MONSTER HUNTER~煉獄の鎖~   作:IF君

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 アイデアが先のところしか思い浮かばない。もう次話まで考えているし、これが終わるかもわからないのに……

 そんな中で必死に頑張って書いたやつです。

 これももしかしたら改定するかも

 では、どうぞ


二人の過去

 「うおぉぉぉぉぉ!」

 

 振り抜いたその一撃はティガレックスの爪によって弾かれた。

 

 「くそっ、切り味が落ちたか」

 

 後退しようとしたところを見逃さずに、岩石を飛ばしてくる。

 

 武器をしまいそれを横に跳び回避する。

 

 「あぶね~ろくに研げやしない」

 

 その時銀色の残像視界に映った。

 

 「ジル!」

 

 銀色のシルバーソルシリーズをまとったハンターが、ティガレックスの頭を切り怯ませる。

 

 「今のうちに研いでおけ!」

 

 「わかった」

 

 岩影に隠れ砥石をポーチからとりだし、武器の切り味を戻す。ついでに攻撃を受けて減っていた体力を、回復薬で回復する。

 

 「あいつ早いし攻撃力高いし強いよな~」

 

 岩の影からこっそりと様子をうかがう。

 

 ジルと呼ばれるハンターが、ティガレックスと戦闘を開始していた。

 ティガレックスが爪で引っ掻こうと前足を出すが、ジルはすぐに気付き横に移動して難なくかわす。

 そして、また頭に輝剣リオレウスを振るう。

 防具と同じように銀色に輝く輝剣リオレウスは、鋭い切れ味と攻撃力でティガレックスの頭の甲殻をどんどん切り裂いていく。火属性の属性もあるがそれほど強い火ではなく、ティガレックスに火属性が効くというわけでもないので、効果はほぼない。

 

 それでも武器の威力とセンスで、どんどんティガレックスを追い詰めていく。

 

 「やっぱりすげぇなジルは」

 

 俺も負けていられない、とばかりに飛び出していくハンター。

 

 後ろ足に攻撃しようとするが、ティガレックスが体ごと回転したことによって速度ののった尻尾が脇腹をえぐる。

 

 「ぐ、はっ」

 

 肺が空気を求める。

 

 「もっと動きを見ろ!迂闊に飛び込んでいくな」

 

 ジルからの厳しい叱咤がとぶ。

 

 返事を返している暇もなく、ティガレックスは突進をしてくる。

 

 「うわっ!」

 

 なんとか横に回避するが爪に引っかけられ地面に転がる。

 

 「不味いな……」

 

 ジルの呟きが気まぐれな風に乗ってくる。

 

 そんなこと言ってないで助けてくれ~

 

 声もでないので呟きにすらならない。

 

 ティガレックスの頭が近づいてくる。

 

 そこにジルが割り込み大剣を、ティガレックスの爪に切りつける。

 

 バギッ

 グアァァァァァ

 

 爪が砕け散る音とティガレックスの悲鳴が重なる。

 体重のバランスが一瞬だが崩れ転倒する。

 

 止めといわんばかりに頭を切り裂き片目に傷がつく。

 

 静かに降り下ろしたその一太刀が最後となった。

 

 「あれ?もう終わったのか?せっかく今からお返しをしてやろうと思ったのに」

 そんなことを言っているとジルからげんこつが落ちた。

 

 「命があるんだからいいと思え。お前はもうちょっとモンスターのことをよく見るんだ」

 

 「へーい」

 

 渋々感が体全体から出ている。

 

 「まあいい剥ぎ取りをして帰るぞ」

 

 「はぁーい」

 

 こいつが一人前になるときはくるんだろうか?いや、俺がしてやろう。

 

 そう静かに誓っていたジルだった。

 

 ……そこから約2年後。全てが崩れ終わっていくのは、誰も想像はしていなかっただろう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「夢か……」

 

 この夢はもう何度も見ている。そのため驚くことなどなかった。夢だとすぐに判断ができるほど見飽きていた。

 

 「ここは……ベースキャンプか」

 

 狩り場でも見るとは……そう言えばライトは!?

 

 周りを見渡してもライトの姿は見えない。

 

 どこに行ったんだ。確かティガレックスを狩ると言っていたな。まさか。

 

 少ない情報でも、ライトが何をしにいったのかは明白だった。

 

 バカ野郎。一人で挑みにいくとは。

 

 自分が狩りの途中で寝たことは棚にあげて、ジルはライトのもとへと急いだ。

 確かティガレックスのいるエリアは1、2、3、5、6だな、待ってろよライト。

 

 どこまでも過保護な師匠だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「狩りの途中で寝るってどうなんだろうな~」

 

 ライトはジルをベースキャンプにおいてきて、一人エリア6に向かっていた。

 

 「急に笑い出したらと思えば、倒れるなんて大丈夫なのかな?」

 

 そう言いながらライトは、ティガレックスのいるエリア6へとたどり着いた。

 

 ここも高低差が激しいな。

 

 エリア5からきたライト。左右に段差があり、左は多くの段差が重なっているような感じになっていた。

 

 そこの間にティガレックスはいた。

 

 狂竜化状態のため、全身が少し黒みを帯びていて、周りの黒さとは違う赤色の目が目立つ。

 

 侵入者に気づいたティガレックスは、咆哮とともに先頭体制に入った。 

 

 よし、やってやるぜ!

