先日マンションにゴキブリが出て、怯えながら過ごしました。
「ふぅ。すごい嵐だったな」
「あぁ」
ここは天空山のベースキャンプ。今ちょうど飛行船によって来たのだが、尋常ではない嵐に巻き込まれ墜落しかけたのだ。
「いや~危なかったな。もう山にかすったときはどうなるのかと」
まあ、散々だったな……
「よし切り替えるぞ」
「はい!」
切り替えは大事。そういいはじめてからいつもこうして狩りの神経に切り替えている。
しかし、朝のトレーニングをやらせることができなかったのが残念だ。
さすがに狩りの直前にやらせるのはやめといてやったが、その分返ってくると思えよ。
そんなことも知らず、「絶対狩ってやる」と意気込んでいるライト。
やはりいつもより気合いが入っているな。緊張もしているようだが、ガチガチというわけでもなさそうだ。
「ささっと行こうぜ、師匠」
はいはい。
もちろんライトは、返事も聞かずにベースキャンプから出ていったが。
先が思いやられる、と思いながらジルもライトの後をおった。
「久しぶりだな天空山」
ライトの言うとおり天空山に来るのはゲネルセルタス以来で、半年近くは来ていなかった。
あのときそ変わらないフィールド。変わったところは生えている草、後モンスターだろう。確か前はケルビだったはず。今はアプトノスが3頭、のんびりと草をむしっている。
狩り場も日に日に変わりつつある。それが実感することができる。
「アプトノスはそわそわしていないな。今日はどこから行くんだ?」
「それはお前が決めることだ。今回はお前がリーダー、俺はついていくだけだ」
「えっ!」
やっぱりわかっていなかったなコイツ。
「でも俺、リオレウスがいるエリアを知りません」
俺が狩りに来る途中に言ったんだがな……
「自分で探せ」
「わかりました」と返事がきた。
やっとか最初からこんな感じで大丈夫かな?
「よしじゃあエリア5にいこう!」
「いちいちこっちを見なくていい!」
ライトはまだ心配なのか何度もこちらを振り向き、いいんですか?と目で必死に訴えてきた。……本人は隠しているようだが、バレバレだ。
エリア5。高低差が激しいフィールド。大きな階段状に4段ほどの段差がある。
「ジャンプ攻撃がしやすそうだ」
確かに俺もここでジャンプ攻撃を当てた回数は多い。
逆にフィールドの特性を理解しないと、モンスターに翻弄される恐れがあるが、コイツはしっかりとフィールドを目で見て観察しているからな。心配ではあるが……
「ここにはいないな、採掘でもしとくか」
悪い判断ではないと思う。
レアな鉱石がとれる場所は決まっている。そこの鉱石の塊が地面に露出していれば採掘OKということだ。もちろん鉱石が地面に出ていないときもある。そういうときは採掘はしてはいけない。とれることはとれるのだがこの取り方を続けると鉱石の数が減少していき、しまいにはなくなってしまうのでハンターギルドによって厳重に管理されている。
狩りの途中で採掘するなど、と怒る人もいるが俺はレアなやつだったらしてもいいかな?という意見だ。
ライトは残念ながらレアじゃないやつもバンバンとっていってるが。今度採掘の仕方を叩き込んでやる。
「おっしゃー!レビテライト鉱石だ」
もうそろそろ行こうぜ……
「やっととり終わったぜ。さてどっちに行こうかな?」
やっとか……
「じゃあエリア5に行こう」
また確認を求めてくる。好きにすればいいのに、早く行けよ。
ジルはこっちを見て動かないライトを小突き「好きにしろ」と言い、さっさと立ち去る。
長くなりそうだな……
エリア5。そこにリオレウスはいた。ちょうど移動してきたようでまだこちらの存在にはきずいていない。
赤い甲殻にリオレイアと似たような体型。これぞ飛竜種といわんばかりの立派な翼に、バランスをとるための尻尾。
「これがリオレウスか……かっこいい」
リオレウスを狩るくせに、かっこいいと思うハンターは多いようだ。ライトもその中の1人となったようだ。
俺はやはり銀色の希少種の方が好きだな。
「さて、狩らさせてもらうぜ!」
狩る前にわざわざ宣言するとは、礼儀正しいな。俺には礼儀のれの字もないというのに。いや、れの字くらいはあるかな?そんな想像をめぐらせていると、ライトはこっそりと近づいていた。
リオレウスはこちらに背を向けていて、ライトの存在に気づかない。なだらかな山のような形に段差が構成されているフィールドの、一番下の段にいるリオレウス。たいしてこちらは2段目。
気づかれない限界まで近づいたライトは、慎重さをかなぐり捨て高低差をいかし跳躍する。
これまでの狩りで何度かジャンプを練習していたライトは、早くもジャンプ切りを完全マスターしていた。
やはり飲み込みが早いやつだ。
ジャンプしたときの音でライトの存在に気づいたリオレウスだったが、遅すぎた。
力任せにヴァルキリーブレイド改を振るう。翼と体のつけねに当たりリオレウスは怯む。
そのスキに背中に飛び乗る。ナイフを取りだし、暴れるリオレウスの背中につきたてる。しかし、振り落とされると感じたのか、すぐに甲殻すき間にナイフを入れしがみつく。
疲れたのか動きが止まる。そこを狙いナイフを刺しまくる。
「釣りと同じようなもんだぜ!」
その姿をジルは遠くから眺める。
なんて言ってるかは聞こえないかな?
