・ウイポ10
≫WinningPost10の略。そこでまさかの73年スタートとかいうぶっ飛んだことをやりがった。米国はセクレタリアト、日本は花の47年組やハイセイコー&タケホープが現役で登場するんだからどれだけヤバいかわかるだろう……作者は後2年くらいしてwp10 2025あたりに様子見してから購入する。そのくらいしないとシステムが良くならない
・ウマ娘で実装して欲しいキャラ
≫史実馬かつウマ娘化出来そうなのがトウショウボーイとダイワメジャー。これだけは譲れねえ……
トレセン学園のプールは広く50mプール10レーン、400mトラック1周分の広さを誇る。また室内温水プールとなっており、夏は冷水機が設置され冬場は暖房が設置されている。
その為足の負担を減らしながらスタミナをつけるにはもってこいの練習が出来、練習後に軽く泳ぐことも出来るため体力向上にも役立つ。
しかしそんな施設があるにも関わらず泳げない生徒も少なくなく、オグリキャップやライスシャワーといったウマ娘達はビート板で練習を重ねている。
「創也様、私今日はプールで練習──」
「今日はボクシングだ。プールはまた今度な」
サードプレジデントがプール練習を提案すると創也が却下し、ボクシングを提案する。因みにこのボクシングはガチのボクシングではなく練習のボクシングである。
「嫌ですわ! 私【プールに入らないと死んでしまう病】が持病ですのよ!?」
サードプレジデントがプールに頑なに拘る理由──それは太り気味になった時に体重を少しでも落とすように激しく且つしかも運動量の多いトレーニングとしてプールトレーニングを採用したところサードプレジデントがドハマリし、今となってはプール依存症となっていた。
「嘘つけ。むしろお前はプール依存症だ。その依存症を治す為にプールトレーニングはお預けだ」
「いいじゃないですか! 少しぐらい入らせてくださいまし」
「ダメだ。もし入るなら今日のメニューは全部無しにするぞ?」
「【マイケル・エルプス】の渾名がついているエルプスさん以上の競泳能力を持つ私になんて宝の持ち腐れ……いえ、酷いことを仰らないで下さいまし!」
「あーもう分かった。じゃあ今日は特別に許可してやる。ただし20分間だけだぞ? その後はいつも通り水泳禁止だからな!」
「分かりましたわ!」
そしてサードプレジデントは早速水着に着替えてプールに入る。
「ぶっちぎるっ!」
飛び込み、50mあたり15秒ペースで泳ぐサードプレジデント。人間の速さで換算すると30秒ペースで泳いでいる計算になり、これでも彼女は本気を出していない。
「相変わらず速いな……」
サードプレジデントの我儘に突き合わされたナインティギアがそう呟く。
「ナインティ、お前もあいつほどじゃないが泳げるだろう?」
「まあな。あのペースをずっとは無理だが、50m12秒切りを1回だけ出せる」
「それでも十分ウマ娘のオリンピック候補だよ」
「普通ならそうさ、でもあいつは10秒を切れる。あいつがいる限り勝つのは無理だ。トゥインクルシリーズに競走だけじゃなく、競泳なんてあったら間違いなくぶっちぎりの優勝だよ」
「この前の健康診断と言い、つくづくウマ娘を超えた生物にしか見えないな」
「血の代わりにガソリンでも流れているんじゃないか?」
「……」
「おい、黙らないでくれよ! 私も本気でそう思ってないって!」
こうして二人はサードプレジデントを眺めつつ雑談していた。
「……ふう。やっぱりプールは最高ですわね!」
泳ぎ終えてプールから上がるとサードプレジデントは汗を流して満足したのか上機嫌になっていた。
「全く、なんでこうもプール依存症になったのか謎だ。最初なんかプールに入ることすら嫌がっていた癖に」
「ナイン? 捏造は良くありませんことよ?」
「はいはい。確かプールに行った理由はダイエットの為だったんだよな。顔も腹も狸みたいになって、引きこもったって母さんから聞いたぞ」
「チンチクリンな貴女の私のパーフェクトなボディに一生なれない妬み嫉み、虫の囀りのように聞こえますわ。ホホホっ!」
「あぁ? 喧嘩売ってんのか?」
