

 

「てめえら、どけぇええ!」

 

 行く手を遮るゾンビたちを、尻を振りながらなぎ倒していく。

 

「近寄るな、変態ぃいいい!」

 

 ゾンビの悪魔は配下のゾンビを投げつけて、デンジにぶつけた。

 大きく吹き飛ばされたデンジは仰向きに倒れるも、尻から生えたチェンソーは健在で、元気よくヴンヴンうなっていた。

 

「クソォオオ、ケツを突き出しながらじゃ前がよく見えないィイイ!」

 

 動きの鈍い雑魚ゾンビと違って、ゾンビの悪魔本体は意外に俊敏だ。尻を突き出したままで勝てるほど甘い相手ではない。

 

「(一体どうすりゃいいんだ・・・?)」

 

 群がるゾンビを切り払いつつ、デンジはウーンと頭を悩ました。

 

「(普通に前向いて近づいたんじゃ、ゾンビどもに足止め食らっちまう。尻から生えてたんじゃ、チェンソーブッ刺せるわけねえもんなあ)」

 

 デンジが悔しがってケツのチェンソーを股越しに眺めたとき、ふとあることに気が付いた。

 

「すげえ、タマも復活してる」

 

 ゾンビによって一度はバラバラにされた体

 ポチタのお陰で復活してみれば、片方を売り払ったはずのキンのタマまで元通りになっていた。

 それが、ヒントになった。

 

「(そうだ・・・ポチタのチェンソーってアレにも似てたな。じゃあアレみてえに、前にチェンソーを持ってくりゃあいいんだ・・・)」

 

 正直、デンジは思っていた。

 ポチタの口元って、丸っこくて二つ並んでて、ちょっとキンタマみてえだなって

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もちろん真ん中に生えてるチェンソーがサオ替わりだ。使うときには長く伸びるところとかピッタリだ。

 

「ならよォ、俺がメチャメチャ興奮すれば、ケツ元から垂れ下がったチェンソーも前向いて伸びてくんじゃねえのかぁあああ!?」

 

 デンジはエロエロな記憶を思い出しながらグロいゾンビを倒しにかかった。

 

 ここで一番役に立ったのが、川原でいつも拾い集めていたエロ本の記憶だった。デンジはそれら全部をホームレスに売って生活費に充てていたから、彼の手元に残るものは一つもなかったが、その代わり思い出して使えるよう、彼の頭には全てのページが焼き付けられていた。

 それからヤクザの息が掛かった店のピンクビラも役に立った。挑発的な煽り文句が、デンジのチェンソーをフルに唸らせた。

 

 むくむくっとデンジのチェンソーは起き上がり、長く伸びていく。

 

ヴヴヴヴヴ!

 

 デンジの努力の甲斐あって、ついにチェンソーは下腹部の前に屹立した。

 結果、デンジの股に生えている男の象徴は、チェンソーによってズタズタに切り刻まれることになった。

 

「いってぇエエエエ!!!」

 

「お前バカ! めっちゃバカ!」

 

 ゾンビの悪魔の驚愕の声も耳に入らないほど、デンジは痛がった。

 ポチタのおかげでせっかく蘇ったタマが、残ってたサオごと切り裂かれちまったことを悲しんだ。

 

「でも、これでようやくチェンソーが前ェ向いたぜえ・・・! ゾンビの悪魔にも、穴はあるんだよなあ!?」

 

 ゾンビと闘いながらエロいことを思い浮かべつつ痛みにも耐えるという高度なプレイでハイになったデンジは、喜悦の表情を浮かべながらゾンビの悪魔に駆け出した。

 

「来るなぁ! 来るなぁああ!」

 

 ゾンビの悪魔とて、頭のネジがぶっ飛んだ奴は恐れる。

 まして、興奮しながら自分をチェンソーレイプしようと襲ってくる相手ならなおさらだ。

 

 ゾンビの悪魔は再び配下のゾンビをつかんで、まるで子供の癇癪のようにデンジへと投げ付けた。けれどデンジはビンビンにおっ立ったチェンソーを左右に揺らし、ヴヴン、ヴヴンとそれらを薙ぎ切っては前に突き進んでいく。

 

「お願いだから死んでよおぉおお!」

 

 デンジを叩き潰そうと振るわれたゾンビの悪魔の太腕でさえ、チェンソーはやすやすと切り裂いた。手の先から肩口に至るまで、腕がパックリと裂け、血潮が流れ落ちていく。

 

「ウァアアおおおああ゛あ゛あ゛!」

 

 ついにゾンビの悪魔を目の前にしたデンジは、その馬鹿でかいゾンビ顔に抱き着き、腰からビンビンに生えたチェーンソーを深く突き降ろした。血しぶきと肉片が飛び散り、悪魔的な断末魔が響く。

 

