ドルディアに生まれた転生者   作:キ65

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発情期とギュエスと誓いとミリスと馬と闘気とグレイラット家と殺意と中央大陸

 

 

 

 

 発情期が来た。もう一度だけ言おう、発情期が来た。

 

 いつか来るとは思っていたが、唐突な人生?ケモ生で初めての発情期だ。前世での猿(中学生)の時期を思い起こすほどの性欲が、頭をガツンと殴りつけてきた。恐ろしい事に思考が回らなくなり村の中心でセ⚫︎クス!と、叫んでしまったほどだ。咄嗟に出た言葉が日本語で助かった…

 

 剣を教えている族長の息子兼ギレーヌの兄であるギュエスは、身長の低い俺を、年齢は一年強くらいしか変わらないのに、小さい子供を相手にするかのように扱って来るのだ。何かを察知したギュエスがその一環か、発情期の処理の方法を懇切丁寧に教えてくれた。ホモのカタカナ?

 

 最近可愛く思っていた剣の弟子が、古代ギリシャ人に見えてくるのは、どうも前世の記憶が悪さをしているらしい。未熟な少年を導く(意味深)サムシング的な行いは獣族としては一般的ではないにしろ、聖獣を守護るドルディア戦士として性欲は邪魔らしく。ドルディア戦士は身近なものが、処理方法を伝える形式を取るのが一般的だそうだ。知識を教わるだけだし、別にくんずほぐれつを実際に男子同士でやるわけではないが、どことなく気色が悪かった。

 

 この村に帰ってきてから、今日ほどに村を出たいと思った日はなかった。

 

 愛弟子がただの弟子に降格した事件は忘れて、今後の計画を練る。獣族の発情期は雨季が終わる頃に始まるらしいので、雨季が終わるのが高い事が分かった。しかし俺の発情期は少し早いらしく両親にも村の知り合いにも心配された。なんで村中に俺が発情期になったってことが広まっているのですかね?とりあえず不肖の弟子を殴り倒して、心の内で納得する事にした。

 

 村全体に親戚のおじさんやおばさん程度のウザさを感じながら、雨季を過ごす事になった。

 

 発情期と言う事で、倉庫の番と魔物退治の仕事を減らされた俺は、暇を持て余した。周りを見て真似でもして暇を潰す事にした。

 

 日本からは考えられないが、獣族では発情期は気に入った異性同士が、決闘して勝ったほうが群れ(家族)の長となって結ばれると言う情報を手に入れた。どこの戦闘民族ですか?しかしその情報を裏付けるように、若い男衆や女達が各々武器を拵えたり、手入れしている姿を見ていると、それは本当のことだとわからせられた。最強を目指していたがこう言うことではないんだよなとボヤきつつも、暇なので彼ら彼女らに習って魔剣を手入れする事になった。

 

 手入れも終わり、剣の弟子が来る時間になった。暇で考え事をしていたからか頭が頭より待っている気がした。弟子が来た。挨拶もそこそこに剣の稽古を開始するが、頭は冴え渡っていた。

 

 冴え渡った猫耳付きの頭が唐突な疑問を浮かべた。

 

 こいつギレーヌの兄だったよなギレーヌが酷すぎて愛想を尽かしてしまったがギレーヌの兄だ。

 

 ミミ…ケモ…ミミふわふわしっぽ。

 

 ……あれ?なんか弟子がギレーヌに見えてきたな?

 

 「も、もしかしてギレーヌにゃ…?」

 

 そんな目でみつめるなよ。興奮しちゃうじゃないか。

 

 

 

 弟子を組み伏せたところで、おれはしょうきにもどった。幸いまだ組み伏せただけで何もしていなかった。発情期とはかくも恐ろしいものであるのか。いきなりの貞操の危機を前に動揺を隠せない弟子に平謝りと、口止め(脅迫)をしながら強く思う。雨季でも関係あるものか…!今すぐ出ていってやる!

 

 そう強く思ったものの雨季は本当に危ないので、行くのを我慢した。雨季は昼飯が無くなる季節から頭と下半身がバカになって閉じ込められる季節と言う認識に進化した。

 

 な、ん、で、村中に噂が広まっているんですかね?

