89式和製ビッグレッド   作:ディア

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・この小説は……
≫サードプレジデントが主人公なのでぶっちゃけナインティギアとクラフトボーイはおまけです。なのでナインティギアが古馬になってからの話しもクラフトボーイがテイオーのライバルとして君臨する話しも本編では書けない状況です
≫しかし一応設定は朧気にまとめていますので番外編で書き上げます

・ジャングルポケット
≫01世代のダービー馬。彼とアグネスタキオン、マンハッタンカフェの3頭がいることからJAM世代とも
≫ダービー馬として史上初の3歳JC馬でも有り、何気に菊花賞→JCローテで勝った初の馬でもあり、彼以外だと繰り上がり優勝したローズキングダムのみしか達成していない。また東京競馬場の勝率は100%というとんでもねえ馬。ただし02年の秋の東京競馬場はレース工事の関係で使えず、中山競馬場で代用していた為JC連覇達成出来ずに終わった運の悪い馬でもある。ダービー馬なのに。
≫ついにウマ娘にJAMが揃った。その影響で作者が3年くらい前に書いた競馬小説の主人公が成り代わることが出来なくなった。やはり無理だったか……ウマ娘の彼女がフジキセキのことを憧れている理由は関係者一同同じ為

・ネオユニヴァース
≫03世代の二冠馬。ロブロイと同期で史上初の外国人騎手を乗せてダービーを制した馬でもある。また3歳時に宝塚記念に出走したが敗北している。以降ダービーを勝った3歳馬はウオッカを除いて出走していない
≫ウマ娘化に否定的な社台所属の馬だったが社台が折れ、悲願のウマ娘化。これは何気に凄いことで社台と言えばほとんどの名馬を所有していることで有名でウマ娘化にも支障が出ていたがネオユニヴァースが実装されたことでほとんどの名馬がウマ娘になったと言っても過言ではない。とはいえキンカメやプイは別の馬主なのでまだまだ時間はかかるがそれは仕方ない

・カツラギエース
≫日本馬として初のJC馬。83世代の馬でクラシックこそミスターシービーに全部獲られたものの、古馬になってから活躍し宝塚記念、ミスターシービーのいる毎日王冠などを制し、秋天は負けこそしたが逃げ適性を見出して、JCではまんまとシンボリルドルフ等相手に逃げ切った。尚、カツラギエースがいなければ英国のベッドタイムがJCを優勝していた為シンボリルドルフ達の評価は低くなっていたと予想される
≫ウマ娘ではミスターシービーが育成キャラとして実装された2/24にイベントサポートカードとして登場している

・ミスターシービー
≫育成実装されたので追記。育成だとミスターシービーの目標レースにほぼ全てにカツラギエースが絡んできているが、このカツラギエースは三冠こそミスターシービーに全敗したが、晩成の馬で日本馬として初のJC勝利の偉業を成し遂げ、有馬記念でもミスターシービーに先着している。その関係と思われる
≫また育成方面では比較的三冠を取りやすく、特に菊花賞では一番の強敵カツラギエースの長距離適性がCなので菊花賞慣れしているプレイヤーは皐月賞ダービー事故って勝てなくても菊花賞で勝てただろう
≫この小説ではサードプレジデントの半弟クラフトボーイの父として名前だけ登場し、ウマ娘編では(以下ネタバレ防止)
≫作者は引けたのかだと?チヨノオーと2回連続で出てきたハロウィンドトウは大罪、と言っておこう。それでも気合で引いた。

・ツインターボ
≫皆大好きGⅠ競走未勝利馬。アニメ二期でもわかる通り、ド派手な大逃げが有名で自分諸共スタミナ切れを起こして差を詰めさせず逃げ切るスタイルが人気を呼びGⅢでは七夕賞やオールカマーを勝った名馬。特にオールカマーはライスシャワーもおり、決してネタ枠という訳では無いことを証明している。ただしライスシャワーは適性距離3000m以上と言われるほどのガチガチのステイヤーで中距離のレースはあまり得意ではなかったのだが。
≫そのレーススタイル故に勝つか惨敗するかの両極端な成績を残していない。その為軸にしづらいという欠点もある。またこのレーススタイルが確立したのはカブラヤオー同様かなり臆病な馬な為逃げしか出来ないという欠点があったから。この辺はウマ娘のストーリーでも語られている
≫ウマ娘の彼女は明るく、テイオーをライバル視している。しかし大体相手にされず終盤になってようやく意識される。またアニメ版では暴走した結果イクノディクタスにイクノディクタスバスターを喰らわせられたり、名前を間違えられることが多く銀魂を彷彿とさせるシーンが結構ある。
≫また育成では皐月賞、ダービーでテイオーがライバルとして立ち塞がるのだがその強さは圧巻。少なくともチヨノオーやブライアンを除いた育成でシニア級の有馬記念に出てくるウマ娘のレベルの強さを持っておりハルウララ有馬記念チャレンジに次ぐ難易度である

