≫ウマ娘回はちょっとしたIFルートでもあるので、競走馬のサードプレジデントはJCに出走しませんでしたがウマ娘のサードプレジデントは出走したりと様々なパターンがあります。
≫JCの勝ち負けについてはアプリ版のメインストーリーの第3章の第3R【皐月賞の夢】等と同じのようなものでサード、サンデーがめちゃくちゃパワーアップされている状態です。ナインティギアが勝ったりしたらそれは皆様が育てたナインティギアが出走した世界線だと思って下さい
・ダテハクタカ事件
≫ウマ娘で再現しようとしたら多分ガイドライン違反になるので概要だけ。
≫競馬民の民度の悪さの象徴の一つでラガーレグルス事件よりも質が悪い事件で、ダテハクタカ自身は障害の馬で事件が起こるまで障害で無敗を誇る所謂障害最強馬として名前が知られていた。
≫事件の概要は1972年にダテハクタカがとあるレースでパドックに移動したところ暴れ出し、蹄鉄が外れたのを切欠にダテハクタカが心無い競馬民に濃硫酸をかけられたことが発覚。もちろんその後のダテハクタカは競走取消の上競走能力が低下し勝利することはなかった。
≫因みにその競馬民は用意周到に指紋や目撃情報を出さずにいた為逮捕されることはなく胸糞展開に終わり事件は迷宮入りしている
≫この背景からかなり計画的に練られていたことがわかり、この作品のように缶を投げたりといった突発的なものではない。信じられるかこれ、この小説の出来事じゃないんだぜ?
・【俺の手はウマソウルを呼び覚ます】
≫ふと思いついたネタシリーズ
≫トレーナーの主人公がウマ娘に触れるとウマソウルが呼び覚まされる能力を持っている……という設定の小説。書ければ書く
・【ウマ娘の中の人が本物だったら】
≫ふと思いついたネタシリーズ。
≫ドッキリでダイイチルビーの着ぐるみにトレーナーが入っていると思い込んでいるダイタクヘリオスが着ぐるみの中からダイイチルビーが出てきたらどんな反応を示すのかを思いついて出来たネタシリーズ。
≫派生版にウオスカが互いに着ぐるみを着ていて気づかないとか、ルドルフとテイオーのパターンがある
「ふっ、そうか。ところで一つ気になったんだが、メジロ家でもう一人出走しているがアレはなんだい?」
「マックイーンのこと?」
「そうだ。ルイスみたいに素質を買われてこのレースに出走してきたという訳でもなければ成績も特段良いものじゃない。メジロ家の秘密兵器だというのか?」
「それなら紹介するよ、マックイーン!」
メジロライアンがメジロマックイーンを呼び出し、ナインティギアの前に立たせる。
「彼女こそがメジロマックイーンだよ」
「へぇ、こいつが……」
「初めまして。メジロマックイーンといいますわ。以後お見知り置きを」
「ああ、よろしく。ナインティギアだ。それで? そのマックイーンがこのレースに出走してきたのは冷やかしか?」
「なっ!? 大分失礼な方ですわね……」
「だってそうだろう? 成績も特段良い訳でもなければ、ルイスよりも期待されていない。そんなウマ娘がどうしてここにいる?」
「私がこのレースに出たのは私がメジロ家の誇りを背負って走るためです。決して貴女に侮られるような理由ではありませんわ」
「誇りねぇ……んなもん捨ててかかってこいよ! なりふり構わずにな! そうでもなければ私に勝てるわけがねえってことを教えてやる!」
「……噂には聞いていましたが本当に性格が違いますのね。あのサードプレジデントさんと」
「私と姉さんは半分しか血を受け継いでいない。だから似てなくて当たり前なんだ! お前達のような名門とは違ってな!」
メジロマックイーンの挑発にナインティギアが激昂するがナインティギアが頭を振り自分を宥める。
「落ち着け落ち着け。今だけ、今だけだ。これさえ終わってしまえばなんてことはない」
ナインティギアはそう自分に言い聞かせるように呟きながらメジロマックイーン達に告げる。
「メジロのお嬢様方、私にはお嬢様の気持ちがわからない。だがこれだけは言える。菊花賞を勝ちに来たウマ娘なら名門の誇りなんて捨てておいた方がいい」
「どういうことですの?」
「自分で考えな。もっともメジロのお嬢様方には理解出来ないだろうが」
ナインティギアがそう告げるとゲートの中に入り、他のメジロの面々もそれに続いた。
そして遂に菊花賞が始まる。
【さあ各ウマ娘ゲート入り完了しました。もっとも強いウマ娘が勝つと言われているこのレース、一体誰がかつのでしょうか!?】
