ーーー2037年4月5日 09:48
ーー大本営
4月に入り暖かく桜が咲き乱れ、鳥の鳴き声も聞こえ始め本格的な春を楽しむ……わけでもなく俺はある場所に呼び出されていた。
「………はぁ」
ため息も出る。
そんな憂鬱な気持ちの中、上を見上げれば珍しくうろこ雲が空に浮いていた。
つい先日まで海軍士官学校にいた。そして2年間の養成期間を経て卒業。その卒業後早々に大本営からの直接のお呼び出しがあった。
……まあ大本営からの呼び出しとなればもう呼び出した人物は一人しかいないんだけど…。
と、なんだかんだぼやきながら目的の部屋に着く。
そして…
コンコンコン
俺は部屋の戸を叩いた。
「 入れ」
「失礼します、高砂大輝参りました」
部屋の中には二人の人物。
一人は呼び出した人物の警護担当の憲兵。
そしてもう一人は呼び出した張本人である。
彼は元帥であり、そして…
「久しぶりだな………我が息子よ。」
俺が部屋に入るとニヤッと笑みを浮かべ開口一番そう言った。
「 で、士官学校はどうだった?」
「辛かったに決まってるだろ…」
「それもそうかーはっはっはっはっ!」
俺の座る前に座る人物。
現海軍の元帥大将であり……俺の父親でもある高砂剛は高笑いをした。
ただ、父親といっても血が繋がっているわけではない。
俺がまだ小学生のとき、あるきっかけで高砂家の養子となった。
中学生までは大本営の近い広島で家族3人で暮らしていたが、俺は東京への高校へ進学したため、高校からは東京での一人暮らしだった。
そして東京の高校から大学へ進学…となるはずだったんだが…
今はこうして海軍に入隊するハメになった。
「…………はぁ」
何してんだろうなー
心の中で呟く。
そもそもこうなってしまったのも彼女のせいだ。
……まあ、彼女の口車にまんまと乗せられてしまったのは俺の落ち度でもあるんだが……。
俺は3年前妖精が見えるようになった。
ーーー2034年12月8日 07:23
出会いはあまりにも突然だった。
「…キテ……オキテ!」
「…んぁ?」
「ア!オキタ!」
「…………は?」
なんか朝起きたら小人が俺の腹の上にいた。
「な、なんだお前!?」
状況が読み込めない。
「ワタシノコトミエルー?」
しかもなんか喋ってるし…
うん!夢だな!寝よう!!
今日は土曜日だし…ちょっと寝るくらい大丈夫だろ!
と思い俺は布団を被り夢の中へ……
「ネルナー!!!」ドゴォ
「ぐはぁっ」
行かせてもらえませんでした。
てかしっかり腹パンかましてきた。
痛え…どうやったらこんな力出んだよ。
「ゴホン……ワタシハヨウセイデス!」
「…………チョットナニイッテルカワカンナイ」
「フン!」ドゴォ
「がはぁっ」
ふざけてすんません。
でもいきなり妖精って言われて信じられるわけないだろ。
てかなんでそんな力強いんだよ。
「……分かった。じゃあ君が妖精だとしよう」
「だがなんでいきなり俺の目の前に妖精が現れたんだ?」
「イエ、モトモトハイマシタ。アラワレタトイウヨリ、ミエルヨウニナッタガタダシイデスネ」
「見えるようになった?」
「ハイ、ワレワレヨウセイハカギラレタヒトニシカミエマセン」
どういうことだ…俺は特殊な力でももってるのか…
「マア、カギラレタトイッテモソレヲエランデルノハワレワレデスガ」
あ、なんだそういうことね。
期待して損したわ…
「でもなんで俺を選んだんだ?」
「…ソレハオネガイガアルカラデス」
「お願い?」
「ハイ、ソノオネガイトハ…」
「お願いとは…?」
………………………はい?
俺に提督になれと?
「………なぜ俺なんだ、俺より優れている人など山ほどいるだろ。」
「イエ、ホカノヒトデハダメナンデス」
「なぜだ?」
「ソレハ…イマハナスコトハデキマセン」
「シカシアナタデナイトイケナイノデス」
「…………………」
全くわからない。なぜ俺でなければいけないのか。
俺はそこそこ頭の良い方だと自負しているが、それでも自分よりも優れた人間は沢山いるだろう。
やはり、分からない。
「ソレニ、アナタニハタイセツナコイビトナドイナイデショウ」
「うるさいわ!!」
「コノママイテモ、ジンセイツマラナイママデスヨ?」
「やかましいわ!!!!」
なんだこの妖精も失礼だな。
…てかなんで知ってるんだよ。
………つまらない人生……ねぇ
「…モチロン、キョウセイテキニッテワケデハアリマセン」
「キメルノハ、アナタジシンデス」
「……少し考える時間が欲しい。」
「……ワカリマシタ、ワタシハヘヤニイマス。
キマッタラオシエテクダサイ」
「…分かった」
そう言って俺は部屋を出た。
今は朝8時、12月に入ったためこの時間はさなり寒い。
だから俺は厚着をして外を歩くことにした。
土曜日ということもあり、いつもなら通勤通学の人でごった返している駅前だが今日は人はまちまちだった。
……俺はどうするべきなんだ。
わざわざ俺の前に現れてお願いをしてるのだ。
了承したいという気持ちもある。
だが、俺はあまり海が好きではない。
ましてや提督業などもっぱらだった。
父の影響で少し触れることはあったが、それでも提督業をしたいとは思わなかった。
なんてことを考えていると
「あの、すいません」
と声をかけられた。
「…?はい」
始めは道案内かと思ったが
「どうも初めまして西山大輝さん。………………いえ、今は高砂大輝さんでしたね?」
この言葉を聞き俺は絶句した。
西山大輝
これは俺の旧姓である。
だが養子となり小中高と俺はその名前を一度も口にしたことはなかった。その名を知っているのは限られた人しかいない、
だが目の前の女性はそれを知っている。
女性は笑っていた。
……不気味だ。
髪は黒髪でロング、メガネをかけ目は青っぽい色をしている。
だが、その目に光はない。
「…………なんの用でしょうか」
警戒してそう尋ねる。
「申し遅れました私、大本営所属の
彼女は微笑みそう言った。
「…………なぜ大本営の艦娘が俺のところに?」
警戒を怠らず低い声で問う。
「…………父さんが仕組んだのか?」
「いえ、元帥からの命令ではありません」
彼女は微笑みを崩さずそう答える。
「……ならなぜここに。そしてなぜその名前を知っている。」
「それをお話することはできません。ただ、海軍へと入隊すれば分かりますよ。妖精見えてるんですよね?」
また、海軍だ。妖精といい、大淀といいなぜそこまで俺に拘るんだ。
「入る入らないはあなたの自由です。が
どうも!第0話に続き第1話をお読みくださりありがとうございます!
今回から1話ということで具体的に関係が明らかにそして物語が進んでいく訳ですが…流石に0話だけで話を分かれというのは酷なので本当は1話はもう少し長い予定だったのですが、早く投稿するために切ってしまいました(笑)
なのでもしかしたら誤字脱字などがあるかもしれませんが、そこはご指摘いただければと思います(^^;
さて、今回は艦娘出すと言いながらも結局大淀のみとなってしまいました(土下座)
どうしても着任前の話では艦娘を出しづらくてですね…
許してくださいッッ!!
ただ次回ではついに着任ですのでそれを楽しみにお待ち下さい_φ( ̄ー ̄ )
ではでは!失礼ノシ