・三女神達
≫ウマ娘達の三柱。史実における三大始祖。今まで三女神イコール三大始祖という概念こそあったが名前が登場せず二次創作のみでしか登場していなかったがついに公式が認めた。
≫とはいえ三女神本人達は登場せず性格をコピーしたであろう3人が新シナリオのキャラとして登場している。

・作者の笑いの沸点
≫鎌倉武士がトンデモ理論で暴れたり、薩摩藩士がトンデモ理論で暴れたりすると大笑いする。特にハリポタで流行っている薩摩ホグワーツとかいう概念はクソ笑った


第32話

 ダービーが終わり、翌日。旭川厩舎にて

 

「テキ、もう一度お願い致します」

 

「だからナインティギアを宝塚記念に出走させる」

 

 旭川の考えはあまりにも無謀である。4歳馬が宝塚記念に出走する事自体が異常で、1987年以来再び4歳馬が出走可能となってから出走馬がいた試しがなく、創設以来4歳馬が勝った試しすらない。

 

「テキ、考え直してください!」

 

「わかってる。いくらなんでも無理だって言いたいんだろ?」

 

「はい。ナインティはダービーの疲れが取れていません。そもそもあの時もギリギリだったんです。次は間違いなく故障してしまいます」

 

 

 

 1987年以降に出走可能となった4歳馬が出走しない理由の一つにローテーションが厳しすぎるというのがある。1990年時点で宝塚記念は日本ダービーから2週間後に行われる。

 

 これはどのくらいの間隔かというと1990年時点の菊花賞とJCの間隔と同じくらいで菊花賞を勝ち三冠を制したシンボリルドルフがJCで負けた要因の一つにローテーションが厳しすぎるのが原因とされており、菊花賞出走馬がJCを勝つことはなく、2001年に菊花賞が前倒しで行われるようになってようやくその年の菊花賞出走馬*1が勝つ馬が現れた。

 

 つまりそれほどまでに厳しいローテーションであり、無謀としか言いようがない。

 

 因みにオグリキャップはそれよりもキツイローテーション──マイルCSとJCの連闘で走っているのだがマイルCSのみ勝利し、JCは4着*2と勝利することは出来ず、更にその1ヶ月後に有馬記念で惨敗している。

 

 

 

「そうだろうな。体調を見ても俺だって出来れば出したくない」

 

「それなら何故、宝塚記念出走させるんですか!?」

 

「ナインティギアの出遅れ癖が酷くなっているからだ」

 

「確かにダービーで出遅れましたが、出遅れ癖が酷くなっているなんて事は──」

 

「創也、嘘は良くない。鞍上のお前ならわかっているんだろう?」

 

「……っ!」

 

 図星をつかれた創也が黙り込む。

 

「まあ、お前の気持ちもよくわかる。今まではどうにかなってきたがダービーで起きた出遅れはナインティギアにとってトラウマになっている。それを克服するにはほぼ近い条件のレースで勝つしかない」

 

 旭川の考え、それは日本ダービー程ではないにせよ宝塚記念もGⅠ競走なだけあり観客が集まることが予想され、日本ダービーで起きた事故とほぼ同じ状況を作り、トラウマになったゲートが何もないことをナインティギアに教えることで今後のゲート難を克服しようという考えだ。

 

「しかし、GⅠは宝塚記念だけじゃありません! 菊花賞、JC、有馬記念があります!」

 

「それは出来ない。秋になったら既に克服しなきゃ駄目なんだ」

 

「何故ですか!?」

 

「ナインティギアは無冠の帝王だからだ。皐月賞、日本ダービー共にたらればを語らずにはいられない強さがあった。それが秋になって出遅れ癖が抜けてなくて負けましたなんてことになってみろ。ナインティギアが弱いと思われるんだ」

 

「……」

 

「それにこの秋のローテーションは大事になる。菊花賞にJC、有馬記念と続くんだ。ここで無様な姿を晒すわけにもいかない。だから宝塚記念でゲート難を完全に克服してあわよくば勝ってその強さを見せつける。これが今回の作戦だ」

 

