≫たくさんの応募ありがとうございました。応募した中から吟味して登場します。また応募した中で作者が閃き、考えた配合相手の産駒も登場しますのでよろしくお願いいたします
・明日から本気出す
≫ニートが使う言葉だが今日はウマ娘回しか投稿していないので明日から競走馬編を投稿するという意思表示。プロットと本編の間くらいの薄い内容ですが、それでもかなりの話数なのでお楽しみに
サードプレジデントが家族以外で他のウマ娘と連れ歩いていると騒然とする。そのウマ娘はシンボリルドルフが把握する限りでは日本のトレセン学園の生徒ではないウマ娘であり、正体不明と判断するとサードプレジデントに近寄り話しかける。
「やあ、サードプレジデント。少しいいかな?」
「おやシンボリルドルフ会長、構いませんが何用で?」
「単刀直入に聞こう。そのウマ娘は一体誰かな? 君のお客様だというのはわかるが」
「ああ、彼女はドバイ所属のウマ娘で英1000ギニー、英オークス、愛ダービーを制したティアラ路線のサルサビルさんですわ」
「はじめましてシンボリルドルフさん。ご紹介に預かりましたサルサビルと申します」
「ほう、君があの……。私は生徒会会長のシンボリルドルフだ。よろしく頼む」
「こちらこそ。ところでシンボリルドルフさん、私に用があると仰られましたが一体何用で?」
「なんてことはない。別にサルサビル、君をどうこうしようとは思っていないさ。私の顔合わせとサードの友好関係を見たかっただけだ。すまないね、邪魔をして」
「いえ、大丈夫ですよ。それでは失礼します」
「ああ」
シンボリルドルフが冷や汗をかきながらその場を立ち去る。その冷や汗はサルサビルのプレッシャーから来たものではない。その隣にいたサードプレジデントが発した殺気によるものが原因であった。
「キャロ、私のことを好いてくれるのはありがたいですがあのように追っ払うのはよくないですよ」
「うっ……気づいてらしたの?」
「それは当然ですよ。私は貴女の親友ですから」
「サルサビルさん……!」
サードプレジデントがすかさず尻尾を絡ませる。ウマ娘同士が尻尾を絡ませるということは親愛の証であり、それが意味することは親友、もしくはそれ以上の関係であることを示していた。
「さてあんまりのんびりしていると時間を無駄にしてしまいます。キャロ、貴女のトレーナーの所に案内して貰えませんか?」
「トレーナー、ですか……」
サードプレジデントはこの時葛藤する。サードプレジデントにとって創也もサルサビルも大切な存在である。
それだけに創也とサルサビルが仲良くしている所を見たらどちらにも嫉妬してしまい、またどちらのことも大切に思う故にどちらかを選ぶことが出来ず、決断出来ずにいるのだ。
だがそんな彼女の迷いを吹き飛ばすかのようにサルサビルは微笑む。
「キャロ、貴女のトレーナーは貴女のトレーナーでありキャロのことをよく知っている一人です。私が貴女というウマ娘を知るに当たって彼ほど適任な人はいません。私は貴女のことで盛り上がりたいのですから紹介お願い致します」
「う……わかりましたわ。少々お待ち下さいませ」
電話を取り出し創也に連絡するとそれから数分後、創也が2人の元にやってきた。
「や、お待たせサード」
「いえ、後一時間も待たされるかと思えば予想よりも早いくらいでございますわ」
「そっか。それでそっちは……確か90年ぶりにティアラ路線に移行したにも関わらず愛ダービーを勝ったサルサビルだったか?」
「流石サードのトレーナーですね。初めまして、サルサビルと申します」
「日本トレセン学園所属の月城創也だ。以後お見知り置きを」
名刺を取り出しサルサビルに渡すとサルサビルがそれを懐にしまう。
「さてサード、俺をここに呼んだということは俺にしか出来ないことがあるということか?」
「ええ、貴方から見た私を知りたいとのことです。なので私は席を外させ──」
「それなら私と一緒に聴きましょう」
「ちょ、ちょっと!」
サードプレジデントがサルサビルに捕まり焦る。サルサビルを乱暴に扱うという発想は何処にもなく振り解けずそのまま座ってしまう。
「さあ、キャロの可愛い顔をもっと見せてください」
「あうぅ〜」
「こ、これは恥ずかしいな……」
2人きりの時とは違う状況に頬を染めてしまう創也だがあることに気がつく。
