艦隊これくしょん 〜絶望のその先に〜   作:高坂蓮

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前書きで失礼します!
まず一つ、第0話の一部訂正と0、一、二話の具体的な日付を追加しました。まぁ、そこまで重要かと言われればそうではないのですが…
一応今後の展開の辻褄が合わなくなってしまうので訂正しました。
そして二つ目ですが、今回の話に一部、艦娘との戦闘シーンがあります。
その際艦娘が傷つく場面があることをご了承の上お読みいただきたいと思います。



第三話 遭遇

ーーー2037年4月5日 10:48

 

ーーとある一室

 

「………本当に良かったのですか?」

「………何がだ?」

高砂大輝、駆逐艦吹雪の二人が出て行った後、元帥の側近警護である多田光一は元帥、高砂剛にそう疑問を投げかける。

高砂剛とはもう20年以上の付き合いであった。

剛がまだ海上自衛隊だったころから、直接艦隊の指揮をとり、司令長官となり、そして元帥大将となるまで今現在まで苦楽を共にした仲だった。

「江ノ島は例の鎮守府では?ましてやその場所に大輝くんを向かわせるというのは……」

「……あいつなら大丈夫だよ、なぜなら私の息子だからな」

「……………」

一瞬の静寂が訪れる。

「……血は繋がっていなくてもな、10年以上もあいつの父親やってるんだ。私は大輝を信じている。

…………それが理由じゃ不満か?」

剛は前を向いたまま言った。

「…………いえ」

多田は一言そう答えた。

 

 

 


ーーー同日 13:12

 

ーー江ノ島

 

「……とりあえず入ってみるか」

「……はい」

どうやら場所を間違えたわけではなさそうだ。

その証拠に出入り口の門には『江ノ島鎮守府』と書かれている。

…………これを復興するってマ?

なんて愚痴を言ってもしょうがないので中に入ってみることにする。

門を開け、扉の前に立つ。

扉は案外綺麗?かもしれない。

「……………よし」

「………失礼しまーす」

意を決して入るとそこは……

「…………暗いな」

「そ、そうですね、電気ついてないみたいですね」

どうやら電気がついてないないらしい…

…てか電気通ってんのか?

まだ昼過ぎであるため電気がなくても真っ暗というわけではなかったのだか…

……なんか嫌な匂いする

……できれば人生で一度も嗅ぎたくないような匂いしてんだけど

……やだぁ、この仕事辞めたいかもぉ

なんだか血腥い匂いがした。

しかも暗さに目が慣れてくると辺りは蜘蛛の巣が張ってるし、カーテンは破れてるし、埃っぽい。まさに『廃墟』だった。

「な、なぁ、吹雪」

「は、はい、な、なんでしょう」

「……なんか出たりしないよな?」

「し、しないですよ!多分…」

と、自分に言い聞かせるように吹雪は言った。

マジでお化け屋敷って言っても良いレベル。

あれ?そもそもお化け屋敷がこういう廃墟を真似してんのか?

うーん。分からなくなってきた。

「と、とりあえず、執務室行きませんか?」

「そ、そうだな、えっと地図は  

「オソカッタデスネ」

「「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「コマクヤブレルカトオモイマシタヨ」

……この野郎。

どっか行ったと思ったら急に声かけてきやがった。

……マジで心臓飛び出るかと思ったわ。

ちなみに吹雪はというと放心状態だった。

「おーい、吹雪?大丈夫か?」

「は!?はい!大丈夫です!」

吹雪が帰ってきたところでナオに聞く。

「おい、お前どこ行ってたんだよ」

「イヤースコシヨウジガアリマシタノデ」

「用事?」

妖精も忙しいのか?