「なんですの? やりますの?」
「はい二人ともストップ。喧嘩は良くないよ」
「でもこいつが!」
息を合わせるように言葉が被る二人。しかしそれが気に食わないのか二人の口論は止まらずヒートアップしていく。
「サードにナインティ。そこまでだ。じゃないとお仕置きするぞ」
「ウッ」
「ちっ、わかったよ。創也の兄さん」
創也が少し殺気を込めると二人が萎縮し、互いに頭を下げる。
「頭を冷やして来ますわ」
そう言ってサードプレジデントがプールに入り、泳ぎ回る。
「まさか、姉さんが突っかかってきたのは泳ぐ為か?」
「かもしれないな。強かな奴だ」
「流石というかなんというか」
創也とナインティギアはサードプレジデントが泳ぐ為の口実を与えてしまったことを後悔していた。
「さあ、創也様。頭を冷やしてまいりましたわ。次のトレーニングを始めましょう」
数分後、濡れた髪を拭いて戻ってきたサードプレジデントは先程とは打って変わって大人しくなっていた。
「そうだな、次のトレーニングだが──ん?」
創也の視界に独特の芦毛のウマ娘が映る。そのウマ娘の名前はオグリキャップ。オグリキャップはプールの縁に座っており、ブルブルと震えながらプールに浸かり、そして溺れる。
「な……」
これには創也といえど絶句し硬直してしまう。オグリキャップが泳ぐのが下手くそだというのは知っていたがこれほどまでに下手だとは思わなかったからだ。
「サード、ナインティ!」
「ハイッ!」
創也の声に合わせてサードプレジデントとナインティギアがオグリキャップを救出するとプールサイドに寝かせる。
「大丈夫ですか?」
「ああ、ありがとう。私は平気だ」
意識があることを確認した創也はホッとすると今度はプールを見つめる。
「オグリキャップさん、何故泳ぎが苦手な貴女がプールに?」
「苦手だからこそだ。苦手な部分を克服するには水泳が一番だと思ってな」
「トレーナーはどうしたんですか? トレーナーがいた方が安全だし、何よりも効率が良い」
「今日はいない。私が泳げるようになった姿を見せてトレーナーを驚かせようとしていたからな」
「バカ! トレーニングで事故が起こりやすい確率が一番高いのは水泳なんだ!」
それを聞いた創也が激昂し、オグリキャップに怒鳴る。
「すまない。私の考えが浅はかだった。確かにその通りだ」
「とりあえず六平さんには報告しておく」
「そ、それは困る! トレーナーに迷惑をかけたくないんだ! なんとかならないだろうか?」
「報告事項は二つ、一つ目はオグリキャップが無断でトレーナーの付き添いなしで泳ごうとしたこと、そしてもう一つが俺達が泳ぎを教えても良いのかという相談だ」
「それはつまり、水泳を教えてくれるのか?」
「六平さん次第だがな」
「創也の兄さん。そんなまどろっこしいことをするのはなんでだ? 泳げないよりも泳げる方がいいじゃないか?」
「理由は色々あるが、そのトレーナーなしに勝手に指導するとトレーナーが知らない間にへんな癖がつくのを防ぐ為だな」
「ん~……それはそうだけど、トレーナーがその変化について来れないって神経質にも程があると思うが」
「トレーナーから見たウマ娘は画家でいう絵みたいなものでな、言わば芸術品なんだ。例えば途中まで仕上がっている絵を見た画家が勝手に手を加えたら途中まで仕上げた画家はどう思う? 怒るか呆れるか、あるいは悲しむだろう?」
「なるほど。確かに言われてみればそうだな」
「だから、一度六平さんに相談して許可を貰う必要があるんだよ」
「そういうことでしたら、私達は構いませんわ」
「私もだ。それに私達も暇している身だ。水泳を教えるぐらいなら問題ない」
「ありがとう。では早速行こう」
「その必要はねえよ」
話を終えようとした瞬間、一人の男が話しかけてきた。その男こそ、オグリキャップのトレーナーの六平だ。
「何故ここに?」
「たまたまここを通りかかったらお前らがオグリと話しているのが見えたんだよ。それで? オグリは泳ぐ練習をするのか?」
「ああ。ろっぺい、前年は毎日王冠とマイルCSしか勝てなかったんだ。私に足りないものは食べ物でもなければスピードでもない。弱点克服だ」
