0079 8月某日
サイド7宙域
「デニム、ドズル閣下からの
作戦見直しは本当だ。」
くそ少佐から言い渡されたのは
『待機命令』
けっ、連中がMSを造ってるのはもう
解り切ってる事なんだ
簡単な話だ 『連邦のMSを撃破する』
それだけなのに
▽
(ふむ、ドズル閣下だけで無く、
例の『コイズミ副総帥』からも
人員見直しと)
「このマニュアルか。」
『MSを降りずに偵察する』
この書類に付随して
ザクスナイパーで使用されている
『ガンカメラ』なる装備が着いて来た
ザクのモノアイより5倍ほど高性能らしい
試しに演習で
デニムとジーンを相手に
デブリ地帯で発見訓練をする、
まぁ、見つからないと思った自分を恥じたかった
「これは・・・恐ろしい目だな。」
どんなMSでも『起動中は熱がでる』
そして宇宙空間では熱は常に拡散し広がる
どんなデブリに隠れていても
僅かな熱量を検知し
すぐさま解析、正確な映像へ切り替わる
距離にして150km
これだけ離れていながら僅かな熱量で発見される
艦艇ならギリギリ対処出来るが
MSの索敵範囲は精々10~20km
「しかし、コロニー内部を見るには
些か過剰な気がするな。」
ファルメルの士官室で書類を読み返す
「なるほど、
コロニーに住んで居ながら
コレは知らなかったな。」
よくある解説では
遠心力を応用しミノフスキー粒子も噛んでいる程度しか
コロニーの重力を知らなかったのだ
つまり『円筒形の中心部は無重力』だと
「最小限の機体制御なら
熱探知もされにくい上に『夜』
なるほど、これなら練度の低い小隊でも
完遂できるな。」
そう、そう『思ってしまった』
▽
訓練を何度か行い
9月17日 深夜
普通の人間は24時には眠っている時間だ
コクピットの時計は0:00に
「いいか、これよりサイド7に侵入
連邦の軍事施設の偵察を行う
メンテナンスデッキから進入し
ザク一機を退路確保に残し、
残りの4機で工業区画と
住居区画の深部まで偵察する。」
「ほかの区画は良いんですかい?」
「事前の内通者からの情報では
怪しいのはそこらしい、
まぁ、ガンカメラの索敵範囲なら
見通せる範囲だ、問題はない。」
「そうかよ。」
「ジーン!」
「けっ。」
「・・・各員、搭乗、
以後の通信は接触通信とし、
作戦失敗時は速やかに撤退、
その情報を持ち帰る事が最大の戦果だと心得よ。」
シャア・アズナブルは
一抹の不安を抱えた
余計な事をしなければ良いと
その願いは叶わなかった
▽
同刻
オデッサ基地
「私が一体何をしたと言うのだね?」
「贋作倉庫を調べさせろと言っただけだ。」
「はっ、貴様程度の人間が
『陶器』の音の良さがわかるまい!」
(ま、日本人でいて、
元は作っていた俺からにしちゃ
良くもまぁこんだけ贋作が出回ってるわ)
と、思う
「マ・クベ。」
「そ、それはっ!?」
「あぁ、正真正銘の
『ジャパン』から取り寄せた本物だ。」
流石に素手は勘弁なので
手袋を着けさせる
「なっ・・・なんと言う音色だ。」
「マ・クベ、
収集するなとは言わない、だが、
『一度たりとも自分で作った事はあるまい』」
「つ、作るだと?」
「まぁ、今じゃないが
その内『ジャパン』に観光へ行こう、
『本物を見せてやる』」
よし、コレで、マさんは取り込める
後は徹底的に巨大基地化だな