89式和製ビッグレッド   作:ディア

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・系統確立でやってみたいこと
≫ウイポで1番気持ちいいことっていったら自分で生産した架空馬が系統確立することに尽きる
≫筆者は自家生産で系統確立したのはメジロマックイーン産駒の架空馬、こいつほど有能な奴はいないってくらい万能。強いて弱点を挙げるとするならバックパサー同様に長距離ダートの産駒を稀に輩出してしまうことくらいしかないくらいには万能
≫ちなみに現在はバックパサー系を確立させる為にテーストなどのND系、ミスプロ、ロベルト、ヘイロー等多数系統確立しそうな奴らを隔離している。サドラーズウェルズ&フェアリーキング兄弟とヌレイエフに関しては誕生すらさせてない
≫やってみて思ったがND系を手っ取り早く殲滅する為にも1960年スタート&ノーザンダンサー所有orエディットで登場の有無はよ実装してくれ!

・系統確立チャレンジに因んで……
≫上記のように隔離された馬がいる世界線のウマ娘はどうなるのかちょっと気になる。このプレイでウマ娘になった競走馬はほとんど消えた訳だし……多分理事長が走ることになるし、なんならヘイロー、ロベルト、ミスプロも所有しているので1973、1974年組が生徒会になっていそうだし、シンボリルドルフが古参生徒会長から新入り副会長になっていそう

・シルキークラフト
≫この小説ではサードプレジデント達三兄弟の母の名前であるが、ストームバードの姪にも同名の牝馬がいたので記載
≫ストームバードの姪の方のシルキークラフトは07世代の競走馬でありながら母父にノーザンダンサーを持つ余りにも古い血統の持ち主。当時母父ノーザンダンサーがどれくらい古かったかと言われると、netkeibaで母父ノーザンダンサーの競走馬を生まれが遅い順で検索したところ1ページ目で見つかったことから彼女が走った時期には既に絶滅危惧種といって良いほどであった。ちなみに母父ノーザンダンサーの競走馬の中で国内の最後のGⅠ勝ちがタップダンスシチーであることから相当時代遅れであることがわかる

・2024年皐月賞勝者は……
≫ジャスティンミラノが皐月賞をコースレコードで勝ったものの着差やインパクトがイマイチ……と思ったが、ドゥラメンテやテイエムオペラオーに脳味噌焼かれたからそう見えるだけてあり普通に強かった
≫通年であればジャンタルマンタルが圧勝するレースであったがそれを外から差したジャスティンミラノ、コスモキュランダがおかしいだけで、負けた上位2頭も十分に強かった
≫果たして日本ダービーに出走するのか、英ダービーに出走するのかまだ不明な部分はあるものの、どちらに出走しても勝ったら偉業であることに違いなく勝って欲しいものである


第98話

【さあいよいよ注目の凱旋門賞。そのパドックを見ていきましょう】

 

 パドックではフジミキセキが映し出され、その堂々たる姿に競馬ファンが沸き立つ。

 

「(競走馬としてもフジミキセキはこれからもっと強くなるだろうが……)」

 

 創也の心配事はこの馬の強さではなく、自分自身であった。

 

 創也は何度も凱旋門賞に挑戦したもののナインティギアやフルハートなどの名馬に幾度無く騎乗したが結果はサードプレジデントの一回のみしか勝利していない。ナインティギアに関しては運であったし、フルハートにしても相手が悪すぎたとしか言いようがなかった。しかしそれ以外にも騎乗した経験があるがそれでもサードプレジデントの騎乗以来勝てずにいた。故に創也は「自分が凱旋門賞に騎乗すると勝てなくなるのではないのか?」という不安が拭えなかったのだ。

 

「(だからと言ってフジミキセキが負けると思っている訳ではないんだ……)」

 

 しかしそれでも不安を拭い切ることは出来ないでいた。フジミキセキはサードプレジデントのライバルであったサンデーサイレンスに酷似している。ただし性格と実力を除けばの話だ。余りにも優しすぎて闘争心が失われないか、それともナインティギアで敗北したように別の要素が被って敗北したりしないか、そしてフルハートのように相手が悪すぎないか。

 

「(考えれば考えるほど不安になるな……)」

 

 フジミキセキの性格、体調、対戦相手、血統面などそれは考慮しても既にどうにもならない。しかし創也は思考することを止めることが出来なかった。

 

 

 

 そんな不安を抱えながらフジミキセキに騎乗すると、ふと気づく。

 

