『こちら右舷機関室!!
エンジンオーバーブロー!!
制御不能!!
エネルギーカットの許可をくれ!!
このままじゃ爆発しちまう!!』
「くっ、兎に角冷やすんだ!!」
「ブライト、
機体の冷却材がある筈だ!」
「っ!!
ジョブ・ジョン!!
ジョン!!今どこに居る!!」
『聞こえてる!!
だがどうやって冷却材を
持って行くんだっ!?』
「ジョン中尉、今、MSか?」
『そうで、うおっ!?
乗ってても
こう揺れちゃ、立ってられない!!』
音声から
他のMSや、
ガンタンクも転倒しているのだろう
「いいか、よく聞け、
MS冷却材のタンクは見えているな?」
『あぁ』
「そのまま這いつくばって転がしていけ、
無理矢理引きちぎって構わん!!」
『はぁっ!?大丈夫なのかよ!?』
「四の五の言ってられん!!
このまま吹き飛ぶか
みっともなくとも生き延びるか
それだけだ!!」
▽
「よ、よし、なんとか出れた。」
ガンダムをよじ登らせながら
上部ハッチから這い出る
背中に
辛うじてビームライフルと
100mmマシンガンだけだ
『アムロ!!上だっ!!』
咄嗟に構えられたのは
100mmマシンガンだった
不安定な姿勢
ガンダムには100mmマシンガンを
使った履歴が無かったのが災いし
やみくもにバラまれるだけだった
「こ、これじゃ使い物にならない!」
止む無く手放し
ビームライフルを構えるが
「え、エネルギーがほとんどないっ!?」
この揺れで充電中のビームライフルを
間違えて拾ってしまったようだ
予備のカートリッジも無い
ガンダムの接続ポートも左手は壊れている
「こなくそっ!」
ビームライフルを変形させ
『右手で接続しエネルギーを確保する』
▽
「うぉっ?!」
当たりこそしなかったが
這い出て来たMSから
思わぬ反撃を受け
一旦ジャングルスレスレまで降りる
「不味いな。」
既にこの上空戦が始まって
1時間は経過しようとしていた
熱核ジェットエンジンはまだ持ちそうだが
そろそろぐずり出す熱量
ビームブレードも
冷却しなければ使えない
レールガンを使おうにも
《直線状に動くのは自殺行為》
「行き掛けの駄賃で一発かな。」
レールガンへの給電回路を開く
狙うのは、右か、左か
どちらかのエンジン
▽
「冷却完了!
中尉、何時でも行けます!」
『よし、新人、
こちら指示に合わせて
姿勢を変えろ』
「了解。」
その姿勢は、より
《スナイパーライフルを寝そべり構える》
姿勢に切り替わる
『左を狙え』
「左ですか?」
『あぁ、
右を狙おうにも
木馬は左回転をしながら遠ざかっている、
その回転軸は左のエンジンだ』
「了解、左エンジンを狙います!」
▽
「来たっ!!」
飛行物体はまだ無事な右エンジン
(無事と確認はしていない)を
狙っている
回るホワイトベースから
ガンダムを乗り出しビームライフルを構える
あの大型ブレードはまだ出したままだ
▽
「さて、騙されてくれるかね?
行くぞ!エントリィイイイイイ!!」
フルチャージしたレールガンは
今か今かと放電を待ちわびる
▽
「照準、よし、撃てます!」
『新人、好きに撃て!』
「撃ちます!!」
▽
「レールガン、発射っ!!」
▽
「なんだっ!?」
振り向く先から迫るメガ粒子砲が
僅かに早く着弾した
▽
「くそっ!?外したっ!!」
被弾した木馬は
その勢いで回転に加速が掛かり
右エンジンには掠っただけだった
そして《被弾》の文字
「げっ、どこだ?」
コンソールを確認すれば
連邦のMSがビーム兵器で
俺を撃った事がわかる
「対・ビーム兵器用液体金属、
コレが無けりゃ
俺は蒸発か爆発四散してた訳か。」
被弾箇所から漏れ出す液体金属は
直ぐに冷えて固まり
その破口を塞ぐ
「しゃ~ねぇ、帰るか。」
▽
その後、ホワイトベースは制御不能のまま
旧・カルフォルニア半島の先端に不時着した
▽
『オルテガ機、マッシュ機、シャア機、帰還します。』
ザクSF二機が抱えるヅダは
ぐったりしていたが
コロンブスの艦内に収納するな否や
オートパイロットが立ち上がり
直立、MS固定デッキに収まった
「っ、こ、ここは?」
メインカメラに映し出されるのは
コロンブスの艦内
『シャア、踏んだり蹴ったりだな』
あぁ、帰って来れたのか
「暫く休ませてください、
レッドアウトしかけたので。」
鉛の様なとはよく言う
ほんと、その様な感覚が身体を支配していた