≫……と思った諸君申し訳ない。実は今回の更新で終わらせる予定が劇場版ウマ娘を見ていない関係上ウマ娘編を投稿出来なかった。何せ劇場版ではフジキセキが準主人公みたいなポジションになっているので下手に手を出すとクオリティがクソみたいになる。故に早くても次月になる。
・今年のダービーの勝者は?
≫ジャスティンミラノでもレガレイラでもシンエンペラーでもなく、ダノンデサイル。筆者が注目していたジャスティンミラノは惜しくも2着
≫このダノンデサイルはエピファネイア産駒の馬でエフフォーリアと同父と言えば伝わるだろう。エフフォーリアは無敗て皐月賞を制したもののハナ差で日本ダービーを取りこぼしてしまったが、皮肉にもエピファネイア産駒のダノンデサイルが無敗皐月賞馬を破るという結果になった。エピファネイア産駒にありがちな早熟馬でなければいいのだがその後の活躍も見てみたいものである
≫しかしジャスティンミラノの血統を考慮するにキズナ産駒は古馬になってからも活躍する馬も多いのでこの結果に悲観することはなく応援したい
そして月日が流れ、創也とフジミキセキは米国に到着し馬房へと案内されるとそこで待っていたのは美亜と美紀がいた。
「美亜、美紀!」
「パパー!」
美紀が創也を見つけると飛びつき、美亜がゆっくりと創也に近づくと創也は2人を抱きしめる。
「よく来たな」
そして美紀が創也の袖を掴みながら創也に尋ねた。
「ねえパパ、パパの乗っているお馬さんはどこにいるの?」
「パパが乗るお馬さんはな、このお馬さんだ。フジミキセキって言うんだ」
「へぇ〜フジミキセキかぁ……確か私の名前の由来にもなったんだよね」
その名前を馬鹿にすることはなく、むしろ納得して頷く美紀に創也は苦笑する。
「まあな。でも美紀は嫌じゃないのか?」
「ううん。とっても強いお馬さんなんでしょ? そんなお馬さんが有名になる前から私の名前に使われていたのは誇らしいよ」
「そうか、ならいいんだ。お馬さんの名前が由来で嫌なら言ってくれよ。改名には協力するぞ」
「パパは美紀って名前嫌いなの?」
「そんなことはないさ、ただ女の子なのに男のお馬さんが名前の由来なんて美紀が嫌じゃないか不安なだけだよ」
「そっかー。でも大丈夫だよ。パパとママに貰ったこの名前は大切にしたいから」
美紀のその言葉に創也は安堵し、美紀の頭を撫でると美亜が創也をジト目で見つめる。
そしてその視線に気が付いた創也は美亜にも謝罪する。
しかしそんな2人を見て、今度は美紀が頬を膨らませた。
「あっはっは、可愛いな。愛しているぞ美亜、美紀」
「貴方……私もよ」
「ママ、ズルい! 私もパパとママのことが好き!」
そんな一家団欒を見せつけられ、とある男が不満に思わないはずもなく、その男は近づき、創也にキスをした。
──いい加減僕も構ってよーっ!
「うわっ、フジミキセキ?」
その男とはフジミキセキのことであり、フジミキセキが創也のことを舐め回すと全員が笑顔となる。
「パパ、面白い!」
「本当ね、貴方」
美亜がフジミキセキに近づき撫でると美紀の方へ視線を向ける。
「美紀、パパ救出作戦よ。フジミキセキをこうやって撫でるとフジミキセキが気持ちよくなって舐めるのを止めるから撫でてみて。勿論優しくね」
「はーい」
美紀がフジミキセキを撫でるとフジミキセキの関心が美紀へと移り、優しく美紀の顔にキスをし、顔を離して微笑む
「わぁ……」
──ああ、愛しい。
フジミキセキは創也と美亜の愛娘である美紀のことが好きであった。それは恋愛感情ではなく親が子を思う感情に近いものであるがそれでもその感情は強く、フジミキセキは生涯に渡ってこの子供を守ろうと誓った。
「美亜、美紀、ありがとう」
フジミキセキから解放された創也が美亜と美紀を抱きしめる。
「どういたしまして」
「でもパパが喜んでくれてよかった!」
そして3人はフジミキセキと共に英気を養うと、美亜が真顔になり、創也に尋ねる。
「今後のことなんだけど、フジミキセキは今年一杯で引退させるつもり」
「え? まあ、それならそれで良いけど、まだ走れるぞ?」
美亜の言葉に創也が呆気に取られる。確かにフジミキセキは競走馬として十分過ぎるほどに活躍したがまだ若く衰える年には思えず、まだまだ戦えるだろうという確信があったからだ。
「そうでしょうね。ですがフジミキセキや日本競馬界の為でもあるんです」
