89式和製ビッグレッド   作:ディア

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・アグネスフライト実装か?
≫筆者は先日ウマ娘星3を引きまくる為にジャングルポケット育成ガチャを引き、見事手にすることができた。しかしそのジャングルポケットのホーム会話でサラッととんでもないセリフを言い放っていた。作者は当所フライトのことをブライトと聞き間違えてメジロブライトのことだと思いそこまで気に留めてなかったがよくよく聞くと「フライトに特服着せたら〜」と非常に興味深いコメントがある。ウマ娘化された中でフライトと名かつく者はいないということはすでにフライトと名がつく競走馬がウマ娘に組み込まれている可能性が高い。その中で最も有力候補である競走馬といえばアグネスフライトである
≫アグネスフライトとはなんのこっちゃ?と気になるトレーナー諸君の為に解説するとエアシャカールを準三冠馬に押し止めた日本ダービー馬でありアグネスタキオンの一つ年上の全兄でもある。詳しくはggr。ウマ娘の初期こそ【同じ冠名の馬は三人もいない】というジンクスがあり実装されないと思われたがナリタトップロードやヒシミラクル等でとっくに破られているし、なんならエアシャカールと同世代であるのでエアシャカール育成実装時にウマ娘化されてもおかしくなかった競走馬である。そんな彼が候補に挙がった理由は上記の通りいつウマ娘化されてもおかしくない状況にあること、そしてジャングルポケットとはダービー馬という縁もあることから何ら不思議ではない。
≫ちなみに他に候補が挙がったのはダート路線で活躍した00世代のノボジャックの母フライトオブエンジェルス、近年話題となった米国の中距離最強馬フライトラインだが双方ともにジャングルポケットと縁はないのでやはりアグネスフライトが有力であると言える
≫追記項目としてアグネスフライト実装したらここに記載する。2024/6/24時点では実装されずにドリームジャーニーがまさかの発表&育成実装。ダイワメジャー実装されなかったんで他の小説書きます

・ポッケピックアップガチャ結果
≫めっちゃ星3引けた。体感2倍くらい引けたってくらいに引けた。夏衣装バンブー、ポケ、バレ衣装フウジン、秋イナリ、秋カワカミ、クリ衣装ダスカ、正月ウララ、アキュートとこれまで引いてなかった奴だけでもこれだけいるのに通常ブライト、通常ナリブ、ハロウィン衣装ボリクリとまあヤバい。今回は星3いない奴いたら引いておけってレベルだったね


ウマ娘25

 そして数週間後、JC当日。故障を不安視されたフジミキセキだが日本国内のGⅠ競走JCに出走が決まり、ファンは大いに喜んだ。

 

「創也様、本当にミキを出して良かったのですか?」

 

 サードプレジデントが創也にそう尋ねると創也は頷き、答える。

 

「普通ならそうなんだけどな、お前に似たのか、身体が丈夫らしい。脚を触診したりもしたが何の異常が見つからなかった」

 

「じゃあBCクラシックの失速は何だったのですか? 故障でもない限りはあのような失速はありませんわ」

 

 サードプレジデントがそう尋ねる。BCクラシックでフジミキセキは最後の直線で失速し、そこからどうにか逃げ切ったものの故障を匂わせるような走りであり、次のレースに不安を感じさせるようなものであった。

 

 あれが故障でなければ何があるというのか、サードプレジデントはそれが知りたかった。

 

 だが創也の見解では異常なしであり、フジミキセキの脚は万全な状態だった。

 

「それは分からない。ただ、BCクラシックの時に故障していたならもっと影響があったはずだ」

 

「どういうことですの?」

 

 創也の言葉にサードプレジデントは首を傾げる。そして創也はこう答えた。

 

「おそらくだがフジミキセキは限界を超える前にブレーキをかけてしまう癖がある」

 

「それは、フジミキセキに限らず別のウマ娘でも起こり得ることでは?」

 

「普通のウマ娘ならそうだ。しかしフジミキセキと同じくらいの強さを持ったウマ娘になると多少なりともブレーキを壊して限界を超えることが出来る。フジミキセキはそれをしなかった、いや出来なかったというべきだろうな」

 

「まさかミキは、フジミキセキはその領域まで届いていないのに勝ち続けたとでも言うのですか?」

 

「その可能性が高い。だから俺は期待しているんだ。そのリミッターが外れたらどれほどの強さになるのか──と」

 

