≫サンデーサイレンスをモデルにしたウマ娘ですがウマ娘の世界線では公式が発表しない限りはこうして名前を伏せます。元ネタはウイポのサンデーサイレンスの異名より
・菊花賞を書いた感想
≫菊花賞編何と脅威の15000文字!スーパークリークとの下りを抜きにしたら13000文字程度になるからとんでもねえ……やっぱり内心では書きたかったんだなと思う。因みにJCも結構な量です。有馬記念は本当にさらっと書いています。多分じっくり見ないと気づかないレベルで。
メジロの誇りを捨てて観客の視線など気にすることなく、メジロマックイーンがナインティギアとメジロルイスをあっさりと差し切り、一着でゴールする
【なんとメジロはメジロでもルイスでもなければライアンでもありません! オグリキャップの再来メジロマックイーンだ!】
メジロマックイーンが出した姿勢の正体、それは奇しくも二世代上のオグリキャップが得意とする地を這うフォームだ。メジロマックイーンがこのフォームを選択した理由はただ一つ。ナインティギアの末脚に対抗する為だ。その為ならメジロ家のウマ娘というプライドを捨ててただのマックイーンとして勝負に出た結果、オグリキャップの走法が思い浮かび、ナインティギアすらも差し切った。
「はぁ、はぁ……」
「ふぅ、危なかったですわね」
メジロマックイーンが余裕そうにそう呟くが実際のところは汗だらけの上に足が震えていた。
「くそっ……まさかこんな奴に負けるとはな」
ナインティギアは惜しくも2着となり、1着のメジロマックイーンとの差はわずかクビ差。メジロマックイーンは春で活躍しなかったことや前哨戦で負けたこともありメジロライアンやメジロルイスに比べ取るに足る存在ではなかったが、いざレースが終わってみればこの中の誰よりも強かった。
そしてナインティギアがメジロマックイーンに視線を向け声をかける。
「メジロマックイーン!」
「ナインティギアさん、何でしょうか?」
「てめえのその余裕そうな面覚えたからな。次は絶対に負けねえ」
「あら、そうはいきませんわ。次も勝たせていただきますわ」
「チッ……そのお嬢様口調が姉さんに似ているから余計に腹が立つ……」
ナインティギアが舌打ちしそう呟く。ナインティギアは許せなかった。走るのは嫌いだが負けるのはもっと嫌いで、負けないように努力してきた。だが肝心なところで勝てない。朝日杯は手を抜き、皐月賞は失格、ダービーは観客に喧嘩を売り体力を使い果たす、宝塚記念は早仕掛、そして今回はメジロマックイーンに力負けしてしまった。
──何がクラシック最有力候補だ、何が和製ビッグレッドの妹だ……
ナインティギアは自分の無力さに怒り狂い、控え室で荒れているとシリウスシンボリが現れた。
「ようナイン、今回のレースはどうだった?」
「シリウスシンボリ先輩……最悪でしたよ」
「だろうな。悔しいか? なら強くなれよ。そのためには走り続けるしかねぇよ」
「分かっていますよ。あの芦毛のお嬢様には来年の阪神大賞典で借りを返す。そしてその勢いで春の天皇賞もいただく! その為にはJCで手土産を用意します」
「まさかお前、空前絶後と和製ビッグレッドを倒す気なのか?」
流石のシリウスシンボリも戦慄する。空前絶後も和製ビッグレッドもどちらも世界史上稀に見る名バであり、それをまとめて倒すのが手土産というのだ。それだけナインティギアはレース後のメジロマックイーンのことを評価していた。
「ああ、私が最強ってことを証明して世代交代させる。それが私の役目なんだ」
「面白れぇ女だ! いいぜ、ますます気に入った! 私も協力してやるよ!」
「ありがとうございます」
「それじゃ筋は通さねえとな。お前んところのトレーナーに会いにいくか」
こうしてシリウスシンボリがナインティギアのトレーニングに顔を出すようになる。
「──という訳だ。月城トレーナー、あんたが帰国したら私もあんたのところで合同トレーニングさせて貰うぜ」
シリウスシンボリが創也に電話し、合同トレーニングの話を持ちかける。
