89式和製ビッグレッド   作:ディア

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・番外編のアンケート
≫現在アンケート実施中!番外編で何が見たいか答えて下さい!その中で多かったものを優先的に書き上げます

・凱旋門賞編
≫大体レースは一回で終わらせるがこの凱旋門賞に限っては例外で2回に分けることになりました。理由は文字数が7000文字超えした為。

・サルサビル
≫90年ぶりに牝馬にして愛ダービー馬となった競走馬。それにも関わらず日本版ウィキペディアに記載されていないのは何故だろうか……
≫史実では愛ダービーの他にも英1000ギニー、英オークスの二冠も制している。凱旋門賞以外ほぼパーフェクトに近い成績で、愛ダービーでも後のKGⅥ&QES馬ベルメッツを破っている。またタイムフォームでも130という高い評価を受けている歴史的名馬で、シャドウウェルスタッドで繁殖牝馬として繋養されたが癌となり96年に安楽死処分となった際に繋養していた牧場がサルサビルの功績を称えサルサビルの名前がつけられ改名されるほどだった。
≫しかし子孫がそこまで活躍出来なかったこともあり、日本ではあまり有名ではない。強いて挙げるなら09〜11年のサンチャリオットSを三連覇したサプレザ(父母がサルサビル)が日本と関わりがあり、産駒の毎日杯を制しダービーでも4着と好走しインドで種牡馬入りしたサトノインプレッサが1番有名だろう。……言ってしまえばここまでであり、ガリレオ・シーザースターズ兄弟を生み出した凱旋門賞馬アーバンシーに比べたら影響力が低いと言わざるを得ない。
≫因みに作者はサルサビルのことを認知しておらずこのKGⅥ&QES回でオールドヴィックを紹介した際にベルメッツの同期と勘違いしていてサルサビルの存在を抹消していたほどで、ここ数日で調べたにわか知識を披露している。しょうがないじゃん、日本版ウィキペディアにサルサビルのページがなかったんだから。

・競走馬の馬名や騎手の名前の無許可使用
≫炎上覚悟で記載。実をいうとダビスタ96で競走馬や騎手を実名化したがそれでダビスタの会社が訴えられた。ただし最高裁で棄却された為実名でやっても法律的には問題なかったがモラル的な問題で97から64版まで仮名に戻ったが64版からは実名でやっている
≫ウマ娘の会社も無許可でも出来るだろうが、やらないのはモラル的な問題なのかあるいは馬主に逆らえないからなのか……多分後者だと思う。モラル的にやらないんだったらガチャの確率があんなに低い訳がない!
≫これに関するコメントはメッセージボックスでお願い致します


第41話

 世代交代を果たした京都大賞典の一方仏国では凱旋門賞の予想が飛び交っていた。その予想は2頭による一騎打ちだと診断されていた。

 

 

 

 まず米国からやってきた空前絶後の競走馬、サンデーサイレンス。

 

 特別招待競走アーリントンチャレンジCを優勝し、その後もウッドワードSを勝利している。もし日程があえばホイットニーH、ジョッキークラブ金杯もこなす*1予定だったが、その予定は出来なかった。

 

 理由はライバル達との決着があったからだ。アーリントンチャレンジCはイージーゴアと、そして凱旋門賞はサードプレジデントとの決着があった。前者はイージーゴアが故障した為決着はつかなかったが「イージーゴアが出ていたとしてもイージーゴアは勝てなかっただろう」と言わしめる大差で勝利している。

 

 そして凱旋門賞はサードプレジデントが参戦し、サンデーサイレンス陣営も安堵の溜息を吐いた。

 

 

 

 そしてもう1頭こそ大本命であり、欧州を絶望させた和製ビッグレッドことサードプレジデント。

 

 前走KGⅥ&QESではアスコット競馬場史上最も長く存在することになる2分24秒0のコースレコードに加え、2着のベルメッツに40馬身差というとんでもない差をつけ、圧勝した。

 

 また前走だけでなくレコード勝利を連発しており、国内国外共に敵無しの状態だった。もっとも国内で迫られたのがサンデーサイレンスのハナ差であり、その次が有馬記念の8馬身差勝利というのだからその実力は誰がどう見ても明らかである。

