「ガルマに何を言ったのかね?」
「あぁ、嫁さんでも見つけて
早く落ち着けって言ったな。」
あ、眉間にしわが・・・
「それは私達に結婚しろと言う事かね?」
「まぁ、時の総帥が
伴侶無しは恰好がつかねぇってのもあるけど。」
「けど?」
「戦闘勝利のニュースよりも
『身内の結婚』の方が
明るいニュースだろう?」
あ、また笑われた
「くっくっくっ、
その際はご祝儀を弾んでくれるのかね?」
「大した給料を貰って無い俺に言うな。」
「それはお前が言ったからだろう?」
ま、俺は大した額を貰っていない
なんでって?
あると使っちゃうからだ
コレは『前世からの癖で治らない』
まぁ、この癖のお陰でギレンに会えたさえある
「しかし、この『ケイバ』は奥が深いな、
ウマの状態だけでは無い
ジョッキーとの相性もある。」
「ま、ウマに偏見を持たれなくて何よりだよ。」
実はブリティッシュ作戦の際
余ったコロニーは
全てサイド3の近くへ移送済みで
完全修理が済んでおり
その内の2つのコロニーを
『海水浴場と養殖』に振り分けた
『海水浴場』の娯楽の一部として
『競馬』を採用、既に地球からの移住者が
ここに住んでおり、サラブレッドの育成に励んでいる
(とあるアプリゲームも復刻させている)
ギレンが話したのは
二種類あるアプリのもう一つの方で
リアル馬とジョッキー側で
もう一方は『アレである』
歌って踊れてスポコンな『アレ』である
どちらも課金アイテムが充実しており
その内の一部は軍事費へ
7割は施設維持新たなアプリ開発費へ回されている
「って、ドハマりしてねぇか?」
「知略だけでは勝てぬからな、面白いよ。」
「さいですか。」
まぁ、ミノフスキー粒子がふよふよしてる筈の
この宇宙世紀でどうして
端末が普通に稼働しているのか?
答えは簡単
『みんな、娯楽に飢えてたからだ』
レーザー通信どころか
有線ケーブルは光回線でコロニー間を接続
サーバーもこれでもかと増設した結果
『コロンブス級』6隻が
サーバー化する事態に陥っている
そして、『デブリ』から守る為に
専用部隊が組まれる程
サイド3の住人は『アプリゲーム』に
漬けこまれている
「ギレン、仕事中ぐらいは閉じろ。」
「まぁ、まて、今育成の指針を決めている。」
「・・・第三次降下部隊から緊急連絡だ、
どうやら連中『家のザク』を
鹵獲して運用しているようだ。」
流石に反応があった
「被害は?」
「今の所、HLVが数個拿捕されている、
今後はミノフスキークラフトを搭載した
巨大補給艦をオススメするよ。」
「額は?」
「ムサイ換算6隻。」
「高い。」
「わかってる、後『半月』まで我慢してくれ。」
「つまり?」
「あぁ、採掘船団の第一陣が帰って来る。」
「よろしい、進めろ。」
「あいよ、
お前、アプリばっかやって
『彼女に怒られるなよ?』」
彼が退室した後
「・・・まて、
なぜ奴が知っている?」
自身が持つ諜報機関をフル活用して
リークしたのが『父であるデギン公王』だと
判明すると、溜息と眉間にしわが寄って行った
▽
5月
キャルフォニアがようやく基地として稼働出来た
「ふぅ、ダロタ。」
「はっ。」
「少し休む、兵達にも十分な休息を取らせるように。」
「了解しました。」
部屋には一人
「さて。」
個人用秘匿レーザー回線を立ち上げ
〈なんじゃい〉
「おいおい、立場をわきまえたまえ、
このガルマ・ザビが
回線を開いているのだぞ?」
〈はっ、
かわらねぇ坊ちゃんでよかったよ、ガルマ〉
「相変わらずだね、エイジ兄さん。」
〈よせ、お前の兄は
ギレンとドズル、姉はキシリアだろ?〉
「あぁ、仕事の話はするけど
こうしてプライベートは兄さんだけだよ。」
この掛け合いは、ガルマが降下作戦を成功させ
少し落ち着いてからだ
「少し痩せたかい?」
〈それがな、増えた〉
「ぷふっ、どうして宇宙に居るのに増えるのさ!」
あぁ、こうして見ると
まだ20歳になったばかりの青年の笑顔だ
〈養殖コロニーがな、
思ったより上手く行ってな豊作なんだよ〉
「ほんと、
兄さんは何処でその知識を仕入れて来るんだい?」
〈ちょっとしたズルだよ、
ガルマ、マ・クベとはキチンと連携は取れているか?〉
「はい、兄さん、
今の所『壺と皿』の収集以外には
特に動いていません、
流石に計画書にそった
『地球の公文書館』の奪取はこなしてあり、
現在、データベースを構築中ですよ。」
〈うし、早い段階で『海上戦艦』を造れそうだな〉
「本当に必要なんですか?」
〈あくまで『護衛戦艦』としてだ、
いちいち宇宙に上げて降ろす補給じゃ
推進剤が勿体ないし
降ろす時に角度一つであらぬ方向に落ちるからな、
海上輸送が一番早い〉
「成程、しかし、あの『嵐』は
如何しましょうか、
拿捕した貨物船では
船体が折れ曲がると言う事例も出ています。」
〈三角波だな〉
「あはは、即答ですか。」
〈すまんな、アレは波一つ一つが、
ただ一点に集まるだけの現象だが、
規模によっては
『一センチ四方』に掛かる圧力が
数千トンに及ぶ場合が有るらしい〉
「い、一センチ四方って・・・
この僅かな範囲に?」
〈あぁ、大昔から船の天敵でな、
調べた範囲じゃ
『船の歴史』が出来てからの
永遠の敵な存在だとわかったんだ〉
「改めて地球の、
自然の力は恐ろしいと身に染みるよ。」
〈近い内に俺も下りるよ〉
「え?ギレン兄さんが許すとは。」
〈まぁ、作戦だよ、
俺と言う餌に喰い付く『害獣駆除』の為だ〉
「っ、ダイクン派ですか?」
〈今回は違う、連邦内に居る
『内通者』のあぶり出しだよ、
レビルを逃がす手引きをしたヤツの
繋がりが『ジャブロー』に繋がると
俺は踏んでいる〉
「そうすると宇宙は、ギレン兄さん、
ドズル兄さん、キシリア姉さんか。」
〈ある程度の対策と新兵器の開発も
宇宙はひと段落したからな、
今度は地上のテコ入れだよ〉
「え?」
〈俺はマ・クベのオデッサに降りる〉