誤字脱字などありましたら報告していただければと思います。
リハビリがてらなのでそこまで長く続かないです。後3~4話あるかな程度。
それでは急展開過ぎる本文どうぞ。
鳳翔に見送られ鎮守府に入る。
すれ違った艦娘と挨拶を交わしながら執務室へと向かった。
「おはようございます、提督」
「ああ、おはよう」
執務室へ入るとそこには赤城、加賀がいた。
「今日の出撃は少し離れた海域でしたよね?」
「そうだな、両名には他の鎮守府の艦娘と合流し向かってもらうことになる」
赤城の質問に答えながら執務室の椅子に座った。
横須賀鎮守府には空母が多数集まっており、出撃する際には他の鎮守府との合同作戦が大多数を占める。
何故各鎮守府に空母を配置させないのか、という理由は横須賀鎮守府には空母の母である鳳翔がいるからである。
大戦初期から活躍していた鳳翔だが、他の空母艦娘の教導も行っていた。
そして教導を受けた空母艦娘は鳳翔の元で戦いたい、と望んだ。
今でこそ鳳翔は予備役として戦場からは離れてはいるが、彼女の過去の戦績や教導によって心酔されている。
各鎮守府には艦娘のみが使える移動装置が存在しており、また艦娘には通信機能もあり、同じ艦娘だけでなく提督とも距離が離れていても通信することが出来る。
他の海域に出撃するに当たって特に不便を感じないという理由もあり、艦娘たちの士気向上のためもあって何処の鎮守府に腰を落ち着けるのはある程度自由となっている。
「了解しました、鎧袖一触よ」
「頼りにしている、が・・・」
「提督、どうかされましたか?」
加賀の言葉を心強く思うが、思うところがあった私に赤城が尋ねてきた。
「いや、今日の朝刊の記事がな・・・」
「ああ、何でも近頃深海棲艦の動きがおかしいとありましたね」
朝に読んだ新聞でとある記事があった。
そこには深海棲艦と遭遇した漁船が攻撃されることなく、ある方向へ向かっていたとあった。
普通ならば深海棲艦は海に浮かぶ全てに対して攻撃を仕掛けてくる。
気付かれなかったといえばそこまでなのだが、漁船の乗組員が気付くほどの距離で気付かれない、というのもおかしな話ではある。
「しかし他の鎮守府や我々の哨戒では、今のところは特に異常はないということですよね」
「そうなんだが、今日出撃する海域の情報はそこまで集まってはいない」
「あの周辺は未だに深海棲艦の領域ですから、仕方ないことなのでは」
「それに私たち一航戦が出撃するんです、心配ありませんよ」
赤城はそう自信と共に言った。
確かに一航戦の二人はこれまでも様々な大戦果を挙げてきた。
たとえ深海棲艦が集まろうとそれほど深い領域でもないから、二人なら大丈夫だろうとは思う。
「私もお前たち二人ならば大抵の事には対応出来るとは思っている」
「当然です。何せ私たちは鳳翔さんの薫陶を受けたのですから」
加賀のその言葉に我が事のように嬉しさを感じる。
鳳翔とは大戦初期からずっと共に戦ってきて、今なお傍にいる特別な存在なのだから。
「わかった、しかし何かあればすぐ通信を送るように」
「了解しました」
「しかし相手の領域内なのでそれほどの事態が起これば通信繋がらないかもしれませんが」
どれほど距離が離れていても艦娘や提督と通信出来る機能なのだが、何故か深海棲艦の領域では通信が途絶することがある。
通信機能自体が謎に包まれているので理由は解明されていないのだが、通信途絶が起きる時はいつでも深海棲艦の大艦隊がいる。
やつらによって通信妨害をされている、というのが現在の見解だ。
「不安になることを言うな・・・、無事に帰ってこい」
「大丈夫ですよ、信じてください」
そう二人は微笑んで敬礼をした。
「それでは赤城、加賀出撃いたします」
「ああ、武運を」
答礼をすると二人はキビキビと執務室から退室した。
「何事もなければいいのだがな・・・」
