・この小説で思いついた派生小説
≫読者の皆様は外国の名馬のロマン血統の競走馬を無双させたい、した姿を見たい……そう思ったことはないでしょうか?その夢の一つがこの小説でもあるのですが、この小説を書いていて思いついたが、余りにもネタ被り過ぎたりしたのでボツにしたのを紹介します。てか、これを参考にして創作して欲しい
・父は欧州三冠馬、母父は70年代欧州最強マイラー
≫父ミルリーフ、母父ブリガディアジェラードの血統を持つ競走馬が日本で激走する……ブリガディアジェラードの産駒は米国に輸出することを禁じていたので持込馬ではなく外国産馬として活躍することになる──かと思いきや日本に繁殖牝馬として輸入された馬もいるので持込馬でも可能
≫ブリガディアジェラードを父に持つ繁殖牝馬の年齢やミルリーフ死亡までの期間を考慮すると1977年〜1987年の間に生まれる計算になるのでミスターシービー〜メジロマックイーンの間の世代が同期のライバルとなること(正確にはミスターシービーよりも前の世代でもいけるがウマ娘ではいないので割愛)が可能となる。割りと幅広い
≫ボツにした理由は前述の通りネタ被り。一応血統的にはこの小説の主人公であるサードプレジデントの血統よりも日本でも走る気配はある(参考までにイナリワンとミホノブルボンはミルリーフの直系の孫)し、直系ではないがブリガディアジェラードの血を継いでいる馬は現在にも存在していることからそこまで悪くない血統であるが、不遇な血統であることに違いなくサードプレジデントもシルキーサリヴァンという不遇な血統を持っている為に没となった
≫一応没にはしたものの、次の競馬小説で書くとしたらこれを編集したものになるだろう……
・父は米国のスペ、母父三冠馬キラー
≫父スペクタキュラービット、母父エクセラーという快速馬同士が血統に詰まった競走馬が日本の芝で大暴れする話
≫没理由は上記による理由である
・父はドバイの快速万能馬、母父は80年代最強馬
≫父ドバイミレニアム、母父ダンシングブレーヴというロマン血統。父は西暦2000年のドバイWCをレコードで制した名馬でありながら早逝、母父はマリー病に侵されながらもどちらも後継種牡馬を残した名馬であり、そんな切なさの塊である血統を詰め込んだのが持込馬または外国産馬として活躍する……
≫母父ダンシングブレーヴにした理由はエルグランセニョール等の名馬も候補だったが上記の通り、病に侵されたというのがポイントでドバイミレニアムのように早逝した訳ではないが切なさを感じるから。それ以外にいるとしたらイージーゴアが候補だがイージーゴアはステイヤーであり、ドバイミレニアムがダートで走ったこともありダート路線になりそうなので日本の芝で実績のあるダンブレになった
≫ドバイミレニアムの寿命を変更しないので05世代限定。故にディープインパクトとかとやり合うことになる
≫ボツにした理由は上記の通り。後、サードプレジデントの父セクレタリアトと母父バックパサーは共に芝・ダート共に実績があるのに対してドバイミレニアムのみが実績を上げており母父で思い浮かぶのが該当しないのと、世代が限定されすぎていること。逆にいえばそれは絞りやすいのだが……どうしても書けなくなった時に逃げ道をつくると大分楽にかけるものなので没にした
・父は名血の凱旋門賞馬、母父はマイル〜中距離の無敵
≫父シーザスターズ、母父バゴ。シーザスターズについてはアーバンシーの項目で説明しているので説明は割愛。母父は自身の父ナシュワンが出走出来なかった凱旋門賞を制しただけでなく2000m以下なら無敗というとんでもない成績の持ち主であり、父としてもクロノジェネシスやビッグウィークを、母父としても重賞馬を輩出しており、2頭共に父としても母父としても実績を残した(ただし母父としては共にGⅠは取っていない)夢の配合。
≫母父が日本に輸入されたバゴという関係上、アドマイヤコジーンのように母は日本産まれだが海外で種付けを行い持込馬として産まれた……割りと生々しく、しかもバゴの母父としての初年度産駒とシーザスターズの初年度産駒がほぼ被るという奇跡もある
≫世代的にはキタサンブラックあるいはサトノダイヤモンドと同世代になる
≫少なくともキタサンブラックとサトノダイヤモンドの世代をテーマにしたアニメ3期がまだ放映されていないので書くことはない
