89式和製ビッグレッド   作:ディア

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・騎手課程について
≫色々調べていたらごちゃごちゃになりましたのでこれからの話しに矛盾が出てきますが何卒よろしくお願いいたします

・ウマ娘パートについて
≫もうすぐ、本日中には出せますから!ウマ娘が出てこないとかそんな理由で規約違反押さないで、いやマジで!

・ショルダーフォン
≫ショルダーホンのことだが商用化されている為ショルダーフォンと表記。1986年当時は携帯電話などなくポケベルが普通で、ポケベルによって電話を促していたがショルダーフォンの登場により持ち歩ける電話機が発明され、一部の人間だけとはいえ電話機を持ち歩けるようになった。

・新型コロナウイルス感染症
≫2019年から現在に至るまで大流行中の感染病。それまで感染力が高いとされていた豚型インフルエンザなんかよりも余程感染力が高く、しかもこれが原因で命を落とした方も少なくない
≫これの影響でマスク着用が当たり前となり消毒アルコールも店や公共施設などでは取り付けられるようになり、一時期はマスク等の医療機器が高騰化した
≫起源は中国の武漢と言われているが詳細は不明。理由は感染拡大する前に中国以外にもコロナウイルスに感染した人物がいたからで起源とは断言出来ないが、限りなく黒に近いグレーである
≫競馬との関連性、というか影響は大きく、それまで見学自由だった牧場が軒並み禁止になってしまう
≫また2020年のドバイでは競走自体がなくなり、日本でも無観客での開催となる事態が起こる。前者はアーモンドアイ等、後者はコントレイルやデアリングタクトが関わっている
≫作者もつい先日コロナ陽性になったが何とか生き延びた。しかし時期が時期だったのでめっちゃ恨まれている


第3話

「さて、場長さんお話があります」

 

「なんだいお嬢様?」

 

「このまま月夜牧場でキャロちゃんの世話をして貰うわけにもいきません。繁殖と当歳の育成しか行えないこの環境ではせっかくの素質も宝の持ち腐れに終わってしまいます。そこで提案がありますが宜しいですか?」

 

「……何でしょうか?」

 

「来年以降、育成を専門とした牧場でキャロ達を預けさせます」

 

「それはまあ普通だよな」

 

 安堵の声を出す創也と星崎。二人は年齢は違えど息が合っており、友人ともいえる存在となっていた。

 

 

 

「お嬢様、私達にそれを告げたということは何か特別なことをするつもりですか?」

 

「優れた育成牧場はほとんどが専属であり、新人とも言える私達が頭を下げても預かってくれません。そこで山を開拓し、そこを育成牧場にいたします」

 

「なんとも無茶苦茶な計画です。土地を確保するにしても、山を開拓するにしても時間がかかりすぎます」

 

「そこは問題ありません。土地の方については東京の土地を売ってこの付近の山を購入しましたので、すぐにでも始められます。そして山を開拓するには時間が必要でしょう。しかし僅か6頭のみであれば全て開拓する必要はなく、一部のみなら1年程で開拓が終わります」

 

「……本当にそんなことが出来るのですか?」

 

「出来る確証があってこそこのように存じ上げています。創也さん、貴方も騎手になるのですからしっかりと働いて頂きますよ」

 

「はい! 頑張ります!」

 

 

 

「さて育成方針も定まりましたことですし、キャロの競走馬としての名前についてですが皆様は何か考えていらっしゃいますか?」

 

 美亜がそう尋ねると全員が首を横に振る。星崎はいきなり連れて来られたので当然、牧場で働く創也親子も名前など考える暇はなかったのだ。

 

「じゃあお父様にお願いしてもよろしいかしら?」

 

「ああ。任せろ」

 

 星崎は腕を組みながら考え込む。しばらくすると口を開いた。

 

「……『シリウス』なんてどうだ? 夜に輝く恒星の中では一番明るい星だぞ?」

 

「ダービー馬シリウスシンボリと被りますが」

 

「うっ……」

 

 星崎が撃沈すると創也が隣から首を突っ込む。

 

「あのさ、それならシルキーサリヴァンにちなんで『シルキーギャロップ』なんてどうだ?」

 

「良い名前ですが……うーん……」

 

「ダメか……じゃあ『シャイニングギャロップ』とか?」

 

「牧場の倅なのに文字数制限も知らないのか? シャイニングギャロップは11文字で明らかにオーバーだ」

 

「もういいじゃん。なんか適当に決めようぜ」

 

 諦めかけたその瞬間、電子音が鳴り響く。

 

