自分は幸せになってはいけないと思い込んでるアイドルvsなんとか普通の幸せを与えようとしてくる事務所のみんな 作:エンゼ
異論は認める。
気が付いたとき、最初わたしの目に入ってきたのは知らない天井だった。
いつの間にかわたしは眠っていたみたい。いつから、どうして眠ってしまったのかは覚えていない。だけど多分、あの後一人で歩き回って疲れたから身体が勝手に眠ってしまったのかな。
でもだとしたら、外で眠ってるはず。でもここはどこかの建物みたい。ちょっと古っぽくて、でも温かい感じの部屋。ベッドもふかふかしてて、気持ちいい。ここは一体、どこなんだろう。
「──おや、起きられましたか」
突然、部屋に声が響く。咄嗟に振り向くと、教会の服を着た……シスターさん? がいた。
あれ、でもなんか見覚えがあるような気がする。えっと、確かこの人は……。
「……くらりす、さん?」
「あら、知っていてくださっているんですね。ありがとうございます、守谷桜子さん」
合ってた。うん、クラリスさんだ。同じ事務所の先輩アイドルの。挨拶の時に一言二言交わしたくらいで、こうしてちゃんと話すのは初めてかもしれない。
「……あの、ここは」
「はい。ここはわたしが普段通わせていただいている教会の休憩室です。ここしかありませんでしたので……」
「あぁいえ、別にここが悪いとかそういう意味じゃなくて。ただ、ここがどこだか知りたかっただけで」
「そうでしたか。失礼しました」
凄く丁寧な方だ。格好からも、多分この人は本物のシスターさん。シスターさんは皆を同じくらい大切に思うような人だったはず。
「では、一旦失礼しますね。何かあったら呼んでください。聞こえる場所にいますから」
クラリスさんが部屋から出ていく。最後の声まで優しかった。きっと、これを誰にでもやってるんだろう。
……だから、価値がなくなったわたしにも、こうして優しくしてくれるんだ。
段々と、思考が冴えていく。自分がどうなってしまったのかを、ようやく理解させられた。
──あぁそっか、もうわたしにはなにもないんだ。
いじめられない。もやもやが貯められない。そんなわたしに、どんな価値があるっていうんだろう。
もうアイドルには戻れない。価値が消えてしまったんだから。提供できる価値なんかないから。
「……」
これからどうしよう。とりあえずここから出て行かないと。価値がないわたしがいたらダメな場所だ。
その後は──あ、もうどうでもいいや。
価値がないわたしがこうして今生きてること自体がおかしいんだ。ここを出て行って、死んじゃったとしても誰も驚かないし、誰も迷惑しない。怖いけど、それで死んじゃうのは仕方ないことだから。
まずは人がいないところにいかないと。価値がないわたしは人と接しちゃダメだろうから。
なら樹海ってところに行こうかな。そうすれば誰とも会わないだろうし、もしかしたらそのまま死ねちゃうかもしれない。うん、きっとこの世界のためにもそうしたほうがいい。
よし、それなら早速──と、動き出そうとした瞬間。
ぐぅー
……そういえば、朝ごはん食べてから結構時間経ってるような。
時計を見ると、お昼はとっくに過ぎていた。もうそんなに時間が経ってたのかと考えた時、部屋の戸がノックされた。
「桜子さん、クラリスです。今、大丈夫ですか?」
「あ、はい」
「では、失礼します」
再び入室するクラリスさん。その手には……カレーライス?
「桜子さん、お昼ご飯です。余り物で申し訳ないですがどうぞ」
「え、いや大丈夫です! ベッドを貸してもらったのに、その上ご飯までなんて……」
余り物って言ってるけど結構多いように見える。流石にそれを頂くなんて申し訳ない。
「それに、もう価値がないわたしにそこまでしてもらう必要は──」
ぐぅー
わたしの言葉は、二度目のお腹の音でかき消された。
「……」
「……」
漂う沈黙。そして制止している世界。
は、恥ずかしい……! いっぱい食べる子とか思われたりしてるのかな……。
あーもう、いつもお腹なんてあんまり鳴らないのに、なんで今日に限って鳴るのかなぁホントに!