・父はマイラーで日本の最高傑作の産駒、母父は世界の最強マイラー
≫父サクソンウォリアー、母父フランケルというガリレオの3×3、デインヒルの4×4という濃いインブリード。父や母父で足りないスタミナをガリレオやデインヒルのクロスで補うという無茶苦茶な理論の血統。欧州からするとガリレオの血が無駄に濃く微妙そうに思われそうだが日本人からすれば父父がディープインパクト、母父がフランケルと日本最強馬と世界最強馬のロマン血統そのものといえ、その世界ではそれを活躍させようとする日本人がいてもおかしくないのではなく、日本人馬主が購入して活躍させる……
≫没にした理由は上記の他に多くのウマ娘と同世代にならないことが挙がるがそれ以上にバリバリの欧州血統で昔ならともかく現代日本の高速馬場に適応出来るとは思えないから
≫一応フランケル産駒は日本でも活躍した時期があったので低い確率ではあるが他の馬よりも成功するのではないかとは思う。しかしそれならインブリードのことも考慮して母父をドバウィ等別の馬にするべきであるが、あくまでも作者が考えたロマン配合なので気にしたら負けだし、何よりも父フランケル母父ドバウィで実績を残した競走馬がいるので没
≫父をサクソンウォリアーではなくオーギュストロダンにする案もあった。理由はデインヒルのクロスがなくなり少しインブリードがマシになる上にクラシック路線も見えるから。しかしそれでもマイラーなサクソンウォリアーにした理由はやはりマイラーとして活躍する姿が見たいから
・父は米国中距離最強馬、母父は龍王
≫父フライトライン、母父ロードカナロアという血統。ロードカナロアは日本馬だが海外の馬で良さそうなのが見かけなかったので許して欲しい。フライトラインがガチガチのダート馬であるものの母父ロードカナロアという血のおかげで芝適性を上げた上にスピードを増加させたこの血統で日本馬として活躍する……
≫ぶっちゃけいうと父がフライトラインという時点でこの年代は新し過ぎて未知過ぎるのでリアルでやりそうな感じはある。しかし現実的には無理だろうから一応記載した
【ナインティギアに故障!】
【ナインティギアの引退は確定か!?】
「……」
ナインティギアがメジロ家の病室にてそのような記事を読んでいるとドアからノック音が響き、開かれる。そこには主治医を連れたメジロ家のウマ娘達、トウカイテイオー、ハロウィン衣装のライスシャワー、シリウスシンボリ、スーパークリークがいた。
「これはこれは皆さんお揃いで」
「意外と元気そうですわね」
「発作が起きなければ体調そのものは悪くないからな」
「いつからですか?」
スーパークリークが口を開き、そう尋ねる。
「うん?」
「発作というからには必ず前に病状があるのを自覚していたということになりますが、その病状を自覚していたのはいつ頃から出ていたんですか?」
「KGⅥ&QESの最後の直線ですよスーパークリーク先輩」
「そんなに──」
「ウッソだーっ! だってナインはあのレースで30バ身も千切っていたじゃん! それで病状を自覚したってことは手を抜いていたってことになるじゃん!」
「テイオー、私が万全の状態なら40バ身差で勝っていた。だが身体に痺れを感じて力を出せなかったんだ。そのしばらくはその時の一回だけで済んだんだが、10月に入ったあたりから病状がまた出始めてきたんだ」
「その違和感にトレーナーは気づいていなかったんですか?」
「勿論気づかれたよ。だけど私はゴリ押したし、トレーナーも最終的には賛成してくれた」
「そうです、か……」
「クリーク先輩、私とクリーク先輩を重ねているようだが違う。クリーク先輩は事故でしかないが、私の場合は自業自得だ。自分の体調に気づいていたのに無理をした……そんな奴だよ」
「違います! ナインちゃんは──」
「全くその通りだ」
「シリウスさん?」
「海外で活躍する為にあの皇帝サマも同じように無茶をして故障しやがった。ターフに印象を残した英雄のままな。だけど残された奴らはどうなる?」
「残された奴らというのは──」
「こいつらじゃない。こいつらとは決着をつけたんだろ? 凱旋門賞に出走してきた奴らだ」
「!」