 

 

 

 時が経つにつれて、村を出たいと言う想いと性欲が積み重なっていく、毎日に魔大陸での生活が恋しくなっていた。この世界で一番危険な地帯なのにだ。

 

 最近の癒しは、バカ弟子をボロクソにぶちのめす事と、弟や妹の遊びに付き合うことだけになった。親父と母親は噂を聞いたのか、なんとも言い難い顔をしていて悲しいし、もっぱら家でなく外で弟と妹と遊んでいた。

 あゝいとかわゆきねこみみの〜あがたったひとつのいやしにゃるかにゃー ぎゅゆすな

 

 噂がこうも簡単に広がる理由が分かった。ギュエスとの稽古を覗き見している奴がいるのだ。雨で普段より鼻が効かないのと俺がデドルディア族で鼻がアドルディア族より効かない事が原因であった。言い訳になるが、村の生活で少し平和呆けをしてしまっていたのだろう。ギュエスは気づいていたらしく、なんかむかついたので最近作った必殺技で医者の世話にしてやった。

 

 翌日、噂を広めた奴をギュエスと真剣を持って囲む。

 

 いきなり、剣を持った偉丈夫と、何しでかすかわからない村の変わり者のチビが剣を持って囲むのだ。そいつはもう涙目、女の子だが、即座に腹を見せた土下座をして、ふざけた事を抜かした。

 

 「ご、ごめんなさい!ふたりの逢瀬を邪魔するつもりはなかったの…!」

 

 はあっ…!?

 

 落ち着け俺はSランク冒険者…

 

 そしてドルディアの戦士だ。怒ってはダメだ。冷静になるんだ。ギュユスナ。

 

 チラッと、ギュエスを見る。固まってる…情報の刺激が強すぎたんだ。

 

 頼りにならない弟子を、尻目に練習用の真剣を納め、魔剣を抜く。

 

 「辞世の句を詠め…」

 

 そこから話は早かった。獣族に辞世の句と言う概念はないが、危険を察知したらしいくあれこれしゃべくり出した。

 

 どうやらこいつは、俺たちをホモに仕立て上げる事だけが目的の、腐のモノではなく、剣の技を盗みたくて覗き見をしていたが、俺が弟子を押し倒した時に偶然きて恋愛関係だと勘違いして混乱して、言いふらしたらしい。

 

 有罪。

 

 

 本気でヤリそうになったところを流石にギュエスに止められた。青筋を立て正気を失った状態で十全に力を振るえない俺と、責任感が強く俺には勝てないにしろ村での偉い役職である戦士長に最も近いとされている奴だ。流石に抑えられた。

 

 村の連中やら族長やら、父が来た時は、満身創痍のギュエスが唸り声を上げる俺を抑え込み、そばには涙目だけどどこか興奮した面持ちで、押さえつけられる俺とその上に被さる押さえつけたギュエスを眺める少女と言う。一見では全く分からない状況になっていた。

 

 事情はギュエスが、説明してくれた。なんと頼れる奴なんだろうか。ギレーヌが悪いとはいえ、ギレーヌに愛想尽かしたとは思えないほどの兄貴分感が必死に説明している背中から感じ取れた。

 

 事情を察した偉いケモ耳連合は、瞬間的に呆れ顔になり、俺たち2人と腐のモノ一匹に少しの間の謹慎を命じた。

 

 

 

 

 同じ謹慎部屋にいたギュエスが何を思ったか突然話してくれた。

 

 ギレーヌに兄貴として何も出来なかった自分を恥じている事、また会える機会があればギレーヌに謝りたい事、そう思えたのは俺がいたからだ感謝したいと言う事。

 

 それを聞いた、俺は彼に誓った。

 

 必ずギレーヌをこの村に連れ帰り、ギュエスと再会させる。ギレーヌへの刑罰を取り消しにさせて、俺、ギレーヌ、ギュエス、それとこの村のみんなで穏やかに暮らすのだと、そう誓った。

 

 

 出ていきたい、そう思ったのに少し経てば、必ず帰ってきたいと思う場所。

 

 俺はこの日から故郷が、胸を張って大森林のこの村のだと言えるようになった。俺は、日本人の○○○○ではなく、デドルディア族のギュユスナだ。

 

 

 

 村を出る決意、ギレーヌを連れ帰る誓い、最強になるという想い。次の旅はいい旅になる。そんな予感がしてきた。

 

 

 

 謹慎明け。雨季は終わっていた。旅立ちの季節だ。

 

 見送りが以前より増えていた。村のみんな、父、母、妹、弟、ギュエス、族長、etc.