そう願いながらも、漠然とした不安は消えることはなかった。
「こういう時はいつも出撃出来ない己が憎らしいな」
人の身である自分は、安全なところで艦娘に戦わせるのみ。
何時まで経ってもこの心苦しさを感じる。
その心苦しさを抱えながら彼女たちの無事を毎度祈り続ける。
「願わくば、この先も彼女たちと共に・・・」
しかし残念ながら、漠然な不安は的中してしまうこととなる。
昼を過ぎ、執務室にて書類をこなしていた時、その通信は来た。
『ザ・・・ザザッ・・・い・・く、てい・・・く・・・・』
「っ・・・!赤城か?」
『ザッ・・・、提督、聞こえますか!?』
何時になく、緊迫した声色の赤城の様子に嫌な予感が当たってしまったのを理解した。
『こちら、目標の海域に向かっていた最中に深海棲艦の群れを発見しました!』
「群れだと!?」
『どうやら記事にもなっていた深海棲艦の向かった先が、目標海域だったようです』
「・・・・深海棲艦の数は?」
『目測で10艦隊以上・・・、その中には鬼級や姫級なども見受けられます』
「なん・・・」
『やつらはこちらへ向かってきています。その先にあるのは・・・・』
「本土・・・・か」
『ええ・・・、本土の強襲艦隊なのでしょう』
深海棲艦は海にある全てを破壊する。
しかし、陸であれば無事というわけではない。
やつらの天敵である艦娘たちが集まる場所・・・、すなわち鎮守府に攻め入ることもあるのだ。
大戦初期に鎮守府近海を確保した軍ではあるが、その後も散発して近海に深海棲艦が進軍してきたことがある。
そしてある日、そのことを甘く見ていたとある鎮守府は進軍してきた深海棲艦に破壊された。
やつらもわかっていたのだろう。鎮守府には艦娘の指揮を執る存在がいるということを。
「わかった、これより支援艦隊を送る。敵の進軍を遅延させながら撤退し、支援艦隊と合流後深海棲艦を撃滅せよ」
『いえ、遅延を行おうにも手数が足りません』
「しかしそれではどうするというのだ」
確かに敵の数は膨大であり、遅延行動を取ろうにも焼石に水といったところだろう。
けれどそれ以外手立てがないのも事実。
『支援艦隊と共に決戦艦隊の要請を』
「許可できない。決戦艦隊の出動には時間が足りない。厳しい戦いになるかもしれないがやるしかないのだ」
『時間なら稼ぎます』
「時間を稼ごうにも遅延行動すらままならんと言ったのはお前たちだろう。いったいどうすると・・・」
『全てを賭けてでも時間を作って御覧に入れます』
全てを賭けてだと・・・・?
「お前たちまさか・・・」
『提督は連合艦隊の要請をお願いいたします。生半可な艦隊ではやつらを撃滅することは困難だと思われるので』
「待て、私はそのようなこと許すつもりは・・・・!」
『既に私たちの他の艦娘は撤退させました。・・・・これしか、ないのです』
「これしかないことなどない!お前たちも退きながら遅延行動をこなせ!繰り返す、お前たちも退け!」
『ザッ・・・ザザッ・・・・、ああ、やつらが近づいて・・・た・・です、これよ・・・つうし・・・・でき・・・ん』
「聞け!赤城、加賀!急いでお前たちも撤退しろ!最悪水際で防衛すれば・・・・!」
『ほうしょ・・・、つたえ・・・・・・』
「なんだ、鳳翔に何か伝えたいのならお前たちで言いに帰ってこい!」
やつらとの距離が近くなったのだろう、聞こえづらい通信で必死に呼びかける。
そんな時、急に通信の音声がクリアになった。
『我らこれより、死地に入ります。国を、そしてなにより提督と鳳翔さんを守るためなら何一つ恐れることはありません。お達者で』
その言葉を最後に通信は繋がることはなかった。
艦これはほのぼのしてるのも好きだけどカッコいい話も好きです。
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