この話は今までで一番文字数が多いです。(UAも多くなればいいのに)
今回は途中でライト視点に変わります。最初はジル視点です。
ライトが狩りの話をしていると思ってください。
意味がわからないと思いますが
では、どうぞ
「おい、師匠、師匠」
ん?誰だ。俺はどこに……
「師匠、朝だよ。俺の話を聞くって約束だろ」
あぁ、そうだったな……
「邪魔だ。どこかへ行ってろ。」
あまりにも近くにいるライトを追い払ってから、ゆっくりとベッドから起きた。
「なんか、師匠まで俺を邪魔もの扱いするのかよ、って怒ってたな」
今日はいい天気だな。この宿は東側に窓がついているから、朝日が入ってくる。
狩りに出ない日、窓を開けて空を眺めるのはジルの日課だった。
空を見ていると嫌なことを忘れられるな。師匠早く早く、と呼ぶ声も聞こえなくなるぐらい自分の世界に入れる。
よし、今日も頑張るか。あいつの話を聞きにいかないと。
食事処に行くとライトが座って待っていた。ちなみにジルはインナー姿。
「お前、休日ぐらい防具脱げよ。たまにはインナーで過ごさないと」
「自分の力を見せつけるためだ!」
その装備じゃあ弱いところを見せつけているんだがな……まあ本人がいいならそれでいいか。
「シモフリトマトひとつ」
今日は狩りにも出ないし、朝だからな。
「師匠少なくね?しかもまたトマト?」
気にするな、俺は少食なんだ。そしてトマトが好きなんだ。
「師匠聞いてくれますよね?」
「あぁ、食べ終わったらな」
もってきてくれたシモフリトマトにかぶりつきながら返答する。
いつ食べてもトマトは美味しい。トマトを作り出した神は偉大だな。
「じゃあ話すぜ師匠」
「わかった」
もう腹をくくったぞ。どんな長い話でもこいや。
俺は師匠とエリア1で別れてから…………
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ハァ~、疲れた……うっ、倒れそう。スタミナがもうない」
そのままライトはエリア3の地面に倒れこむ。
ここがエリア3か、特にすごいところはないな。奥に段差があるな……
その時、エリア1の方からドスドスと走りながらアプトノスの群れがやって来た。
「うわっ!なんだ?」
ライトには目もくれず走りさって行った。
「なんだったんだ?」
そう思いながらエリア9に向かっていく。
師匠の方から逃げてきたような、何かあったのかな?
おっ、草が少なくなってきたな。エリア8に入ったか。
大きな階段状になった段差があるな。ジャンプの練習がしやすそうだ。
この時やつはいた。逃げていったアプトノスをジャギイ達が襲い、倒していた。
そして悠々と現れた。ジャギイ達は横に移動して、獲物への道を作る。
用意された食事にありつき、己の力を誇示するように頭を上げ鳴き、ジャギイ達を呼ぶ。ジャギィ達は主に忠誠を誓うように周りを跳びはねていた。
あれがドスジャギィ……大きなエリマキが特徴的だな。紫色っぽいな。
ライトの思う通り富士色のような皮。さらにところどころ他の色が鮮やかに散られている。
後ろ足に比べて、前足は極端に小さいな。尻尾と頭でバランスをとって二足歩行で歩いているのかな?
考えていても始まらない。行こう!
一人で考えを巡らせ、結果もっとも単純な作戦にでた。
「うおぉぉー!」
正面から大きな声でびびらせて突撃する。周りの雑魚達は無視だ。
狙いは大将の首ただひとつ。
しかし、あまりにも単純すぎた。
ライトが声を出した瞬間に周りのジャギィ達が気づき、すぐに長に報告。
遠すぎたため驚くことはなく、ただ気づかれただけとなった。
クォクォクォォー
鳴き声とともにジャギィ達がライト向かって襲いかかってきた。
「うわぁっ」
ジャギィってこんなに攻撃力強いのか!?
小型だからといって侮っていたライトは報いを受ける。
くっ、重い。
襲ってくるジャギィを払い除けながら、ドスのもとへと行こうとするが、思いの外ジャギィ達の数が多く前に進めない。
一回後退するしかないか。
そう言えばドスジャギィは!?
消えたことに気づいたのが遅すぎた。ドスジャギィはいつの間にかライトの後ろに回り込んでいた。
後ろ足を使い、地面を踏みしめ大きく跳躍してくる。
ライトは避けようとしたが、ジャギィによって動きが止められ、巨大なたいくがのしかかる。
「ぐ、はっ」
横に思いっきり吹っ飛ばされる。地面を幾度と転がりやっと止まる。防具は衝撃までも吸収してくれない。
ヤバイ、強烈だ……回復薬を飲まないと。体が動かない。
その間にもドスジャギィ達はどんどん近づいてくる。
このままじゃアプトノスと同じ命運をたどってしまう。絶対にそんなことになってたまるか!
