「ルナツー・海兵隊、
シーマ・ガラハウ大佐からです。」
「ふむ、動こう。」
若干やつれたシャア・アズナブルは
痛む腰をさすりながら
通信マイクを掴む
「ララァ・スン特務少尉、
申し訳ないが全員を集めてくれ、
ジャブローから
上がって来る地球連邦軍が居る、
それを、海兵隊と合同で叩く。」
『了解しました、大佐、
ほら、みんな、
《服を着て頂戴》お仕事よ?』
『くっ、体力には自信があったのだがな』
『はふぅ~、まだ夢心地ですね~』
『どうかんです、
しかし、おなさけだけでも
たっせるとか、総帥は
どこであのようなこういを
まなびになさったのでしょうか?』
通信機越しに、生々しい会話が
『シャア・アズナブルの周囲に漏れる』
(な、内蔵が痛い
ガルマめ、恨むぞ)
「ペズン全体へ、
これより、海兵隊と協力し、
ジャブローから上がって来る
連邦軍艦隊を叩く、
総員戦闘配置。」
視線は冷たいがここでの指揮官はシャアなのだ
▽
「姉御、ペズンより
『ニュータイプ部隊』が増援で出てくれるそうです。」
「ニュータイプ、か。」
「実際、どこまで出来るんですかね?」
「さぁね、私も出るよ。」
「艦はお任せを。」
「戦闘中に『ガイドビーコン』なんて出すなよ?」
「へ?へぇ、そりゃぁ当然ですが?」
「なんでだろうね、
この『リリーマルレーン』に
乗ってから、懐かしく思えちまう。」
「ありゃ、姉御もですか、
俺らもそうなんですよ。」
艦橋の全員が頷く
「ふむ、ま、今は奴らを叩く、
MS隊、MA隊、全機出撃!」
全員の『おうっ!!』
あぁ、これも懐かしく感じる、
なんでだろうねぇ?
▽
「第二宇宙速度、異常無し、
間も無く宇宙空間へ到達します。」
サラブレッドの艦橋は
緊張感に包まれていた
《ルナツーと共に
サイド3へ赴き、
サイド3・ムンゾへ直接
ルナツーをぶつけよ
そののち、月面基地へ移動し
月の掌握を進めろ》
確かに、コロニーを落とされた
しかし、《同じ事をしていいのか?》
サラブレッドの乗員達は思っていた
マゼラン級、サラミス級、
《トリビューン》《サラブレッド》
各艦艇には追加ブースターが括り付けられており
加速中のルナツーに追いつく為
更にこれから加速するのだ
「っ?!ミノフスキー粒子増大!!
現在、加速中に付き、
MSは発艦できません!!」
そりゃそうだ
《慣性の法則で
同じ速度で居られればいいが》
今は加速中
飛び出した途端
弾かれるか
弾かれずに、置いて行かれるかの二つだ
『こちらサラミス665
708と、334で離脱、
貴官らを援護します』
「よさんか!減速中にやられるぞ!!」
キルスティン・ロンバートが叫ぶも
「ダメです、
既に減速を開始、通信、切れます!!」
『サラブレッド、後は頼んだぞ!』
「っ~、全艦加速を継続!!ルナツーへ!!」
▽
「決死の覚悟って奴だね。」
第二宇宙速度からの急減速は
下手をすれば『船体』が折れるのだから
「全機、向かって来る奴らを
しっかり相手してあげな、
彼らの思いを、真正面から
『撃ち崩してやるんだ』」
自機の加速に合わせて
各機も加速を始める
「きちんと記録しといてやるよ、
それがアンタ達への手向けだよ。」
▽
「海兵隊より入電、
サラミスが3隻離脱するも
残りはルナツーへ張り付いたそうです。」
「間に合わなかったか、
ルナツーとの速度差は?」
「今から加速しても
月軌道ですね。」
「構わん、加速を始めてくれ。」
「了解、航行用ブースター点火、
第三宇宙速度へ加速を始めます。」
「大佐。」
「ら、ララァ?」
その目は《時間が出来たのだから、ね?》
少女とはなんだったのだろう
シャアは、男とは
生きづらい生き物なのだな、と
現実から目を反らしたかった