「な、何の音だ!?」

 

「む、失礼。私の電話だ」

 

 その電話はショルダーフォンと呼ばれるもので、1986年現在において携帯が普及していない時代の最先端の電話機だった。

 

「もしもし? 星崎だが」

 

 その威厳と貫禄のある渋い声はまさしく大企業の社長そのものであり、先ほどまでの星崎とは大違いだった。

 

「社長、大変です! 我が社の株が他の企業に所有率が半分を越える勢いで買われています! このままでは我が社が買収されてしまいます! 助けて下さい!」

 

「そうか。そんなことで慌てているのか?」

 

「そ、そんなことって会社の一大事に何をそんな呑気に言っているんですか!?」

 

「安心しろ。これから対処方法を教えていく。いいかしっかりメモしておけ。まずは………………ということだ」

 

「わかりました。やってみます」

 

「頼んだぞ。お前には期待しているんだからな」

 

「はい! ありがとうございます。ではまた後ほど連絡致しますね」

 

「うむ、良い返事を待っているぞ」

 

 星崎が電話を切ると創也親子が唖然としていた。

 

「今のは何ですか……?」

 

「あれは会社の部下からの緊急コールですよ。もっともさっきみたいにささやかな電話の場合もありますがね」

 

「いやいやいや! 会社乗っ取られる寸前だったでしょうが! それをささやかってどんな修羅場を潜ればそうなるの!?」

 

「まあまあ落ち着け創也。それよりもこの話を聞いて、一つ名前が思い付いた。その名前は──」

 

 ──サードプレジデント。三代目大統領あるいは三代目社長という意味だ。

 

「成る程、良い名前ですわ!」

 

「俺も良いと思う」

 

「私もそれに賛成ですね。ですが何故そんな名前を?」

 

「米国にはビッグレッドと呼ばれる馬が二頭いる。初代ビッグレッドことマンノウォー、二代目ビッグレッドことセクレタリアト。その二匹に続く偉大なる栗毛の怪物になってもらいたいのと、父セクレタリアトの名前は事務局という意味でそれよりも優れた事務局長──プレジデントになってもらいたいという気持ちがあるその二つを掛け合わせたのが『サードプレジデント』という名前になったわけだ」

 

「凄くカッコイイです」

 

「まあ気に入ってくれたなら嬉しい限りですよお嬢様」

 

「流石、場長。競走馬のことについて右に出る者はいませんわね。尊敬いたします」

 

「お嬢様の信頼を失わぬよう努力した結果ですよ」

 

 その様子を見て美亜は微笑みながら続けた。

 

「さて、この競走馬の名前も決まりましたし、今日はこの辺で帰りましょうか、お父様」

 

「そうだな」

 

「それではお二方、失礼しますわ。ご機嫌よう」

 

 こうして美亜達は牧場を去った。残された2人の間に沈黙が訪れる。

 

 

 

「おい、創也」

 

「ん? なんだい親父」

 

「お前は何故騎手になりたいんだ? 騎手になってどんな騎手になりたいと思っている?」

 

「そうだな……理由はただ一つ、キャロの存在だな。キャロは賢いししかもバネもある。俺が世話した中、いや歴代の月夜牧場で一番の馬だ。そんな馬に騎手として乗ってみたいって思うのは当然だろ? 俺やキャロが後一年以上早く生まれたり遅く生まれたりしたらこんなことは言わずにいたかもしれないが、俺はキャロをもっと輝かせたいんだ! その為にも騎手にならなくちゃいけない。だから騎手を目指すんだよ」

 

「そうか、お前らしいな。だがな創也、騎手になったからと言って必ず勝てる訳じゃない。時には負けることだってあるだろう。むしろ負けて当たり前の世界だ。それでも騎手を目指し続けるのか?」

 

「ああ、俺は勝つことよりもキャロに乗ることを優先したい。それが今の俺の夢だ」

 

「そうか……まぁ頑張ってみろ。応援するぞ」

 

「おう。だけど親父、俺がキャロを輝かせたいなんて理由は親父が一番わかっていたんじゃないか? そうでなければあんなことをいうはずがない」

 

「かもしれんな。まあお前が有名な騎手になってこの牧場の観光資源にしてくれればいいさ。お嬢様や星崎さんにお前のことを頼んでおいて良かったよ」

 

 

 

 その後、創也は騎手学校を主席で卒業し騎手免許を取得。騎手デビューを果たすことになる。




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尚、次回更新は本日18時です

番外編は何が見たいか

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