 デンジは何度も何度も腰を振って、ゾンビの悪魔の顔を刺し貫き、引き千切った。

 そうしてデンジが気付いた時には、ゾンビの悪魔は動かなくなっていた。

 

 それでも、まだ終わりではなかった。

 悪魔を倒したデンジを、ゾンビたちが取り囲んでいた。

 彼らをゾンビにした悪魔が倒されても、ゾンビはゾンビのままだった。

 

「てめえら、全員悪魔に堕ちちまったみてえだなあ!」

 

 ゾンビたちが歯をむき出しにして襲い掛かってくる。

 

「俺はまだまだやれるぜ。俺のチェンソーもまだまだ収まりが付かねえしよォ」

 

薙ぎ切る 引き千切る ぶった切る

 

 デンジはふと気付いた。

 

「そっか! てめえら全員チェンソーでイカしてやればよお! 借金はパアだぜ!」

 

ヴヴン ヴヴン ヴヴヴヴン!

 

 ゾンビたちすべてを切り刻むまで、もうチェンソーは止まらない

 

「身体で支払ってやるんだから文句ねえよなあ! ギャアーハッハハァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 明けの明星の輝きと共に、その女はやってきた。女はゾンビの悪魔の情報が上がった倉庫に降り立つと、部下の男を従え、血生臭さ立ち込める倉庫の中へ足を踏み入れた。予想の通り、中は血の海だった。

 

「先を越されたね」

 

「生き残りもいますね」

 

「ふぅん・・・」

 

 女は辺りを軽く見回し、生き残りに声を掛けた。

 

「ねえ、キミがこれやったの」

 

 倒れ伏したゾンビたちは、その多くがから切り裂かれていた。

 デンジは相変わらずズボンも履かずに、チェンソーをおっ立てていた。

 何が起きたかは明らかだった。

 

 デンジに質問に答える気力は残されていなかった。

 彼が力尽きて倒れようという時、ただ一つの願望が口から漏れた。

 

>>「や、やらせて・・・」

>>「だ、抱かせて・・・」

>>「チェンソーマン最高と言いなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>>「や、やらせて」

 

「チェンソーマンはそんなこと言わない」

 

 次の瞬間、デンジの腹は大砲でも食らったかのように消し飛んでいた。

 泣き別れになった体を地面に横たえたデンジは、狂おしいほどの痛みに何も考えることが出来ない。女の部下たちが戦慄に慄く中、女はデンジに歩み寄るとそっと屈み込んで、冷たいような悲しいような、そんな声で話し掛けた。

 

「チェンソーマンのこんな姿、私は見たくなかったな」

 

 デンジは何も答えることが出来ない。

 

「もういいよね、チェンソーマン。今のあなたは、あなたであってあなたでない。本当のあなたのことは私がよく知ってるけれど、傷付いたあなたはこんな風にまでなってしまった。だから終わりにしよう? 私が最期まで一緒にいてあげるから」

 

 デンジは訳の分からないままに意識を失った。

 二度と目覚めることはなかった。

 それでよかったのかもしれない。

 それから3年後の1999年7月に、世界は完膚なきまでに破滅したのだから

 

DEAD END

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>>「だ、抱かせて・・・」

 

「ケツからチェンソーレイプはさすがに嫌」

 

 女のマジ引きした声を耳にしつつ、デンジは地面に突っ伏した。

 腰元のチェンソーが解け消えていく。

 

 デンジはその後、朦朧としながらも女の説明を聞いた。

 悪魔として処分されたくないなら、公安の犬となって働くべきこと。

 従いさえすれば、なんと朝食にバター塗ってジャム塗った食パン、サラダにコーヒー、デザートまで付くらしいこと。最高だった。

 

 デンジを加えた一行が車に乗り込むとき、部下の男の一人だけが女の独り言を聞き取った。

 

「初恋だったのになあ。穢されちゃった」

 

 部下の男は唖然としたが、得体の知れぬこの上司に何も聞くことは出来ず、そのまま運転席に乗り込んで車を走らせるのだった。

 

HEARTBREAK END

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>>「チェンソーマン最高と言いなさい」

 

「チェンソーマン最高」

 

 女の冷静そうな声が、朝の冷たい空気の中に響いた。

 

「・・・え」

 

 一拍置いて部下の男らから戸惑いの声が上がるも、女の顔は真剣そのものだった。

 

「あなたたちもチェンソーマン最高と言いなさい。これは命令です」

 

「チェンソーマン、最高?」

 

「チェンソーマン、最高・・・」

 

「チェンソーマン最高!?」

 

「チェンソーマン最高!!」

 

「「チェンソーマン最高!チェンソーマン最高!チェンソーマン最高!チェンソーマン最高!」」

 

 男二人の歓声が響く中、倒れようとしたデンジはそっと女に抱き止められた。

 女は愛おしそうな表情でデンジに顔を近づけ、その耳元にささやいた。

 

「チェンソーマン、最高」

 

FUTURE END

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