「フジミキセキはともかく日本競馬界の為?」
「フジミキセキの血統は父フジキセキ、母セカンドサルサビル、父父サンデーサイレンス、母父サードプレジデント、母母サルサビルという血統です。今の日本競馬界に必要なのはサンデーサイレンスやサードプレジデントの血は通っていても離れていることが重要となります」
「まあ、確かにセントサイモンの悲劇になりかねないし代を離すのは割と理に適っている。というか米国じゃサードプレジデントの血が蔓延しすぎて生産界は困っているらしいからサードプレジデントのリース断られたんだよな」
「ええ、その通り。ミスターアルツも苦渋の決断だったそうで……しかし米国では断られたものの欧州の生産界に年間10億円でリースすることが決まりましたから、懐は暖かくなりました。それよりもフジミキセキの話に戻りましょう」
一旦話を打ち切り、話をもとに戻す美亜。
「それもそうだな。で、日本競馬界の為というのは何故なんだ?」
「これからの時代サンデーサイレンスやサードプレジデント系の馬が大流行するでしょう。そうなった場合に生き残るのはサンデーサイレンスやサードプレジデントの血が薄くなった馬に需要が生まれます」
「まあ、そうだよな。今はインブリードに苦しむことになるが長い目で見ればその方が良い」
「ええ。ですからお義父様と結託してノーザンダンサー系、ミスタープロスペクター系、バックパサー系、マンノウォー系、トウルビヨン系ととにかく日本で流行していない繁殖牝馬を購入しました」
「ノーザンダンサー系はナインティギアとメジロライアンがいるだろう?」
「あれはノーザンテーストの系譜じゃないですか。私が言うノーザンダンサー系はダンジク系、ストームキャット系ですよ」
「サドラーズウェルズ系は購入しなかったのか?」
「買うかどうか迷いましたが国内にテイエムオペラオーがいるでしょう? あの馬が種牡馬入りすれば解決します」
「あ〜……そういうことか」
「もしかして私何かしてしまいましたか?」
「いやサドラーズウェルズ系は購入しなくて正解だ。サドラーズウェルズ系の馬は欧州に偏っている傾向がある。日本で走れるオペラオーがおかしいだけだ」
「それなら良いんですが……」
「それにしてもバックパサー系か。スペンドアバック産駒の牝馬とかその辺か?」
「シルヴァーバック産駒も購入していますよ」
「シルヴァーバック産駒の繁殖牝馬か……確かヘイルトゥリーズンの血が混ざっていたよな?」
「よく存じていますね。シルヴァーバックの母父がヘイルトゥリーズンです」
「まあ親父がバックパサー信者だからな、俺もバックパサーの直系がいたら気にしているんだ」
創也の父はバックパサーのファンなどという言葉すら生温いくらいのバックパサー信者であり、サードプレジデント達兄弟が活躍したのもバックパサーの影響に寄るところが大きいと豪語するほどであった。故にそんな父に育てられた創也はバックパサー系の馬を見かけたら気にするようになっていた。
「まあフジミキセキの配合相手どころかサンデーサイレンスの配合相手でも問題ありませんよ。奇跡の血量以下に抑えられますしね」
「まあ確かにそれはそうだが、これからの時代ヘイルトゥリーズンの血は濃すぎてもいけない。そもそも血を濃くしない為に繁殖牝馬を購入したのに濃くしたら論外だと思うんだが」
「まあ、その為のフジミキセキですよ。これからの日本競馬界はサンデーサイレンス系やサードプレジデント系によって牽引されることになります。故に多少インブリードになってでもサンデーサイレンスやサードプレジデントの血を薄めていくことに価値があります」
美亜の言葉に創也は納得する。サンデーサイレンスもサードプレジデントも日本競馬に貢献し過ぎているなは事実であり、その血が少しでも薄めておくことで血の飽和を防ぐことでサンデーサイレンスやサードプレジデントの血は広まっていく。フジミキセキやザファイナルの使命は後継種牡馬を作っていくことにある。その為の早期引退であった。
「そういうことか。それならここでしっかり勝っておかないとな」
創也の決意と共にフジミキセキの挑戦が幕を開けた。
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尚、次回更新は本日21時です