 創也の言葉に絶句するサードプレジデント。

 

 そして創也の期待通り、フジミキセキはその限界を超えようとしていた。

 

 

 

「よォ、久しぶりだなフジミキセキ」

 

「……? シャカール、いつからそこにいたんですか?」

 

 エアシャカールがフジミキセキに声を掛けるとフジミキセキが首を傾げながらそう尋ねる。

 

 エアシャカールはそんなフジミキセキを見て、ため息を吐く。

 

「どうやらてめェは俺のことを眼中にないみたいだが、KGⅥ&QESでの出来事は忘れねェ。あンときのリベンジを果たさせてもらうぜェ」

 

 エアシャカールがそう宣言するとフジミキセキは首を傾げる。

 

 そしてやっと理解したのかフジミキセキがエアシャカールに不安の眼差しを送った。

 

「シャカール、貴女は──」

 

 不安げにフジミキセキがエアシャカールに声を発そうとする。しかしエアシャカールはそれを遮るように口を開いた。

 

「ウマ娘には一生に一度だけチャンスをくれる。ブリガディアジェラートを破ったロベルト、ニジンスキーを破ったササフラ、マンノウォーを破ったアップセット。当時の最強のウマ娘に大金星を挙げたウマ娘達だ」

 

「まさかその力が宿っていると? そんなオカルト染みた話は貴女が最も嫌うはずじゃ……?」

 

「違ェよ。俺はオカルトなんてロジカルで説明出来ねェ物は大嫌いだ。今の俺は充実期を迎えている。その証拠に先週測った一杯のタイムが上がり3F33秒9だ」

 

「そうですか……」

 

 浮かない表情のフジミキセキを見てエアシャカールが不審に思い、尋ねる。

 

「怖気付いたか? らしくもねェな」

 

「いえ、ただ──」

 

「あン?」

 

 フジミキセキが言い淀んで言葉を詰まらせる。それを見ながらエアシャカールは首を傾げた。そしてフジミキセキが口を開く。

 

「今の貴女は余りにも小さい」

 

「どういう意味だ? お前ェが世界を見てきたから俺が小物に見えるってか?」

 

「私の特技はウマ娘の強さを見分ける能力があります。強ければ強いほど大きく見えますがそうでない場合は小さく見えます。凱旋門賞の時などはモンジューも小さく見えましたしね」

 

「だから俺が負けると?」

 

「シャカール、少なくとも今の貴女では私に到底敵うはずもない。私を止められるとすればオペラオーとドトウだけですよ」

 

 そう宣言するとフジミキセキがゲートへと向かう。

 

 

 

 そしてレースが始まり、フジミキセキがハナに立つと後方を突き放し、レース場を湧かせる。

 

【やはり行った行った行った! 先頭はやはりフジミキセキ、BCクラシックとは打って変わって大逃げのレース展開を広げるフジミキセキですが、ここからフジミキセキを差すウマ娘はいるのでしょうか?】

 

 大逃げをするフジミキセキ、先行集団に混ざるメイショウドトウ、中団で構えるテイエムオペラオー、そして後方集団よりも更に後方のエアシャカール。

 

 エアシャカールは後方で冷静にレース展開を見ていたが、その目は確かにフジミキセキを捉えていた。

 

 

 

「(ドトウはいつもの位置か。あいつはドジだがレースに関してはドジらねェ。だからこそこのままだとフジミキセキの思い通りになる。かつて来日した米国の英雄の再来とはよくいったもンだ)」

 

 エアシャカールが後方で様子見をしながら考察する。

 

「(だがその英雄にしても無敵じゃねェ。豪脚でねじ伏せるのがそのレーススタイルの唯一の弱点なンだ。KGⅥ&QESでは早めに仕掛けたのが仇になったが今回はそうはいかねェ。何せハイペースになるのはわかりきっているンだからな)」

 

 エアシャカールがそう思考する中、先行集団にいるメイショウドトウは闘志を燃やしながらフジミキセキを見つめていた。

 

「(フジミキセキさん、やっぱり凄い……っ! あれだけ後方を突き放す先行力に加えて最後は末脚でトドメを刺す。それを超えるには一瞬の隙をついて詰め寄り、そこから一気に攻めるしかない──とトレーナーさんが言っていたけど、こうして改めて離されるとプレッシャーが凄い)」

 