「重賞8連勝、そのうちKGⅥ&QESを30バ身差で勝利したというとんでもないウマ娘と凱旋門賞で顔を合わせれば故障しています? それでも王者として立ち塞がる? ナメるのもいい加減にしやがれ!」
「ピェッ!」
「ヒィっ!?」
トウカイテイオーとライスシャワーがシリウスシンボリの怒鳴り声に反応し、怯えてしまう。
「とまあ海外のウマ娘達はご立腹なようだ。そのケジメはどうつけるんだ?」
「ケジメ……そんなものは必要ない。私は私なりに全力を尽くした。如何に病状を出さずにするか、そしてその病状が出たらどう対処するか対策した上で出走してきたんだ。創也の兄さんも無能な訳じゃない。それを出し尽くしても尚、凱旋門賞を勝てなかったのはその分相手が上だったということでしかないんですよ。ロベルトがベンソン&ヘッドズ金杯でブリガディアジェラードを破ったようにね」
「はっ、言うじゃねえか」
「ところで今年のJCに出走するのは誰だ?」
「メジロ家からはパーマーが出ますわ」
「残念だけど僕は有馬記念に集中するからJCには出ないけど同期の中だとクラフトボーイとネイチャは出るらしいよ」
「それならライスとタンホイザさんも出るよ」
「他に有力所だとダービーウマ娘のウイニングチケットだな」
「クラフトボーイ以外期待出来そうにないか……」
「それはどういう意味で言っているのかな?」
メジロパーマーが問い詰めると淡々とナインティギアが答える。
「言葉通りの意味だ。パーマーは非根幹距離型に加えて精彩を欠けている、ライスシャワーは長距離特化型、ナイスネイチャとマチカネタンホイザは純粋に力不足、クラフトボーイを除けばウイニングチケットがこの中で好走は出来るが勝つだけの実力がまだない」
「でもナインだって最初のJCに挑んだ時は評価高くなかったでしょ? それなのにそんな評価が出来るの?」
「出来るとも。ゾーンに入ったらぶっ千切ってしまうが本来の私のレーススタイルはヒットマンスタイル、無駄なくギリギリで差し切るのが私のレーススタイルで、相手の力量を見極めることには日常茶飯事なんだ。私がJC出走するとしたら今挙げてもらったウマ娘の中で1番警戒しなきゃいけないのはクラフトボーイなんだよ」
「へぇ……」
「逆にマックイーン、テイオー。お前達が出走するとして国内のウマ娘で1番警戒しなきゃいけないのは誰だ? クラフトボーイ以外にいるのか?」
「それは、確かに……いませんわね」
「うん。でもさ、クラフトボーイが順当に勝っても有馬記念に出走しないんでしょ? それじゃ実質的にさ海外のウマ娘と変わらないし、ボクとの決着を避けているみたいで嫌だな」
「いや、その代わりの強敵が出てくる」
「ビワハヤヒデか、あの皇帝サマのつまらねえレース振りに1番似ているあいつがねぇ……」
「派手さはないが強さはある。関東で開催されたレース場での勝率こそ低いがそれでも連対に食い込み関西では勝率100%とクラシックの私よりも成績は上だ。菊花賞もそこにいるコスプレシャワーのタイムよりも速いタイムで走破している」
「コスプレシャワーって酷いっ!」
「黙れ敗北者め。オールカマーでツインターボに遅れを取るならまだしも3着になるとは何事だ?」
因みにライスシャワーがハロウィン衣装で過ごすことになった原因はナインティギアであり、更にこのようにライスシャワーを追い詰めるあたり姉のサディスティックな面が感染したと言える。
「うぅ……」
「まあ中距離の距離適性はそこまで高くないし負けるのは無理もないが、それでも2着には食い込んで欲しかった。全くこんな奴に全力を尽くしたかと思うと頭が痛くなる」
「ごめんなさい……」
「まあコスプレシャワーのオールカマーについてはどうでもいいか。問題はこのままでJCに出走して勝てるのか?」
「……難しいと思うな」
「テイオー?」
「だってさ今度来る海外のウマ娘って差し寄りな脚質が多い訳じゃん。凱旋門賞ウマ娘も、BCターフのウマ娘もさ。その2人をマークするかクラフトボーイをマークするかでだいぶ違ってくるんだ」
「流石テイオー、良くわかっているじゃないか。世の中には逃げを封じてかつ差しや追込の末脚を鈍らせる素敵な作戦がある訳だ。よっぽど能力差が開いてなければ先行が有利になる」
「そんな戦法あるの?」
「クラフトボーイがいるからこその戦法でお前達の勝率も上げる作戦だよ。参加したくなかったらしなければいいが、負けるのは確実だ」