「……是非、召し上がっていただけないですか?」
「……いただきます」
ここで断り続けるには、説得力が無さすぎる。それにお腹空いてたのは事実だし、ここはありがたく受け取ることにした。
「いただきます」
「はい、どうぞ」
手を合わせ食前の挨拶をして、その後スプーンを手に取る。カレーを掬い、一口。
「──おいしい」
「口に合ったようで何よりです」
初めて食べたご飯なのに凄く安心する。カレーだから? でもここまで感じるものなのかな。
なんだろう、プリンやお姉さんのご飯、前に食べた三船さんのご飯と同じ感じ。味は違うのに、同じくらいぽかぽかする。
結構お腹空いてたんだ。自分でも驚くくらいご飯が進む。
「ごちそう、さまでした」
「はい、お粗末様でした」
気がつけば、もう食べ終わっていた。
「お腹、空いておられたのですね」
「っ……」
恥ずかしくなって顔をそらす。
確かにかなりがっついて食べてしまってた。だからそう思われても仕方ないけど……やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
そんなわたしの様子に一回くすりと笑みを浮かべてから、クラリスさんが続けた。
「ではお腹も膨れてきたところで、少しお話しましょうか」
「! ……はい」
ついにきた、核心部分。わたしがなんで倒れてたのかとか、学校はどうしたとか、多くの事を聞かれることになるんだろう。
話の前にご飯をくれたのは、ちゃんと話を最後までさせるためだったのかな。ごはんとかで中断させないために。
まぁ、関係ない。もうわたしには失うものは何もないんだ。ここで何を聞かれてもちゃんと答えよう。もうわたしに価値がないことを知れば、表面上は普通かもだけど内心で失望するだろう。もうそれは仕方ない。
「ここには、神父様が帰られる夜7時まではいてもいいそうです。そしてもし行く当てがなければ、申し訳ないのですがわたしの家に来ていただくか、迎えを呼ばせていただく形になります。よろしいでしょうか?」
「え、あ……え?」
「? どうされました? 何か分からないことがあったら、遠慮なく聞いてくださいね」
驚きに少し固まった。だけど、聞いた。
「……なにも」
「え?」
「なにも、聞かないんですか?」
普通、聞きたくなるはずだ。本来ならわたしみたいな子は学校にいる時間帯。それが外にいて倒れていたらしいのに。
わたしなら絶対聞いてる。わたしみたいな子が倒れてたなんて、何かがあったとしか思えないから。
だからクラリスさんは聞きたいはずだ。なのに、首を振って否と言った。
「今は、大丈夫です」
「今は……?」
「はい。今度落ち着いたときにゆっくり聞かせて頂ければ、それで大丈夫です。無理して言おうとしなくて大丈夫ですよ」
ではまた何かあったら呼んでください、と言い残し食器を持って去っていった。
部屋には、また一人。
「……」
今度、かぁ。それっていつになるんだろう。
クラリスさんはシスターさんで、アイドルでもある。わたしとは違って一人前のアイドルだ。つまりその二つを両立してるってことは忙しいってこと。
わたしはもうすぐアイドルから除籍されちゃうから、事務所でクラリスさんに会うことは出来なくなる。
教会に来るにしても、クラリスさんが来る日や時間帯なんかわからない。
だからきっと、そういう日は一生来ない。
……そっか、わたしの価値がなくなったのはついさっき。だから知らないんだ。アイドルの守谷桜子は死んだんだって。
「あー……」
まぁ、いいか。どうせもう会うことはないだろうし。
とりあえず、ここから出ていかないと。7時までいていいとは言ってたけど、それは申し訳ない。価値のないわたしがここにいていいはずがないから。
身体を動かして、扉のほうへと歩む。ドアノブに手を掛けたとき、向こうから歌声が聞こえてきた。
何人かで、しかもわたしより年下の子どもみたいな歌声。
何をやってるんだろう? そんな興味がわいた。
あまり邪魔をしないように、音を立てないでゆっくりと扉を開けて、その先を見る。
わたしの予想は、一部は当たっていた。だけど、他は外れていたらしい。
扉の先のさらに奥──中庭らしきところに、数人の人影があった。そこには予想していた通り、小学生低学年らしき子たちと、クラリスさんがいた。
「──おや、桜子さん」
わたしに気がついたクラリスさん、こっちに歩いてくる。
「ちょうどよかったです。今あの子達に歌を教えてあげてる時間なんです。良ければ参加していただけないですか?」
「え?」
「桜子さんの歌は、あの子達に良い影響を与えてくれると思うんです。お願い出来ませんか?」
うたを、おしえる? こどもたちに?