 

 持ち帰った選りすぐりの魔物素材で、母が作った服を身につけて、父がくれた御守りを持って、ギュエスがくれた想いと眼差しを忘れる事なく、俺は二度目の旅立ちを終えて、旅を始めた。

 

 

 名残惜しさもそこそこに、勘を取り戻す様に歩を進める。聖剣街道を数日歩いていると、聖剣街道の異常さが分かってきた。魔物が出ないのだ。これじゃあ修行にならないし大森林にはギレーヌはいないと思うし、寄り道する事なく聖剣街道を走る事にした。

 

 走り出して1日、魔物が出ないので食べるものに苦労したが、やっと青竜山脈が見えてきた。青竜山脈近くには炭鉱族の部落が沢山あるが、ギレーヌはそこにいないだろうと思い、寄り道することは無かった。青竜山脈といえばブルードラゴンだが子育ての時期にしかおらず、しかも10年に一度しか子育ての時期が来ないらしいので、見ることは出来なかった。少し残念に思いながらもブルードラゴンがいないと山しかない青竜山脈を走って抜けた。あいにく俺は山があるからと言って無条件で登る男ではないのだ。

 

 足早に聖剣街道を走って青竜山脈を直ぐに抜けると、ミリス神聖国の関門を御印籠ならぬSランク冒険者カードを掲げて突破し、ミリス神聖国首都ミリシオンについた。ミリシオンは7本の魔術塔が有名で、あれがあるおかげで雨季でもここはなんともないんだとか、羨ましい。そしてここには冒険者ギルドの総本山があるのだ。そしてそのおかげで、冒険者の依頼料が高いので、オデ、エス、ランク、オカネ、モウカル。そう俺はここでギレーヌを捜しながら、資金を貯める予定なのだ。

 

 本家大元総本山の冒険者ギルドに入ると、注目とざわめきが湧き起こる。どこからともなく、迷宮狂いと呼ぶ声や大蛮族と呼ぶ声が聞こえてくる。迷宮狂いの声だけに返答をしながら、心の中であの吟遊詩人の腕前を褒め称えた。

 

 Sランクの討伐依頼を受けまくり、速攻でこなす。

 

 Sランクの特権をフルに使い手に入れた宿で一休みをしギルド3階にあるレストランでテイクアウトした食べ物を食べる。前世より久しく忘れていたサービス業にかまけることへの心地よさに酔いしれながら、1日目が終わった。

 

 グッモーニン!以前の俺ならミリシオンに住むと言い張って帰らない様な贅沢を味わったが、今の俺は決意の男。ギレーヌを連れ帰るまでは、嘘でもそう言うことは言わないのだ。

 

 二日酔いのままギルドへ向かい、依頼を受けて、速攻でこなして報酬を受け取って夜になっていたので宿へ行って寝た。

 

 そんな生活を続けて4日目、今日もまた依頼をこなすだけの日々が始まるお。と早速冒険者ギルドへ向かいついたのだが、受付の人の様子が気に掛かった。とりあえずは、受付に行かなくては始まらないので話しかける。

 

 「Sランク依頼の討伐依頼を大量によこせにゃ。」

 

 「大変申し訳ありませんが、Sランクの討伐依頼はございません。」

 

 「エ。」

 

 「…」

 

 「そ、それじゃあAランクの討伐依頼を…」

 

 「大変申し訳ございませんが、他の冒険者の依頼が無くなってしまうので大量に依頼をお受けになる際は、貴方様の冒険者ランクと同等のものでないと厳しいですね。」

 

 「エ、えっと聞いたことないんですけどにゃ、そんなルール。」

 

 「この冊子の冒険者ギルドサービス内容の欄をご覧下さい。ここに『世界情勢の変化で、通知することなくサービス内容が変更されるものとする。』と、書いてありますでしょう?さらにこのランクの欄では、『原則として、自分のランクの上下1つ以内の依頼までしか請けることはできない。』ありますが、これは高ランク冒険者が低ランク冒険者の仕事を奪ってしまう事を危惧した内容となっております。そして踏まえ、先日ギルド上層部の評議によりそのランクの依頼が無くなってしまうほど大量に依頼をお受けになられます際には、冒険者様のランクと同等だけの依頼をお受けできることと、ルールが改正されました。大変申し訳ありませんが、ご了承ください」