まあ、こうして帰ってきた以上は特に首を突っ込む必要もないだろう。

「あ、あのー」

なんて思っていると、吹雪から申し訳なさそうな声が聞こえる。

「ん?どうした?」

「そ、その、司令官と妖精さんはどういったご関係で?」

あー。確かに。

一般に妖精とは艦娘の艤装やもしくは鎮守府の工廠などといった、基本的に艦娘が関係するところにおり、なかなか一般人と触れ合うことはない。まぁ、俺が特殊なだけだな。

「まぁ、いろいろあってな、俺が海軍に来るきっかけになった妖精だよ」

説明はこれくらいで良いだろう。

だいぶざっくりとした説明だが、嘘はついていない。

「は、はぁ、そうでしたか、すいません気になってしまったもので…」

「いやいや、気にしないでくれ、確かにいきなり人間と妖精が親しく話し出したら気になるからな」

そう言ってつい頭を撫でてしまった。

「あっ……」

ビクッと反応した。

怖がらせてしまったか。

てか、いきなり頭を撫でられたら気持ち悪いよな…

……気をつけなければ。

「す、すまん、つい」

そう言って手を離す。

「い、いえ、だ、大丈夫です…」

…………気まずい雰囲気になってしまった。

……どうしよ?

「…ソロソロシツムシツニイッテハ?」

ナイスナオ。

助け舟を出してくれた。

「そ、そうだな、モタモタしてると日が暮れてしまうからな」

そう言って館内地図を探す。

………見つけた。が  

…………ひっろいなぁ。

とてもじゃないが今一瞬で覚えてってやると迷ってしまうかもしれない。だから…

   カシャッ

文明の力、スマホを使わせてもらった。

「よし、それじゃあ行くか」

「は、はい!」

「オス!」

と、俺たちは執務室へと向かった。

…………もう何も言うまい。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と、何事もなく?執務室の前まで来た。

まあ、めっちゃでかい蜘蛛がいて吹雪が悲鳴をあげたのは気にしなくていいな。

「……ここだな」

「……みたいですね」

と、ドアを開けようとしたところで

  マッテ!」

ナオが声をあげた。

「ど、どうした」

突然のことで驚きナオの方を向く。

「………カンムスノケハイガシマス」

「なっ………」

なんだって!?こんな廃墟に艦娘がいると?

「おい、こんなボロボロのとこに本当に居るのか?」

「私も、にわかには信じられません…」

建物の外見然り、内装然り、誰かが生活できるような状態ではなかったはずだ。

だからこそ信じられなかった。が、

「……マチガイアリマセン、タシカニカンムスガイマス」

ここまで真剣な顔をしているということは嘘ではないのだろう。

「……分かった、気をつける」

艦娘とはいえこんな状況で生活している時点でまともな状況ではない可能性が高いため、警戒してドアノブに手をかける。

「……よし、行くぞ」

吹雪もナオも無言で頷く。

そうして俺はドアを開いた。

 

中を覗いたその刹那  

何者かがこちらへ勢いよく走ってきた。

手には刃物のようなものを持っている。

それを認識したと同時に刃物を振りかざしてきた。

  ッ」

それを間一髪でかわし廊下へ出た。

「し、司令官ッ!」

「テイトク!」

吹雪とナオの声が聞こえる。

「下がれッ!吹雪ッ!」

「で、ですが…」

「いいからッ!下がれッ!」

目線を相手から外さぬように吹雪に声をあげる。

……ナオが指摘してくれなかったら今頃ざっくりだな…

相手が大振りで助かった。

持っている刃物は刃渡り5、6センチほどのナイフだった。

吹雪が下がったことを横目で確認する。

相手はこちらの様子を伺っていた。

……一応腰には拳銃があるができれば使いたくない。

相手が艦娘なら尚更だ。

と、相手が動く。

こちらもその攻撃を捌く。

俺は動体視力、そして運動能力に関しては士官学校ではずば抜けていた。それを駆使して攻撃を捌き、機会を伺う。

相手が突く動作で攻撃してきた。

  ここッ!

