89式和製ビッグレッド   作:ディア

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・今週の投稿は……
≫結構書き上げたので期待して待ってて♥

・ウマ娘編11〜14
≫とりあえずこれはウマ娘とは名ばかりのレース編ですので注意してください


・番外編について
≫とりあえずIFルートについて軽く解説。あらすじのようなまとめ方ですまぬ……

・IF.サードプレジデントがお嬢様口調なもう一つの理由
≫サードプレジデントの母や妹達がお嬢様口調でないのにサードプレジデント自身がお嬢様口調であるのには理由がある。その理由の一つにサードプレジデントは前世の記憶があり、失恋のまま亡くなった星崎美亜の生まれ変わりだった。

・IF.アニメ版のサードプレジデントやその姉妹達の所属
≫サードプレジデントは言わずもがなリギル。当然といえば当然だ!
≫ナインティギアはスピカ。切れたら学園一危険だからトレーナーは注意が必要だ!
≫クラフトボーイはカノープス。唯一無二のGⅠタイトル獲得者だが持ち前の人懐っこさでこのチームに入ったぞ!

・IF.アプリ版のサードプレジデントやその姉妹達のトレーナーのエピソード
≫サードT、幼馴染で幼少期の頃から親交があった。また桐生院に学力で同成績の実力者でもある。創也の要素が強め
≫ナインT、いつも振り回される苦労人。創也と加東を足して二で割ったような感じ
≫クラT、冷静沈着。旭川の要素が強め


番外編
ウマ娘11


 京都大賞典でスーパークリークを打ち負かしたナインティギアはスーパークリークの見舞いに来ていた。

 

「クリーク先輩、大丈夫なのか?」

 

「大丈夫ですよ〜」

 

 足にギプスをつけ松葉杖をつきながらもそう快活に応えるスーパークリークだが、とてもそうとは思えない。

 

「無理すんなって。ほら、これ」

 

「バナナですか?」

 

「私の好物だ。本当なら納豆とかも入れたかったんだが流石に納豆は好き嫌いが分かれるからな。クリーク先輩のことを知らない以上入れる訳にはいかなかったんだ」

 

「ふふっ、ありがとうございます〜。それにしても私が繋靱帯炎になるなんて思ってませんでした。この怪我がなければ天皇賞にも出られたはずなのに……」

 

「繋靱帯炎がなければ京都大賞典で勝っていたとかは言わないのか?」

 

「言いませんよ。あの時のナインちゃんは間違いなく私を超えていました。ナインちゃんが秋の天皇賞に出ないのが惜しいくらいですよ〜」

 

「まあ私はクリーク先輩が勝ったクラシック最後の一冠菊花賞に出るから、そっちで楽しんで見て欲しい」

 

「ナインちゃんが菊花賞に? 私が見たところ菊花賞よりも秋の天皇賞の方がナインちゃんにはあっていますと思いますよ? それに今回の菊花賞はステイヤーの名門メジロ家の3人が出走しますし……あまりオススメはしません」

 

「クリーク先輩、距離適性や相手がメジロだからどうしたっていうんだ」

 

「え?」

 

「そんな奴らの勝負を避けて得られたタイトルなんてちっとも嬉しくもない」

 

「でも……!」

 

「確かに菊花賞は距離適性の壁や相手が名門メジロ家だから難しいかもしれないが、だからこそ挑む価値はあると思う」

 

「……!」

 

「成功したからこそ説得力は増さないけど姉さん達はその気になれば国内で引き籠もって蹂躙することも出来た。だけどそれはしなかった。世界という怪物に挑んでいく覚悟があるからだ」

 

「でも今回の秋の天皇賞は決して低レベルじゃありませんよ。オグリちゃんも出てきますし、宝塚記念で貴女に勝ったウマ娘だっています」

 

「確かに低レベルではない、しかしオグリキャップ先輩は不調、他のウマ娘もそこまで体調が良い訳ではない。現状私が秋の天皇賞を勝ったところで当たり前だと言われている。それなら菊花賞に出て勝ちたい」

 

「……!」

 

「私は諦めたくないんだ。例えそれが茨の道であっても」

 

「分かりました。なら私は応援することしかできませんが頑張ってくださいね」

 

「一つだけ聞きたい」

 

「何でしょうか?」

 

「今年の菊花賞に一昨年の状態のクリーク先輩が出走していたら勝てるか?」

 