ライトは己を叱咤し、起き上がりすぐにモンスターから距離を取る。
このままじゃ逃げれないな……。手は動く足も動く。前回よりはダメージは少ないみたいだ。
しっかりとモンスターを睨み付け、じっくりと対策を考える。師匠から教わったことを今試さなければ。
まずはジャギィ達が邪魔だな。少しずつ倒していこう。
今回は真正面からはむかわず、横から回り込む。もちろんドスジャギィも気づくが動きはついてこれない。
大きい分小回りはきかないはず。その間にジャギィを!
一番最初に向かってきたジャギィを大剣で一閃する。いくら小型モンスターといえど一発では死なない。
もう一発、くらえ!
なぎはらいで吹っ飛ばし、地面に叩きつける。そのままジャギィは絶命した。
まずは一匹。
ドスジャギィもただ見ているだけではない、さっきと同じように跳躍して距離を縮めてきた。
来たな、動きを見極めてやる。
ドスジャギィはトゲがついた尻尾を体を回転させながら、ぶつけてくる。
うおっ!こんな動きをするのか。しかも二度もか。
辛うじて後ろに引き避けたライトだったが、二度目は避けられず脇腹を引っかけられてしまう。
くっ!そろそろ体力がヤバイかな……
どこかで回復しないと。ん?これはこやし玉か。確かこれを当てればモンスターは違うエリアに行くはず。
ドスジャギィは走りながら近寄ってくる。
よく動きを見て引き寄せて。
ドスジャギィが噛みつこうと頭をあげた瞬間。
今だ!
ライトは横に避けてそのまま頭にめがけてこやし玉を叩きつける。
うっ!くっせぇ。これは逃げるわ
ドスジャギィもライトと同じように怯み、隣のエリアへと逃げていった。
これはくさい。モンスターも逃げるわ。何の糞混ぜているんだろう?
あっドスジャギィは逃げたけどジャギィ達が残っているのか。
ジャギィはまだ数匹程度残っていた。
よし、ドスジャギィがいない今なら。
近くにいたジャギィを切りつける。さっきと同じようになぎはらい、止めを指す。
よし、次は溜め切りだ。
ジルがやってるように構え、力を溜める。
確か師匠はこうやっていたような。
動かないジャギィめがけて。溜め切りを放った。一発で吹っ飛ばし絶命させる。
全然威力が違うだな。このまま。
1分後にはジャギィ達は全員地に伏せていた。
やっと回復ができる。グレート飲まないとダメそうだな。師匠またくれるかな?ハチミツがあれば作れるけどな、どこかにないかな。後アオキノコもほしいな。
周りを見回すライト。キノコの群生地は、見るにも耐えない無惨な姿になったアプトノスの近くにあった。
あったあった。うわ、ところどころ風化してるし。アプトノスは確かモンスターの気配に敏感だったよな。なんでわざわざ自分からドスジャギィの方へ行ったんだろう?……うーん。全然わかんないや。頭いたくなってきた。アオキノコとって早くドスジャギィを追おう。
アオキノコ、とれないな。これはなんだ?特産キノコか、今はいらん。どこにあるのかな。あったアオキノコだ。ありがたくちょうだいいたします。
丁寧に自然にお願いしてからゆっくり取る。
10個、集まったかな?よし行こう。ドスジャギィも待ちくたびれただろう。
エリア6か。水がしたをはってるな。どこからわいてる水だろうか?この辺は空から見えら、くぼんでるように見えるだろうな。山で囲まれているな。
双眼鏡使えばよく見えるかな。あっハチミツあった。ドスジャギィもいた。段差が大きいのと小さいの。では行こう。
双眼鏡をポーチの奥底に押し込み、かわりに回復薬をすぐに取り出せるところに持ってくる。
今度はこっそりと、後ろに回り込もう。
幸いドスジャギィは後ろを向いて水を飲んでおり、ジャギィ達も周りにはいないようだ。
こっそりこっそり……バギッ!
…………えっ?
ライトは水の中にあった木の枝を踏んでしまったのだ。
ドスジャギィはすぐにライトの存在に気付き臨戦態勢へと入る。
こうなったら仕方がない。
ライトは素早く横に回り込む。ドスジャギィは鳴き声をあげて仲間を呼んでいる。
喉仏ががら空きだ!