 メイショウドトウがフジミキセキの凄さを改めて認識する。メイショウドトウのそのトレーナーが立てた作戦は一瞬の隙をついて詰め寄り、そのまま差し切るというものである。これは毎日王冠でサイレンススズカ対策にグラスワンダーが立てた作戦と同じ作戦である。

 

 しかし、その作戦には大きな欠陥があった。それは肝心のグラスワンダーは詰め寄りこそしたもののそのまま差すことは出来ず後退してしまい大失敗に終わってしまったことにある。故にメイショウドトウにはマイナスなイメージがついてしまっている。

 

 しかしそれを克服するためにメイショウドトウのトレーナーは詰め寄り突き放されたことも考慮した上で更に食らいつくように併走、それもリレー形式のトレーニングで克服させた。

 

 フジミキセキやサイレンススズカの末脚は言ってみれば二段加速であり、それ以上は存在せずにいる。つまり擬似的に別のウマ娘2人がリレーしながら併走することにより二段加速に近い状況を生み出し、メイショウドトウはこれに食らいつくどころか一週間前には重賞ウマ娘が相手でも余裕で差せるようになった。後はどのタイミングで仕掛けるかが重要であり、メイショウドトウはそのタイミングを測っていた。

 

 

 

「(ドトウ、どうやら君はフジミキセキさんを見ているようだね。僕ばかり見てきた君らしくない。でもその気持ちもわかるさ、僕もフジミキセキさんを見ているからね)」

 

 後方集団でテイエムオペラオーがメイショウドトウに視線を向ける。それはライバルを見るようなものではなく、憧れの先輩を見るような表情である。

 

「(彼女の走りは素晴らしいよ、いつだってそうだ。この僕さえ魅了してしまうくらいにね。僕は僅差こそ美学であると主張するけどあの走りには華がある。でもねドトウ、僕だって負ける気はないよ。今、この瞬間だって勝利への渇望に焦がれているんだ)」

 

 テイエムオペラオーがそう思考し、フジミキセキを見つめる。そしてレースは終盤へと向かっていた。

 

 

 

【さあ、最後のコーナーを曲がり先頭は未だにフジミキセキ、フジミキセキ先頭です!】

 

「(仕掛けるならここなんだよなァ!!)」

 

「(今っ!)」

 

「(やっぱりそうだろうねぇっ!)」

 

 日本、世界問わず出走しているウマ娘達がフジミキセキがコーナーを曲がり始めた途端にスパートをかける。

 

 その理由はフジミキセキが唯一コーナーで減速する瞬間がありそこで一息入れるからだ。その瞬間に差を縮めて詰め寄らなければ差を広げられてしまう一方になる。

 

 この二段加速のトリックを見抜いたエアシャカールとメイショウドトウ、そしてテイエムオペラオーがスパートをかけ、フジミキセキに並びかける。

 

「(ドトウ、そしてオペラオーが来ることは想定済だ。そうなるように誘導したんだからな。いくらフジミキセキといえど一瞬の隙を突かれた上に三人でかかってこられちゃ重圧もハンパじゃねェ)」

 

 メイショウドトウとテイエムオペラオーを誘導したエアシャカールが徐々に外に逸れていく。

 

「(そしてどんなウマ娘にも必ず存在する斜行癖、特に俺の場合は大きいがどっちにズレるかをコントロールしてきた。オペラオーもドトウも併走することで力を発揮するウマ娘。勝負根性なんて言葉はロジカルじゃねェから嫌いだが併走することで走りが速くなンのは紛れもねェ事実。だからこそ俺は外に回る!)」

 

 エアシャカールの作戦がハマり、直線に入る頃には既にフジミキセキの加速を止めた上にテイエムオペラオーとメイショウドトウを出し抜いていた。

 

「(これで後はシナリオ通りにいけばハナ差でゴールだ!)」

 

 

 

【大外から迫るエアシャカール、そして最内で粘るフジミキセキ! 今年のクラシックを盛り上げた2人が先頭争いだ!】

 

「(シャカールさん流石ですぅ。私の作戦やオペラオーさんの作戦を見破った上に私達を誘導するなんて……でも私にも意地があります!)」

 

 メイショウドトウがテイエムオペラオーに並び、そして2人でフジミキセキに詰め寄る。

 

「(ドトウも来たとなれば主役は揃った!)」

 

「(すみませんオペラオーさん、でも私だって負けられないんですぅ!)」

 

