89式和製ビッグレッド   作:ディア

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・バックパサー肌馬の相性
≫ノーザンダンサー系の他にミスタープロスペクター系とも相性が良く、シーキングザゴールドやミスワキ、ウッドマンといった種牡馬として活躍した馬がいるが1990年時点ではノーザンダンサー系が主流でミスタープロスペクター系との相性の良さは競走馬として評価されていた関係上一歩劣っていた。彼らが種牡馬として活躍してからはノーザンダンサー系と並ぶほどの相性の評価がされている。

・セクレタリアトの誤字が多すぎる
≫感想でセクレタリアトのことをセレクタリアトと誤字する読者様が多すぎるので記載。
≫セクレタリアトを英語表記するとSecretariatなので、cの部分がク、reがレとなります。セレクタリアトだとSelectoriatoとなってしまいます
≫最後に正しい表記は【セクレタリアト】ということを覚えて下さい

・ナインティギアの性格
≫読者の皆様なら察していると思いますが一応。イチゴ味を含めた北斗の拳のサウザーがモデルとなっています。時々サウザーのような言動を取るのはその為です


第30話

 片やナインティギア。アンバーシャダイ産駒の超良血馬で兄は無敗の三冠馬サードプレジデント、母父バックパサーという血統であり、ノーザンダンサー系と母父バックパサーの競走馬は大成すると言われておりマルゼンスキーやエルグランセニョールなどが該当し、競走馬としては大成しなかったヤマニンスキーですら皐月賞馬ヤエノムテキを輩出している。またナインティギア自身も凄まじい素質の持ち主であり、その実力は世代随一とも言われている。

 

 もう片やメジロルイス。リアルシャダイ産駒の良血馬で兄はかつての天皇賞馬メジロティターン、甥に同期のメジロライアンがおり、名前の由来も陸上選手の名前が由来となっており、その素質はメジロライアンが霞む程に見込まれていた。

 

 1番人気はナインティギア、2番人気にメジロルイスが入りその他は混戦といった様相を見せていた。

 

 

 

【さあ、いよいよ始まりました! 今日の注目は何と言ってもこの2頭でしょう! 1番人気はやはりこの馬ナインティギアです!】

 

【そうですね、どちらも負けず劣らずの好走を見せています。特にナインティギアは落馬さえなければ皐月賞馬となっていましたからね。勝てなかったとしてもダービー出走権は堅かったでしょう。それを思うとこのレースで勝って欲しいですね】

 

【そして、2番人気はメジロルイス! メジロ軍団の秘密兵器がついにそのベールを脱ぐ!】

 

【あの仏国の名牝にしてメジロの基礎牝馬シェリルと今をときめく種牡馬リアルシャダイの間に生まれたサラブレッドですからね。血統面では劣っていませんよ】

 

 リアルシャダイは仏国の重賞ドーヴィル大賞典を勝ち、仏ダービー2着など海外で活躍した競走馬で1984年に輸入された種牡馬でもある。そんなリアルシャダイの種牡馬としての功績は昨年桜花賞を勝ったシャダイカグラ等がおり、産駒が活躍してから3年目でいきなり10億円稼ぎリーディング8位に躍り出ているほど活躍している。つまりメジロアサマ産駒のメジロティターンよりもメジロルイスはかなり期待されていた。

 

 シェリルについては一度解説したので一部割愛するが、メジロティターンやメジロライアンといった競走馬の基となった基礎牝馬であり、彼女自身もしっかりと重賞オペラ賞を勝っている仏国の名馬である。

 

 

 

【さぁ、各陣営がゲートに入り体制整って……スタート! まずは先頭に立ったのはナインティギア、それに続いてメジロルイスと続いています】

 

 ──おいどういうことだニンゲン、あの兄相手ならともかくコイツら相手に先手を打つのか? 

 

「そう騒ぐなよ、ナインティ。無駄なく勝ちたいだけだ」

 

 ──フンッ、まあいい。変な髪の奴と黒いの、白いのを倒した俺に死角なんぞないし、後ろにいるこいつも大したことなさそうだしな

 

「言っておくがお前はあのレース、俺を置き去りにしたから負けだぞ」

 

──何だと?

 

【さあ、先行争いを制したのはナインティギアだ! このまま逃げ切るか!?】

 

【いえ、これは少し抑えているように見えますね。ナインティギアのペースが落ちています】

 

 

 

「こら手を抜くな」

 

 ──やだね。こんなやる気のないレースで走りたくない

 

 ナインティギアの悪癖、ソラを使い始めてしまい創也は手、いや身体の全身を使い押していくと加速し後続を引き離す。

 

「!」

 

 創也が股下からメジロルイス達との差が開いたことを確認し驚く。手応えが良かった訳では無い。むしろメジロルイス達がペースを落としたとしか思えないほどに余裕があった。

 

 だが、この一瞬でメジロルイス達の顔つきが変わったのを創也は見逃さなかった。

 

「(こいつは……)」

 

【さあ、早くも1000メートルを通過してレースは中盤! ここで各馬一気にナインティギアに迫ってくるがメジロルイスは仕掛けが遅れたか!?】

 

「(やっぱりか)」

 

 創也は確信する。一度騎手達はメジロルイスをマークしたものの、ナインティギアを逃すまいと仕掛けてきたのだ。

 

