どうせなら勝ちたい   作:扶桑畝傍

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ホワイトベースのターン

 

旧・アメリカ合衆国

カルフォルニアの先端に落着してから3日

 

「機関長、

 エンジンはどうか?」

『滅茶苦茶以外言葉が見つからんよ

 あんたも来て廃材を退かすのを

 手伝えと言いたいが、

 あんたは艦長だからな』

「~っ、飛べそうか?」

『無理だな、

 パーツ交換とか言うレベルじゃ無いんだ、

 左エンジンの半分丸々

 焼け溶けてるんだ、

 エンジンユニットそのまま

 交換レベルだよ』

「・・・他の部分は?」

『右エンジンは外装だけだったからな、

 動かすのは問題ないが、

 浮けて数メートル、

 速度は50km/hが良い所だ、

 なんせ試作ミノフスキークラフトなんだ、

 これ以上無茶すれば

 なにが起こるかわからんからな』

「わかった、

 左エンジンのユニット切り離しを進めてくれ。」

『了解』

 

「どぅ、ブライト?」

「飛べても地面スレスレだそうだ。」

「そぅ、ごめんなさいね、

 私がもっと上手く操縦出来ていれば。」

「いや、あの状態で

 逆噴射していなければ

 どちらも直撃していたよ。」

「そうだと良いのだけれど。」

「ふぅ、ミライ

 アナタの操縦で

 今の私達が居る、それが全てよ?

 それを誇って頂戴。」

「セイラさん。」

「ブライト。」

「レイ大尉。」

「ガンダムは出れる、

 ただ、ガンキャノンの

 左腕は、フレームが剥き出しのままだ、

 被弾すれば壊れるが、どうする?」

 

「幸い、数メートルとは言え

 この場から動けそうです、

 せめて半身だけでも遮蔽物で隠したい、

 オスカー、近隣の映像を出せるか?」

「了解、生きている衛星と

 ドローン上げます。」

 

暫くしてメインパネルに

外が映し出される

 

「住宅地、か。」

「ホワイトベース、隠せそうにないわね。」

「ん?これは?」

「マーカー、なにか見つけたのか?」

「いま、ドローンを向かわせてます。」

 

そこに映し出されるのは

『野球ドームだったモノ』

 

「ミライ、ここへ入り込めるか?」

「やって見る価値はありそうね。」

「よし、障害物の無人な家屋は

 破壊して進路を確保しよう。」

「そうすると、ナパームか、

 アムロ、アムロ!起きろ!」

『ん~、なんだい父さん?』

「済まんが頼まれてくれるか?

 ジョンも今叩き起こした。」

『寝れないんだ、寝かせてくれよ』

 

それを聞くな否やブライトがすっ飛んで行った

 

「ぁ~、ミライ君、彼は?」

「アムロの所に行ったのかしら?」

「艦長が何も言わず

 持ち場を離れては

 示しがつかないでしょうに。」

「ですね~。」

「とりあえず、機関長に伝えますね。」

「私も機関室へ行く、

 少しでも直して使える物を増やしたいからな。」

 

例の2度ビンタが繰り広げられ

 

「甘ったれるんじゃない!!」

「じゃぁブライトさんが

 乗れば良いじゃないですか!!」

「俺は試験に落ちてるからな!!

 乗れるお前が

 羨ましいし、憎たらしい!!

 そんな貴様に頼らざるを得ない

 軍人として、己自身も憎たらしいがなっ!!」

 

「・・・わかったよ、乗るよ。」

「アムロ。」

「フラウ、コレは僕がやらなきゃ、

 すみません、ブライトさん。」

「え、あ、あぁ、

 俺もどうかしてるんだろう、

 お互いに寝ていないからな、

 せめて、

 一日だけでもゆっくりさせてやりたいが

 ここはジオンの勢力圏だからな、

 やれる人間がやらねば

 全員お陀仏だからな。」

『ブライトさん、

 ジャブローからの通信繋がりました!』

 

 

「ブライトです。」

『すまんな、士官候補生の君に

 艦長の役職を押し付けて』

「レビル将軍、

 出世したと思えば少しは気が楽ですよ。」

『そう言ってくれると助かる、

 そちらの場所は今、確認した、

 後3時間もあれば

 補給部隊の〈マチルダ少尉〉が

 辿り着く筈だ、

 左エンジンの〈ユニット〉も運んでいる』

「本当ですかっ?!」

『あぁ、旗艦の戦闘データは貴重でな、

 運用データも継続して送って欲しい』

「了解しました、

 しかし、我が艦は

 『サイド7の避難民も一部載せているのです』

 どこかへ降ろせないか、

 ジャブローの方で

 救助していただけませんでしょうか?」

『残念ながらそれは厳しい、

 現在ジャブローは

 戦没者の収容で大分混乱していてな

 物資を送るのが精一杯のなのだ』

「戦没者の?」

『あぁ、補給部隊を発進させた直後に

 大気圏外から

 我が方の〈大気圏突入カプセル〉が

 大量に降下して来てな、

 その一つ一つに

 今までの戦没者がぎっちり詰め込まれていてな、

 挙句にこの放送だ』

 

先の放送を流す

 

「なっ・・・コロニーを

 墜として置いて何様のつもりだっ!!」

『まぁ、そう思うよな』

「レビル将軍、

 我々は今後どのように動けば宜しいでしょうか?」

『一番近い友好国は

 ジャパンなのだが、

 一旦、海岸沿いに北上し、

 最短距離で〈太平洋〉を渡って欲しい』

「ジャパン?」

「今、地図に出します。」

 

航路予定がパネルに映し出される

 

「これでは、

 北アメリカのジオン基地、

 カルフォルニアベースを

 掠めるルートです、危険すぎます。」

『申し訳ないが、

 ジャブロー近郊の海域は

 既にジオンが進出を進めて来ている

 最早どこにも安全な航路も、場所も無いのだ』

「~っ、わかりました、

 修理、補給が終わり次第、

 ホワイトベースは海岸線沿いに北上し、

 太平洋を渡り、ジャパンへ向かいます。」

『期待しているよ。』

 

「通信、切れました。」

 

艦長席のコンソールを叩く

 

「ふざけるなっ!!

 民間人も抱えながら

 北上しろだとっ?!

 引きこもり軍人どもめっ!!」

 

握る拳から滴る赤い血は

コレが現実だと

『痛みを持って教えてくれていた』

 




ベルファスト基地から

ジャパンへ変更
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