「今の有力候補の実力を見ている限りだと勝てますよ。ただそれ以上に強かったりしたらどうなるかわかりません」

 

「そうか、分かった」

 

「あとナインちゃんはJCはどうするんですか?」

 

「もちろん出走する。なにせ姉さんのライバルでもあり、空前にして絶後のあのウマ娘が出走してくるんだからな。これを逃すほど私もアホじゃない」

 

「そういえばそうでしたね。では私からはこれだけです。くれぐれも無茶だけはしないでくださいね」

 

 そして数日後、スーパークリークは無事退院し、日常生活に復帰した。

 

 

 

 

 

 一方その頃、名門メジロ家にて3人のウマ娘達が当主に呼び出されていた。

 

「貴女達、私が呼び出した理由はわかっていますね?」

 

「はい御婆様!」

 

 3人とも声を揃えて応える。

 

 一人目はメジロマックイーン。

 

 二人目はメジロライアン。

 

 三人目はメジロルイス。

 

 彼女達は皆、メジロの令嬢であり、マックイーン、ライアン、ルイスとそれぞれ呼ばれている。

 

 そんな3人は今、自分達を呼び出した張本人である祖母に呼び出されていた。

 

 何故、こんなことになったのか。それは数日後に行われる菊花賞の件についてだった。

 

「マックイーン、貴女はこの中では私に1番似ています。ただそれだけに不安な要素もあります。はっきり言ってしまえば貴女は私に似てステイヤー。距離が伸びれば伸びるほど有利になるでしょうが、対偶を取ると不利な状態は距離が短くなるほどに出てきます。つまりスピード勝負をされたらあまりにも不利だということを覚えていなさい」

 

「はいっ!」

 

「次はライアン。ライアンはこの中で1番私に似ず2000から2400までの中長距離が1番輝けます。しかし2500ならまだしも3000mの菊花賞ではマックイーンやルイスに劣ります」

 

「……」

 

「しかしライアン、この中で1番努力してきたのも貴女です。そのことを忘れないように。それから……いえ、これは自分で考えなさい」

 

 最後にそう言われてしまうとメジロライアンはもう何も言えなかった。

 

「最後にルイス、貴女はメジロ家の一番手としての誇りを持ちそれに応え続けてきました。よく頑張りましたね。菊花賞でも期待していますよ」

 

 そう言われた時、メジロルイスは思った。

 

 ──やっぱり自分はこの人には敵わない

 

 この人だけは絶対に越えられない壁なのだということを改めて認識させられた。

 

 だが同時にこうも思う。

 

 ──いつか必ず追いついてみせる

 

 そんな余韻に浸っていると祖母である当主が口を開く。

 

 

 

「三人共、まだ話は終わっていませんよ。今年の菊花賞は壮絶なレースになるでしょう。今のように一度気を抜いたら一瞬で置いてかれますよ?」

 

「はいっ! 申し訳ございません!」

 

「素直でよろしい。特に壮絶となる理由ですが、わかりますね? ライアン」

 

「はい。ナインティギアが出走するからでしょうか?」

 

「その通り、あのウマ娘はサードプレジデントの妹であり、本人もそれに劣らない素質の持ち主です。特に最後の直線の末脚は貴女達を楽に凌ぐほど。運や気性さえ良ければ無敗で朝日杯、皐月賞、ダービー、宝塚記念の4つのGⅠ競走を全て勝っていたかもしれないウマ娘。貴女達の最大の壁でもあるのです」

 

「逆に言えばナインに勝てば、その先のレースで負けても帳消しに出来るほどの大金星というわけですね!」

 

「そんな訳ないでしょう」

 

 自信満々にそう言ったメジロライアンだったが、それを遮るように祖母が切り捨てる。

 

「全く。ライアン、貴女は(ことごと)く脳筋なのだから……」

 

「うっ……反省します」

 

「いいですか。マックイーン、ライアン、ルイス。ここに三本の矢があります。一本の矢であればこのように指と指の間に挟んで力を入れただけでも折れます」

 

 ポキリと矢が折れる音が響き渡る。

 

「しかし三本の矢になると少し違います。このように力を込めても折れません」

 

「あら御婆様、そのくらいであれば私でも出来ますわ」

 

「私もです」

 

 乾いた音が2回連続で鳴り響き、祖母が頭を抱える。

 

「マックイーン、ライアン。私が言いたいのはそういうことではありません。この折れない三本の矢のように結束して欲しいということです」

 