「ろっぺいじゃないムサカだ。確かに泳げないと練習に支障をきたすが、練習が出来ない訳じゃねえ。それに秋シニア三冠の内二つはそこの坊やと嬢ちゃんに取られているんたぞ。その相手に教えを受けるということはどういうことかわかっているんだろうな?」
「どういうことなんだ?」
「六平さんは何か見返りが必要なんじゃないかって不安に思っているんだよ、オグリキャップ」
「何!? 何か見返りと言われても私が差し出せるのは……」
創也の言葉にキョロキョロと狼狽えるオグリキャップ。その姿はまるで小動物のような可愛さがあった。
「まぁ、創也様。オグリキャップさんに見返りを求めるのですか? それでしたら私とオグリキャップさんによる食べ放題ツアー──モゴモゴ」
「サードが言ったことは聞かなかったことにしてくれ」
創也がサードプレジデントの口を塞ぎ頭を下げる。サードプレジデントとオグリキャップの食事量は通常のウマ娘よりも遥かに多くそんなツアーを実施したら間違いなくトレセン学園と創也達に苦情が殺到することになる。
「六平さん、オグリキャップに水泳練習をさせて泳げるようにする代わりにオグリキャップのローテーションについて教えて貰えませんか?」
「オグリのローテーションだと? そんなものはない」
「ない、とは?」
「オグリキャップはトゥインクルシリーズから離れさせるつもりだ」
トゥインクルシリーズから離れる。それはつまり事実上の引退で、ここを離れたらもう二度と有馬記念等の表舞台のレースに出ることは出来ないことを意味していた。
「そんなバカな……まだまだ走れるだろうに」
「走れるくらいじゃ問題なんだ。サードプレジデントっていうとんでもねえウマ娘が現れたんだ。それを打ち負かすだけの実力をオグリキャップは持っていない。一度だけ打ち負かすことが出来るなら、万全を通り越してトレーナー人生二度とこれ以上の仕上がりが出来ないってくらいの仕上がりをしなきゃ無理だ。それも有馬記念の時のサードプレジデントの状態が前提の話しだ。その他のレースの体調だと勝てるビジョンが見つからない」
「あの時私が不調だと気づいていましたの?」
「当たり前だ。それでも結果を残せるんだから手の打ちようがない。比較的綺麗な成績、体調の状態でドリームシリーズにいくのが最善だと判断したんだ。また相まみえることになったらその度にその状態に仕上げなくちゃいけない。仕上げても地獄、仕上げなくても地獄になる」
六平の発言はオグリキャップの体調を案じてのことで、完璧を超える仕上げが何回も出来てしまえばそれは諸刃の剣となり身体を壊してしまう。しかし出来なければサードプレジデントに勝つことは出来ず成績不良となり、六平の言う通り地獄を見ることになる。
「そうだオグリキャップ、オグリキャップはこのことについてどう思っているんだ?」
「私は……」
オグリキャップが言い淀み、沈黙する。それは明らかに迷っていた。オグリキャップはまだ走りたいと思っているのだ。
「オグリの気持ちも分からなくないがな。とりあえず坊主、俺はオグリキャップのローテーションについて教えた。きちんと水泳の指導をしてやってくれ」
「わかりました。それじゃオグリキャップ、まずは水に浸かる所から始めようか」
「わかった。よろしく頼む」
その後、創也の指導によりオグリキャップはビート板を使いながらも泳げるようになり、オグリキャップは創也に感謝していた。
その夜、六平は創也を呼び出していた。
「創也、オグリのことだ」
「どうしました?」
「お前には悪いことをしたな。俺が不甲斐ないばかりにお前を頼ることになっちまった」
「いえ、確かに水に浸かった瞬間に溺れるなんて予想外にも程がありましたよ」
「だろうな。あれでもまだマシになったんだぞ。最初は鼻と口を押さえて息を止めてたからな」
「そうだったんですね」
「さて、本題に入るぞ。お前、オグリに何を吹き込んだ?」
「吹き込む? なんのことです?」
「とぼけるんじゃねえ。オグリがまだトゥインクルシリーズで走り続けたいって言ってきたんだ。お前以外に原因があると思っているのか?」