「あの、わたし……」
「? どうしました?」
「……わたし、出来ません」
そうだ、無理にきまってる。
だって、教えれることなんてわたしからは何もない。だってこれまでわたしは本能で歌ってきたようなものなんだから。それに──。
「今のわたしじゃ、いつもの歌は歌えません」
今のわたしには価値がない。“守谷桜子“の歌はきっと歌えない。
そんなわたしが、どうやって教えるというんだろう。
「……」
断ったわたしを静かに見つめるクラリスさん。失望、されちゃったかな。
まぁでも遅かれ早かれ失望されたことには変わりない。たまたま早かっただけ。そう思おう。
「……すみません、じゃあわたしはこれで」
「大丈夫ですよ」
「え」
手を引かれる。連れていかれる先は待ってる子どもたち。
この人誰だという警戒や関心の視線を感じる。あれ、思ったより人多いかも……?
困惑している間にも、無情に展開は進んでいく。
「皆さん。こちらはわたしと同じ事務所のアイドル、守谷桜子さんです。今日は特別に来ていただきました」
「よろしくね! 桜子おねーさん!」
「え、ぁはい。よろしくお願いします……」
クラリスさんからの紹介に加え、同じアイドルということもあってか、すごく期待されてる目をほぼ全員から向けられた。そんな時、一人から質問が飛んできた。
「アイドルってことはさ、歌上手いの?」
「えぇっと、その」
「はい、とても上手ですよ。それこそ私よりも」
「く、クラリスさん?!」
答えたのはクラリスさん。……なんでクラリスさん!?
それにさっきわたしいつもみたいには歌えないって言ったよね?! え、わざと? クラリスさんって、結構強引な人……?
「ふーん、じゃあ歌ってみてよ」
「あ、あたしも聞きたい!」
「おれも!」
子どもたちから次々とやってくる歌のリクエスト。だけど今のわたしはそれに答えれない。だって今のわたしはアイドルの守谷桜子ではないから。
目線をクラリスさんにやる。今のわたしじゃ無理だ。どうしたらいいんだと、そんな意味をこめて。
クラリスさんはそれに応えた。あまり、周りに聞こえないようにして。
「桜子さんなら、大丈夫だと思いますよ。しかし気になるようでしたら……敢えていつもとは違うように歌ってみてはいかがでしょう?」
「いつもとは違うように……?」
「はい。先ほど、いつものようには歌えないと言っていましたので、敢えて普段やらないような感じで、普段歌わないような歌を歌ってみてはと思いまして」
普段歌わないような歌、そんな歌い方。
ぱっと思い付いたのは、以前に市原さんと三船さんの前で歌ったあの感じ。確かにあれなら、出来るかもしれない。あれにもやもやは必要なかったから。
だけどあの歌は多分わたしに向いてない。誉められたとはいえ、社交辞令的なあれだろうから。
「はやくー、お歌ききたいー」
この状況では、投げ出すことは出来ない。子どもたちも首を長くしてる。
自信はない。……でもここは、歌えるこれでやるしかない。
目を瞑り、深呼吸。同時に思い出す。さっき食べたカレー、それを食べてる時に感じたぽかぽかを。
「……いきます」
息を深く吸って──歌を紡ぐ。
「──♪」
連鎖的に思い起こす。お姉さんのご飯やあの時の三船さんのご飯、プリンなどのこれまで美味しいと感じてきたご飯たちを。