『それは別に構わんが、ナインティギアが本当に強くなるのか?』
「まあ見てろよ。それにこいつは面白いヤツだからな。きっと化けるぞ」
『分かった。帰国次第連絡する』
「おう、待ってるぜ」
「あ、ちょっと待ってくれ!」
通話を終えようとした丁度その時にナインティギアが口を挟む。
「何だよ、まだ何かあるのか?」
「創也の兄さんと話しをさせてくれ」
「そうだったな。ほらよ」
シリウスシンボリがナインティギアに電話を返し、電話の向こうにいる創也に話しかける。
「もしもし創也の兄さん?」
『どうした?』
「私がJCに出ることは反対か?」
『いや反対はしないさ。むしろサードがこの世にいなかったらJCを強く勧めただろうし、今回のメンツを見てわかるが出走するだけでも有意義になるだろうしな』
「じゃあいいんだな?」
『勿論だ。ただ一つだけ約束してくれないか?』
「約束だと?」
『もし勝ちきれなかったとしても、絶対に諦めないでくれ。最後まで戦い抜いて欲しいんだ。君には期待しているし、頑張って欲しいんだ。どちらかと言うと俺はサードの味方だからこんなことぐらいしか言えないけどお前のことも応援しているんだ。今後負けるとしたらお前に敗れたい』
「そう、か……」
ナインティギアは目頭が熱くなるのを感じた。まさかこんなにも自分のことを考えていてくれたとは思わなかったのだ。
「安心しろ、あんたの願いは叶えてみせる。だから、見ていてくれよ。兄さん」
『ああ、空前絶後にも和製ビッグレッドにも目にものみせてやれ』
そして電話が切れ、ナインティギアは拳を握りしめ天高く掲げた。
「(そうだ、私は一人じゃない。周りにはいつも支えてくれる人がいる。今更ながらに気付くなんて私はバカだ。でも気付けた。この気持ちを忘れずにこれからも頑張ろうか)」
そんな余韻に浸っている一方、創也はサードプレジデントにナインティギアを応援したことがバレて関節技を決められていた。サードプレジデントからしてみれば浮気そのものの行為なので当たり前である。
「全く酷い目にあった……」
「もう、創也様は!」
サードプレジデントの関節技を解いても怒りは解けず、そのまま創也は正座させられ説教され続ける。
「そもそもキャロ、俺はキャロの担当だがナインティの担当でもあるんだ。ナインティの応援をするのは当たり前だろう?」
「そ、れ、で、も!
「そうか……すまない。確かに軽率だったな」
「分かっていただけて嬉しいですわ」
「それでは責任を取って貰えますか?」
「責任というと?」
「そんなこともわかりませんの?」
ジト目でサードプレジデントが創也を見つめ、威圧する。
「わかったわかった。帰国したら散策しよう」
「まぁなんて素敵な……なんて言うとでも?」
ますます怒るサードプレジデント。耳を絞りこんでいて、これ以上怒らせたら創也は碌なことにならないだろう。
「じゃあどうすればいいんだよ?」
「もう! そんなこともわかりませんの? 男が女に対して責任を取る方法と言ったら──」
「待て待て待て。それ以上は言わないでくれ。答えは俺が出す」
「なら早く言ってくださいまし。それとも言いたくありませんの?」
「……結婚とかは引退するまでダメだからな。温泉旅行に行くってことでいいか?」
「はい! それでよろしくお願い致しますわ」
サードプレジデントとの温泉旅行が決まり、日本へ帰国する。
和製ビッグレッド日本帰国、米国の英雄にして空前絶後の来日──またしても世界頂上決戦を見れると思ったファンは当日東京レース場へと押しかけると満員電車のようにすし詰め状態になり、入場制限が設けられる事態となった。
・前回の後書きに引き続き……
≫もし良ければサードプレジデントに種付けしたら活躍しそうな繁殖牝馬(史実架空問わず)がいたら名前を挙げてメッセージボックスの方に投稿してください。架空馬の場合は血統や出来れば競走成績なども記載お願い致します
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尚、次回更新は本日18時です。