頭をあげて鳴いているため、柔らかそうな喉が無防備になっている。
ライトは見逃さず大剣を叩き込む。
「うおぉぉぉ!」
渾身の手応え。第一発目の攻撃にしてはとてもいい感触だった。
「もう一発!」
なぎはらいからの溜め切り。さすがのドスジャギィも鳴くのをやめ、後ろに跳躍する。
後ろにも跳べるのか。
すぐに武器をしまい。ドスジャギィに近づく。もちろん前からではなく横から。同じ過ちはしない。
ドスジャギィはライトに向かって噛みついてくるが、余裕で避けて大剣を体に当てる。
頭よりは固いけどザボアザギルに比べたら、こんなもの。
思いっきり切りこみドスジャギィの肉を断つ。ドスジャギィは横に大きく吹っ飛んだ。
「お返しだ!このやろう」
すぐに吹っ飛ばした分の距離を縮め、また大剣を降り下ろす。
エリマキをぶっ壊してやる。
しかし、ドスジャギィはやられてばっかりでもいない。
体制を建て直したドスジャギィは、ライトに尻尾をぶつけてくる。
大剣をしまっている途中だったライトは、避けることができず、もろにくらってしまう。
くっ、強い。
鞭のようにしなった尻尾は、ライトに大きなダメージをあたえ、吹っ飛ばす。
だが、こっちだって負けられない。
尻尾の降り回しが二回終わったところを狙い、大剣をまた降り下ろす。狙いはエリマキだ。
そのエリマキをぶっ壊してやるよ。
ドスジャギィはそれを感じとったのか、攻撃をやめ、威嚇を始めた。怒り状態となったのだ。
それでもライトは恐れることなく、頭に冷静に大剣を叩き込む。
威嚇の時は無防備だ。だから今のうちに。
何度も切るが、弱る様子も見せない。
コイツ本当に倒れるのか!?
あまりの手応えのなさにライトは困惑する。
そこを狙ってか、ドスジャギィは体を横に向け、体全体でぶつかってくる。
ぐわっ!
溜め切りを出した後のため動くことができないので、今度は体当たりをもろにくらってしまう。水の上を転がるように飛んでいき、壁に叩きつけられる。
ヤバイこのままじゃ死ぬ。回復薬を飲まないと。
すぐにライトは回復薬を取りだし飲み干す。回復薬の成分はすぐに体を巡りわたり、傷を癒してくれる。
ふぅ助かった。
しかし、休む暇もなくドスジャギィは体当たりをしてくる。
「うわっ!ちょっとぐらい休ませろや」
そんな声はもちろん届かず、ただ自分の縄張りに入ってきたやつを消すためだけに動く。本能のままに。
くそっ逃げてばっかりじゃあラチがあかない。ここは大胆に攻めないと。
体当たりを尻尾の方へ移動してかわし、後ろから近づき大剣を手に取る。
一気に攻める!
何回も大剣を振るい、何度も傷つける。ドスジャギィの皮傷だらけになっていき、血にまみれている。
さらに体当たりを立て続けにやり過ぎたのか、ドスジャギィはだらだらとヨダレを垂らし始めた。
疲れたのか?ならば今がチャンス!
しっかり足を踏ん張り、大剣を肩にかつぎ力を溜める。
「うおぉぉぉぉ!!!」
バギッ!
ついにエリマキは今までのダメージとも合わさって、破壊されぼろぼろになる。
ドスジャギィは大きくのけぞり痛みからか、己の象徴を壊されたからか悲鳴をあげる。
ヨダレを垂らしているってことは腹が減ってるのか?じゃあこの支給品ボックスに入っていたシビレ生肉ってここで使うのかな?
ためしにドスジャギィの前に投げてみる。すると、目の前に敵がいることすら忘れたのか、一心不乱に食いつき出した。
食べた!てことは……
食べ終わったドスジャギィは体が硬直して動けなくなっている。シビレ生肉に入っているマヒダケが体内で分解され、体を硬直させたのだろう。
すげぇ、これならいける!
自分で見つけ出しただけ喜びは大きい。しびれているドスジャギィに何度も溜め切りを浴びせる。
アイアンソード改は切れ味が鈍っているにもかかわらず、最後のつとめをするように皮を切り裂いていく。
「うおぉぉぉぉぉ!!!」
渾身の溜め切りがはいった。
ドスジャギィは後ろに飛んでいきそのまま動かなくなる。
「やった、やったー!!俺は倒した、ドスジャギィをー!!」
小躍りをし始めるライト。
しかし、すぐに我にかえり、ドスジャギィの剥ぎ取りをする。
ついでにハチミツも取る。
疲れたな……うわっどろどろしてる。美味しそう。きれいだな黄金みたいだ。
ハチミツは太陽の光を浴びキラキラと輝いていた。
自然はすごいな……
おっと師匠がきっと待ちくたびれている。急がないと怒られる!!
エリア6をかけていくライト。
こうしてライトのはじめての一人狩りは幕を閉じた……
書いてあること全部ライトが言ってるわけじゃありません。きっとライトはもっと話を大きくするでしょう(笑)
弱い人視点からのほうが書くことがたくさん思い付きます。でも、やっぱりジルが主人公?なのでね
ありがとうございました。