今まで敢えて避けてきた、この感情。思い出すだけで大丈夫かと思ったけど、案外歌えるものらしい。
「──♫」
……思い出したら食べたくなってきたなぁ。さっきご飯食べたばっかりなのに、またお腹空いてる気がする。
食べるとしたら何がいいかな。豚丼? 素麺? 贅沢にお肉なんかもいいかもしれない。機会があれば、また食べたいなぁ。
「♩──……」
そんな思いを込めた歌も、ここで幕引。ふぅ、と一回息を吐く。慣れないからかな、少しだけ疲れた。
あぁでも……いつもと違う。終わりに感じるこの気持ち。このぽかぽかに似てるこれは何だろう。
『おぉー!!』
「っ……!」
──そうだ忘れてた。そういえば目の前の子たちに向けて歌ってたんだっけ。歌に夢中になってた。
「すげぇ……おねーさんすげぇ!!」
「え、なんでー?! 心があったかくなったー!!」
「こんなのはじめて……!」
きらきらした目を向けて来る子どもたち。……市原さんとおんなじ目だ。
まさか、喜ばれてる? 皆に? どうして? いつもの歌い方をしてないのに。
これはわたしの価値じゃない……はずなのに。
「ねー! もういっかい歌ってよー!」
「ぁ、えっと……」
まさかのアンコール。一応体力的にはいけるとはいえ、慣れないことをしてしまった。だから次もさっきみたいに出来るのかわからない。
途端、クラリスさんが「あら」と今気がついたようにして声を出した。
「もうこんな時間……すみません、今日はここでおしまいにさせてください」
クラリスさんからの終了宣言。子どもたちから不満の声が漏れるけど、クラリスさんの申し訳なさそうな態度が効いたのか、だんだんと納得してくれたみたい。
「さよならー! またお歌聞かせてねー!」
帰宅していく何人かの子どもたちからこのような声を貰う。とりあえず手を振ってさよならのジェスチャーを取っておいた。
……なんか、一瞬だったな。結構濃いことがあったのに、時間にしてみればそんな経ってなかったんだ。
「お疲れ様です。すみませんでした、突然無茶振りをしてしまいまして」
「あ、いえ。なんとかなったので大丈夫です」
無茶振りしてたって自覚あったんだ。だったらわざと? なんでこんなことを……?
「……子どもというのは、素直です。大人のように他人のことを思う子は少なく、基本的に自分の感情に正直なんです」
「……?」
突然語りだすクラリスさん。いきなりどうしたんだろう?
「そんなあの子たちが桜子さんの歌をすごいと、笑顔を浮かべながらそう言ったんです」
「──!」
つまり、嘘じゃないと。あの歌は誉められるものなんだと、そう言うの? 価値を提供したわけじゃないのに?
「先ほど、桜子さんは自分には無理だと、自分には価値がないんだと、そう言っておられましたね」
「……はい」
しかし、とクラリスさんは続ける。
「しかしどうでしょう。あの子達は桜子さんの歌に魅力され、笑顔にすることが出来ました。加えて、いつもの桜子さんではない歌い方で」
「……」
「おそらく、桜子さんのいう『いつもの』と『価値』は同じものでしょう。ですが、それではない別のもので、他の人を魅力することができた。今回これを歌ってくださったということは、以前に他の方に披露してみたりしたのではないでしょうか?」
思い出されるのは、市原さんと三船さん。三船さんは大人だから分からないけど、市原さんはもしかして……?