「じゃあ宝塚記念までに出遅れ癖が治らなかったら……」

 

「その時は、ダービーの事故を恨むしかない。そうとわかったら宝塚記念までに出遅れ癖を克服させるぞ!」

 

 旭川の指示の下、ナインティギアの出遅れ癖を克服するための調教が始まった。

 

 

 

 まず一般的に出遅れ癖のある馬はスタートが下手くそであり、ナインティギアの場合はゲートが開くのを確認してからスタートする。これによりかなりの時間を使ってしまい出遅れ癖となってしまう。そこで創也はナインティギアに指示を出した。

 

「いいか、俺が合図したらゲートが開いた瞬間に飛び出せ。他の馬の出方を見る必要もない、自分のタイミングで飛び出せ」

 

 そう言って創也はナインティギアにゲートが開いたと同時に飛び出す練習をさせるが、ゲートに頭をぶつけた事がトラウマになってしまっているのか出遅れてしまう。

 

 ──ゲートばかりやらせて鬱陶しいんだよ! 今日はもう寝るっ! 帰るっ! 

 

 そんなことを繰り返しているとナインティギアが怒り出し暴れ、馬房へと戻っていく。

 

「どうすりゃ良いんだよ……」

 

 ナインティギアが暴れた後、創也が1人呟いた。

 

 

 

 ──無様だな愚弟よ

 

 その後馬房にて、ゲートに苦戦しているナインティギアを鼻で笑うサードプレジデントを見かける

 

 ──あ? 出遅れ癖のあるてめえにそれを言う権利はねえ! 

 

 ──だが俺ほどではない。今のところ百発百中で出遅れているんじゃないのか? 

 

 ──喧嘩だな? 喧嘩売っているならその喧嘩を買おう

 

 一触触発。彼らの今の状態を示すのに相応しい言葉だろう。

 

 その空気を感じ取った馬達が静まり返り、他の厩舎にも影響が及ぶ。

 

「止めろ」

 

 創也がそう一言声をかけるとサードプレジデントが止めるのに対してナインティギアは睨みつけたままだ。

 

 ──覚えていろ、少なくとも俺は覚えているぞ

 

 そう言ってナインティギアは自分の馬房の奥で眠りにつく。

 

 

 

 翌日

 

 ナインティギアのゲート練習をしているとプールで調教を終えたサードプレジデントが通りかかる。

 

 ──何見てやがる

 

 ──お前の無様な姿を見て笑っていただけだ

 

 ──てめぇ……! 

 

 ──無様、という他にお前の様子を表すのに示す言葉が見つからないからな。相棒、乗ってくれ

 

 ナインティギアに騎乗している創也に甘噛みし乗るように促す。

 

「わかったわかった。ナインティ、そういうことだからちょっと待ってろ」

 

 ナインティギアを撫でた後、創也がサードプレジデントに乗り移るとサードプレジデントが鞭に鼻を擦る。

 

 ──相棒、ゲートが開いたら合図を送ってくれ

 

「もしかしてナインティのゲート練習に付き合っているのか?」

 

 ──さあな? それよりもゲートに入るぞ

 

「おっと、わかったよ。それじゃ入るぞ」

 

 創也の指示によりサードプレジデントがゲート内に入り、旭川の手によりゲートが開くと共に創也が鞭を振るうとサードプレジデントが好スタートを見せる。

 

 ──速いっ! 

 

 それを見たナインティギアが目を丸くし、驚愕する。何せ今まで出遅れ癖のあるサードプレジデントが鞭を振るうだけでかつてない好スタートを見せたのだから。

 

「流石サード。それだけ順調なら今度の海外遠征も楽しみだな」

 

 創也もそれに驚きサードプレジデントを称えると今度はナインティギアが近寄り、創也に甘噛みする。

 

 ──次は俺の番だ。貴様に無様だのなんだのと言われるのはこれで終いだ

 

 ──しくじるなよ? 

 

 その後ナインティギアもスタートに鞭を振るう、所謂スタート鞭によって出遅れ癖が改善され、ナインティギアは出遅れ癖を克服することに成功した。

*1
ジャングルポケット。他の勝鞍に日本ダービーなど。東京巧者だった

*2
史実では2着




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尚、次回更新は本日21時です

番外編は何が見たいか

  • サードプレジデント産駒の活躍
  • サードプレジデントのその後
  • ナインティギアとクラフトボーイの活躍
  • ウマ娘サードプレジデント転生者疑惑
  • アニメ版ウマ娘世界のサード達
  • アプリ版ウマ娘世界のサード達
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