89式和製ビッグレッド   作:ディア

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・アマゴワクチン
≫ワクチンが発した名言をリスペクトしたので記載
≫みどりのマキバオーの登場馬。別名【ペースの魔術師】【三冠相続人】【不屈の闘将】などの異名で呼ばれるミドリマキバオーのもう一頭のライバル。常に冷静沈着、頭脳明晰だがその一方で熱血漢でもある。モデルはナリタブライアン
≫詳しい内容は省くが二冠馬の兄ピーターⅡから三冠の夢とシャドーロールを受け継ぎ、マキバオー達のライバルとして立ちふさがる強敵となる。朝日杯ではマキバオーに先着する2着と善戦するが、共同通信杯で足を骨折し無理を押して皐月賞に出走するが惨敗し、ダービーに出られず春二冠は無念のうちに終わる。その後函館記念から始動し菊花賞を含め3連勝、有馬記念でも2着と好走(ただし1着のマキバオーに大差をつけられている)。原作ではドバイワールドカップ編(現実のドバイWCではない)の第2Rでトゥーカッターの支援が入るも4着。その後はなんやかんやで有馬記念で3着、天皇賞春のタイトル獲得。その後は好走するも勝てず引退。アニメ版ではマキバオーの有馬記念後は出番がほとんどなく最終回の有馬記念に出走してきたことくらいしか判明していない
≫続編のたいようのマキバオーWで既に死んでいることが判明。またウマ娘の二次創作では何故かマキバオーやカスケードが主人公をやっているのにこいつだけ主人公にしているのがない。性格的にも性能的(芝ダート両刀可、マイルから長距離まで何でもこなせる)にも成績的(菊花賞、天皇賞春、朝日杯2着、天皇賞秋2着、有馬記念2着)にも主人公やってもおかしくないのに不遇としか言いようがない。……書こうかな?

・競馬漫画と言えば?
≫マキバオーシリーズ、優駿の門シリーズ、シルフィードシリーズ、スピーディワンダーが自分の中では認識している。何派かと言われるとマキバオー派と言えてしまうくらいにはファンである。
≫その為ワクチンの名言をリスペクトしたりすることもあるが、中にはシルフィードネタ等が詰まっているのもある。
≫因みにナインティギアの菊花賞を現在書いている真っ最中だがいくら気性難とはいえ流石にベアの菊花賞のようにラチ蹴りはさせない。てかベアのラチ蹴りが採用されたらウマ娘でどういう表現にされるんだろうか……


第44話

 一方、サンデーサイレンス鞍上のD.Pはというと。

 

「やはり強い……!」

 

 サードプレジデントの加速具合に驚愕しながらも彼は冷静に分析する。

 

「(あれがサードの全力疾走か。まるで赤い弾丸だ。このままでは差し切られる。ならばこちらもギアを上げるしかない)」

 

 そう判断し、サンデーサイレンスが息を入れ終わったのを確認して加速する。

 

【サンデーサイレンスも加速ーっ! まだまだ止まらない止まらないぞ!】

 

「エリートのお前達にサンデーが負ける訳にはいかねえんだよ! エリートだったイージーゴアの為にもな!」

 

 

 

 かつてD.Pはサンデーサイレンスの最初のライバル、イージーゴアの主戦騎手だった。このイージーゴアは昔サンデーサイレンスが酷評されていたのに対してセクレタリアトの再来と評されるほどの評判の馬だった。

 

 しかしイージーゴアがクラシック三冠のうち勝てたレースはベルモントSのみであり、それ以外はサンデーサイレンスに敗れ、世間からは「期待外れ」などと散々に叩かれ、トラヴァースSではサードプレジデントに完敗。一時期は評価をかなり落としたがスルーオゴールド以来の快挙となるホイットニーH、ウッドワードS、ジョッキークラブ金杯の3つのレースを制したこともあり汚名返上し、BCクラシックで1番人気に支持される。このBCクラシックで勝てばJCでサードプレジデントに挑む権利を得られる……そのはずだった。

 

 しかしBCクラシックの勝者はサンデーサイレンスであり、イージーゴアはクビ差で負けてしまい、D.Pは二度とサードプレジデントに挑めないのかと思われた。

 

 だが天はD.Pを見捨てなかった。サンデーサイレンスのオーナーから直々に騎乗依頼が回ってきたからだ。

 

 それというのもサンデーサイレンスの主戦騎手は薬物乱用で騎乗停止中で、BCクラシックに乗っていた騎手も先約があり、JCの騎乗騎手にサンデーサイレンスをある意味1番知る人物であるD.Pに白羽の矢が立った。このチャンスを逃すまいと、D.Pは必死に調教してサンデーサイレンスとの呼吸を併せることに成功し、サードプレジデントにハナ差の2着とイージーゴアで圧倒的な差で敗れた時よりも成長していた。

 

 だが彼はサンデーサイレンスの方が強く思ったのも事実でアーリントン特別招待競走でイージーゴアに騎乗し、イージーゴアが敗れるようであればサードプレジデント対策として自分が改めてサンデーサイレンスの主戦になることを決めていた。現実はイージーゴアが故障し、出走すること無く終わるがそれでもサンデーサイレンス陣営はD.Pを起用し、サードプレジデント対策を講じることにする。

 

 その結果がサンデーサイレンスの異常なまでの成長だった。サンデーサイレンスはこれまでの先行を捨てて、大逃げに変更。ウッドワードSで覚醒し、逃げて途中で息を入れて最後は差し馬と変わらない上がりタイムで走るという意味のわからないことをやってのけた。

 

 これに自信がついたD.Pとサンデーサイレンス陣営は安心してサードプレジデントのいる凱旋門賞へ向かうがJCよりも差をつけられ敗北。

 

 そして今日、今までの雪辱を果たさんとD.Pが鞭を一発入れる。

 

 

 

 ──イージーゴアの為だ? 馬鹿いうんじゃねえ、イージーゴアは既に走り終わったんだ。あいつの分なんざねぇ。後は俺が走るだけなんだ! 

