ドルディアに生まれた転生者   作:キ65

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朝起きて小説情報を見て、
下がっていく一方だと思っていた平均評価が、
平均評価6だったのにいきなり平均評価が8まで上がってさらに、
評価者数も跳ね上がって死ぬほどびっくりしています…

こんなに多くの方々が続きを読みたいと思って下さっておられるとは、
夢にも思っていませんでした。

ご期待に添える様に無理ない程度で、
これからも不定期ですが更新を続けていこうと思います。

ありがとうございます!


水聖級魔術とペルギウスと災害と不死魔王と怒りと捜索と決意とデッドエンドと勘違いと疫病神と再会と始まり

 

 

 あと残り少ない虎の子の魔道具を、ルーデウスにプレゼントとして魔道具の性能を言いながら渡したところルーデウスはとても喜んでくれた。

 

 そのあとはギレーヌが媚薬の箱をどうしようか迷っているところに、ツカツカと歩み寄り箱を破壊した。

 

 ルーデウスは驚いたが、周りが目を逸らしているのを見て、気にするのをやめたみたいだ。

 

 

 その後は、サウロスやヒルダが帰って来て。館の人間全員でのパーティが行われた。

 

 誰もが食べ物をたらふく食べて、眠くなって来たところ自然解散の形をとって波乱に満ちたパーティが終わった。

 

 眠そうになりながらも、片付けの職務を全うする。メイドさんを手伝いながら、今日を終えた。

 

 

 

 

 翌日、新たな杖を使った。ルーデウスの水聖級魔術が見られると言うので、ギレーヌについて行った。

 

 いつもより調子の悪い魔道具コレクションを、手入れしながらクリボーや風雲丸にも見学させてやろうと連れて来た。

 

 一緒に来ていたエリスをクリボーに乗せて俺は、歩いてルーデウスとギレーヌを追った。

 

 目的の、街に影響を及ぼさないギリギリの範囲で、ルーデウスが言葉でエリスを賑やかし詠唱を始めた時、空で異変が起こった。

 

 

 空が変色しているのだ。紫と茶色が混ざったかの様な、空に一同は空を凝視した。

 

 ギレーヌも眼帯を外して分析している。

 

 この空の異変は魔力が原因となり引き起こしているとギレーヌは言った。そして街が魔力の中心となっているそうだ。

 

 フィリップやヒルダやサウロスと街の人々の事を考え一刻も早く、避難を呼び掛けようと風雲丸に飛び乗った瞬間。

 

 ギレーヌが叫ぶ。

 

 「ルーデウス!伏せろ!」

 

 ルーデウスの頭上を剣が通り過ぎる。

 

 不意打ちだ。

 

 

 ギレーヌが即座に斬りかかる。

 

 しかし、そいつはいまだ健在だ。ギレーヌの神速の太刀を躱した。

 

 奴の警戒度をマックスにまであげて、戦いはギレーヌに任せて、ルーデウスとエリスを連れて下がる。安全とは言えないが幾分かマシになった。

 

 

 奴とギレーヌが話す。

 

 ルーデウスを狙った不埒者は光輝のアルマンフィと名乗った。

 

 天空城に住むと言われている、ペルギウスの配下の名前だ。

 

 ギレーヌと奴の問答の末、奴は空の異変の原因をルーデウスだと勘違いしているらしい。ギレーヌが剣王の名前とドルディアの名前を使って、奴を説得した。

 

 

 その時だった。気色の悪い色をした空から、一筋の閃光が降りたと思えば一瞬のうちにロアの街を飲み込み、こちらに迫って来た。アルマンフィとやらはいつのまにか消えた。

 

 焼石に水だが、呆然としているエリスと驚愕しているルーデウスをクリボーに乗せて、クリボーと風雲丸を逃げさせる。

 

 

 そして俺はギレーヌだ。

 

 必死にコチラに走り来るギレーヌは「ギュユスナお前はエリスを守れだのルーデウスを助けろ」だの叫んでいたがそんなことは関係ない。

 

 ギレーヌは親友なんだ。欠けてはいけない俺の片割れなのだ。そして俺は全員を助けるのだ。

 

 助けに行こうと、一歩足を踏み出した瞬間ギレーヌは光に飲まれ、次の瞬間には俺も光に飲まれた。

 

 

 

 築き上げた生活は全て夢幻だったかの様に霞と消えた。

 

 

 

 ジェットコースターにのっているかの様な感覚だった。彼方此方にすごいスピードで振り回されて飛ばされている感覚が少し続いた頃、急に止まった。

 

