どうせなら勝ちたい   作:扶桑畝傍

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「今度は何を見ているのだ?」
「『初代・昭和の』宇宙戦艦ヤマト。」
「宇宙戦艦?」
「あぁ、
 コレが再現出来たら
 『推進剤』問題が一発で解決できるからな。」
「ほぅ、進めろ。」
「まぁ、出来ても
 推進器の置き換えが良いトコだな。」
「それはナゼだ?」
「作れる金属が
 所詮『チタン合金』だから。」
「ん?スチールではダメなのか?」
「あぁ、このシーンを見てくれ。」
エネルギー伝導管が熱で溶けているシーンを見せる
「成程、ワープとは?」
「まず無理、それこそ
 今あるコンピューターを山ほど使って
 計算しても100年は出来ないんじゃないかな?」
「むぅ。」



ブリティッシュ作戦直後の企業戦士達

「はぁ。」

「主任、どうされました?」

「副総帥からの仕様書。」

「ぁ~、

 今度はなんですか?」

「ドップの次の次期量産機。」

「ドップの?」

「先のオデッサから

 開示された航空機の資料、

 お前も見たろ?」

「はい、アレは衝撃的でしたね。」

「今度、副総帥が『ジャパン』から、

 復元機を買ったそうでな、

 明後日にサイド3の

 ZRA『ジオン・レース・協会』の

 スペシャルゲストとして来るんだよ。」

「ぁ~、

 大昔の『複葉機』を再現して

 アクロバット部門と

 タイムアタック部門のアレですか。」

「んで、次期量産機のコンペも

 そこでやるんだと。」

「は~、

 それで?どんな内容なんすか?」

 

最低速度 700km/h

単翼機

レシプロエンジン

 

「この3つだ。」

「は?」

「だろ?」

「まさか。」

「娯楽用の戦闘機を造れだと。」

「うわぁ~。」

 

 

「うわぁ、なんですかコレ?」

「『レイシキ』なる、

 何百年も前の機体だそうだ。」

「ひぇ~。」

「他にも『シンデン』

 『レップウ』『ショウキ』『ハヤブサ』とか、

 正直、クレイジーな機体ばかりだよ。」

 

 

その日、コロニーで行われた

エキシビションマッチで

『ドップ』VS『レイシキ』が行われ

ペイント弾だらけになった

『ドップ』のアグレッサー部隊は

全員が辞表を提出する大事になった

 

 

「課長。」

「なんだ?」

「コレを。」

「マゼランのドックを確保しろ?

 どう言う事だ?」

「はい、副総帥からの

 次期航宙艦艇には必要だから、と。」

「ムサイの改良ではなく

 その母体をマゼラン級に?」

「その『創案設計図』です。」

 

機関部を左舷、右舷と分割し

その間にコロンブス級を差し込み

核融合炉をマゼランの2基コロンブス級の1基

合計3基の核融合炉からの三系統電源確保

 

後方に置ける対空火器増設

主砲の一部旋回範囲の変更

 

最低航続距離を

サイド3から火星までとする

 

「・・・冗談、だよな?」

「ギレン総帥の捺印もあるんですよ、コレ。」

「ムサイのなにがいけないんだ!!

 砲艦ムサイは確固たる戦果をあげ

 マゼランを撃破しているではないか!!」

「戦時量産体制で今は良いですが、

 戦後を鑑みると

 『メンテナンスに手間が増え』

 『搭載能力の低さが』問題になって来ると、

 この創案書には書かれています。」

「搭載能力ならコロンブス級で解決出来ているだろうに。」

「あくまで戦時だから、でしょうか。」

「何が言いたい!」

「勝ち負けは一旦置いてなんですが、

 戦後、間違いなく

 『艦艇ドックの返還』を要求されるでしょう、

 その際、我々は『連邦』から

 コロンブス級の部品、船体を買わねばなりません、

 それを危惧しての事では?」

「それは。」

「それに、

 試作艦艇がロールアウトしたばかりの

 ザンジバル級、

 チベ級もようやく生産が始まったばかり、

 航宙艦艇は全く足りていないのが現状です、

 副総帥の『あるなら使っちゃおう』

 このお考えには賛辞をお送りしたいです。」

「しかしだな、

 此処から火星は幾ら何でも『単艦』に

 詰め込み過ぎなのでは?」

「はい、あくまで今を耐える為のモノです。」

そう言って仕様書をまた出して来る

「こ、これはっ!?」

「はい、まだ試作機の仮組中ですが

 『ミノフスキードライブ』

 これは、従来の推進剤を必要としません、

 それと。」

彼が耳打ちするのは『本命』

 

(副総帥からの話では

 ミノフスキー粒子に頼らない

 新たな粒子、タキオン粒子なる物資を

 探して欲しいとの事、コレを)

パッドに映す本命の設計図

(ば、バカな、こんな事が可能なのか?)

(はい、ですが現状の金属では

 エンジンが出来ても

 出力不足で再現は難しいだろうとも)

「スタッフは?」

「何時でも。」

 

 

「係長、係長?」

「ふがっ?!

 すまん、寝ていたな。」

「まぁ、無理もないっすね、

 ここ最近残業ばっかりでしたから。」

「あぁ、だが、

 ザクSFの安定供給は出来ているし、

 『ヅダ・改』の製作も順調だ、

 副総帥の一声はおっかねぇけどな。」

「えぇ、怖いですよね。」

バサッ

「え、ちょ、オレ、15連勤目なんだけど?」

「はい、俺は22連勤目ですけどね。」

その目は明らかにギラギラしている

「副総帥からのお達しです、

 オデッサに『土木用MS』を

 大量に送れとの指示です、

 後、『グランドソナー』が

 あるんだから、『地中侵攻は出来ない』と。」

「あ。」

「係長、副総帥からの言伝です。」

 

共通マニピュレーターで

MSを作っているのだから

専用装備はMSを別に作るように

特に、実弾兵器は

『ザクⅠ』でも使え

『引鉄を引く動作で使えるのが最低条件だ』

 

「だ、そうです。」

あ、係長が壁に頭突きを始めた

 

 

「あ、事務局長。」

「おぉ、どうした?」

「こんな夜分にすいません、

 『副総帥からのお手紙です』」

あ、事務局長が崩れ落ちた

「お、俺にその仕様書をみせるなぁっ!?」

「いえ、今回は既に

 プロジェクトがはっきりしてるので

 こっちでやるので、

 承認印だけお願いします。」

「え?」

「『ガウ』の改良計画です、

 公開された『オデッサ親書』

 アレのお陰で

 『ガウ』が、

 如何に無理をした機体だと判明したので

 その改良案を精査、

 『新型ガウ』をこれから作るんです。」

「ガウを?」

「はい、それと、

 コレは事務局長宛です。」

「やっぱりあるじゃないかっ!!」

 

熱核ジェットエンジンを足回りに搭載した

新型MSの緊急開発要請

 

試験は

・オデッサ鉱山基地

・カルフォルニアベース

・ラサ基地

各気候に合わせた仕様を製作

 

「ぁ、あぁ、か、かえるぅうっ!!」

「警備兵!逃がすな!!

 事務局長をデスクから逃がすなっ!!」

 

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