「桜子さんの言う『価値』。ですがわたしには、あなたの価値はそれだけではないと思うのです」
「……それだけ、じゃない?」
「えぇ。それを私が言うのは簡単ですが、これは桜子さん自身で見付けなくては意味がない」
ですが、と力強く言い放ち、さらに続ける。
「断言します。桜子さん、あなたに価値がないことはあり得ません。現にあなたが価値ではないと思っていたやり方で、あの子達や……私自身も虜にしました」
「!」
クラリスさんも、わたしのあの歌を良いと思ってくれたんだ。
……これも、わたしの価値なのかな。もしかして、こういうのがいっぱいあるのかな。
「自信を持ってください。あなたには価値があると。そしてそれは、自分が気が付いてないものもあるんだと」
心が、高まる。初めて、自分に価値があると分かったときみたいに。
まだ見えない他のわたしの価値。それが、あるかもしれないと分かったから。
「──と、偉そうに語ってしまい申し訳ございません。しかしこれは本心です。脳の片隅にでも置いておいてくだされば幸いです」
クラリスさんの話が本当なら、わたしの価値はもしかしたら一つじゃないのかもしれない。でも、今はっきりしてるのは一つだけ。それはなくなりかけてる。
だけど、他の価値を見付けることが出来れば、それを提供することが出来る。
探していけば分かるのかな。わたしの価値。
「ありがとうございます、クラリスさん」
「……もう、大丈夫そうですね」
「はい、ではわたしもそろそろ帰らせていただこうかなと」
「それでは、お送りいたしますね」
え、と思わず声に出してしまった。
確かにもう夕方とはいえ、まだ外は明るい。だったら、一人で帰れるはず。
「あの、一人で帰れますけど……」
「ここがどこだか分かりますか?」
「どこって、教会じゃ……あ」
やっと、気が付けた。
わたしはここがどこだか分からない。倒れてたっぽいのをクラリスさんに連れてきてもらってここにいるから。
……それじゃあ確かに帰れないな。
「……すみません、お願いします」
「はい、お受けいたします」
お願いするしかなかった。
またやらかしてしまった。少し恥ずかしい……。
荷物を持って、教会を後にする。道を教えてもらいながら進んでいくと、無事に知ってる道に出られてお姉さんの家にたどり着けた。
意外と、そんなに離れてなかったみたい。
ありがとうございました、とお礼を言って別れの挨拶。最後に、クラリスさんからこんなことを告げられた。
「最後にもう一つだけ。……あなたの言う『いつもの』。これはなくなってはないと思いますよ」
「え──? それって」
「では、失礼しますね」
聞こうとしたけど、そのまま帰られてしまった。
……これも、自分で見つけていかないといけないのかな。どうやって探すか、どこで見付けられるか、全然分からないけど。
アイドル、続けてたら分かるようになるのかな。
そんな思いを秘めて、玄関に入る。
「ただいま」
「──! 桜子ちゃん!」
抱き締められた。
……そっか、帰っちゃったもんね。学校から連絡きたのかな。
「……ごめんなさい、お姉さん」
「ううん、いいの。無事で帰ってきてくれれば、それで……」
心配してくれる。
不思議だな、美味しいご飯を食べたわけじゃないのに、ぽかぽかする。今まで感じないようにしてたから、中々慣れない。
正直、まだこれがわたしの価値なのかどうかは分からない。あそこの人たちには認めてもらったけど、それが多くの人に通じるのか分からない。
……でも、それもきっといつか分かるよね。
「お姉さん」
「なぁに、桜子ちゃん」
「アイドル、続けてみたいな」
「……そっか、じゃあ頑張らないとね」
「うん、がんばる」
まだ見付けれてないわたしの価値。アイドルを続けていけば、何か分かるはず。だって最初の価値もここで見付けたから。
いつか全部見つかって、分かるようになったら──幸せになれるのかな。
桜子ちゃん。
視野がすこーしだけ広がってきたかもしれない。
クラリスさん。
20歳。つまりそういうこと。
そろそろタイトル詐欺になってくるかも。