「スーパークリークやイナリワンとか?」
「あいつらは実家休養中だ。ちなみにバンブーメモリーは校内にいたがオグリとは接触していない」
「サードプレジデントとのレース以外でやり残したことはないか、そう尋ねただけですよ」
「何?」
「そしたらこう答えたんです。バンブーメモリーやスーパークリーク、イナリワン。皆とまだ決着をつけていないって」
「なるほどな。やはりお前の仕業か」
「六平さん、本来ならオグリキャップをドリームシリーズに行かせたくないんでしょう?」
創也の問いに六平は黙り込む。そして小さくため息をつくと創也に視線を向けた。
「ああそうだ。俺だって出来ればトゥインクルシリーズに残してやりたい。だがお前の担当ウマ娘のサードプレジデントという本当の怪物がいる以上、どうやっても勝てるビジョンが見えてこない。だからといってマイル路線に絞り込む訳にもいかねえ……詰んでいるんだよ」
「そういうことでしたか。もしかしてサードプレジデントは国内に引きこもると考えているんですか?」
「違うのか?」
「国内のレースは2戦のみ。サードプレジデントのローテーションは天皇賞春、海外遠征、JCに出走します。少なくともJCを除いてそちらが意図しない限り同じレースになることはないでしょう」
「おい良いのか? そんなことを話して」
「別に構いませんよ。どうせ近いうちに発表することですしね。それに、この情報は六平さんにとっても有益だと思います」
「確かにな……だがそんなことをして何のメリットがある?」
「オグリキャップにはポストサードプレジデントになってもらいたい。わかりやすく言えばサードプレジデントのいない国内を盛り上げて欲しいんですよ」
「お前の所のナインティギアは駄目なのか?」
「ナインティギアは晩成型のウマ娘、どんなに早くてもシニア期に入らなければサードプレジデントの足元にも及ばないでしょう」
「お前はあいつがサードプレジデントに並ぶ素質を持っていると思っているのか?」
「ええ、それらを帳消しにしてしまう程のレース嫌いと気性難ですがね。ただそれらを含めても永世三強*1を超える大器ですよ。ただシニア期に入らなければそれを見ることは叶いませんが」
「お前はナインティギアよりもオグリキャップに期待しているってわけか」
「ええ、少なくとも今年は永世三強には敵いません。国内は永世三強の為の年になるでしょう」
「……気に食わねえな。その口振り、本音じゃないだろう」
「何のことですか?」
「とぼけてんじゃねえ! お前の本音を言ってみろ!」
六平は創也を睨みつける。しかし創也は一切怯むことなく六平を見つめ返した。
「出来ることなら、ナインティギアが世代交代をしてサードプレジデントの代わりに国内を任せたい。だけどそれをするには力不足なんです。それならせめて永世三強の背中を見て学んで強くなってもらいたい……その為にはより強い永世三強が必要な訳なんですよ」
「なるほどな。まあ俺としてもオグリキャップが勝ちまくってくれるのは嬉しいことだ。だがいいのか? もしオグリキャップが勝って、サードプレジデントが負けてしまった場合はどうするつもりなんだ?」
「その時はその時考えます。五分五分の勝率でも必ず勝てるとハッタリをかましている方が心に余裕が出来て勝率が上がりますしね」
「はっ、言っていろ」
その後、六平はオグリキャップの引退を取り消し現役を続行させる。それが吉と出るか凶と出るかは神のみが知ることである。
作者「今回のウマ娘回だけでなく今日21時と明日0時、18時、21時の4回予約投稿している。これがどういうことかわかるな?」
このお話をお楽しみ頂けた、あるいはこの小説自体をお楽しみ頂けたならお気に入り登録や高評価、感想の方を宜しくお願いいたします。
また感想は感想に、誤字報告は誤字に、その他聞きたいことがあればメッセージボックスにお願いいたします。
尚、次回更新は本日21時です
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