 

 

 いきなりにも、身動きが取れず視界もなく呼吸もできなくなった。

 

 数秒後俺の頭によぎる。

 

 

 *いしのなかにいる*

 

 

 急いで闘気を身体に込めて、おそらく上の方と当たりをつけた方に飛び出る。

 

 ビンゴだ。

 

 異様に硬い黒色の石をかき分けて、首だけ出して周囲を見渡す。

 

 

 飛び出た先で待ち受けていたのは、どこか見覚えのあるコッテコッテの女魔族顔。

 

 「おおお!さすが俺の認めた勇者だ!」

 

 いきなり地面から首を出した俺を、囲む様に立っていた不死魔王アトーフェラトーフェ・ライバックと、その親衛隊が魂消た顔をしていた。

 

 「し、失礼しにゃした…」

 

 

 急いで戻り、地面を掘ってここから脱出しようとするが、残念なことに俺は地中を這いずり回るモグラの獣人に在らず。地上を闊歩する気まぐれでキュートな四足獣の獣人なのだ。

 

 いくら闘気で身体能力を高めていても、クソ硬い岩を素手での穴掘りは限界を迎えて、魔王に引き摺り出された。

 

 子供の頃グリードアイランドの修行も真似すればよかったなと思いつつも、魔王と相対する。

 

 「ふっふっふ、魔王よ俺は貴様の助力を得に来たのだ…」

 

 震え声で苦し紛れのカッコ付けの言葉が意外なことに彼女に刺さった。

 

 「そうであったか!お前は勇者だ!なんでも望みを言え!!」

 

 目をキラキラさせて言う彼女に若干引きながら、親衛隊の反応を見る。

 

 そいつらは、魔王が俺のことを覚えていたことに、腰を抜かすほど驚愕をしているみたいだ。

 

 なんで?

 

 

 

 

 魔王とは辻斬りを仕掛けた間柄だったが、意外と仲良くなれた。バカで会話をしても理解が追いつかない魔王だったが、子供を相手にしていると考えると普通に話せた。

 

 意気投合して魔王が開けてくれた酒を呑んでいると、本題を切り出した。

 

 「実はにゃ、魔王」

 

 「なんだ!勇者よ!」

 

 「親衛隊少し貸してくんにゃいかにゃ?」

 

 「いいぞ!ちゃんと返せよ!」

 

 「わかったにゃ。」

 

 こいつは信じられないほどのバカなので、ギレーヌやルーデウスとエリスそれとフィットア領の事や空の異変のことを話すと、頭がパンクして怒って殺し合いになるに違いないだろうから、単純な言葉で助力を頼む。

 

 簡単に俺に貸されて、しょぼくれた後ろ姿を見せる親衛隊に同情しながら、城を足早に出た。

 

 こんなところに居られるか!俺は抜けさせてもらう!

 

 

 親衛隊はあくまでも、不死魔王に忠誠を誓っているらしく、魔王が命令すると直ぐに戻るらしい。しかし今は俺から戻れと命令されない以上戻らない戻れないらしく、意外と従順について来てくれた。

 

 その事を親衛隊の一人に話すと、今すぐ戻りたい奴と、このまま逃げ出したい奴が居るみたいだ。

 

 よくわからないので詳しく聞いてみると、親衛隊は十年に一度で二年の休暇を与えられるみたいだ。不死魔族としては問題ないのだが、親衛隊には騙されて入った人族もいるらしい。

 

 うわぁ…

 

 外人部隊の書類に騙されてサインした風間真みたいだ。休暇を与えられるだけ彼よりマシだとは思うがこれは酷い。

 

 

 

 不死魔族で魔王の元に進んで働いている奴を返して、帰りたい親衛隊でルーデウスとエリスとギレーヌとetcの捜索をすることとなった。

 

 彼らは俺が、帰りたい奴は解放すると知って士気が上がったように思えたのだが、翌日には全員逃げていた。

 

 

 全員逃げていた。

 

 

 気持ちもわかるが、

 

 魔王は、俺が逃したと思うだろうな…

 

 

 

 怒りと達観の気持ちを切り替えて、みんなを探す計画を練ろうとする。

 

 俺が魔大陸に飛ばされたのだから、他の皆も飛ばされたと考える方が自然だろう。まして、あの光はロアの街を飲み込んで俺たちの元に来たのだ。フィリップやヒルダさん、サウロスだって飛ばされてしまっているだろう。

 

 

 

 

 なんか冷静に考えるとなると、段々ムカついてきた。

 

 俺が何をしたって言うんだ。

 

 唐突にルーデウスの誕生日を祝って楽しかった時に、水を差すように意味のわからない事件?事故?が起きて、自分の娘の様にも思っていたエリスや、せっかく世界中を旅して再開したギレーヌとも無理矢理に離されて、せっかく仲良くなったルーデウスや友達のフィリップとヒルダ、サウロスの安否が不明?

