どうせなら勝ちたい   作:扶桑畝傍

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ジャブロー地下

秘匿研究区画

「そっちはどうだ?」
「今は安定してる、
 検体の健康状態は良好
 刷り込み映像も問題ないよ。」
「違う違う、
 《クローン素体》の方、
 この間も
 《一部が覚醒して暴れたじゃないか》」
「あぁ、それは破棄したよ、
 さっさと次を作った方が良い。」
「まぁ、そうだな。」
「それにしても。」

レビル将軍のクローンで作るとか
クルスト・モーゼス博士も
大分おかしいよね

「ま、脳科学を研究する俺達には
 丁度いい検体と素材が手に入るから
 別に良いだろ?」

人の扱いしなくていいって、言われてるし

「だね。」



時間と勝負 11月17日 夜

 

ホワイトベースに矢次に入る情報は

ブライトや、テム大尉、

オスカー、マーカーだけでは

捌き切れなかった

 

俺?

コンソールと睨めっこしてます

 

兎に角、艦艇をかき集めないと

《現地住民と家畜》を載せきれない

 

現状で出せる船は

各拠点からどんどん出発済みの連絡と、

往復日数の報告

 

一番困ったのが

カナダから救援を申しだされた事だった

 

輸送船団を送るから使ってくれ、と

 

有難い反面、

《燃料問題がここで響いて来た》

 

サウジアラビア戦線の採掘施設を

軒並み吹き飛ばしたのがいけなかった

 

原油価格が歴史上最高額を毎日更新し

今度はフィンランド、

スウェーデン、ノルウェーが

燃料価格を抑えて欲しいと懇願

異常寒波の影響で

暖房費用が跳ね上がった

 

カナダから派遣される艦艇は《全て旧来の石油燃料船》

 

つまり、最低でも一往復分の燃料を

かき集めなければいけない

 

ジオン公国軍は核融合炉がそこら中にある関係で

ほとんどのトラック・車はエレカ

電気で動いている

 

最近ではザクⅡの胴体だけ残して

《ザクⅡ発電所》として、使う始末

 

《旧来の石油》は

地球連邦軍が、今回のオデッサ作戦に置いて

かき集め、買い叩かれた関係で

今でも僅かに採掘している会社や施設からは

《売れない》と言われ、困っていた

 

「どこから燃料を・・・。」

 

生き残っている端末・ネットワークを

片っ端から検索して行く

 

「あった、嘘だろ?

 まだ、出てるのか?」

 

そう、その施設を持つのは《ジャパン》

しかし、直ぐに使える物では無い

んな事はどうでも良い

 

「ジャパン政府に繋いでくれ!!」

 

水分を多く含んだ原油

つまり、ジオン公国の科学力を

結集出来る今なら

『原油』だけを抽出するなんて

朝飯前の片手間で出来る!!

 

 

ジャパンの勇士団体がすぐさま現地で

採掘を進めてくれるとの事

 

そして、ソロモンから分派したコロンブス級で回収

それを精錬する為に

他のコロンブス級の中を改装、

分離施設、精製施設、貯蔵タンクと分け

早ければ10日で

『一往復分は確保出来る計算になった』

 

「よし、

 後は、大西洋の

 『ジオン水泳部』が

 どれだけ連邦軍の潜水艦を

 排除出来るかに掛かっているか。」

 

幾ら制海権をとっても

大西洋は、でかい

 

「エルラン中将に任せた戦艦群に

 対潜VLS改装、いや、それじゃ

 時間が足りない。」

 

イギリス・ポーツマスに停泊しているが

対潜水艦火力はほぼ無いと言って過言ではない

改装ドックは全力稼働出来るって報告は来ている

 

「そうだっ!!」

 

ジャパンの技術者に

《あの漫画を保管している奴が居た筈だ!!》

 

ホワイトベースから飛び出そうとして

ずっこけた所を捕まり

ベッドに縛り付けられた

 

「え、ちょ、

 どうしても彼に会って確認したい事があるんだけど。」

「額の傷、また血が拭いてるぞ?」

 

あ 触るとべっとりと真っ赤な血が付いた

 

「あちゃぁ。」

「まったく。」

 

治療を受けつつも

ブライトさんが技術者さんにアポを取ってくれ

すぐさま《その漫画をデータベース》に

起こしてくれることになった

 

「これは?」

「これは、主砲の砲弾を

 『垂直に海面に落とし』

 海中にいる潜水艦を

 『戦艦で攻撃できる様にした砲弾です』

 あくまで、漫画の空想と思われるかと思いますが、

 コレを素体に

 対・潜水艦用砲弾を

 『金属プリンター』で生成すれば、

 主砲を改装しなくても

 『戦艦が潜水艦への攻撃手段』を

 手に入れられます。」

「大昔の漫画家は

 空想とは言え、未来を見据えていたのかね?」

「テム大尉、

 今はこの空想に感謝しましょう、

 兎に角、

 シミュレーターを使って実験をぅっ!?」

 

お嬢が乗っかって来た

 

「やすまなきゃ、めっ!!」

「その子の言う通りだ、

 聞けば『2週間』は眠れていないとか?」

「え?ちょ、テム大尉?

 そのマスクはっ!?」

「ただの酸素マスクだよ。」

「噓だああぁあ~ぁ~・・・。」

 

「ねた?」

「あぁ、ぐっすり、

 最低でも6時間は眠れる

 MSパイロット用睡眠ガスだ、

 効果はアムロも良く知っている。」

「そぅ、だね。」

 

「君は、見掛けと年齢が合わないね?」

 

「安心したまえ、

 《私とて、今、この時間が愛おしい》

 アムロと、こんなに会話をして、

 更なる研究で意見を交換し合える、

 それだけでも《幸せなのだから》」

「アムロ君、後悔してたよ。」

「そう思われるだけの父で在れたなら

 まだ、いいさ、

 《私の記憶では

  アムロに撃たれて死んだのだからね》」

「っ?!」

「おっと、言わないでくれよ?

 《今のアムロが背負う事ではないからな》」

「わかった。」

 

 

父さん、ごめん、聞いてた

 

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