【3番人気はこのウマ娘、メジロライアン。フィジカルのみならこのレース出走者中トップクラスの持ち主です】
【前走勝った勢いを大切にしていきたいですね】
【2番人気はメジロルイス。名門メジロ家の筆頭格と呼ばているだけのことはあります。好位置でレースを進めていきたいところでしょう】
【ちょっと表情が堅いですね、緊張しているのでしょうか?】
【1番人気ナインティギア。どういった走りを見せてくれるのでしょう】
【この人気に恥じぬ走りをしてほしいものです。少なくとも出遅れとソラを使う癖が出なければいいのですが】
実況の声が響き、観客達が歓声を上げる。
そして全ての準備が完了しスタートを待つばかりとなった。
そしてスターターが手を上げ、旗を振るう。その瞬間、ゲートが開きナインティギアが飛び出すが控えて最後方からのレースをする。
その一方でメジロルイス、メジロマックイーンが先行集団に入り、メジロライアンがその後方集団に控える。
「(やはりそう来たか)」
ナインティギアがメジロ3人の様子を見ているとメジロライアンがこちらを見て不敵な笑みを浮かべたのが見えた。
「(噂ではメジロの3人が私を徹底的にマークして壁を作って惨敗させようとしているなんてのがあったが嘘だったようだな)」
メジロの3人を視界から外しホワイトストーンを見る。ホワイトストーンも前走勝ち上がり、4番人気まで支持を受けているほどの実力者だ。ナインティギアも警戒しないわけがない。ホワイトストーンがナインティギアを見ながら口元に笑みを浮かべていた。
ナインティギアはそれを見て舌打ちする。
だがナインティギアは知っている。レースは一筋縄でいかないことを。
レース展開としては予想通りメジロルイスとメジロマックイーン、ホワイトストーンの先行集団、メジロライアンの差し集団、ナインティギアは最後方。
ナインティギアもメジロライアンも強力な末脚の持ち主であり直線が長い程に有利に働く。しかし菊花賞の舞台である京都レース場の直線は日本ダービーの舞台の東京レース場よりも短く、走る距離に比例する訳ではない。つまり二人にとっては先行集団よりも不利な位置にいることになる。
「(私はともかく何故ナインはあの位置に? 何か考えでもあるのかな?)」
メジロライアンが不気味に微笑むナインティギアに悍ましさを感じ取りながらも、ここで負けられないという想いを胸にナインティギアを睨んだ。
それというのもナインティギアはほぼ自在脚質の持ち主であり、その気になれば逃げも先行も出来る。しかし先行や逃げをしない理由がメジロライアンには思いつかない。セオリー通りいけば先行の方があまりにも有利だからだ。
「(ふふ……焦るがいいさ。私と共に共倒れなんかしたくないだろう?)」
ナインティギアの不気味な微笑がメジロライアン達にとってまるで悪魔のようであった。
一方、メジロマックイーンはナインティギアの様子を伺いながらも先行集団を走る。
「(ライアン、貴女には悪いと思いますがその場で1番人気のナインティギアさんを抑えて下さいませ。菊花賞は私が頂きますわ)」
メジロマックイーンはライアンの実力を信じているがそれでも不安はある。特に今回のレースはナインティギアが最後方というだけあり不気味としか言いようがない。
【さあ淀の坂を登り第三コーナーに差し掛かりました! 先頭はここでメジロルイスだ、メジロルイスに変わった!】
そんな思考を他所にメジロルイスが先頭に変わり、レースを引っ張っていく。
メジロマックイーンもそれに続くようにペースを上げて仕掛けるタイミングを見計らう。
メジロマックイーンの強みはそのスタミナ。長期戦に持ち込めば間違いなく勝てる。
だがメジロマックイーンはそう簡単にはいかなかった。
メジロマックイーンは後ろに控えるメジロライアンやナインティギアに視線を向けるが何もせずゆっくり上りゆっくりと下っていく。ごく普通に淀の坂の鉄則を守っていった
「(まあここは仕掛け時ではありませんものね、まだ一周目ですし)」
メジロマックイーンと言えどもナインティギアの奇行は予想しづらい。それだけにナインティギアが何もしないことに安堵していた。
【さあメジロルイスが先頭に変わってゆっくりと下りゴールまで残り一周となりました。さあここからどうなるのか!?】
「(ルイスはそう来ましたか。ルイスらしいといえばらしいですが、貴女にそれが出来るのですか?)」