 

 「エ!あ、はいにゃ…」

 

 これじゃあお金貯めれないじゃん…

 

 慣れない護衛などのSランク依頼をこなす様になった。Sランクともなると護衛するのは、要人ばかりで気が滅入ってきた。しかもこのミリス神聖国では、人族の至上主義的な考えもあるらしく、偉い奴ほど獣族である俺に、思うところのある奴が多くて、仕事に在り付けない日も増えて、収支はギリ黒字だけど今にも、真っ赤になってしまうと分かった。高い宿屋は解約した。Aランクの依頼も大量と受け取られない程度にやっている物のその程度なので、お金が貯めづらくなっていた。

 

 それに、Sランク冒険者の特権をフルに使ってお金を貯めるだけ貯めて使わないことによって経済が回らないから、浪費しろとか言う。ミリスのエセインテリ層にまで睨まれ出したので、そろそろミリスを出る事にした。

 

 旅費には十分足りる量なので資金の半分を信頼できる冒険者仲間に高い依頼料を払って、父母に仕送りするとに決めて、名残惜しさも感じながらミリシオンを後にした。

 

 

 

 資金が有り余っているため、高い軍馬を二頭買ったのだが、これが早い事早い事。危ないのでしないが、時速130㌖で巡行できるほどだった。さすがはファンタジー世界と思いながらも、何か理由があると考えて、街道では馬の観察ばかりしていた。

 

 そして気づいたのだ。この馬と俺は同じことをしていたと、闘気とかオーラと言うべきか。何かを纏って体を強化しているのだ。無意識に俺もやっていたが、この馬も無意識か意識的にか、闘気を纏っているのだ。

 

 結果から言うと俺は最強に近づいた。先生である馬から闘気の効率的かつ有効的に纏い方を学び、ただの皮膚でもSランクドラゴンが如き防御力を手に入れれた。もう一度言う俺は最強に近づいた。

 

 嬉しさにはしゃぎ回る日が続いてふと、恩人?恩馬である二頭に恩返しがしたくなった。名前をつけてやるのだ。

 

 栗毛の方をクリボー、芦毛の方を風雲丸とした。転生者がいたら完璧に俺が転生者だとわかるネーミングだ。多分この世界の人には奇妙な名前になると思うので、口外はあまりしない様にしよう。後クリボーは頭から踏みつけない様にしよう。

 

 

 

 そんな他愛ないような事をしながら旅を続けて、武者修行者を三十人抜きした頃に、街道沿いの街を数十ヶ所通り過ぎた頃に、ウェストポートについた。

 

 これで大きな港を見るのは3回目だ。どこの港町も似ている様で明らかに違っていて面白く、街を入る前に高台から物色する癖がついてしまったほどだ。魔大陸で初めての街で不審者に間違えられたと言うこともあるので、怪しい行動に見えない様に街を物色するのに慣れてしまったのは誇るべきか恥じるべきか。

 

 魔族が大量の運賃を取られているのを尻目に、値段交渉に入った。ロキシーの交渉術を真似した結果か、人族の運賃よりは高いものの獣族にしては安い値段で渡航用の船を確保できた。Sランク冒険者の御意向ではなく俺の交渉術のおかげと思いたい。

 

 魔族差別を見てうんざりしながら、裏路地にあった居酒屋で飯を食っていると、イーストポートからきたらしき武装した男が、とある噂話をしていた。居酒屋の喧騒により良くは聞き取れなかったが、要約すると、アスラ王国の大貴族であるグレイラット家は獣族狂いで獣族を使用人に集めたり、奴隷として高値で買ってくれるお人、などとくっちゃべっていた。この言い分だと何人かすでに攫ってそのグレイラット家に奴隷を売っているだろう。

 

 その男を裏でボコボコにのし尋問しながら、考える。ギレーヌは簡単には死なないと信じているが、雨季の厳重な警備から食糧を盗み出した彼女の盗みテクなら食べ物を盗んだりして生き残ってくれると信じているが、あの剣士はいい奴だったのでギレーヌを任せたが。ギレーヌは奴隷になっているかもしれない。

 

 今世で、初めての友達のギレーヌがだ。思わず男を踏みつけた足に力が入る。

 