 

 そして挙げ句の果てには*いしのなかにいる*だ!

 

 助力を得たと思いきや逃げられるしィ!

 

 この世界は蘇生呪文なんて無いんだよ!

 

 ささやき - いのり - えいしょう - ねんじろ!なんてやっても10割灰になるわ!

 

 

 「ああああ!クソにゃぁあああぁあッ!!!!!!」

 

 

 そんなふうに大声をあげるとやってくる。魔大陸の懐かしい魔物達。

 

 魔大陸の旅終盤にはうざったいと思っていたが、この時だけはありがたかった。

 

 

 

 

 

 また大きな背嚢を作って、街に向かう。

 

 みんなを探すために魔大陸を巡ると決めたのだ。

 

 魔大陸は俺にとってホームグラウンドと言ってもいい。少年期と青年期の間を過ごした魔大陸を行く歩幅は、次第に大きくなっていった。

 

 あまり変わっていない町々を、魔大陸の隅であるリカリスの街を目指して渡り歩く。

 

 

 空から人が降ってきた話や、フィットア領からの転移者をたまに見つけるごとに、心配は募っていく。

 

 

 フィットア領の転移者に旅費を渡していると、持ち金が減っていくので冒険者の活動を再開すると、昔の俺の所業を知る連中が騒ぎ始めた。

 

 となると俺を知らない新しい世代が、俺は何者なんだと気になり出して絡んでくるのだ。

 

 あるものは武名を上げるために、あるものは確かめるために、そいつらを軒並み下していると、かつての情熱が湧き上がってきた。

 

 

 

 最強への情熱だ。

 

 俺は陽だまりでぬるま湯の様な生活を送り、牙が取れかかっていたのかもしれない。その証拠に、ふざけた逆らえない大きな力に蹂躙されてしまったでは無いか。

 

 前世の様に、法律や暗黙の了解に縛られて、その法律や暗黙の了解に幼子の様に守られる。

 

 それはもう飽きて、この世界に生まれて落ちた時に誓ったでは無いか。

 

 

 最強へなると、他の凡ゆる物から抜きん出て、上から叩けぬほどの杭になると!

 

 

 あの時は、ギレーヌの捜索と最強。

 

 今は、みんなの捜索と最強。

 

 

 奇しくもかつてと同じ様な、決意を元にリカリスへ直行するのだった。

 

 

 

 

 

 そしてかつての様に魔物をボコボコにしていると、かつての知り合い冒険者も会いきてくれる様になった。

 

 旧交をあたためていると、最強を目指しているなど話の流れで、ある事を聞いた今目指している。

 

 リカリスの街があるビエゴヤ地方に出ると言うのだ。

 

 ロキシーとの初対面の時ロキシーが言っていて、とても印象残ったあの、スペルド族のデッドエンドが出るらしいのだ。

 

 

 

 かつてロキシーに俺の大蛮族の噂と引き合いに出された、デッドエンドのことは気になっていたが、会いに行こうと思うほどではなかった。

 

 けれどタイミングが、良かったのか悪かったのか。

 

 今、俺はデッドエンド出会ったら最後殺されてしまうと言う、男に興味があった。

 

 最強を目指すと再度決意した。俺にはちょうどいい壁だと思ってしまったのだ。

 

 

 

 話は変わるが、俺を知る知り合いには、往々として性格を熱しやすく冷めやすい男だと評価された。変化系かな?

 

 言い訳をさせてもらうと、「ギレーヌを8年間探したじゃ無いか」と言えるのだが、少し考えるとそれは事実だと思う。

 

 最強を目指したかと思ったら、平穏を望み。ギュエスにギレーヌを探し出して連れ帰る誓ったら、連れ帰らずに一緒に旅をするし、側から見ると一時期の感情に振り回されるバカだったに違いない。

 

 

 これも最強になりたいと言う感情へ振り回された結果だった。結論から言うと俺は考えなしで感情で行動するただのバカだった。

 

 

 

 俺がリカリスの街に着いた時、事件は起こっていたのだ。

 

 街を慌ただしく走り回る兵士に話を聞いたところ、街で悪さをしようとしたデッドエンドが街に出て今は逃亡中だと言うのだ。

 