「(ナインティの今日の動きはズブい。となればこのまま逃げさせるしかないか。それでも抜かされても追うしかない)」

 

 ナインティギアの首をリズムに合わせて押していきスピードを上げさせると少しずつペースが上がっていきハイペースに近づいていった。

 

 その一方でメジロルイスは後方に下がり悠々と走り脚を溜める。そして残り600mを過ぎたところでメジロルイスが動いた。

 

【さあここでメジロルイスが上がってきた、上がってきた! しかしナインティギアはまだ楽に走っているように見える!】

 

「(まだだ、もっと引きつけろ……)」

 

 創也は敢えて引き付けさせる。息を入れる為ではない。どちらかというとナインティギアの闘争本能を目覚めさせる為の手段だった。

 

【ナインティギア、前を走るナインティギアにメジロルイスが襲いかかる。2頭の一騎打ちとなるか!?】

 

「今!」

 

 創也が合図を出すとナインティギアはスパートをかけ、メジロルイスが追い抜きにかかる。

 

「っ!?」

 

【メジロルイスが仕掛けた! メジロルイスが仕掛けたがナインティギアも負けじと差し返した! しかしメジロルイスも負けないぞ!】

 

「(つ、強えっ! アイネスフウジンよりもメジロライアンよりも! これがあの2頭だったらとっくに落ちているってのに!)」

 

 創也が内心メジロルイスを称えながら鞭を振るう。それでもナインティギアはメジロルイスを離せない。

 

【メジロか、ナインか! ナインかメジロかどっちだ!? メジロルイスが食い下がるがナインティギアが突き放す!】

 

「よし行け、そのままぶち抜け! ぶっちぎれぇ!!」

 

【メジロルイスが食らいつくがナインティギアが逃げる! ナインティギアが逃げる!】

 

 ──しつけえんだよてめえは! 

 

 ナインティギアがうんざりし、メジロルイスを突き放そうとするもメジロルイスはそれを無視して食らいつく。そしてほぼ同時にゴール板を通り抜けた。

 

 

 

【メジロかナインか! 写真判定の結果は……ナインティギア! ナインティギアです!】

 

「っしゃああ!」

 

 ──降りろニンゲン! 

 

「うわっ!」

 

 創也がガッツポーズをするとナインティギアに落とされる。それは恒例のことだった。

 

「全く相変わらず危ない奴だ……何にしても勝てたよ。まさかあんなに苦戦するとは思わなかったけどな」

 

 ──苦戦? 楽勝だろうが。何でもかんでも圧勝すれば良いってもんじゃねえしな

 

 ナインティギアは兄とは異なり豪快に千切らず寧ろ手を抜けるところは手を抜いてゴールするタイプであり、このような馬は故障しにくく現役を長く続けられることが多い。後のGⅠ6勝馬ゴールドシップもそれにより手抜きしていたことが引退した後にバレるのだが余談である。

 

「まぁいいさ。とりあえず次は日本ダービーだからな」

 

 ──ふん、せいぜい頑張ることだニンゲン。俺は無駄なく余裕で勝つだけだ。

 

 ダービーの出走権を手に入れたナインティギアは意気揚々としており、創也もまたそれに応えようと誓うのであった。

 

 

 

【ダービーの大本命はナインティギア!】

 

【兄弟制覇も現実のものに!】

 

 共同通信杯で昨年の3歳王者アイネスフウジンを、弥生賞でメジロ軍団の2番手メジロライアン、そして今回のNHK杯でメジロ軍団のエースメジロルイスを破ったナインティギア。皐月賞馬ハクタイセイよりもその実力は上と認められ、その期待は高まる一方だった。

 

「こりゃまた期待に答えないとな」

 

 創也は新聞を見ながら呟く。メジロ軍団の1番手と2番手をそれぞれトライアルレースで打ち負かし、しかもソラを使う悪い癖も良い方向へと向かっていった。

 

 

 

 ソラを使うという行為は集中を欠いたり等して手を抜き失速する行為である。その為矯正するのがほとんどで矯正しなければ本来加速する場面で失速するのが癖になってしまう。

 

 だが無理なく失速することによって得られるメリットは有り、故障がしにくくなるだけでなく体力を温存出来るということである。

 

 ナインティギアは走るのは嫌いだが創也のお陰でレースに負けるととことん悔しがるようになった為、ソラを使うにしても無駄のないところで使うようになった。

 

 因みにサードプレジデントはソラを使う場面はあることにあったが前半のみで後半は全力疾走。サラブレッドの限界に挑戦しているレベルで加速しているのだからその脚の負担も大きいのだが、何故か故障しない。やはりUMAとしか言いようがない。

 

 閑話休題。

 

 

 

 そんなこんなでメジロルイスを打ち負かしNHK杯を勝ったナインティギアはいよいよクラシックの天王山、東京優駿へと駒を進める。




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尚、次回更新は本日21時です

番外編は何が見たいか

  • サードプレジデント産駒の活躍
  • サードプレジデントのその後
  • ナインティギアとクラフトボーイの活躍
  • ウマ娘サードプレジデント転生者疑惑
  • アニメ版ウマ娘世界のサード達
  • アプリ版ウマ娘世界のサード達
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