俺も一応攻撃はしよう。狩りに来ている以上攻撃はする。
リオレウスはバランスを崩し倒れこむ。
ジルをそこに走り煌剣リオレウスをライトがナイフで切りつけた部分に叩き込む。何度か切りつけると背中の甲殻は剥がれ部位破壊に成功する。
おっとちょっとやり過ぎたかな?
ライトも頭に向かいヴァルキリーブレイド改をジルと同じように叩き込む。ジルの大剣は火属性はあまり効果がないが、ライトの大剣は毒属性を持つ。しばらくダメージを与えればモンスターは毒を発症する。モンスター特有の抗体により効果時間は短く、だんだんきかなくなってくる。それでも大抵のモンスターにきくので便利な属性だ。
リオレウスは体制を立て直しライトに向かい咆哮を敢行する。
耳を押さえてしゃがみこむライト。
そこにリオレウスは体を回転させ尻尾をぶつける。避けることもできずにあたりライトは吹っ飛ばされてしまう。
さらにリオレウスは空を飛び、ブレスをライトのいたところに撃ち込むが、ライトはその場にとどまらずすぐに避ける。そして、リオレウスの頭に向かって液体が入った瓶を投げる。
「師匠目を閉じて!」
言われなくてもするわ!ジルはすぐに目を背ける。
瓶は破裂し閃光が弾ける。ライトは閃光玉を投げたのだ。玉なのに瓶なのは気にしない。
空中で閃光をもろにくらったリオレウスは、バランス感覚を失い落下する。
そこにまたライトは大剣で甲殻を切る。ヴァルキリーブレイドではリオレウスの甲殻を削るのはたやすい。
さらにさっきから攻撃したことにより、リオレウスは毒を受け苦しそうに頭を動かす。
いける。ライトがそう思った時。
突如、リオレウスは倒れた。
「えっ?」
ライトはまだ終わるとは思っていなかったようで驚きの声をあげる。
それはジルも同じだった。
いくらなんでも早すぎる。どういうことだ。
リオレウスは紫色の靄をはき出しながら倒れていた。
紫色の靄だと!まさか
「ライト急いで離れろ!」
「どうしたのだ?師匠。いったい何が起こっているんだ?」
あたりが一気に暗い雲におおわれる。
「なんで死んだはずのリオレウスが……」
倒れたリオレウスは紫色の靄に包まれながらおきあがったのだ。
「なんかさっきと雰囲気が違う」
調査が足りないときはこういうことが起こるのか。
調査がしっかりと行われているときは、このような情報もしっかりと伝えられる。
さらに不幸は重なる。
なんとティガレックスが天空山に舞い降りたのだ。それもリオレウスと同じ状況になっている。
これはヤバイ。
「ライト!一回ベースキャンプに戻るぞ!」
「わ、わかった」
急いでライトはこっちに向かい走ってくる。背中はがら空きだ。
そこを見逃すモンスター達ではない。
2頭が一緒になって追いかける。追いかけられる方の恐怖は、とても表現することができないものだろう。
ライトは幾度となく後ろに振り向きかけるが、後ろを振り向いたら走る速度が落ちることがわかっているのだろう。それでも振り向かずに走るのは大したものだ、根性がなければとてもできないだろう。
あとは俺が守るだけだ。
「ライト絶対に振り向くなよ!そのままベースキャンプに走れ!返事はいらん!」
ティガレックスの爪があと少しでとどく。だがそうはさせん!
横からとびだしティガレックスの頭に大剣を、今までの最大の力で叩く。
ライトのようにただ力任せではなく、全身を使い体ごとぶつける。
不意打ちともあり、ティガレックスは横に倒れる。さらに横を並走していたリオレウスにあたり2頭でもつれあう。
その間にライトは急いで逃げ、ジルの言いつけをしっかりと守り後ろを見ることなく走っていった。
2頭がもつれあってる間にジルも警戒しながら後退し、エリア5をあとにした。
これは予想以上に厄介なことになっていきそうだな……
次回の更新もいつになるやら……