「この三本の矢のように3人共倒れしろ……ということですか?」

 

 マックイーンが視線を折れた三本の矢に視線を合わせて手で口を塞ぎ涙目になる。

 

「それは貴女達がやったことでしょう!」

 

 祖母が思わずツッコミを入れ、誤魔化すように咳き込む。

 

 

 

「んんっ! ……何はともあれ一本を折るのと三本同時に折るのとでは全然負担が違います。今回であれば折る人物がナインティギアだとして貴女達が矢だとしましょう。一本であれば容易く折られますが三本の矢が束になることでより強固になります」

 

「御婆様、その必要はございません」

 

 そこへメジロルイスが口を挟み込む。

 

「三本の矢の喩えはあくまでも三本の矢が共に木材だからこそ折れたのであって一本だけ折れない鉄製のものであれば良いだけです。結束してしなくても他の二本の矢が折れたとしても一本だけ残りますし、結束しても三本共に折れずに済みます」

 

「ルイス、貴女が鉄製の矢になるとでも思っているのですか?」

 

「私はメジロ家筆頭とまでそう呼ばれている以上そうでなくてはなりません。私達が皆同じになるなんてことはあり得ません。ましてや私達3人はお互いにライバル視しているのですから」

 

「ルイス……貴女はメジロ家としての責務を重く受け取り過ぎです。確かに貴女の言うことも一理ありますが、それが全て正しいとは限りません。貴女は自分らしく走りなさい。貴女ならきっとできます」

 

「はい」

 

「では今日はもう遅いので解散としましょう。明日もトレーニングがあるでしょう」

 

 3人が部屋を出ていくと当主が呟く。

 

「もしここにパーマーもいれば良かったのでしょうがあの娘は……何故家出など愚かなことを……!」

 

 メジロパーマーはメジロマックイーン達の同期のウマ娘でありメジロの名前がつく通りメジロ家出身のウマ娘である。しかしメジロパーマーがこの場にいない理由は一つ、メジロパーマーが家出してしまいトレセン学園に問い合わせてものらりくらりとかわされてしまっているからだ。

 

 もし家出しなければ呼び出した中の一人になれたかもしれないが現在の彼女は鳴かず飛ばずの成績の上に菊花賞に出走しない。故に無理にこの場に呼び出す理由はなかった。

 

 

 

 

 

 そして菊花賞当日、1番人気ナインティギア、2番人気メジロルイス、3番人気メジロライアンが続きメジロルイスとメジロライアン同様にトライアルを勝ったホワイトストーンが4番人気、メジロマックイーンは成績がそこまで良くないこともあり6番人気となっていた。

 

「ライアン、ルイス、ダービー以来だね」

 

「ナイン、また君と戦えるとは予想外だったよ。てっきり秋天に行くと思っていたから」

 

「秋天は相手的には悪くないが菊花賞というレース限定ならライアン達も秋天のメンバー達に劣るものじゃない」

 

「嬉しいことを言ってくれるね、ナイン。ナインには3戦して1回しか先着していないからそんなこと言われると思っていなかった。その1回も誇れるものじゃないしね」

 

 メジロライアンがそう自嘲気味に笑う。その1回はナインティギアが皐月賞で失格したことによって生まれた先着で、しかもメジロライアン自身は皐月賞を勝利していない。

 

「だから今度は勝つ。絶対に!」

 

 メジロライアンが気合いを入れる。

 

「私だって負けないさ。今度こそは勝ちに行かせてもらう」

 

 メジロライアンの言葉にナインティギアがそれに応え笑みを浮かべメジロルイスの方に振り向く。

 

「ルイス、お前にももちろん負けない」

 

「いいや、今回は私が君の連勝を止めさせて貰いますよ」

 

 メジロルイス、メジロライアンに戦線布告するナインティギアが視線を動かし口を開いた。





・以降の話
≫実に迷っている。時系列がめちゃくちゃになるので、とりあえずJCまで終わったらナインティギアとクラフトボーイの活躍を書いて、その後サルサビルとの間の産駒、そしてその他の産駒とかも書いて終わろうと思っている
≫もし良ければサードプレジデントに種付けしたら活躍しそうな繁殖牝馬(史実架空問わず)がいたら名前を挙げてメッセージボックスの方に投稿してください。架空馬の場合は血統や出来れば競走成績なども記載お願い致します


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尚、次回更新は本日21時です。
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