 

 サンデーサイレンスの加速は止まらずサードプレジデントを突き放す。

 

「強いなサード、でもよ、諦めたらそこで試合終了だぜ?」

 

 ──んなことはわかっている! 見ていろ相棒! これが俺の最高の走りだ! 

 

 新馬戦から皐月賞まで創也が乗ってこなかったサードプレジデント──それはシルキーサリヴァンを彷彿をさせる豪脚がサンデーサイレンスを捉える。

 

 残り10m、僅か数秒、ほんの刹那の時間のせめぎ合いはあまりにも長く感じられ、そして決着した。

 

【後続をぶっちぎり迫るサードプレジデント、逃げるサンデーサイレンス、世界制覇か、連覇かどっちだ! どっちだ!?】

 

「行けぇええ!!!!」

 

「負けるなぁあああ!!!」

 

【今並んでゴール! これは写真判定に持ち越されました。勝ち時計は1分57秒5……? またしてもレコード、またしてもレコード! サードプレジデントが更新した世界レコードを更新するのは果たしてどちらか!?】

 

 あまりにも際どい勝負に会場中が固唾を飲む。

 

 そして1分57秒5という数字が表示され、掲示板には3着以下の3頭しか映らなかった。

 

 

 

「ヘイ、ミス・ホシザキ」

 

 サンデーサイレンスの馬主であるアルツが美亜に絡みにいくとそこには不安げな表情をした美亜がいた。

 

「ミスター・アルツ……」

 

「今回のレースどちらが勝ってもおかしくないレースだったよ。それだけに解せないね今回のサードプレジデントの追込は」

 

「解せないというと?」

 

「もし確実に勝つ為ならもっと前の位置についてから差すべきだったんだ。しかし今回は違う。あまりにも後方過ぎる。それが解せないところの一つさ」

 

「一つと言いますとまだあるので?」

 

「オフコース。しかし同時にあれほどの末脚はシルキーサリヴァンしか見たことない。そのシルキーサリヴァンもそこまで長持ちはしない。ラスト5Fのタイムを見てみるかい?」

 

「是非とも……っ!?」

 

「11.7-11.1-10.9-10.1-9.9の54.2……これ以上の数値は二度と出ないだろう。参考までにダート400mの世界レコードが1945年に出したビッグラケットの20秒4だからサードプレジデントは本当に凄い馬だよ。私やミス・ホシザキが心酔するだけのことはある」

 

「ふふ、そうですねミスター」

 

「しかし長いな……余程際どい勝負なのか? ミス・ホシザキこんなオジサンで良ければ話相手になって貰えないか?」

 

「それは創也さん達に労いの言葉をかけてからにしましょう」

 

「なるほど、では私はサンデー達に労いの言葉をかけるとしよう。勝っても負けても素晴らしいレースだった。よく頑張ったとな」

 

「ええ」

 

 美亜とアルツがそれぞれの馬のところに駆け寄り、馬達を褒めると、サンデーサイレンスは鼻を鳴らして喜び、サードプレジデントは耳をパタつかせる。

 

「お疲れ様サンデー、お前達は最高に格好良かったぞ。これからもよろしく頼むぞ!」

 

 ──うるせえ! 

 

「痛っ!?」

 

 サンデーサイレンスが噛みつき、気を紛らわす。サンデーサイレンスは米国でも屈指の気性難であり、噛みつき癖も強いため、D.Pや調教師、そして厩務員もかなり手を焼いている。

 

「おー怖、でも、これでこそサンデーサイレンスって感じだな」

 

「そのようですね……」

 

 苦笑いしながら美亜は創也達の方を向くと、真顔になりこう呟く。

 

「美亜さん、もしサードが勝ったなら自分と結婚して貰えませんか?」

 

「ふぇっ!?」

 

 美亜が素っ頓狂な声を出してしまいテンパってしまうが創也はそれに畳みかける。

 

「美亜さん、俺は貴方のことが好きだ。でもそれに気づけたのはほんの少し前だった。凱旋門賞を勝った時、サルサビルがサードにくっついていたのを見て微笑ましさと同時にもやもやしていました」

 

「それは嫉妬なのではないでしょうか?」

 

「多分そうだと思います。自分は素直に動けるサードが羨ましかった。そして今、この瞬間確信しました。自分は美亜さんの事が好きなんだと。そして美亜さんも自分のことを好きでいてくれると」

 

「それは自惚れですよ創也さん。私が創也さんのことを好きになる理由なんてありません」

 

「そんなことはない。だって美亜さんは自分にデート相手として指名したでしょう」

 

「そ、それは練習相手! 練習相手ですわ!」

 

「美亜さん、練習相手と言いましたがどなたの練習相手なんですか?」

 

「う……参りました」

 

「じゃあ!」

 

「はい、不束者ですが末永くよろしくお願いします」

 

「よっしゃぁああああ!!」

 

 その叫び声と同時に掲示板に1着と2着の番号が表示された。

 





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尚、次回更新は明日0時です。

番外編は何が見たいか

  • サードプレジデント産駒の活躍
  • サードプレジデントのその後
  • ナインティギアとクラフトボーイの活躍
  • ウマ娘サードプレジデント転生者疑惑
  • アニメ版ウマ娘世界のサード達
  • アプリ版ウマ娘世界のサード達
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