メジロルイスがペースを作り上げ、徐々に加速していく。スパートにしては加速が弱く、ペースをただ上げるだけのものであると判断しメジロルイスをそのまま行かせる。
「(ルイス、マックイーン、君達は凄いよ)」
メジロライアンが心の中で2人を讃える。それというのもここしばらくメジロライアンは2人に併走で負けることが多くなりメジロライアンは2人に比べて成長出来ていないことに劣等感を感じていた。素質はさておき少なくとも皐月賞時点ではメジロライアンが1番速かったのにそれが今では勝てない。
だからこそここでメジロライアンが2人に勝つことで自信を取り戻す切っ掛けが欲しいのだ。
「(ルイスはメジロ家の筆頭格として頭を貼り続けたし、マックイーンは急激に成長してきた。でも、私は違う)」
メジロライアンが2人の背中を見ながらそう考える。
元々メジロ家は代々名家として知られているし、メジロライアン自身もメジロ家の血筋であるからこそメジロのウマ娘として相応しい振る舞いをしなければならないと思っている。
メジロライアンの両親もそれを望んでおり、メジロの名に相応しい走りをするようにと幼い頃から言われ続けてきた。
メジロライアンはそんな両親の期待に応えようと努力を積み重ねてきた。だけど、メジロライアンの努力は決して報われなかった。
何故ならナインティギアという無冠の帝王がいたからだ。ナインティギアはメジロライアンに限らずメジロルイスすらも呑み込み、勝利を重ねている。
メジロライアンもその度に敗北している。そして今こうして同じレースに出ていても劣等感に苛まれている。
「(だから、このレースで勝ちたいんだ。マックイーンにも、ルイスにも、そして、ナインにも!)」
メジロライアンのペースが上がっていくと差し集団のペースが上がり、先行集団を捉えにいく。
「(流れが変わった以上、私も動くしか……!)」
メジロマックイーンがそれに気づいてペースを上げていくと他のウマ娘達が「無理〜!」と悲鳴を上げて脱落していく。
「バカじゃないの!? こんなハイペースで菊花賞を勝てるわけがない!!」
「どうやらそうでもなさそうだ。私より先は菊花賞を制するウマ娘達の線引のラインになる」
「なっ……」
【おーっとここでナインティギアも上がっていったーっ!】
淀の坂までに上がっていった5人──メジロルイス、メジロマックイーン、ホワイトストーン、メジロライアン、ナインティギアがそれぞれ先頭から5番手まで上がっていく。
【さあここで淀の坂を各バ上っていきます! 昨年の和製ビッグレッド同様にここで仕掛けられるウマ娘はいるのか!?】
「(また和製ビッグレッドか。嫌になるよ、姉さんの常識破りは)」
ナインティギアが愚痴り、4人の後方から様子を伺う。流石のナインティギアと言えどもこの淀の坂の上りでペースを上げるほど無茶苦茶ではない。
「(ルイスに、白いのが2人並んで、短髪、そして私か……やはり人気のウマ娘ばかりの状況になったか。だが逃さん。私はお前達を倒す為にこのレースに挑んできたんだ)」
ナインティギアが4人を睨みながら心の中だけで呟く。
「……」
淀の坂を全員が上がり終えると、先頭はメジロルイスそのすぐ後ろにメジロマックイーン、ホワイトストーン、その後ろにメジロライアンが続く形になり坂を下っていく。
淀の坂を下るのが下手なウマ娘はここで曲がりきれずに外ラチへ一直線していく。
中にはラチを蹴って衝突を回避したり、ラチ蹴り失敗して男性にしか理解出来ない痛みを理解することになったりするウマ娘もいる。まあそんなのはほぼいないが。
それくらい淀の坂を下っていくのは難しいことであり、ゆっくり上りゆっくり下る──それこそがセオリーだ。
「(これは……もしかして貰った?)」
メジロライアンがそう呟く。後ろにいるナインティギアは5番手についたとはいえ直線の末脚のみで前に届く距離ではない。しかしメジロライアンはそうではなく前の3人を射程圏内に捉えている。このままいけば間違いなくメジロライアンは勝てる。
「よう、随分と嬉しそうじゃないか」
下り坂で勝利を確信した瞬間、ナインティギアがメジロライアンをあっさりと抜かしていた。
【ナインティギアが淀の坂をものすごい勢いで下っていきます! これは大丈夫なのか!?】
「なっ……いつの間に!?」
「なんですって!?」