 兵士に大体の方向を聞き、俺は急いで踵を返す。

 

 

 幸か不幸か、デッドエンドは直ぐに見つかった。

 

 緑色の髪、額の赤い宝石、顔の傷。間違いなくデッドエンドだった。

 

 強い、ギレーヌより一回り強そうだ。

 

 デッドエンドは気づいているのか、こちらを見た。

 

 「出て来い。」

 

 気づいていたらしい。正体を隠す魔道具の外套を被っていたにも関わらず、俺を向いてそういった。

 

 とりあえずは姿を現す。

 

 「獣族の子供…?いや、噂に聞いた大蛮族ギュユスナ・デドルディアだな。」

 

 獣神語で語りかける様に俺にそういうデッドエンドに魔神語で返す。

 

 「いかにも、俺が大蛮族だ。街の兵士から聞いたぞデッドエンド。子供を騙し悪事を企んだそうじゃにゃいか…」

 

 その問いにはデッドエンドは答えなかった。

 

 「問答無用というわけかにゃ!その素っ首叩き落とす!」

 

 

 戦闘は俺の有利で進んだ。

 

 これは地力の差だろう。巧みな視線誘導、経験から基づく予測、槍捌き、どれをとっても一角のものだった。

 

 さすがデッドエンドとは言われたものだ。

 

 並大抵の相手では、敵対した時点で地に臥すだろう。

 

 しかし俺の前では、意味がない。

 

 俺の持ち味は、トリッキーな動きとそれからは想像できないほどの、防御力と攻撃力だ。幼い頃から練り上げ、自覚してからはさらに練り上げた闘気がその地力が、他者の追随を許さない圧倒的な力を手にさせた。

 

 

 デッドエンドはその技量で、拮抗を保っているがいずれ、俺にすり潰されるだろう。

 

 

 俺の感情は、最高潮にまで昂っていた。

 

 その時だけは、全てを忘れていただろう。戦う理由も全て。

 

 

 

 その時だった。俺の猫耳が風切り音を捉え、反射的に俺をしゃがませた。

 

 

 巨大な質量を持った存在が、頭上スレスレを飛んで行くのがわかる。

 

 その隙をデッドエンドが逃す訳もなく、追撃を入れられて傷を負った。

 

 デッドエンドに注意を外さずに、俺を狙った下手人を確認する前にまた何個もさっきのやつが飛んできた。

 

 完璧な奇襲でも避けられた攻撃など喰らうはずもなく、それを機にデッドエンドから距離を取った。

 

 「嘘だろォ!? …ルイジェルドさん助けに来ました!」

 

 「ルーデウス!お前の勝てる相手ではないッ!エリスを連れて逃げろォ!!」

 

 エ。

 

 「いいえ逃げません!僕は…俺は、ルイジェルドさんあなたにまだ、謝っていない!」

 

 そうルーデウスは言うと、大量の魔術を飛ばして来た。当たったら死ぬ様な高威力のものを大量に飛ばしてきたのだ。

 

 難なく避けるが、ショックだった。

 

 仲の良かった友達がいきなり裏切ったかの様に感じられた。

 

 

 『そしてデッドエンドに簡単に見破られたせいか、俺は正体を隠す魔道具を身につけていた事を忘れていたのだ。』

 

 

 しかし、致命的な勘違いに気づかなかった俺は、ピースが一欠片でも無くなったジグソーパズルは絶対に完成しない様に、俺の推理は明後日の方向へ向かって行った。

 

 

 ショックを受けた頭で、ルーデウスとエリスがなぜ、デッドエンドと仲が良さそうなのか戦いながら考える。

 

 そしてなぜ俺に対話ではなく、攻撃を仕掛けるのだろうか。

 

 その状況と、町々で聞いた子供ばかり狙うと言う、デッドエンドの噂。

 

 そして兵士に聞いた、子供を騙して悪さを働こうとしたと言う話。

 

 全てが繋がった。

 

 デッドエンドは、あの事件で飛ばされて弱ったエリスとルーデウスを、魔族が持つと言う固有魔術で操っているのだと、俺は理解した。

 

 お誂え向きにも、分かりやすい催眠光線を放ちそうなものが、額の赤い宝石があった。

 

 あれを壊すと催眠が解けるだろうと考えた俺はいっそう攻撃の手を強めた。

 

 

 

 その数分後、俺の目の前には、血みどろになって倒れるデッドエンドと、怯えた様に離れた位置でこちらを睨むルーデウスとエリスだった。

 