 

 この2頭が人気を集め、他にどんな馬が出走するのかといった話題が持ち上がる。

 

「しかしこんなに人気になるとはな……」

 

「そりゃあそうですよ。KGⅥ&QESで見せた大差勝利は世界中で衝撃を受けましたもの」

 

「まあサンデーサイレンス以外に大した馬はいないしな。サンデーサイレンス以外もう格付けは終わっているようなものだし」

 

 それもそのはず今回凱旋門賞に出走する馬は全てKGⅥ&QESでサードプレジデントに大差で負けた馬ばかりであり、中にはサードプレジデントのいる凱旋門賞よりも別のレースに出走することが有益と考えた陣営もいる。その為古馬はサードプレジデント、サンデーサイレンス、柴太鞍上のアサティスくらいしか残っておらず他は米国のBCターフ等のレースへ向けて調教する為回避し出走馬はわずか7頭*2。下手したら5頭以下になってもおかしくないレースぶりを見せたというのに7頭も集まったのだからよく集まった方である。

 

 

 

【スピードシンボリ、メジロムサシ、シリウスシンボリといった名馬達が敗れ去り、4年の時を超え今サードプレジデントが挑みます!】

 

【さあいよいよ始まりました! 今年はどの馬が勝つでしょうか!?】

 

【うーん、やはり大本命はサードプレジデント、そして対抗にサンデーサイレンスですかね。他に挙げるとしたら欧州で今をときめくサドラーズウェルズ産駒で今年の英1000ギニー、英オークス、愛ダービーを勝ったサルサビルくらいしかいませんよ。斤量も4歳牝馬というだけあり軽い*3ですし、何よりも牝馬にして愛ダービー馬ですから歴史的名馬と言えますよ】

 

【しかしそんな斤量程度でサードプレジデントのハンデになるでしょうか?】

 

【普通はなりませんね。だってサードプレジデント達が強すぎます。サルサビルも弱い訳ではないんですがねぇ……どうしてもこの2頭の前だと霞みます】

 

 サルサビルも本来なら1番人気に支持されてもおかしくないほどの実績の持ち主であるが、サードプレジデントやサンデーサイレンスと比較すると劣り、3番人気に支持されていた。

 

【辛辣な評価ですね。ではサンデーサイレンスはハンデなしでサードプレジデントと互角だと?】

 

【ほぼ互角ですね。日本のJCで芝適性の高さを証明しましたし、実力的にもサードプレジデントという馬がいなければこの馬が世界最強になっていたでしょう】

 

【それほどまでにこの2頭との差は大きいということですか。そして最後に1頭残った柴太騎手騎乗のアサティスがいますが……】

 

【正直言って厳しいですね。アサティスも本来なら有力馬なのですが、サルサビルに食らいつくのがやっとでしょう】

 

 柴太は当初アサティスを凱旋門賞に出走させることを反対していて別のレースに出す予定だった。

 

 だが陣営は凱旋門賞に出走を決め、柴太もそれに乗った形になっている。

 

 柴太としては凱旋門賞などどうでも良く、単にアサティスを勝たせてやりたいだけだ。だがあの2頭が相手ではあまりにも分が悪い。それでも柴太は諦めていなかった。アサティスという馬は柴太にとって欧州の中距離GⅠ競走の相棒でもあるからだ。

 

「勝てなくてもいい。ただ勝ち負けが出来るように頑張れ!」

 

 ──おうよ。あのデカくて赤いのに少しでもくらいついてやる! 