「(どうやら今日の対戦相手はさほど怖くないらしい。モンジューが小さく見える)」

 

 昨年の凱旋門賞馬モンジューを見ると、モンジューが小さく見えた。それは自分の騎乗馬であるフジミキセキがこれまで戦ってきた相手と比べると明らかに弱いように感じたからだ。勿論過去で戦ってきたモンジューを含めてもだ。

 

 それでも確かにモンジューは凱旋門賞の優勝経験があるし、欧州競馬の頂点を決めるレースKGⅥ&QESでも好走してきた名馬であり、その強さは疑いようがない。

 

 だがそれよりも創也が気にしていたのは愛ダービー馬シンダー。シンダーは英ダービーでこそ2着とフジミキセキに遅れを取ったがその次走愛ダービーでは9馬身、そして前走ニエル賞で8馬身差をつける圧勝劇を見せており、勢いで言えばフジミキセキにも劣らず、近年凱旋門賞でノーザンダンサー系が勝ちやすい傾向にある血統面から考慮しても強敵であることに違いはない。

 

「(ナインティギアの時は運、フルハートの時は相手、それ以外は馬自身の力。それらが悪いと勝てるものも勝てない。逆に言えば今回は勝てる。何故ならフジミキセキはそれをねじ伏せるだけの力も運もある!)」

 

 創也が自身を鼓舞しながら頬を叩き、フジミキセキの手綱を強く握る。

 

「(後はフジミキセキがどこまで走れるかだ)」

 

 そして遂にその時が来た。

 

 

 

【さあ今、大歓声と共にゲートイン! 凱旋門賞がスタートしました】

 

 実況と観客達の興奮はピークに達し、その熱量はテレビ越しでも伝わり、その熱気が伝播するかのように競馬場は熱を帯びる。

 

 各馬ゲートから飛び出しハナを取ったのはフジミキセキであった。

 

「(よし、まずは第1関門突破だ)」

 

 創也は何かしらの形で妨害されると身構えていたがそんなことはなく、すんなりとハナに立ったことに安堵の息を吐く。

 

 そしてその後ろにシンダー陣営が用意したペースメーカーのレイプール、その後ろにシンダーが追走する形となりモンジューはやや中団差しの位置で構える形となった。

 

 そしてフジミキセキの逃げを妨害しようとする存在はおらず、そのまま最初の坂を登っていく。坂を登る際にもフジミキセキの脚色は衰えず、その圧倒的なスピードを見せつけるように2番手に控えていたレイプールとの差が開いていく。

 

 

 

「(流石にこれハまずイか?)」

 

 モンジューの鞍上がフジミキセキの大逃げを警戒し、その差を詰めようとし、シンダーの真後ろまで迫る。

 

「(そう来たカ、だけどウチのシンダーはベストのレースをすれば勝テル。何も心配になることはナイ)」

 

 シンダーの鞍上はそれを見ても尚、ペースを変えることなく3番手にこだわりを見せた。

 

 フジミキセキの大逃げを妨害する者はいないままロンシャン最大の坂を通過し、レイプール、シンダー、モンジューなど後方の馬達が下り坂を利用し、加速する。

 

「(よしよシ、これだ。上手く加速出来タ。これで射程圏内だ。後はフジキセキのペースに合わせて走レば勝てる)」

 

 モンジューとシンダーが徐々に加速し、坂を下り終えた時点でフジミキセキを射程圏内に捉えていた。そして速度を上げながら少しずつ距離を詰めていく。

 

【なんとここでフジミキセキが加速ーっ!】

 

 そしてフジミキセキが偽りの直線へと入り、これまでのリードを広げに広げた。

 

「な……」

 

「なに〜っ!?」

 

 騎手だけでなく他の陣営の関係者や観客すらも驚愕させ、他の馬達を置き去りにする。

 

 

 

「そんな馬鹿なことがあってたまるか!」

 

 偽りの直線に差し掛かったところで他の出走馬達に騎手達が鞭を振るいスパートをかける。

 

 本来であれば偽りの直線はスパートをかける場所ではなく、その先にある直線に入ってからが本番でありその場所でスパートをするべき場所である。しかしKGⅥ&QESや愛チャンピオンSの大逃げで逃げ切ってしまい、今回も同じようにしてしまうと錯覚しているが故の判断であった。

 

 その判断は間違いではなく、シンダー達がフジミキセキを再び捉えるべく加速していく。

 

 

 