「キャロ……俺以外にその名前で呼ばせているのか?」
「……う、はい。サルサビルさんならいいかなって」
「浮気者」
「ぐはぁっ!」
サードプレジデントがショックのあまり吐血し、机にひれ伏す。そんなカオスな状況下でサルサビルは微笑んでいた。
「ふふっ、キャロも貴方も何というか幼馴染だからこそ出来るやり取りというものを感じますね」
「そう見えるか?」
「ええ、でなければ浮気者なんて言えませんよ」
表面上で微笑む一方でサルサビルは創也を評価していた。
──たった数回のやり取りでこれだけ空気をほぐした。やはりキャロのトレーナーなだけあり、その洞察力は本物。身内ということを抜きにしてもかなりの実力者と言える
「なるほどね。それで君はキャロのことを知りたいんだっけ?」
「ええ、主に内面ですが。外面の彼女はいくらでも存じていますので」
「じゃあ、キャロがまだ小学生の頃を話そうか」
「えっ、ちょっと創也様!?」
サードプレジデントが慌てて止めようとするが創也は構わず語り出す。
「のんびり屋で大人しいお嬢様──小学生時代のキャロのことを知っている大人はこう評するだろうな」
「違うのですか?」
「とんでもない。それは擬態した姿だよ。母娘揃ってエンゲル係数がとんでもなく高いからお嬢様の暮らしもしていないし、のんびり屋というのも間違っている」
「うあぁぁ〜!」
とてもお嬢様とは思えない何かが悶えて悲鳴をあげているが2人は無視した。
「かなりのサディスト。テストの点数でマウント取ってきたクソガキに対してブチギレたキャロが大学入試の模擬試験で満点取って煽りまくって泣かせた時は流石にやり過ぎだって止めたぐらいだから」
「あらまあ」
サルサビルが苦笑いをする。
「とはいえ基本的には優しいんだ。妹がいじめられた時は腹違いの姉妹にも関わらず姉として守ったこともある。だけど家族以外の人間には容赦がない。特に男に対しては酷い。妹の1人のナインティギアが幼稚園の時に年上の男の子が彼女を虐めようとしてキレてボコボコにしたことがあった。俺もその時は仲裁に入ったんだけどさ、あの時のキャロは怖かった」
「そんなことが……」
「その容赦の無さがナインティに影響してしまったんだよな……」
「もう、止め止め! 止めて下さいませ!」
創也の口を物理的に封じて黙らせる。
「確かに私は小さい頃は今と違って容赦はしませんでしたとも! しかし、今は自重してますわ!」
「はいはい」
「サルサビルさん、今の私の内面を知るのに昔の私を知る必要はありませんわ! だから黒歴史を思い出させないで下さいませ!」
「仕方ないですね。それでは創也さん、キャロの好きな所を教えて下さいませんか?」
「そうだな……俺はサードプレジデントというウマ娘がどんなウマ娘かをよく知っている。くっそレースが強いことも知っているし、成績だって優秀だ。その上でサードプレジデント──キャロは一緒にいたいと思える優しさと、心の強さを持っている」
「……創也様」
「そして俺にとってキャロは大切な人だ。君が俺のことをどう思っているか知らないけど、俺にとってはかけがいのない存在だ」
「ありがとうございます。私も貴方のことを愛していますわ」
「う、うん。照れるな」
「サルサビルさん、私達の仲はそういうことなのです。こんな魅力的な殿方は他にいないでしょう?」
「ふふっ、それもそうですね。キャロ──いやサードプレジデント、貴女は私の親友でありライバルです。いつか必ず勝ってみせます!」
「ふふ、お待ちしております」
2人が固い握手を交わす
「とりあえずサルサビル。キャロの内面を知って満足して貰えたかな? 俺はキャロとサルサビルの仲を深めて欲しいと願っているから君と仲良くなりたいと思っている」
「勿論ですよ、創也さん。これからもよろしくお願いしますね」
「ああ、よろしく」
「もしかしたら私の親戚の娘が貴方に師事したいと頼むかもしれません。その時にはどうか宜しくお願い致しますね」
「わかった。その時はまた連絡してくれ」
こうしてサードプレジデントの友人であるサルサビルとのファーストコンタクトは無事に終わった。
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