その攻撃をかわしその腕を掴み壁に打ちつける。

「い"っ!……」

相手は痛みからか声を漏らし、ナイフを落とす。

そして落としたナイフを蹴り遠くへ飛ばす。

「ひっ………」

……どうやら吹雪のところまで飛んで行ったらしい。

と、一瞬気を取られた隙に腕を振りほどかれてしまった。

だが慌てない。ナイフは捨てたためまずは一安心。

……まぁこれで複数もってたら意味ないんですけどね。

だが、どうやらナイフは一本だけのようだった。

殴りかかってくる。かわして腕を掴み素早く背後に回り込んだ。

そして、裸締めの体勢をとり締める。

相手も抵抗してくるがなんとか堪えてやがて力が抜けた。

裸締めを解き息があるかを確認する。

……良かった。息はちゃんとあるようだった。

「し、司令官ッ、大丈夫ですか!」

吹雪が駆け寄ってくる。

「俺は大丈夫だ、この子も気絶しているだけだ」

そう言って倒れている女性を見る。

「お、大井さん!?」

吹雪はその女性を見るなりそう言った。

「……知り合いか?」

「い、いえ、以前に別の鎮守府でお見かけしたので…」

ということはやはりこの女性は艦娘だったようだ。

「ケイジュンオオイデスネ、カラダハボロボロミタイ」

ネオが言う。

どうやら入渠などをしていないのか戦闘の傷が残っているようだった。

「吹雪は大井を頼む」

「し、司令官は…」

「俺はもう一度執務室の中に入る。

……見た感じ一人ではなかったからな」

そう言って執務室の前へ叩き再びのドアを開ける。

今度も警戒を怠らない。

だが、今回は攻撃は来なかった。

駆逐艦だろうか女の子が三人。

そして高校生くらいの女性が一人。

「お、大井さんは…」

黒髪のショートの少女は小さい声で言う。

そして高校生くらいの女性は女の子を庇うように言った。

「この子たちには手を出させません」

明らかに警戒しており、棒のようなものを持っている。が、先程の大井とは異なり話はできそうだった。

「本日付けで配属になった高砂大輝だ。俺は君たちに危害を加えようって訳じゃない。君たちを助けにきたんだ」

と、説得を試みるものの…

「……そんな話、信じられるわけないでしょう」

ま、そうだわな。

ここまでの荒れ具合をみるにここ三から四年ほどは放置の状態であったと考えられる。

その放置の末に助けにきたと言われても信用できるわけがない。

どうしたものか…

と、悩んでいると…

「コノヒトハワルイヒトデハアリマセン」

ナオが俺の前に出て話す。

「よ、妖精やと!?」

一人が驚いたような声を出す。

「ホントウニミナサンヲタスケニキマシタ」

「コノヒトハ、シンライデキマス」

俺は何も話さない。ただナオの言葉を聞いていた。

すると…

「………分かりました。今はあなたを信じます」

女性はそう言うと棒を下ろした。

………とりあえず一安心だな。

「………私は軽巡矢矧です。提督、先程の無礼な態度、申し訳ございませんでした」

そう言って頭を下げる矢矧。

「いや、いいんだ。仲間を守ろうとしたんだろ?仕方ないことさ」

「…ご寛容なお心遣いに感謝いたします」

うーん、やはりまだ信用はされていないな。

それにそんなこと言われたことないからなんか気持ち悪い。

「駆逐艦深雪だ…です。よろしくお願いします」

と、ぺこりと頭を下げる黒髪ショートの少女。

「……駆逐艦霰…よろしく…お願いします」

今度は被り物を被った少女が挨拶をする。

「軽空母龍驤です。よろしくお願いします」

と、また一人の少女が…………ん?

え!?軽空母!?