「一体どんな作戦なの?」
「クリーク先輩。かつて姉さんとJCで一緒に走った時、差し追込勢は2人除いて全滅だったよな」
「ええ。イナリちゃんも凱旋門賞ウマ娘さんも皆やられてしまったのは今でも覚えています」
苦虫を噛み潰したような表情を崩すスーパークリーク。それほどまでに苦しいレースだった。
「その次のJCも超ハイペースのレースだった。通常であればハイペースは逃げや先行勢は不利に働くが超ハイペースになれば例外を除いて先行勢が上位に来ているんだ」
「まさか、そういうことなのか?」
「シリウス先輩正解だ。クラフトボーイだけじゃなく日本のウマ娘全員が逃げや先行に切り替える。そうすれば海外勢は例外的な力を持ったウマ娘を除いて沈む」
ナインティギアの発言に一同は呆気に取られる。
しかし、シリウスシンボリだけは違った。彼女は彼女なりの考えがあって発言していることを理解したからだ。シリウスシンボリはナインティギアというウマ娘をよく理解していた。そして、その考えも既に見抜いていた。
「上手いことだ。もしこのJCに私や皇帝サマが出走したらその誘いに乗るだろうな。いくら癪でもな」
「賢くて何よりですよ。この誘いに乗らなければクラフトボーイは当然、他のウマ娘にも負ける。何が何でも食らいつくことだ」
「一体何が目的なのさ、ナイン」
「日本のウマ娘が強いってことを世界に知らしめたいってだけだよ。あの私をナメたウマ娘達にね。クラフトボーイが勝つのは確信しているがお前達が情けないと話しにならない。その為に情報を提供してやったんだ」
「上から目線でムカつくうぅぅっ!」
「テイオー、GⅠ競走を何勝した?」
「えっ、えっと……皐月賞、ダービー、大阪杯の3勝だけど?」
「ほう、たいしたものだ。テイオーの憧れているシンボリルドルフ会長は?」
「GⅠ7勝だよ」
「私のGⅠ勝利数は10だ。つまりシンボリルドルフ会長とテイオーが2人がかりでようやく私と並ぶ計算になる。これがどういう意味かわかるか? お前達は所詮私達には及ばないってことなんだ」
「GⅠ勝利数を強さって思っているならそれは大間違いだよカイチョーはね──」
「私も姉さんもGⅠ競走でレコードを出したし、大差勝利の経験はあるが? なんなら1つのGⅠでGⅠ3つの着差分の差をつけているんだけど?」
「そ、それだけじゃないよ! カイチョーはストライドが大きいんだ! 歴代三冠ウマ娘の中じゃ最高だよ!」
「確かに私よりも大きいし、歴代三冠ウマ娘の中じゃ平均ストライドは最大だ。しかしそれは姉さんが等速ストライド走法を使える関係上平均ストライドが変わるからだろう? それでも10cmくらいしか変わらないし、その気になればあと1mくらいは伸ばせただろう。あれはアテになるモノじゃない」
「諦めろテイオー。お前がどんなに言ったところで皇帝サマよりもこいつの方が実績は上だ」
「シリウスは悔しくないの? 同じシンボリ家のウマ娘がこんなにバカにされているのに……」
「言わせておけ。レースで黙らせればいい。今度の有馬記念でテイオー、お前の力を見せてやれ」
「カイチョーの名誉を回復させるのに何でボクが走って証明するのさ!?」
「何を言っている、テイオー。元はテイオーのGⅠ勝利数が少ないからこんなことになったんだろう?」
「う……」
ナインティギアの指摘によりトウカイテイオーが静まる。
「トウカイテイオー、お前は類まれなる素質の持ち主。特に身体の柔らかさとバネは目を張るものがあり、私と並ぶかそれ以上かもしれない。それだけにテイオーの身体がもう少し丈夫であればと何度も思ったことがある。だがそれも今日までだ」
「どういうこと?」
「ここから先はテイオーとシリウス先輩以外は席を外してくれ」
「あら……それは私達がいると不都合という事なのですね。それでは1時間くらいで戻りますわ」
「十分だ。流石メジロ家の令嬢だ」
メジロマックイーンが他のウマ娘達を引き連れ席を外すとナインティギアがベッドから降りる。
「さてと、テイオー。このベッドにうつ伏せになってくれ」
「一体何をするのさ?」
「簡単だよ。テイオーの長所を伸ばし、短所を削る作業をするんだ。さあわかったら寝そべれ」
「ハイハイ。それじゃお手柔らかに……んぎゃぁーっ!?」