 これは、かもしれないの話だ。ギレーヌは無事だ。そう考える事にした。ギレーヌは言葉が解らず、文字も読めないので、探す方法は草の根運動と、ギレーヌは悪目立ちを利用して、ギレーヌに近づくと噂は必ず耳に入ると思っていたが、奴隷として室内に閉じ込められていたら…

 

 

 ブチッ。

 

 何かが切れる音が聞こえた。自分からだ。

 

 許すマジ。

 

 男から聴いた。アスラ貴族、ボレアス・グレイラット家、名前を覚えたぞ。

 

 出会った時、それが貴様らの命日だ。

 

 男を街の番兵へと、Sランクの冒険者表を見せながら犯罪を働いたと引き渡し、宿屋に戻って寝た。

 

 

 ウェストポートの冒険者ギルドで依頼をこなしていると、出航日まではあっという間に感じた。

 

 

 ミリス大陸とはこれで二度目のお別れだ。

 

 恙無く航海が終わった。遭難も含めて三度目だ。勝手が分かって船を手伝ったり、魔物を退治したりしていて、軍馬なんて手間のかかる荷物を積んだ客だったが、船長とは仲良くなれたと思う。こう言う一期一会は楽しいなと思いながら、イーストポート、中央大陸についた。

 

 今までの経験を元に、ここの大陸にギレーヌがいる可能性が高いと俺は睨んでいた。人族が幅を利かせている大陸だし、あの旅の剣士は中央大陸出身だと言うじゃないか。大体村に来る剣士は魔大陸側へ行くので、最強への修行も理由に魔大陸へ行ったが、こちらに帰る途中だったのかもしれない。それに、魔大陸は物価が安くて奴隷が入ってこないからな。

 

 あぁ…ギレーヌぅ…

 

 イーストポートについたものの、恒例の港町街物色はせずに冒険者ギルドへ直行して討伐依頼を受けまくった。戦いの瞬間、俺は最強だけを考える事にしていた。しかし今日は頭によぎるのはギレーヌの事ばかりだった。気を紛らわせようとクリボーや風雲丸に乗って魔物とアクロバットに戦ってみるもダメだった。

 

 迷宮に入って踏破しても、晴れないこの思い、視界が灰色になった様だった。

 

 ギレーヌはどこにいるのだろうか。俺はギレーヌを助けられるのだろうか。そんな不安をよそに、日は暮れ、人の営みは真綿の様に続いていた。

 

 

 翌日、不安は消えないが、食べて寝たら少し元気が出た。くよくよしても始まらない。とは前世ではよく言われていた言葉だ。月並みの言葉だが、それでいいコツコツと積み上げていくのだ。早速イーストポートを出て王竜王国首都へ向かった。

 

 

 

 イーストポートと王竜王国首都は案外近くクリボーと風雲丸にはないも同然の距離だった。ここでの資金集めは順調だったミリシオン程ではなかったが働けば普通に金が集まった。

 

 王竜王国でも、俺の勇名は少しは轟いているらしくたまに、迷宮狂いだ!と叫ばれた。そしてごく稀に大蛮族とも呼ばれた。あの吟遊詩人の底知れなさに恐怖を感じながら、働いていると、王竜王国の役人から士官しないかと誘いが来た。

 

 こんなこともあるのかと驚いたが、俺はギレーヌを探さねばならないので、断っておいた。考えてみると今まで士官の誘いが来なかった理由がわかった。

 

 魔大陸では危険人物。ミリス神聖国だと人間至上主義。しかし王竜王国ではどちらとも違うし、紛争地域に属国が面しているし戦力を欲している。なるほど物事には理由があるのだなと、当たり前の事に感心してしまった。母のスパルタ教育の内容がうろ覚えになって来ているのだろうか、自主的に勉強をしよう。

 

 王竜王国には獣族を好き好んで奴隷にすると言う人物の話をちっとも聞かないし、悪名轟く獣族もいない様なので出る事に決めた。

 

 王竜王国を抜けるとそこは、紛争地帯だ。そこにはいろんな情報や人が集まるだろう。風雲丸に跨り、クリボーを連れて国境を目指した。

改行についてのアンケートです。読みやすい方に変えようかなって思ってます。

  • 一話二話の様な改行がいい。
  • 三話四話の様な改行がいい。
  • どちらの改行も見づらい。
  • どちらの改行でも良い。
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