 

 

 

 その洗脳された姿に痛ましさを感じながら、剣を額に突きつける。

 

 「子供を拐かし洗脳した。デッドエンド。何か言い残す事はあるかにゃ?」

 

 した所業は、まるで悪魔の様だが、デッドエンドが持っていた。武は、感嘆に値するものだった。

 

 「る、ルーデウス。エリスをつれて…に、げろ。」

 

 白々しいやつだ。わかる嘘を吐きやがって。

 

 最初にあった海魚族の様に、最初に会った魔王の様に、紛争地帯で出会った兵士たちの様に、トドメを刺そうとしたら、エリスが攻撃を、ルーデウスが話しかけてきました。

 

 エリスを優しく受け止めて動きを封じる。、一応ルーデウスの言葉に耳を傾ける。

 

 「ま、待ってください!ルイジェルドさんは…む、無実です!子供を拐かして洗脳なんてしてません!何かの間違いです!」

 

 「にゃんだと…?」

 

 「そうです!勘違いなんです!」

 

 「ならば、俺の名前を当ててみるといいにゃ。ルーデウス。当てれたらお前の言い分を信じてもいいにゃ。当てれなかったらお前はコイツに催眠魔術で洗脳されているにゃ。」

 

 推し黙る。ルーデウス。

 

 まるで俺の言っていることがわからない様な顔をしている。

 

 

 やっぱりにゃ。

 

 洗脳されているルーデウスに憐れみの視線を向けて。

 

 

 デッドエンドにトドメを刺そうとする。

 

 すると、この間に少し回復したのか、デッドエンドが喋り出した。

 

 「大蛮族ギュユスナ・デドルディア、俺の命はどうなっても良い…この子達を、ルーデウスとエリスを故郷に送り届けてやってくれ…」

 

 ん?

 

 明らかに、洗脳した人間の言うことじゃないな…

 

 「ギュユスナ!?ギュユスナなんですか!?」

 

 ルーデウスが叫び、エリスが驚愕を顔に顕にする。

 

 「待ってくださいギュユスナ、直ぐに気づかなかった事は謝ります。ルイジェルドさんは敵じゃないです!そしてルイジェルドさんはスペルド族で催眠魔術なんて使えません!それとギュユスナよしんば俺たちに魔術が掛けられていたとしても、ルイジェルドさんはやってません。」

 

 「ギュユスナ!ルイジェルドは敵じゃないわ!」

 

 流石に気づいた。俺は勘違いをしていたのだ。

 

 気づいた時には時すでに遅し、俺はまた過ちを繰り返したのだ。

 

 

 わかったつもりになって突っ走って、一人で失敗して後悔する。

 

 いつものパターンだ。

 

 いつ俺は学習するのだろうか。

 

 この事を省みよう。

 

 

 俺は自分が着た装備の能力すら忘れる間抜けだという事と、誰かと再会するときは大抵の場合勘違いと戦いを巻き起こす疫病神だと自覚したところで、エリスとルーデウスとは再開できた。

 

 

 

 デッドエンド改め、ルイジェルドに土下座をした。

 

 半殺しにした事を、ルイジェルドはあれは不幸な勘違いで起こった事故でそれに過ぎたことだとお咎め無しで許してくれた。

 

 ぐう聖かよ。

 

 ルイジェルドと話してみると、直ぐにわかった。俺はこんないい奴をどうやったら、極悪人だと思えてしまったのだろうか。

 

 そして、見ず知らずの子供を故郷に送り届けるために、世界の端から端までついていこうとする。正義漢である事も知った。

 

 

 俺とルイジェルドが意気投合して仲良く話していると、ルーデウスとエリスに二人揃って微妙な表情をされた。

 

 

 

 話し合いの時間は若干の確執を流し去り、元々仲が良かったという事で、ルーデウスとエリスとは以前の様に戻れた。

 

 ルイジェルドは俺に負けて刺激を感じたのか、エリスへ剣を教える傍ら、俺の剣の対戦相手に付き合ってくれる様になった。ルイジェルドもかつて最強を目指していた頃もあるらしいのだ。

 

 さらに親しみをルイジェルドに感じながらも、翌日いきなりスキンヘッドにしたルイジェルドに恐怖しながら、誤解はあったがエリスとルーデウスと再会できた。

 

 後はギレーヌとフィリップとヒルダとサウロスと館のみんなだけだ。

 

 やる気に満ち溢れるのを感じて、次の街へと歩みを皆で進めた。

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