トウカイテイオーが渋々うつ伏せになり寝そべるとその瞬間、背中から物凄い痛みが発生する。
「更にこう」
「死んじゃう、死んじゃうよーっ!」
「でまあこうすると」
「ぴゃーっ!!」
トウカイテイオーが奇声を発し、全身に激痛が走る。
まるで針地獄のような感覚にトウカイテイオーが悶えるもナインティギアは淡々と作業を続ける。
それからおよそ1時間が経過し、既にトウカイテイオーは意識を失いかけているがナインティギアはまだまだやる気である。
そんな最中、トウカイテイオーに救いの手が差し伸べられた。
「ただいま戻りました……ってどういう状況ですの!?」
「大したことはないよ。創也の兄さん直伝のマッサージをしただけだよ」
「そ、それにしても身体の柔らかいテイオーがここまで死屍累々になるのは初めて見ますが、一体どのようなマッサージを?」
「そいつは教えられないな。私達三姉妹とシリウス先輩、そしてテイオーは皆創也の兄さんに師事している。創也の兄さんに筋を通す為にもこのマッサージは基本的に秘伝にしているんだ。どうしても知りたかったらトレーナーと契約を解除して教わることだね」
「いえ、遠慮しておきますわ。もうメジロ家にはルイスがいますもの。ルイスがきっとメジロ家にそのマッサージ方法を教えてくれるでしょう」
「マックイーン、残念だったな。マッサージをやり慣れていればこんな無様を晒さないのに何故テイオーは無様を晒している?」
「無様って言わないでよー!」
「そう言えばそうですわね。まさかテイオーはこのマッサージを初めて受けましたの?」
「正解だ。シリウス先輩に残って貰ったのはテイオーを逃さない為じゃない、テイオーもシリウス先輩も知らないからだ。ついさっきまで私達三姉妹しかこのマッサージは出来ないということなんだ」
「成程、それでしたら納得できます。テイオーも災難でしたわね」
「同情するなら助けてよ!」
「さてと、これで最後だ。テイオー、起きろ」
「まだやるのぉ〜? もーボク疲れたんだけど!」
「安心しろ。次で終わる」
そしてトウカイテイオーの視界には最も恐怖に陥れた人物──メジロ家の主治医が現れた。
「主治医です」
「なんでお注射持っているのーっ!?」
「それはお嬢様の主治医だからです」
「ワケワカンナイヨー!」
「では主治医さん、ブスリとやってくれ」
「ワケワカンナイって言っているでしょ!?」
トウカイテイオーが疲れ果てているのか何も抵抗出来ずにナインティギアの指示を受けた主治医の注射を受け、悲鳴を上げる。
「酷いよナイン! ボクをこんな目に遭わせるなんてさ!」
「そう怒らないで欲しいね。おかげで身体は軽くなっただろう?」
「それはそうだけどさ、最後の注射はいらなくない?」
「いるさ。予防接種って奴だ。私の病気は世界で唯一無二と言っていいほどの奇病で、呼吸器官や身体全体の神経系の痺れや激痛が不定期に襲ってくる病気なんだ。どれだけ強くても病気一つでこの様だ。健康であることにこしたことはないんだから少しでも努力するべきなんだよ。特にテイオーみたいなウマ娘にはね」
「でも注射は関係ないじゃん! それでドーピング扱い受けるのヤダよ!?」
「大丈夫だ。URAが規定している違法薬物は使用していない。どちらかというとプロテインのようなもので、合法的かつ効果が高いものだ」
「もーっ! そういう問題じゃないでしょ!?」
「何にせよ有馬記念まで出来ることはやっておいた。後はテイオーの気持ち次第だ」
「気持ち次第って……」
「気持ちと言っても根性とかそんなものじゃない。一度決断したら迷うなってことだ。この場にいる全員にも言っておくが今年のJCと有馬記念は迷った奴から脱落するサバイバルレース。自分を信じて駆け抜けた奴が打ち克ち、そして勝つ。例え勝てなくてもベストレースになるよ」
ナインティギアの言葉に全員が息を呑む。この発言がハッタリや強がりではないことを悟るだけの凄みがあったからだ。
そして、トウカイテイオーは決断する。有馬記念に全てを賭けることを……
このお話をお楽しみ頂けた、あるいはこの小説自体をお楽しみ頂けたならお気に入り登録や高評価、ここすき、感想の方を宜しくお願いいたします。
また感想は感想に、誤字報告は誤字に、その他聞きたいことがあればメッセージボックスにお願いいたします。
尚、次回更新は本日21時です