メジロライアンだけでなくメジロマックイーン達すらも驚愕し、目を見開く。セオリーをまさかこんな形で破るとは予想外も良いところで、メジロマックイーン達は唖然としてしまう。
観客席にて三冠ウマ娘、シンボリルドルフとミスターシービーが笑みを見せる。
「まさか淀の坂をこのように使うとは、末恐ろしいものだ。シービー?」
「うん。本当なら最短距離で行くべきだけど前の4人を抜かすには外に回す必要がある。下り坂でスパートをかけることで楽に加速出来るだけじゃない。遠心力が出来て大外に回す労力もなくなる。理にかなった方法だね」
「ああ。しかも淀の坂に入る前に加速し終わり良いポジションについている。実に素晴らしい作戦だよ」
ミスターシービーとシンボリルドルフは感心しながらそう言う。
淀の坂の鉄則を裏手に取り、しかも最後の直線ではメジロライアンを抜かし好位置をキープしている。そして最後のカーブを曲がればゴール板まで残り約300mとなり、このままの勢いならば先頭に立っているメジロルイスを抜かすことも可能だ。
「そうはさせないっ!」
メジロライアンがナインティギアを引き止めようと食らいつき、下る途中で加速するとメジロライアンが大外へと振られてしまう。
「(この距離のロスは痛いけど仕方ない! このまま何も出来ないことの方が、1番戦況的に不味いっ!)」
メジロライアンが外に膨らみながらコーナーを曲がるとナインティギアとの差が開く。
「(な、なんで? なんで差が開いていくの? いくら加速が遅かったとはいえ末脚にそこまで差があるわけじゃないのに……!?)」
メジロライアンが不思議に思うのは無理もなく、ナインティギアの末脚はメジロライアンとそう変わらず、差がつけられるものではない。だが現実は違いメジロライアンが突き放される一方である。
「(そ、そうだったんだ。ナインティギアはロスを最低限に済ませるギリギリのラインでカーブしている。それに対して私は大幅なロスをしている。道理で差が開く訳だ。でもそれで諦める私じゃないっ!)」
しかしメジロライアンは諦めず、メジロマックイーンとメジロルイスの背中を追い続け4番手になったホワイトストーンに追いつき、そのまま並んでゴールする。それがメジロライアンの菊花賞のレースとなった。
メジロルイスとメジロマックイーンが並び、後ろからホワイトストーンが迫ってくるという接戦を繰り広げる。
【さあここでメジロマックイーンがメジロルイスに並んだーっ! マックイーンかルイスかそれとも大外からやってきているナインティギアか!?】
メジロルイス達がナインティギアに5バ身差のリードの状態で接戦を繰り広げている中、ナインティギアが仕掛けると一気に2人を捉えにかかる。
【さあナイン来たナイン来たナインティギアが飛んできたぞ!】
「メジロの名にかけて負ける訳にはいかないっ!」
ナインティギアが2人を捉えた瞬間、メジロルイスが加速し、突き放そうとするとナインティギアが追いすがる。
「(な、なんて末脚ですの……!? これがクラシック最有力候補達……メジロ家の誇りはルイスが、では私には何が残っていますの……?)」
メジロマックイーンの心が折れ、先頭争いから脱落する──そう思われた瞬間メジロマックイーンの頭に何が過る。
──誇りねぇ……んなもん捨ててかかってこいよ! なりふり構わずにな! そうでもなければ私に勝てるわけがねえってことを教えてやる!
それはナインティギアがレース前に発した言葉だった。
「(あの言葉は……私、いや私達の心の迷いを見抜いていた? それに気づいた私はどうすればいいんですの? 勝つためにプライドを捨てろ、と?)」
メジロマックイーンが自問するが答えが出るはずもない。
「(いや、考えるまでもありませんわね。勝てるならなんでもしてみせますわ!)」
その瞬間、メジロマックイーンの姿勢が大きく変わり、それを見た観客からは驚愕の視線が集まる。
・前回の後書きに引き続き……
≫もし良ければサードプレジデントに種付けしたら活躍しそうな繁殖牝馬(史実架空問わず)がいたら名前を挙げてメッセージボックスの方に投稿してください。架空馬の場合は血統や出来れば競走成績なども記載お願い致します
このお話をお楽しみ頂けた、あるいはこの小説自体をお楽しみ頂けたならお気に入り登録や高評価、感想の方を宜しくお願いいたします。
また感想は感想に、誤字報告は誤字に、その他聞きたいことがあればメッセージボックスにお願いいたします。
尚、次回更新は明日0時です。