 

 ライトもヴァルキリーブレイド改の感触を何度か確かめながら、ティガレックスの突進を避けるため左の段差を目指した。

 

 距離があったため難なくかわし、ツタが絡まっている人工物のような段差に登る。

 

 ティガレックスはライトを捕まえ損なった後、爪を軸に方向転換を行いライトが登った段差へとまた襲いかかってきた。

 

 ライトはすでに登り終えていて、ティガレックスが近寄るのを待っていた。

 

 もう少し……後ちょっと。……今だ!

 

 助走をつけて大きく跳躍したライト。しかし目測を誤りティガレックスを跳び越えてしまう。

 

 しまった跳びすぎた。

 

 ティガレックスは止まらずにライトがいた段差に突撃した。

 

 モンスターが勢いがのった体ごとぶつかったため、段差は下から崩れていく。

 

 ライトは唖然とし、モンスターと人の力の差を自分の目で再確認させられる。

 

 ティガレックスの上にはたくさんの瓦礫が落ちてくる。

 それをものともせずにライトの方を向き、落ちてきた瓦礫に爪を押し当てて飛ばす。

 

 的確に敵のいる場所を狙ったその瓦礫は棒立ちのライトに直撃する。

 

 人ほどの大きさのある瓦礫にあたり、後ろに吹っ飛ばされる。

 

 ティガレックスは助走もなしで自力で跳躍し、ライトに追い討ちをかける。

 

 二回の連続攻撃をくらったライトは今までになく混乱し、回復薬を飲むことも忘れる。

 そして気づく。今は守ってくれる人がいないということに。

 

 俺は一人で狩れると思っていた。それなりに自信もあったし、これまでいろんなモンスターを倒してきて実感もわいてきた。師匠がほとんど手を出していないときもあった。

 でも、やっぱり一人では無理なのか……

 

 ライトは今回が初めての一人での狩りだった。

 今まではジルがどこかにいる。ピンチになっても必ず助けてくれる。その安心感にしがみつき狩りをしてきたのだ。

 

 しかし、今回はジルはこのフィールドにはいない。心の中の安心感がなくなったことで焦りが生まれる。

 

 一人で狩れないことがわかったと同時に、ジルという存在がどれほど自分の中で大きかったかを知る。

 

 俺は一人では狩れないのか。

 

 その事を認めたと同時に小さな絶望感が押し寄せてくる。今ライトの動きを止めるのには十分な絶望だ。

 だんだん近寄ってくるティガレックスの頭にも気づかない。

 

 俺は俺は……いったいどうしたらいいんだ?

 

 ライトは幼い頃に両親が狩りで命を落としている。物心のつく前のことだから覚えているはずもなく、村の人みんなから愛されて育った。

 

 たくさんの愛情を注がれて育ったライトは、村長から両親の存在と狩りで命を落としたことを伝えられた時もそこまで怒りや悲しみはでなかった。

 

 それよりも外の世界でいろんなモンスターが見たい。その気持ちが強くて気づかなかったのだ。

 

 心の中では敵を打つと誓い。ずっと奥にしまってきた。

 

 だが、これまで狩りをしているうちにだんだんと気づいてきた。ハンターというものを知ってきたのだ。

 両親は村を守るため、自分を守るために戦ったのだ。すると、親に対するなんで自分を残して死んだんだ、という怒りは消えた。

 

 そして復習心が少し大きくなったのだ。ライト自身も気づかぬうちに育っている。その復習心が表に出るのはライト次第だ。

 

 そのため絶望を味わったことがない。平和なハンターなのだ。そのため小さな絶望でも動きが止まり自分の存在意義を問いかけるのだ。自分に。

 

 わからない。どうすればいいのか。

 

 

 

 気づいたときにはティガレックスは死骸と化しており、ジルがうるさく問いかけていた。

 

 なんで一人で行ったんだ。

 

 ライトはそっちが寝てなければいいだろと反抗をしたかった。しかし、ジルが言っていることは今のライトを弱らせた。

 

 師匠はこの絶望を味わったことがあるのか!そう言いたかった。

 

 でも、言葉がでなかった。

 自分は所詮師匠がいなければ何もできないのだから。

 

 ジルはライトの元気の無さを反省していると勝手に解釈し、説教は終わった。

 

 剥ぎ取って帰るぞ。

 

 いつもは喜んでやっていた剥ぎ取りだが、いつもの高揚感もなく、静かにおこなった。

 

 その様子にさすがにジルも異変を感じたのかどうしたんだ?と聞いてくる。

 

 「何でもないです」

 

 敬語になっていたことをさらに不振に思ったのか、また問い詰める気配になったがもうやめようと「今日からお前は上位だぞ。喜べ」といつもの誉めだ。

 

 そうか俺は上位ハンターになったのか。少しは師匠に追い付いたかな?……

 少し元気がでたがジルのことを考えるとまた落ち込む。

 

 「確かに相手は強いけど大丈夫、お前ならやっていける」

 

 今度は相手が強くて勝てるかわかんないと解釈したのだろう。

 

 本当に俺はやっていけるんだろうか?

 

 「じゃあ帰ったら素振り5000回な」

 

 反発する気力も起きなかった。

 




 二人の過去をちょっとずつ書きました。まだまだたくさんありますけど。

 今度の投稿は9月の5日以降となるのでご了承ください。
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