どうみても駆逐……

……………なんかこれ以上はいけない気がする。

と、一通りの挨拶が終わった時

「し、しれいかーん」

と吹雪が大井を運んできた。

「お、大井!」

と、龍驤が大井に駆け寄る。

「大丈夫だ、少し気絶させただけだからいずれ目を覚ますと思う、

どこか寝かせられる場所はないか?」

「…寝かせられるといってもまともに使えるのはこの部屋だけです」

…やはりそうか。

とは言え大井をそのまま地べたに寝かすわけにはいかないので少し汚れているソファーに寝かせた。

やはり、大井の他のみんなも戦闘の怪我が残っていた。

などと考えていると、

「ふ、吹雪!」

深雪が声をあげた。

「み、深雪ちゃん!」

吹雪も同じように声をあげる。

…そうかこの二人は姉妹か。

なんて思っているとナオが話しかけてくる。

「イマノゲンジョウヲホウコクシタホウガヨイノデハ?」

そうだった、危うく忘れるところだった。

やだぁ、大輝くんのおっちょこちょーい☆

………なんか悲しくなってきた。

なんてふざけている場合ではないので矢矧に話しかける。

「矢矧、この鎮守府の電話は使えるか?」

「いえ、ここの鎮守府には三年前ほどから、電気やガス、水などといったものは来ていません」

……まじかよ。どうやって生きてたんだ…。

「工廠やドックは?」

「使えません」

「他の艦娘は?」

そう聞くと首を横に振る。

……もしかしなくもやばいとこに来ちゃった?

なんて言ってもしょうがない。助けに来たと言った以上は助けなければならない。

「矢矧、俺は今から上に連絡してくる。だからみんなを頼んだぞ。」

「承知いたしました」

矢矧からの返事を受け、俺は執務室を出た。

 

 


そして俺は鎮守府の外に出た。

あたりは日が落ちかけている。

俺はスマホで電話をかける。

その相手は父親。

鎮守府の電話は使えないので直接父に電話することにした。

コール音が二、三度鳴ったとこで繋がる。

『おう、大輝。無事に江ノ島には着いたか?』

「ああ、酷い有様だよ。

……なんでここまで放置した?」

少し苛立ちを含んで言った。

『…それに関してはすまなかったと思っている。なかなかそちらに手が回らなかったんだ。』

「……そうか」

正直納得できない部分は多い。だがここで追求したところで結果は変わらないだろう。

「……こっちは電気もガスも水道も来ていない。想像以上に中もボロボロだった」

『分かった。電気、ガス、水道に関しては今すぐなんとかしよう。そして内装のほうは後にまた連絡する』

「分かった…」

「………父さん、いや元帥殿」

『………どうした?』

「………折り入って一つお願いがあります。」

『………何だ?』

「それは   

 

『………分かった』

「………ありがとうございます」

『それじゃあな、頑張れよ、大輝』

「………はい。失礼します」

……これである程度状況は改善されるだろう。

だが大変なのはおそらくここからだ。

ふと海を見る。

まるで戦時中であることが嘘であるかのように海は穏やかだった。

俺はしばらくその光景から目を離すことが出来なかった。

 

 

 

 

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます!
そしてまず、皆さんにいくつかお詫びしなければいけません…
まず今回の話、特に後半部分は某ss作品と似てしまっている部分があります…。
それは書いていて気づき、変えようかと思ったのですが、どうしても今後の展開的にも変えることが出来なかったのでなるべく似ないようにしました。おそらく今後も一部似てしまう部分が出てきてしまいますがなるべく似ないようにしますので目をつぶっていただければなと思います…。
そして、龍驤、大井推しの方々、申し訳ないです(土下座)
愛してるが故なので許してください!!

ということで今回は新たに五人の艦娘が出てきましたね!!
やっと艦これって感じが出てきました!!
やはり艦娘との会話となるとやはり少し難しいところがあり、今後もどんどん増えていくので、大変ですね(トオイメ)
それに大方の話の流れは決まっているのですがやはり文章にするとなると難しくてそれなりに時間もかかってしまいます(泣)
そのため少し焦ってる部分もあり、誤字やおかしな部分があるかもしれません…。なのでミスに気づいたら随時訂正をしていきます。
とりあえずここまでは毎日投稿をしていますが、ここからは話が複雑になり、艦娘の数、登場人物も増えていくので投稿の頻度が下がりそうです…。
ただ、できるだけ早めに投稿できるよう努めますので気長に待っていただけると幸いです(^^;
余談となりますが、今後海軍士官学校での同期などが登場する予定となっています。そのため、どこかの回で海軍士官学校時代の話が入ってくると思うのでこちらの方も楽しみに待っていただければなと思います。
ぜひ感想や評価などありましたらよろしくお願いします(土下座)
長くなりましたがこの辺で締めようと思います!!
最後になりますが200UAありがとうございます!!!!
ではでは!失礼ノシ
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