 

 そしてゲートに入り、スタートを待つ。

 

 

 

【さあいよいよスタートしました!! まず先頭に立ったのはサンデーサイレンス、サンデーサイレンスがハナに立ち2番手にアサティスと続いています】

 

 サンデーサイレンスは長く持たせる脚の持ち主、つまり先行して粘るレーススタイルを得意としていて逃げも差し馬や追込馬に比べたら出来ないことはないが、特別得意という訳では無い──ウッドワードSまではそうだった。

 

 サンデーサイレンスがウッドワードSで見せた走りは大逃げ。最初の1Fで2番手に10馬身引き離し、最終コーナーを曲がる直前で息を入れ、それまで消耗したスタミナを回復しそして最後の直線で再加速し突き放すというものだった。

 

 余談であるが後の未来でサイレンススズカやエイシンヒカリがウッドワードSのサンデーサイレンスと同じ走り方をし、2頭を見た米国競馬関係者から共に「サンデーサイレンスの再来」と評されることになる。

 

 

 

【さぁ先頭は変わらずサンデーサイレンス。10馬身ほど離れて2番手にアサティス、そしてすぐ後ろにはサルサビル、サルサビルの後ろにはサードプレジデントがここにいます】

 

 サンデーサイレンスが突き放す一方でサードプレジデントは4番手。前走でこそ逃げだったがサードプレジデントは本来一瞬の切れで勝負するタイプの馬である。創也が鞍上するまでは追込しか出来ず、それで結果を出してきた。

 

 それを知っているのは柴太だけであり、この展開に不安を覚える。

 

「(しかしサードプレジデントはこの位置からか。俺がサンデーサイレンスとサードプレジデントを意識しているからなのか、アサティスがスローで走っているように感じる)」

 

 サンデーサイレンスが大逃げ、追込のサードプレジデントがサルサビルより半馬身遅れる程度でいるのが気がかりだった。追込は全頭の後ろにつくから追込なのであってサードプレジデントの位置は先行、どんなに前目に考えても差しと呼ばれる立ち位置だ。

 

 先行しているはずのアサティスやサルサビルが差しと同じ立ち位置で走ってしまっていると柴太が考えてしまう。

 

「(しかし体感的にはサンデーサイレンスが大逃げのペースで俺達のペースは平均ペース。サードプレジデントのペースが速すぎるだけなのか?)」

 

 柴太だけでなく他の騎手も迷っていた。柴太はサードプレジデントが本来追込馬だと知っていたが、他の騎手は追込馬であることを知らず、むしろ逃げまたは先行馬だと思っていただけにかなりのハイペースだと思っていた。

 

 故に他の騎手達はペースを落としてアサティス、サードプレジデントを先に行かせる。

 

 

 

【さあここでサルサビルがペースを落としサードプレジデントが3番手に上がって来ました。逃げるサンデーサイレンス、それを見るようにアサティス、サードプレジデント、そしてその後方にサルサビル達が続きます】

 

 ──どうやらこのレース、俺と青いのとの決着になりそうだな

 

「……サンデーサイレンスが気になるか?」

 

 創也がサードプレジデントにそう呟くと耳を軽く動かし反応をみせる

 

 ──当たり前だ。ずっと前になるがあいつは俺に迫った奴だ。意識するなと言われても無理だ。

 

「お前の気持ちはよく分かる。あんな駄馬の要素を凝縮して詰め込んだような馬が対称的なお前相手に迫ったんだからな。俺も初めて見た時は驚いたさ」

 

 ──見栄え、気性、毛艶全て悪いから駄馬か……だが駄馬というには速すぎる。あいつは駄馬の皮を被った麒麟だ。

 

「そうかもな、だがあいつがどんなに速くてもサード、俺はお前を信じているぞ」

 

 創也の言葉とともに3コーナーを下っていく。アスコット競馬場に比べれば大したことはないがそれでも高低差10mもある。心臓破りの坂で有名な中山競馬場の2倍前後もあるといえばわかるだろう。

 

 その高低差を乗り越え一気に下っていく。サンデーサイレンスが加速し、アサティス、サードプレジデントもそれに合わせて加速していくと流石に他の騎手達も焦り、それぞれの馬達を加速させていく。その加速によって展開はよりハイペースなものへとなっていった。

*1
ホイットニーH、ウッドワードS、ジョッキークラブ金杯の3つのレースを同一年で制覇したのはケルソ、スルーオゴールド、イージーゴアのみであり、いずれも殿堂入りしている

*2
史実では21頭

*3
凱旋門賞は歳や性別により斤量が大きく異なり、もっとも軽いのが3歳(旧4歳)牝馬、もっとも重いのが古馬牡馬




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尚、次回更新は本日21時です

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