【サンデーサイレンスの再来だ! サンデーサイレンスの再来だ! シンダーとモンジューが追い詰めてくるがこれはもう決まったか!?】

 

 実況が興奮し、観客が大歓声を上げている中で創也は1人落ち着いていた。

 

「(見た、聞いた、勝った。見ていろ、これが日本の競馬の結晶だ。ナインティギア、フルハート、それから凱旋門賞を勝てなかった無念を晴らせるぞ)」

 

 心を熱くした創也が笑みを浮かべ、フジミキセキの手綱を強く握り直す。

 

「行けッ、ミキ!! お前がNo.1だ!」

 

 そして遂にフジミキセキがその真価を発揮する時が来た。

 

【これは凄い! 6馬身まで縮まった差を更に広げにかかった!】

 

 シンダーとモンジューの追走も虚しく、フジミキセキが加速し最終的にはリボーの6馬身差制覇を超える7馬身差をつけて勝利した。

 

 

 

【フジミキセキ、何と史上3頭目の英ダービー、KGⅥ&QES、凱旋門賞の欧州三大競走を制しました! 日本馬としては史上初の出来事です! しかも無敗となればラムタラに続いて2頭目の快挙となりました!】

 

 実況のその解説に湧き上がる大歓声。欧州競馬の遠征で日本の悲願と言えば英ダービー制覇と凱旋門賞制覇の二つである。

 

 日本馬による英ダービー制覇はそもそも挑むものがおらず、記者からも無謀の一言で片付けられてしまい、フジミキセキやその陣営に対して批判の声もあった。しかしフジミキセキが英ダービーを制した途端手のひら返しとなりいつしかフジミキセキは日本競馬界の希望となった。

 

 そして凱旋門賞制覇はサードプレジデントが成し遂げたものの彼以外に成し遂げる者は皆無であった。有馬記念連覇を果たし顕彰馬にもなったスピードシンボリ、メジロ軍団の初の天皇賞馬メジロムサシ、ダービー馬シリウスシンボリ、世界歴代レーティング2位のナインティギア、昨年のエルコンドルパサー。これらの名馬ですら凱旋門賞に勝てず、日本に所属する馬はサードプレジデントでなければ不可能と断言されてしまった。

 

 しかしフジミキセキがその扉をこじあけてみせたことにより、日本馬による凱旋門賞の制覇は夢幻ではなくなり、新たなる大スターの誕生に観客達が興奮するのは極当たり前のことであり、そして何よりもナインティギアの雪辱を果たした形となった。

 

「(しかしまだ凱旋門賞を勝っただけ……決着はまだついていない)」

 

 それでも創也は浮かれることはなかった。というよりかは安堵の息を吐くことすら出来なかったというべきだろう。

 

 

 

「それでは月城騎手、皆様に一言お願いします」

 

「ようやく土俵に上がれたと思います」

 

「と申しますと?」

 

「ナインティギアと同じ領域に立てたと思います。しかしナインティギアを超えた訳ではない。サードプレジデントもナインティギアもそうですが彼らは放って置いても強くなりましたし、フジミキセキは陣営の皆様のお陰でここまでこれました。もし皆様の協力がなければその領域にたどり着くことは叶わなかったと思います」

 

「不安などはございませんでしたか?」

 

「ありました。自分はこれまで何度も凱旋門賞に挑んでいますがそれまでたった一回しか勝てませんでしたからね。しかしフジミキセキが強かったお陰で自分も勝てましたしここまで仕上げてくれた陣営の皆様を始めとした関係者の皆様には感謝の言葉しかありません。以上です」

 

「あ、有難うございました」

 

 インタビューを終え検量などを終わらせた創也は次のレース、BCクラシックに向け英気を養うためにフジミキセキと触れ合う。

 

 

 

「なあフジミキセキ、ようやくだな。ようやく土俵に上がれたよ。後はドバイの王様と、日本の覇王、日本の名将に勝つだけだ」

 

 創也の独り言はフジミキセキだけが聞き、そしてフジミキセキが肩に口を乗せると創也を舐め始めた。

 

「わっ、相変わらずだなお前は」

 

 フジミキセキの唾液塗れになりながらも笑顔を絶やさない創也。

 

「(やっぱり俺は騎手よりも──いや、その考えはよそう。まだ騎手としてやっていないことはあるしな。それよりも今はフジミキセキと触れ合っておこう)」

 

 そしてしばらくし、創也は馬房を離れて米国へ向かう支度をし始め、フジミキセキは英気を養うために眠りについた。




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尚、次回更新は未定です
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