 メイショウドトウがそう答えながらフジミキセキの真横に並びかける。そしてテイエムオペラオーがフジミキセキの真後ろにつける形になる。

 

 

 

【さあここで先頭はメイショウドトウかフジミキセキか!? しかしエアシャカールも負けていな──いや失速した!】

 

 突如それまで並んでいたエアシャカールが失速し、そのまま一気に後退する。

 

「(何故だ!? 何故アイツらは失速しないンだ!?)」

 

 エアシャカールは自分の身体が限界に来ていたことを理解していた。しかしそれは先頭争いをしているフジミキセキやメイショウドトウ、テイエムオペラオーの3名も同じであり、自分だけが失速する道理はどこにもない。

 

「(まさか本当に勝負根性だけで走ってやがるのか!?)」

 

 そのままエアシャカールが6、7番手と後退していき、フジミキセキ、メイショウドトウ、テイエムオペラオーが先頭を争う。

 

【残り100mを切って先頭はフジミキセキ、メイショウドトウ、そして並んてきたテイエムオペラオー、テイエムオペラオーか!】

 

「さあ、幕開けだ!」

 

 残り50、20、10mとテイエムオペラオーがフジミキセキとメイショウドトウを追い詰め、3人が並んだところでゴール板を通過する。

 

 そして着順掲示板には写真判定の文字が表示されていた。

 

「ハァ……ハァ……」

 

 テイエムオペラオーが呼吸を乱し、汗を拭う。メイショウドトウは祈るように手を合わせており、フジミキセキはただ掲示板を見つめているだけだった。

 

 

 

「ドトウ、それにフジミキセキさんいいレースだったよ」

 

 呼吸を整えたテイエムオペラオーがメイショウドトウとフジミキセキにそう声をかけると2人がそれに応じる。

 

「お疲れ様、オペラオー。貴女達も素晴らしいレースをしましたね」

 

「オペラオーさんこそ凄いですぅ!」

 

「当たり前さ。なんて言ったって僕は世紀末覇王、ドトウはそのライバル。そしてフジミキセキさんは世界を見てきた傑物。強くて当たり前なのさ」

 

 テイエムオペラオーがそう高笑いしている中、フジミキセキは1人無言で掲示板を見つめていた。

 

「(シャカール……)」

 

 その掲示板の中にはエアシャカールの番号がなく、その代わりに視界に移ったのは力尽きたように汗を滝のように流しているエアシャカールであった。

 

「(この感情は失望? いや唖然? 言葉に出来ないもどかしさは嫌なものですね)」

 

 エアシャカールが並びかけてきた際には心を折らせ、競り勝つというシナリオを描いていたのがそれがものの見事に壊された。

 

「(シャカール、今はその悔しさを忘れないようにしてあげて下さい。私から声をかけることは出来ませんから)」

 

 フジミキセキがエアシャカールに声をかけようとするがそれを自制し、掲示板を見る。

 

 そして掲示板に結果が表示されるとフジミキセキが口を開く。

 

「同着、ですか……」

 

 掲示板には着順の1位と2位の欄にフジミキセキとテイエムオペラオーの名前が載り、ハナ差で3着メイショウドトウが食い込んでいた。

 

「フジミキセキさん。ボクと並び立てるなんてなんて名誉なことなんだ──」

 

「オペラオー、次はドリームトロフィーの舞台で待っています」

 

 テイエムオペラオーの言葉を遮り早口でそう告げるとフジミキセキが立ち去る。

 

「待ちたまえ、フジミキセキさん。それは一体どういうことなんだい!? それにどこに行くんだい!?」

 

「トゥインクルシリーズの引退についてトレーナーやURAに相談するんです。しばらく時間がかかると思いますのでお待ち下さい」

 

「引退だって、まだ君は──」

 

 フジミキセキを追いかけようとしたテイエムオペラオーをメイショウドトウが制止する。

 

「今はそっとしておいた方がいいですぅ」

 

「……そうだね、そうするよ。ボクからウイニングライブは延期しておくように進言しておくさ。それまでボクのオペラで繋げておくよ」

 

 そして2人はフジミキセキの姿を見つめるのであった。

 

 尚、余りにも長いオペラ劇場を見せられた観客ははじめは興味深く見ていたが30分もしないうちに飽きる者が増え、中には寝始める者もいた。フジミキセキがウイニングライブをし始める頃には爆睡している者がほとんどであったのは言うまでもなかった。




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尚、次回更新は本日21時です
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